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322 ボス部屋
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ルキアスは明くる日も第一〇階層に行った。ザネクに勿体付けられたこともあって、ボスを見たくなったのだ。
「お前、また来たのか」
呆れたとばかりにルキアスに声を掛けて来たのは昨日も話し掛けて来たパーティーの男だ。
しかしルキアスからしてみれば……。
(今日も居るの?)
である。しかしそれを口にしない分別はある。
「……はい」
どうにか返事を返した後でざっと周囲を見回せば、昨日見た覚えのあるパーティーが並んでいる。
(ええ……)
ルキアスは一つ冷や汗を垂らした。そして推測する。
(ここのボスを専門にしてるのかな……? そんなに稼げるのかな……? あ、でもこんなに待ち時間が長いんじゃ、あんまり稼げないんじゃ? あー、何度か倒せば行けるのかな?)
と、そんな風に考え込んでいたら胡散臭そうな目で見られていた。目付きにかなり険がある。
「で、お前はボスに挑むつもりか?」
(わざわざ尋ねるってことは、やっぱり待ち時間が長くなるのを嫌ってるんだろうな……。相手の実力も判らないのに、下手に怒らせるのもまずいし)
些細な行き違いが元で殺し合いになってしまっては事だ。孤立無援だろうこの状況、生き残れる気がしないルキアスだ。
「ううん。今日は見物するだけのつもり。友人が一人じゃ無理だって言ってたから挑むのは見送りかなぁと」
「そっか。ならその辺で見てりゃいいさ。部屋には入るなよ」
「うん」
現金なもので、男は険を引っ込めて顎をしゃくった。
ルキアスは一つ頷いて、ボス部屋に入らないように気を付けながら中を覗く。待っているパーティーが中に入らないのには理由がある筈だ。皆までは聞いていないが、中に入っていたらボスが涌かなかったりするのだろう。
ボス部屋は奥行き幅共に歩いて一分くらいの広さがある。こんな部屋に出るのだから、かなりの巨体に違いない。
部屋の最も奥には少し凹んだ部分が在る。見方によっては祭壇に見えなくもない。
(宝箱が出るとしたらあそこだろうな)
もしもボスと一緒に宝箱が出現するとしても、ボスを避けて宝箱だけ取るのは無理な位置取りだ。
だがこの場合はボスを倒して初めて宝箱が出るのだろうと思われた。
「お前、また来たのか」
呆れたとばかりにルキアスに声を掛けて来たのは昨日も話し掛けて来たパーティーの男だ。
しかしルキアスからしてみれば……。
(今日も居るの?)
である。しかしそれを口にしない分別はある。
「……はい」
どうにか返事を返した後でざっと周囲を見回せば、昨日見た覚えのあるパーティーが並んでいる。
(ええ……)
ルキアスは一つ冷や汗を垂らした。そして推測する。
(ここのボスを専門にしてるのかな……? そんなに稼げるのかな……? あ、でもこんなに待ち時間が長いんじゃ、あんまり稼げないんじゃ? あー、何度か倒せば行けるのかな?)
と、そんな風に考え込んでいたら胡散臭そうな目で見られていた。目付きにかなり険がある。
「で、お前はボスに挑むつもりか?」
(わざわざ尋ねるってことは、やっぱり待ち時間が長くなるのを嫌ってるんだろうな……。相手の実力も判らないのに、下手に怒らせるのもまずいし)
些細な行き違いが元で殺し合いになってしまっては事だ。孤立無援だろうこの状況、生き残れる気がしないルキアスだ。
「ううん。今日は見物するだけのつもり。友人が一人じゃ無理だって言ってたから挑むのは見送りかなぁと」
「そっか。ならその辺で見てりゃいいさ。部屋には入るなよ」
「うん」
現金なもので、男は険を引っ込めて顎をしゃくった。
ルキアスは一つ頷いて、ボス部屋に入らないように気を付けながら中を覗く。待っているパーティーが中に入らないのには理由がある筈だ。皆までは聞いていないが、中に入っていたらボスが涌かなかったりするのだろう。
ボス部屋は奥行き幅共に歩いて一分くらいの広さがある。こんな部屋に出るのだから、かなりの巨体に違いない。
部屋の最も奥には少し凹んだ部分が在る。見方によっては祭壇に見えなくもない。
(宝箱が出るとしたらあそこだろうな)
もしもボスと一緒に宝箱が出現するとしても、ボスを避けて宝箱だけ取るのは無理な位置取りだ。
だがこの場合はボスを倒して初めて宝箱が出るのだろうと思われた。
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