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247 安定には程遠い
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ルキアスは後方の警戒に専念していたお陰か、今日は昨日より疲れが少なかった。あくまで昨日と比べればだ。疲れていることに変わりはない。
「今日も疲れたねー」
ルキアスはダンジョンを出た所で伸びをした。ダンジョンを出るまでが探索なので、ここでやっと気を抜いたのだ。昨日は伸びをする余裕も無かったので精神力的には多少マシではある。
「三人でもまだ余裕が無いもんな」
リュミアは同行していても数には入れられない。もしもリュミアが手を出さざるを得ない危険な事態に陥れば、少なくともその日の探索は終了になる。そしてあまりに不甲斐なければいつかのように探索を禁止されかねない。これを避けるためにも気は抜けない。
「エリリースはどう?」
「ま、まだまだ余裕ですわ!」
何を思ってエリリースがそう返事したのかはルキアスの想像の埒外だが、空元気なのは容易に見て取れた。エリリースの顔にも疲労の色がかなり濃い。
そう、顔色にも出ているようにエリリースはルキアスやザネクよりも疲れている。しかしエリリース自身は今日の探索で役に立った気がしていない。初日からこれで、更に体力的に付いて行けないようならパーティーメンバーから外されてしまうのではとの危機感が顔を覗かせていた。
気にしすぎであった。
「頼もしい限りだが、それでも俺達三人だけじゃまだまだ安定には程遠いな」
課題は全て索敵にある。魔物を見付けてしまえば第六階層の魔物はザネクの敵ではないし、ルキアスやエリリースも問題無く倒せる程度のものだ。だが不意に出て来られればその限りでなくなる。今日も幾度か危うかった。
防御を固めることも考えられるが、防御力を超える攻撃力を発揮されれば同じこと。事前に察知して避ける以上に有効な手は無い。
「まあ、俺は俺で考えてみるぜ。じゃあ、今日はお先にな」
「ザネク?」
ザネクが唐突に理由も言わずに帰って行く。ルキアスの呼び止める声にも後ろ向きに手を振って応えるだけだった。
「わたくし何かお気に障ることをしてしまったのでしょうか?」
エリリースは自分が強がりを言った直後だったためか、それが原因ではと疑った。
「違うと思うよ」
「そう……ね。ザネクは気に入らない事があったらはっきり言う子……よ」
リュミアもフォローした。
だがエリリースは今一つ納得しかねる様子であった。勿論気にしすぎだ。
翌朝。
「よう! 昨日はさっさと先に帰って悪かったな。あんまり遅い時間に行くのもアレだったんでな」
「もう、ルキアスも水臭いじゃないの。人手が必要ならあたしに声を掛けてくれれば良かったのよ」
ザネクの腕に自分の腕を絡ませながら、ゆるふわミディアム金髪の少女は言った。
「今日も疲れたねー」
ルキアスはダンジョンを出た所で伸びをした。ダンジョンを出るまでが探索なので、ここでやっと気を抜いたのだ。昨日は伸びをする余裕も無かったので精神力的には多少マシではある。
「三人でもまだ余裕が無いもんな」
リュミアは同行していても数には入れられない。もしもリュミアが手を出さざるを得ない危険な事態に陥れば、少なくともその日の探索は終了になる。そしてあまりに不甲斐なければいつかのように探索を禁止されかねない。これを避けるためにも気は抜けない。
「エリリースはどう?」
「ま、まだまだ余裕ですわ!」
何を思ってエリリースがそう返事したのかはルキアスの想像の埒外だが、空元気なのは容易に見て取れた。エリリースの顔にも疲労の色がかなり濃い。
そう、顔色にも出ているようにエリリースはルキアスやザネクよりも疲れている。しかしエリリース自身は今日の探索で役に立った気がしていない。初日からこれで、更に体力的に付いて行けないようならパーティーメンバーから外されてしまうのではとの危機感が顔を覗かせていた。
気にしすぎであった。
「頼もしい限りだが、それでも俺達三人だけじゃまだまだ安定には程遠いな」
課題は全て索敵にある。魔物を見付けてしまえば第六階層の魔物はザネクの敵ではないし、ルキアスやエリリースも問題無く倒せる程度のものだ。だが不意に出て来られればその限りでなくなる。今日も幾度か危うかった。
防御を固めることも考えられるが、防御力を超える攻撃力を発揮されれば同じこと。事前に察知して避ける以上に有効な手は無い。
「まあ、俺は俺で考えてみるぜ。じゃあ、今日はお先にな」
「ザネク?」
ザネクが唐突に理由も言わずに帰って行く。ルキアスの呼び止める声にも後ろ向きに手を振って応えるだけだった。
「わたくし何かお気に障ることをしてしまったのでしょうか?」
エリリースは自分が強がりを言った直後だったためか、それが原因ではと疑った。
「違うと思うよ」
「そう……ね。ザネクは気に入らない事があったらはっきり言う子……よ」
リュミアもフォローした。
だがエリリースは今一つ納得しかねる様子であった。勿論気にしすぎだ。
翌朝。
「よう! 昨日はさっさと先に帰って悪かったな。あんまり遅い時間に行くのもアレだったんでな」
「もう、ルキアスも水臭いじゃないの。人手が必要ならあたしに声を掛けてくれれば良かったのよ」
ザネクの腕に自分の腕を絡ませながら、ゆるふわミディアム金髪の少女は言った。
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