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271 作り方知ってる?
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ダンジョンを出たルキアス達四人はダンジョンタワー地下一階の商店街に向かう。アイスクリームを作るにも材料が必要だ。
「ところで誰かアイスクリームってものの作り方知ってる?」
ルキアスはアイスクリーム自体をよく知らない。だから皆に尋ねるよりないのだ。
ところが三人が顔を見合わせる。
「あたしは食べるの専門よ」
「わたくしも残念ながら作り方については……」
ルキアスはザネクを見るが、肩を竦められた。
「俺が知ってるように見えるか?」
「見えないね……」
「何よ、誰も知らなかったの?」
「シャルウィだって知らなかったじゃない」
「そうよ。でもきっとミルクを凍らせればできる筈よ」
「違うと思うぜ?」
「そうですね。牛乳を凍らせただけだと水っぽくなると思います」
「だったら……」
三人の話を聞きながらルキアスの口の端が引き攣った。
(誰も作り方を知らないのにどうして作ろうなんて思った?)
ルキアスは声には出さないが疑問が一杯だ。小さく頭を振る。すると視界の端に物陰から仲間に入りたそうに頭を突き出している女探索者の姿が見えた。
「あ! ぼく、ちょっと作り方を誰か知らないか心当たりを聞いて来るね!」
「お、おう?」
ルキアスは問い質される前にスタコラと物陰から覗いていたリュミアの方へと駆けて行く。リュミアはルキアスが動く寸前に顔を引っ込めたのでルキアス以外に見付かってはいないだろう。
果たしてリュミアはルキアスが見掛けた物陰に動かずに居た。ルキアスが覗き込むと恨みがましげな視線を向ける。
妙な可愛らしさにルキアスも苦笑するしかない。
「リュミアさん。リュミアさんはアイスクリームの作り方知りませんか?」
「誰も知らなかった……の?」
リュミアはこてんと首を傾げた。シャルウィが知ってそうに思ったらしい。
四人が何をしようとしていたかは把握済みだ。離れた場所に居ても聞き耳を立てる手段を持ち合わせている。しかしルキアスがそうであったのと同様に誰も口にしていない事は判らない。
「はい。みんな何一つ知らないみたいで……」
ルキアスはアイスクリーム自体が判らないと苦笑する。
「そうなの……ね? 作り方ならわたしが知ってる……わ」
「それじゃ、教えて貰えませんか?」
リュミアは少し考える素振りを見せたが、直ぐに顔を上げる。その表情にはどこか浮き立つ感がある。
皆に混じりたいが混じって良いものか逡巡しただけだったのだ。
「引き受けた……わ」
「良かったぁ」
ルキアスは幾つかの意味で胸を撫で下ろした。
「ところで誰かアイスクリームってものの作り方知ってる?」
ルキアスはアイスクリーム自体をよく知らない。だから皆に尋ねるよりないのだ。
ところが三人が顔を見合わせる。
「あたしは食べるの専門よ」
「わたくしも残念ながら作り方については……」
ルキアスはザネクを見るが、肩を竦められた。
「俺が知ってるように見えるか?」
「見えないね……」
「何よ、誰も知らなかったの?」
「シャルウィだって知らなかったじゃない」
「そうよ。でもきっとミルクを凍らせればできる筈よ」
「違うと思うぜ?」
「そうですね。牛乳を凍らせただけだと水っぽくなると思います」
「だったら……」
三人の話を聞きながらルキアスの口の端が引き攣った。
(誰も作り方を知らないのにどうして作ろうなんて思った?)
ルキアスは声には出さないが疑問が一杯だ。小さく頭を振る。すると視界の端に物陰から仲間に入りたそうに頭を突き出している女探索者の姿が見えた。
「あ! ぼく、ちょっと作り方を誰か知らないか心当たりを聞いて来るね!」
「お、おう?」
ルキアスは問い質される前にスタコラと物陰から覗いていたリュミアの方へと駆けて行く。リュミアはルキアスが動く寸前に顔を引っ込めたのでルキアス以外に見付かってはいないだろう。
果たしてリュミアはルキアスが見掛けた物陰に動かずに居た。ルキアスが覗き込むと恨みがましげな視線を向ける。
妙な可愛らしさにルキアスも苦笑するしかない。
「リュミアさん。リュミアさんはアイスクリームの作り方知りませんか?」
「誰も知らなかった……の?」
リュミアはこてんと首を傾げた。シャルウィが知ってそうに思ったらしい。
四人が何をしようとしていたかは把握済みだ。離れた場所に居ても聞き耳を立てる手段を持ち合わせている。しかしルキアスがそうであったのと同様に誰も口にしていない事は判らない。
「はい。みんな何一つ知らないみたいで……」
ルキアスはアイスクリーム自体が判らないと苦笑する。
「そうなの……ね? 作り方ならわたしが知ってる……わ」
「それじゃ、教えて貰えませんか?」
リュミアは少し考える素振りを見せたが、直ぐに顔を上げる。その表情にはどこか浮き立つ感がある。
皆に混じりたいが混じって良いものか逡巡しただけだったのだ。
「引き受けた……わ」
「良かったぁ」
ルキアスは幾つかの意味で胸を撫で下ろした。
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