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第一階層の入口前でメイナーダが火の壁を消し、深層組三人が『傘』から飛び降りて個別に魔物を屠りつつ階層に入る。
ルキアス、ザネク、シャルウィの三人は入口前がクリアになってから深層組に続いた。
「砲台が倒れてる? 二基も!」
「みんな来たようだね。見ての通りさ」
フヨヨンはルキアスの声に応えたように見えて、砲台とは少しずれた場所を指差している。そこに目を向ければ、人だっただろう肉塊が転がっていた。
ルキアスはスンとなった。
「三人で回収してくれたまえよ。そっちにもあるからね」
フヨヨンが別の場所を指差すと、そこにも同様の肉塊があった。
「またぁ!?」
シャルウィが盛大に嘆いてみせる。
しかし嘆いたところで回収しなければ始まらない。フヨヨンが投げて寄越した帆布にくるんで入口近くに移動させた。
「次は砲台を立て直してくれたまえよ」
ルキアス、ザネク、シャルウィは倒れた砲台の停止を確認してから「せーの」で起こし、起動準備を整える。
「……絶対、違うよね」
ルキアスが不意にそんな事を口走る。
「え? 何が?」
「え? あっ! ごめん。ちょっと思い出した事があっただけ」
ルキアスはロマに言われた「兄弟がリーダーみたいなもんだろ」の言葉を思い出していた。
(ロマさんはああ言ったけど、こうしてフヨヨンさんに使われるばっかりなんだから、みんなのリーダーって感じじゃないよね)
砲台の準備が終わったところで深層組が引き上げ、砲台を起動する。
「ルキアス君、念のために砲台をもう二基追加するよ。砲塔の旋回範囲を狭めていたとは言え、三基だけじゃ心許ないようだからね」
少なくとも一基は魔物に倒されたようだと言う。
フヨヨンは既に四基作った後だからか、二基の砲台を短時間で作り上げた。この間にルキアスが『捏ね』上げていたアダマントに各魔法を『付与』し、砲台に組み込んで起動する。
「さすがに資材が心許なくなったから、彼らを送り届けたら一度ベクロテまで連れてってくれるかな?」
フヨヨンはマールとバッツの成れの果てを指し示した。
「おやすい御用です」
ルキアスは快諾した。ルキアスも拠点を構える場所の変更をキルシルセッカに伝えにベクロテまで行かなければならない。
暫く待って砲台に十分な火力があるのを確認した後、マールとバッツをザネクの『傘』に載せ、ザネク自身はルキアスの『傘』に乗ってラナファーベの町外れへと飛んだ。
「二人はダンジョンで見付かったよ。君達の捜し人か確かめられないかも知れないけどね」
フヨヨンは一同を出迎えたツアゾにマールとバッツを引き渡した。
「うっ……」
一応の検分を試みたツアゾは呻き声を出して顔を歪めた。
ルキアス、ザネク、シャルウィの三人は入口前がクリアになってから深層組に続いた。
「砲台が倒れてる? 二基も!」
「みんな来たようだね。見ての通りさ」
フヨヨンはルキアスの声に応えたように見えて、砲台とは少しずれた場所を指差している。そこに目を向ければ、人だっただろう肉塊が転がっていた。
ルキアスはスンとなった。
「三人で回収してくれたまえよ。そっちにもあるからね」
フヨヨンが別の場所を指差すと、そこにも同様の肉塊があった。
「またぁ!?」
シャルウィが盛大に嘆いてみせる。
しかし嘆いたところで回収しなければ始まらない。フヨヨンが投げて寄越した帆布にくるんで入口近くに移動させた。
「次は砲台を立て直してくれたまえよ」
ルキアス、ザネク、シャルウィは倒れた砲台の停止を確認してから「せーの」で起こし、起動準備を整える。
「……絶対、違うよね」
ルキアスが不意にそんな事を口走る。
「え? 何が?」
「え? あっ! ごめん。ちょっと思い出した事があっただけ」
ルキアスはロマに言われた「兄弟がリーダーみたいなもんだろ」の言葉を思い出していた。
(ロマさんはああ言ったけど、こうしてフヨヨンさんに使われるばっかりなんだから、みんなのリーダーって感じじゃないよね)
砲台の準備が終わったところで深層組が引き上げ、砲台を起動する。
「ルキアス君、念のために砲台をもう二基追加するよ。砲塔の旋回範囲を狭めていたとは言え、三基だけじゃ心許ないようだからね」
少なくとも一基は魔物に倒されたようだと言う。
フヨヨンは既に四基作った後だからか、二基の砲台を短時間で作り上げた。この間にルキアスが『捏ね』上げていたアダマントに各魔法を『付与』し、砲台に組み込んで起動する。
「さすがに資材が心許なくなったから、彼らを送り届けたら一度ベクロテまで連れてってくれるかな?」
フヨヨンはマールとバッツの成れの果てを指し示した。
「おやすい御用です」
ルキアスは快諾した。ルキアスも拠点を構える場所の変更をキルシルセッカに伝えにベクロテまで行かなければならない。
暫く待って砲台に十分な火力があるのを確認した後、マールとバッツをザネクの『傘』に載せ、ザネク自身はルキアスの『傘』に乗ってラナファーベの町外れへと飛んだ。
「二人はダンジョンで見付かったよ。君達の捜し人か確かめられないかも知れないけどね」
フヨヨンは一同を出迎えたツアゾにマールとバッツを引き渡した。
「うっ……」
一応の検分を試みたツアゾは呻き声を出して顔を歪めた。
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