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350 切ないね
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ボス部屋の外で歓声が上がった。
「最初はバタバタしてたが、手順が決まればあっさりじゃねぇか」
「あんなの見せられたら今までやってた手順が馬鹿馬鹿しくなるぜ」
「だが出番が無くなったら分け前も無くなるぞ?」
「おっと、そいつはヤバい」
「出番を作りゃいいさ。つっても、遠距離攻撃できなきゃか」
「遠距離ってーと、魔法に弓に銃か」
「魔法は使えねぇし、弓も今からじゃなぁ。ってことで銃になるな」
「銃で行けるのか?」
「七〇弾なら行けるだろ」
「さすがに割に合わんだろ」
「確かにな……」
二組の探索者達は腕組み考える。
「あ、その前に飛べなきゃどうしようもねぇぞ」
「それはルキアスに……、っと、もう直ぐお終いか」
「何だ? あの小僧はあんたらのパーティーに入ったんじゃないのか?」
「ああ。人を増やすべきか考えてたんで、一時的に入って貰っただけなんだ」
「じゃあ、俺らが誘っても構わないな?」
「そりゃ俺らは構わねぇが、ずっとは無理だと思うぜ。ルキアスには他に組みたいヤツが居るらしいからな」
「は? そんなヤツが居てどうしてあんたらのパーティーでやってたんだ?」
「そりゃあ、ルキアスにも思うところがあるんだろうさ」
「そう言うもんか?」
「そう言うもんだ」
「じゃあ、そっちは諦めて、飛び方でも教えて貰う方を頼むとするか」
「何を熱心に話し込んでるんだ?」
ネナイトだ。皆が話している間に宝箱を開けて戻って来た。
「お、何が出た」
「聞いて驚け」
ネナイトは不敵に笑う。
「最高級の剣だ!」
ネナイトがババーンと剣を掲げると、皆が「おおー」と歓声を上げる。だがデナンは直ぐに顔を嫌そうに歪めた。
「このタイミングで出るのかよ」
「え? 剣を待ってたんじゃないの?」
ルキアスにはデナンが嫌そうにする意味が見えなかった。
「そっちのパーティーと山分けだからな。剣は二つに分けられねぇし、だからって俺らに買い取るだけの金はねぇ。そっちのパーティーだってそうだろ?」
「確かに買い取りは無理だな」
買い取れる資金を持ち合わせているならボス戦を繰り返して装備を手に入れようとは考えないだろう。買った方が早い。だからこの剣は売って金銭に換えてパーティー間で折半するのが唯一の道になる。望んでいた筈の剣を手放さなくてはならないのだ。
「それは切ないね……」
「だろ?」
「そんな事より、ルキアスと言ったな? 俺はクランズだ。俺らに飛び方を教えちゃくれねぇか? 少しだが報酬も出すぜ」
「飛び方については俺らも教えて貰えねぇか?」
「あ、うん。それは構わないよ」
ルキアスはクランズとデナンの申し出に頷いた。
「最初はバタバタしてたが、手順が決まればあっさりじゃねぇか」
「あんなの見せられたら今までやってた手順が馬鹿馬鹿しくなるぜ」
「だが出番が無くなったら分け前も無くなるぞ?」
「おっと、そいつはヤバい」
「出番を作りゃいいさ。つっても、遠距離攻撃できなきゃか」
「遠距離ってーと、魔法に弓に銃か」
「魔法は使えねぇし、弓も今からじゃなぁ。ってことで銃になるな」
「銃で行けるのか?」
「七〇弾なら行けるだろ」
「さすがに割に合わんだろ」
「確かにな……」
二組の探索者達は腕組み考える。
「あ、その前に飛べなきゃどうしようもねぇぞ」
「それはルキアスに……、っと、もう直ぐお終いか」
「何だ? あの小僧はあんたらのパーティーに入ったんじゃないのか?」
「ああ。人を増やすべきか考えてたんで、一時的に入って貰っただけなんだ」
「じゃあ、俺らが誘っても構わないな?」
「そりゃ俺らは構わねぇが、ずっとは無理だと思うぜ。ルキアスには他に組みたいヤツが居るらしいからな」
「は? そんなヤツが居てどうしてあんたらのパーティーでやってたんだ?」
「そりゃあ、ルキアスにも思うところがあるんだろうさ」
「そう言うもんか?」
「そう言うもんだ」
「じゃあ、そっちは諦めて、飛び方でも教えて貰う方を頼むとするか」
「何を熱心に話し込んでるんだ?」
ネナイトだ。皆が話している間に宝箱を開けて戻って来た。
「お、何が出た」
「聞いて驚け」
ネナイトは不敵に笑う。
「最高級の剣だ!」
ネナイトがババーンと剣を掲げると、皆が「おおー」と歓声を上げる。だがデナンは直ぐに顔を嫌そうに歪めた。
「このタイミングで出るのかよ」
「え? 剣を待ってたんじゃないの?」
ルキアスにはデナンが嫌そうにする意味が見えなかった。
「そっちのパーティーと山分けだからな。剣は二つに分けられねぇし、だからって俺らに買い取るだけの金はねぇ。そっちのパーティーだってそうだろ?」
「確かに買い取りは無理だな」
買い取れる資金を持ち合わせているならボス戦を繰り返して装備を手に入れようとは考えないだろう。買った方が早い。だからこの剣は売って金銭に換えてパーティー間で折半するのが唯一の道になる。望んでいた筈の剣を手放さなくてはならないのだ。
「それは切ないね……」
「だろ?」
「そんな事より、ルキアスと言ったな? 俺はクランズだ。俺らに飛び方を教えちゃくれねぇか? 少しだが報酬も出すぜ」
「飛び方については俺らも教えて貰えねぇか?」
「あ、うん。それは構わないよ」
ルキアスはクランズとデナンの申し出に頷いた。
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