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278 あれ?
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ルキアスが蒸気銃の改造に勤しんでいる間、ザネクは『傘』の強化に努めたらしい。シャルウィとエリリースはそれぞれに『冷却』をマスターし、アイスクリーム作りに励んでいたと言う。いつでも冷たいお菓子を食べられれば夏も快適だ。既に各種フレーバーに挑戦しているだとか。
そんな彼らに感心しつつ、ルキアスはまたまた試し撃ちへと出掛ける。ザネクもまた同行だ。シャルウィとエリリースはお互いのアイスクリームを食べ比べするのだと地下二階の炊事場へ行った。
試し撃ちの場はまた竹林。竹を束ねて的にする。
「この前より小さくなってないか?」
ザネクはルキアスが蒸気銃を取り出すなりそう尋ねた。横に並べて見比べなくても差が判る程の違いなのだ。
「うん。アダマントを薄く延ばして鉄に挟み込んでみたんだ」
「なるほどな」
ザネクはルキアスの前回の実験の様子を思い出して納得した。至近からの銃弾を受けてもビクともしないアダマントなら強度は十分と予想に難くない。
そんなザネクの見守る前、ルキアスは発射手順を一つずつこなす。手始めは動作確認も兼ねた三〇〇度の蒸気。引き金を引く。
パァン! と甲高い音を立てて銃から飛び出した弾丸は的に命中した。
ルキアスは安堵の息を大きく吐く。
「うん。問題なし!」
「これで終わりなのか?」
「ううん。まだまだこれからだよ」
答えたルキアスは次弾の発射手順をこなす。今度は一足飛びに三五〇度。引き金周りの軋みも無い。
引き金を引けば、先に倍する音を立てて弾丸が飛ぶ。弾丸は的を貫通した。
「的が薄くないか?」
「だね……」
ルキアスは的を四倍の厚さにした。ここまで厚くなれば殆ど箱形だ。そして使う竹の数も多くなりすぎて紐では結び切れず、竹の桟を四角く組んで枠にして竹筒を入れた。
「こんな風に厚くしたら的っぽくないや」
ルキアスはザネクと顔を見合わせて笑った。
そして再度三五〇度で試す。弾丸は的で最も奥になる竹に食い込んで止まった。
的の厚さを更に倍にして三六〇度、三七〇度、三八〇度と試し、三九〇度で試した時。
「あれ?」
「どうした?」
「三八〇度と三九〇度で威力が変わらなかったんだ」
「間違ったんじゃないか?」
「そうなのかな……」
しかし何度試しても、三八〇度で試した時以上に威力が上がることは無かった。
そんな彼らに感心しつつ、ルキアスはまたまた試し撃ちへと出掛ける。ザネクもまた同行だ。シャルウィとエリリースはお互いのアイスクリームを食べ比べするのだと地下二階の炊事場へ行った。
試し撃ちの場はまた竹林。竹を束ねて的にする。
「この前より小さくなってないか?」
ザネクはルキアスが蒸気銃を取り出すなりそう尋ねた。横に並べて見比べなくても差が判る程の違いなのだ。
「うん。アダマントを薄く延ばして鉄に挟み込んでみたんだ」
「なるほどな」
ザネクはルキアスの前回の実験の様子を思い出して納得した。至近からの銃弾を受けてもビクともしないアダマントなら強度は十分と予想に難くない。
そんなザネクの見守る前、ルキアスは発射手順を一つずつこなす。手始めは動作確認も兼ねた三〇〇度の蒸気。引き金を引く。
パァン! と甲高い音を立てて銃から飛び出した弾丸は的に命中した。
ルキアスは安堵の息を大きく吐く。
「うん。問題なし!」
「これで終わりなのか?」
「ううん。まだまだこれからだよ」
答えたルキアスは次弾の発射手順をこなす。今度は一足飛びに三五〇度。引き金周りの軋みも無い。
引き金を引けば、先に倍する音を立てて弾丸が飛ぶ。弾丸は的を貫通した。
「的が薄くないか?」
「だね……」
ルキアスは的を四倍の厚さにした。ここまで厚くなれば殆ど箱形だ。そして使う竹の数も多くなりすぎて紐では結び切れず、竹の桟を四角く組んで枠にして竹筒を入れた。
「こんな風に厚くしたら的っぽくないや」
ルキアスはザネクと顔を見合わせて笑った。
そして再度三五〇度で試す。弾丸は的で最も奥になる竹に食い込んで止まった。
的の厚さを更に倍にして三六〇度、三七〇度、三八〇度と試し、三九〇度で試した時。
「あれ?」
「どうした?」
「三八〇度と三九〇度で威力が変わらなかったんだ」
「間違ったんじゃないか?」
「そうなのかな……」
しかし何度試しても、三八〇度で試した時以上に威力が上がることは無かった。
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