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488 水の色が変
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爆音が轟く。フヨヨンの使い捨て魔道具、そしてメイナーダの魔法だ。
そのものは爆発しないメイナーダの魔法で爆音が起こるのは、急激に熱せられることで樹木の水分さえ水蒸気爆発を起こしてしまうから。ましてやここは湿地。地上に溜まる水も一瞬に蒸発して爆発する。
シャルウィはまだ魔道具を一つも使えていない。フヨヨンやメイナーダほど『索敵』が使えず目視頼りなのでフヨヨンに出遅れる。捜索対象の三人が見付かっていないため、万が一にも巻き込んではいけないと慎重になっているせいもある。しかしこうして地上を凝視していたからそれに気付いたのだろう。
「あそこ、水の色が変じゃない?」
その指差す先には水が赤黒く濁った場所が在る。それもルキアス達がダンジョンまでの簡易的な道にした傍だ。
「……気になるから降りてみようじゃないか」
ザネクは『傘』を水の濁った場所まで下げる。
「水の上からじゃよく見えないね。着水できるかい?」
「やってみる」
ザネクは『傘』を少し縦長に変形させ、草の船を水に浮かばせるように慎重に『傘』の底を水に沈ませる。
すると『傘』の底を通して水底が見えた。
「ぎゃあああっ!」
シャルウィが水底を指差しながら悲鳴を上げた。
「可愛くない悲鳴だな……」
「だって、あんなのが在るなんて!」
「あんなの」とは半分だけ肉が残っているしゃれこうべ。半分削られたと言った方が適切か。腐っている様子は無いので彼は今日ここで死んだのだ。
「大方の予想とは違ってるけど、行方知れずの三人の内の一人に違いないね」
断定するには彼らを良く知る人物の確認が必要だ。しかしタイミング的にこれ以外に考えられない。もしも前日から沈んでいたのであれば、いくら『傘』で飛んで往復しているルキアスとザネクでも何らかの異変に気付いたことだろう。
「シャルウィ君、回収してくれたまえよ」
「あたしがぁ!?」
「そうだよ。ボクは君が回収している間、魔物や獰猛な魚を対処しなきゃいけないからね」
「うう……」
シャルウィはしぶしぶながら頷いた。ザネクが『傘』、フヨヨンが防衛は動かせないのでシャルウィが対応するしかない。
シャルウィとフヨヨンが『傘』から降りる。
「そのまま運ぶのはアレだから、この布を使ってくれて構わないからよ」
フヨヨンはシャルウィに帆布を手渡した。
シャルウィは『水魔法』で水を避け、遺体を露出させる。
「うぷっ……」
吐き気を催して顔を背けた。
「早くしてくれたまえよ」
「うう……」
シャルウィは吐き気を堪え、遺体に布を掛けて巻き付けつつ引き上げる。
ここで吐き気を堪えられなくなった。
「もっと精進したまえよ」
フヨヨンは嘆息しつつ、遺体に紐を掛けた。
そして遺体を『傘』からぶら下げて運びつつ、三人はタイラクの居る方へと戻った。
そのものは爆発しないメイナーダの魔法で爆音が起こるのは、急激に熱せられることで樹木の水分さえ水蒸気爆発を起こしてしまうから。ましてやここは湿地。地上に溜まる水も一瞬に蒸発して爆発する。
シャルウィはまだ魔道具を一つも使えていない。フヨヨンやメイナーダほど『索敵』が使えず目視頼りなのでフヨヨンに出遅れる。捜索対象の三人が見付かっていないため、万が一にも巻き込んではいけないと慎重になっているせいもある。しかしこうして地上を凝視していたからそれに気付いたのだろう。
「あそこ、水の色が変じゃない?」
その指差す先には水が赤黒く濁った場所が在る。それもルキアス達がダンジョンまでの簡易的な道にした傍だ。
「……気になるから降りてみようじゃないか」
ザネクは『傘』を水の濁った場所まで下げる。
「水の上からじゃよく見えないね。着水できるかい?」
「やってみる」
ザネクは『傘』を少し縦長に変形させ、草の船を水に浮かばせるように慎重に『傘』の底を水に沈ませる。
すると『傘』の底を通して水底が見えた。
「ぎゃあああっ!」
シャルウィが水底を指差しながら悲鳴を上げた。
「可愛くない悲鳴だな……」
「だって、あんなのが在るなんて!」
「あんなの」とは半分だけ肉が残っているしゃれこうべ。半分削られたと言った方が適切か。腐っている様子は無いので彼は今日ここで死んだのだ。
「大方の予想とは違ってるけど、行方知れずの三人の内の一人に違いないね」
断定するには彼らを良く知る人物の確認が必要だ。しかしタイミング的にこれ以外に考えられない。もしも前日から沈んでいたのであれば、いくら『傘』で飛んで往復しているルキアスとザネクでも何らかの異変に気付いたことだろう。
「シャルウィ君、回収してくれたまえよ」
「あたしがぁ!?」
「そうだよ。ボクは君が回収している間、魔物や獰猛な魚を対処しなきゃいけないからね」
「うう……」
シャルウィはしぶしぶながら頷いた。ザネクが『傘』、フヨヨンが防衛は動かせないのでシャルウィが対応するしかない。
シャルウィとフヨヨンが『傘』から降りる。
「そのまま運ぶのはアレだから、この布を使ってくれて構わないからよ」
フヨヨンはシャルウィに帆布を手渡した。
シャルウィは『水魔法』で水を避け、遺体を露出させる。
「うぷっ……」
吐き気を催して顔を背けた。
「早くしてくれたまえよ」
「うう……」
シャルウィは吐き気を堪え、遺体に布を掛けて巻き付けつつ引き上げる。
ここで吐き気を堪えられなくなった。
「もっと精進したまえよ」
フヨヨンは嘆息しつつ、遺体に紐を掛けた。
そして遺体を『傘』からぶら下げて運びつつ、三人はタイラクの居る方へと戻った。
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