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487 先にはっきり
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水の中から這い出した魔物は二桁に達した。逃げた町人達は遠くから主にタイラクの様子を窺っている。
「先にはっきりさせておかないといけないね」
フヨヨンが皆を集めるように手招きする。
「この町に拠点を設けるのは諦めて別の場所に行くってことでいいかい?」
「うん。あたしもそれがいいと思う。あの人達って感じ悪いから」
シャルウィが真っ先に賛成するが、ルキアスは首を傾げた。
「だけど拠点の話って今することなんですか?」
「そりゃ、ここに住まないなら出し惜しみ無しで行けるだろ? ここの連中に変に警戒されたり怯えられて住み難くなるかも、なんて気を使う必要無くなるからな」
「あー、そっか……」
ルキアスは自らやザネクが『傘』で飛べることやメイナーダの魔法の威力を他人に覚られないようにと考えるあまり、何のためにそうしているのか忘れかけていた。住むつもりが無ければ住み辛くなっても構わないのだ。
一同が納得したところで拠点を別の場所に移す合意はなった。
「それじゃ、タイラクはここを頼むよ。ルキアス君とメイナーダの組と、ザネク君とシャルウィ君とボクの組に分かれてここからダンジョン周辺までの魔物を焼いた後でダンジョンに行ってみるよ」
皆が頷き、ルキアスも一瞬首を傾げた後で頷いた。それぞれに分かれ、ルキアスとザネクが『傘』を出して乗り込んだら、直ぐに発つ。町の方でどよめきが起きるのはもう気にしない。
「ちょっと気になったんですが、ダンジョンに直ぐに行かなかったのはどうしてです?」
ルキアスは飛び立ってから首を傾げた原因をメイナーダに尋ねた。ダンジョンから魔物が溢れ出すなら、出口で待ち構えて倒した方が簡単だと思えたのだ。
「あの時はもう魔物が何体外に出たのか判らなかったからよ。捜索が必要だったりで派手な魔法を控えようとしてたから、真っ直ぐダンジョンに向かって行き違いになったら町が魔物に襲われかねないわ」
「……もしそうなった時に文句を付けられるのはぼく達ってことですね」
「残念なことにね」
ルキアスはメイナーダが過去に似たような経験があるのだと察した。そしてその経験は慣れるようなものではないのだろう。
「さあ、シャルウィ君も手伝ってくれたまえ。ピンを抜いた後、真ん中のボタンを押して投げればいいだけだからね」
フヨヨンはシャルウィに小さなキューブ型で使い捨ての魔道具を手渡した。魔道具にはピンとボタンが付いていて、ピンが安全装置になっている。
「そろそろ始めるわよ」
「そろそろ始めるよ」
メイナーダとフヨヨン、シャルウィは図らずもほぼ同時に魔物への攻撃を始めた。
「先にはっきりさせておかないといけないね」
フヨヨンが皆を集めるように手招きする。
「この町に拠点を設けるのは諦めて別の場所に行くってことでいいかい?」
「うん。あたしもそれがいいと思う。あの人達って感じ悪いから」
シャルウィが真っ先に賛成するが、ルキアスは首を傾げた。
「だけど拠点の話って今することなんですか?」
「そりゃ、ここに住まないなら出し惜しみ無しで行けるだろ? ここの連中に変に警戒されたり怯えられて住み難くなるかも、なんて気を使う必要無くなるからな」
「あー、そっか……」
ルキアスは自らやザネクが『傘』で飛べることやメイナーダの魔法の威力を他人に覚られないようにと考えるあまり、何のためにそうしているのか忘れかけていた。住むつもりが無ければ住み辛くなっても構わないのだ。
一同が納得したところで拠点を別の場所に移す合意はなった。
「それじゃ、タイラクはここを頼むよ。ルキアス君とメイナーダの組と、ザネク君とシャルウィ君とボクの組に分かれてここからダンジョン周辺までの魔物を焼いた後でダンジョンに行ってみるよ」
皆が頷き、ルキアスも一瞬首を傾げた後で頷いた。それぞれに分かれ、ルキアスとザネクが『傘』を出して乗り込んだら、直ぐに発つ。町の方でどよめきが起きるのはもう気にしない。
「ちょっと気になったんですが、ダンジョンに直ぐに行かなかったのはどうしてです?」
ルキアスは飛び立ってから首を傾げた原因をメイナーダに尋ねた。ダンジョンから魔物が溢れ出すなら、出口で待ち構えて倒した方が簡単だと思えたのだ。
「あの時はもう魔物が何体外に出たのか判らなかったからよ。捜索が必要だったりで派手な魔法を控えようとしてたから、真っ直ぐダンジョンに向かって行き違いになったら町が魔物に襲われかねないわ」
「……もしそうなった時に文句を付けられるのはぼく達ってことですね」
「残念なことにね」
ルキアスはメイナーダが過去に似たような経験があるのだと察した。そしてその経験は慣れるようなものではないのだろう。
「さあ、シャルウィ君も手伝ってくれたまえ。ピンを抜いた後、真ん中のボタンを押して投げればいいだけだからね」
フヨヨンはシャルウィに小さなキューブ型で使い捨ての魔道具を手渡した。魔道具にはピンとボタンが付いていて、ピンが安全装置になっている。
「そろそろ始めるわよ」
「そろそろ始めるよ」
メイナーダとフヨヨン、シャルウィは図らずもほぼ同時に魔物への攻撃を始めた。
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