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361 位置指定
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ルキアスは試行錯誤しつつも『傘』の位置指定部を差し替えることに成功した。プリズムよりは楽だった。
早速試す。
「『傘』」
周りを歩いても『傘』は動かない。
(おお!)
『傘』に足を掛けても安定している。
(おおお!)
乗り込むのもスムーズだ。
(おおおお!)
これで格段に乗り降りし易くなる。
だがこれはまだまだ序の口だ。ルキアスはゆっくり動かしてみる。
最初は『傘』を差した地点を基点とする方角と距離で指定しようとしたルキアスだが、定義の組み替えが芳しくなかった上、途中で気付いた。最初の地点が見える場所ならともかく、離れてしまえば距離なんて判らなくなる。これは極めて危険な事だ。飛んでいる最中に突然『傘』が消失しかねない。それは墜落を意味する。だから『傘』の基点を動かすように調整した。
ともあれゆっくり動かす。……ゆっくり動かす。
「……」
全く加速しない。今まではゆっくり同じ調子で動かすだけで加速したが、改造後は同じやり方では加速しない。意図的に加速させなければならないようだ。
少し強めに動かしてみる。
「うあっ!」
後に引っ張られるようになって尻餅を搗いた。慌てて『傘』を止める。
「あわっ!」
今度は前につんのめる形になって、『傘』からも落ちそうになった。縁に掴まって事無きを得る。
「あっぶな……」
もしもぶっつけ本番で使っていたら激突死か転落死の運命を迎えたかも知れない。
(実験大事!)
ルキアスはまたのろのろと動かし始めた。
ルキアスは一日掛かりで改造後の『傘』をどうにか使える程度まで動かせるようになった。
壁にぶつかった場合の練習も繰り返し、のろのろ動いている時ならぶつかっても『傘』が砕けないようにもなった。
後は実際に使いながら慣れるしかない。
(一一階を探索する間に慣れるかな……)
ルキアスは少々自信が無かった。むしろ第一一階層の前に慣れなければならない気がした。
だから一旦浅い階層で練習してから第一一階層に望むことにする。
ともあれ見込みはあるので気持ちは晴れ晴れなルキアスだ。足取りも軽くダンジョンを出た。
「ルキアス」
呼び止めて来た相手はザネクだった。
早速試す。
「『傘』」
周りを歩いても『傘』は動かない。
(おお!)
『傘』に足を掛けても安定している。
(おおお!)
乗り込むのもスムーズだ。
(おおおお!)
これで格段に乗り降りし易くなる。
だがこれはまだまだ序の口だ。ルキアスはゆっくり動かしてみる。
最初は『傘』を差した地点を基点とする方角と距離で指定しようとしたルキアスだが、定義の組み替えが芳しくなかった上、途中で気付いた。最初の地点が見える場所ならともかく、離れてしまえば距離なんて判らなくなる。これは極めて危険な事だ。飛んでいる最中に突然『傘』が消失しかねない。それは墜落を意味する。だから『傘』の基点を動かすように調整した。
ともあれゆっくり動かす。……ゆっくり動かす。
「……」
全く加速しない。今まではゆっくり同じ調子で動かすだけで加速したが、改造後は同じやり方では加速しない。意図的に加速させなければならないようだ。
少し強めに動かしてみる。
「うあっ!」
後に引っ張られるようになって尻餅を搗いた。慌てて『傘』を止める。
「あわっ!」
今度は前につんのめる形になって、『傘』からも落ちそうになった。縁に掴まって事無きを得る。
「あっぶな……」
もしもぶっつけ本番で使っていたら激突死か転落死の運命を迎えたかも知れない。
(実験大事!)
ルキアスはまたのろのろと動かし始めた。
ルキアスは一日掛かりで改造後の『傘』をどうにか使える程度まで動かせるようになった。
壁にぶつかった場合の練習も繰り返し、のろのろ動いている時ならぶつかっても『傘』が砕けないようにもなった。
後は実際に使いながら慣れるしかない。
(一一階を探索する間に慣れるかな……)
ルキアスは少々自信が無かった。むしろ第一一階層の前に慣れなければならない気がした。
だから一旦浅い階層で練習してから第一一階層に望むことにする。
ともあれ見込みはあるので気持ちは晴れ晴れなルキアスだ。足取りも軽くダンジョンを出た。
「ルキアス」
呼び止めて来た相手はザネクだった。
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