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241 二人では限界
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ルキアスとザネクは隠し部屋で宝箱を見付けた後、直ぐに探索を切り上げた。ダンジョンを出た後には反省会を兼ねて夕飯だ。
ルキアスはいつものようにラビット丼で、ザネクはオーク肉の生姜焼き定食だ。二人とも無言で瞬く間に完食した。
顔を見合わせて苦笑する二人。反省会はどこへやらなのだから。
「どうする? 俺はちょっと食い足りないんだが」
「ぼくもだね……」
ルキアスは自分で驚くほどに空腹だった。ザネクも同じで、今日は二人とも自分で思うよりも疲れていたらしい。
「そんじゃ、もう一杯行くか?」
酒を呑みに誘ってるような言い方だが、ザネクがしているのは夕食のおかわりの提案だ。
これにはルキアスも同意する他ない。
「行っちゃおう」
注文したのはルキアスがまたまたラビット丼、ザネクがクラーケンかつ定食だ。クラーケンかつは漁船で食べたクラーケン焼きと比べ遥かに柔らかく調理されていてすこぶる食べやすい。
二人はまた無言で半分ほどを平らげた。
「おっと、また全部食っちまうところだった」
ザネクがハッと気付いたように手を止めた。ルキアスも釣られて手を止める。
「危なかった……」
食べ終わった後で話し込んでいたら追い出されるところだ。
箸の動きをゆっくりにしながらルキアスは言った。
「思ったんだけど、第六階層って二人だけじゃきついよね?」
言い終わる頃には箸を遅くするのを待っていたかのように襲って来た眠気との戦いを余儀なくされたルキアスだ。こうまで疲れているのは今日の探索では緊張感を持続させなければならなかったためだろう。丁字路でホーンラビットからの襲撃を受けて以降、常に最大限で警戒した。第五階層まででも警戒していなかった訳ではないが、神経を磨り減らすまでには至っていない。
ザネクも欠伸を一つ。それから言葉を返す。
「確かにな。休憩してても気が休まらないのは痛い」
もう一人だけでも居れば一人ずつ交替で仮眠もできようが、二人だけだと難しい。もしも二人だけの探索で一方が仮眠に至った場合、魔物に急襲されても起こして貰うのを期待できない。見張り役には魔物対応が優先されるためだ。そうなったら不測の事態にも陥りかねず、陥らないようにするには仮眠に至らないように気を張っておく必要がある。
「誰か仲間を探さない?」
「そうだな……」
探すとしても誰でも良い訳ではない。ザネクは心当たりを思案するのだが……。
「でしたらこのわたくしがご一緒させていただきますわ!」
突然声が割り込んで来た。驚いたルキアスとザネクが振り向くと、もみあげ部分を縦ロールにしたブロンド、蒼玉のような瞳の少女が張った胸にてを添え、どや顔で佇んでいた。
ルキアスはいつものようにラビット丼で、ザネクはオーク肉の生姜焼き定食だ。二人とも無言で瞬く間に完食した。
顔を見合わせて苦笑する二人。反省会はどこへやらなのだから。
「どうする? 俺はちょっと食い足りないんだが」
「ぼくもだね……」
ルキアスは自分で驚くほどに空腹だった。ザネクも同じで、今日は二人とも自分で思うよりも疲れていたらしい。
「そんじゃ、もう一杯行くか?」
酒を呑みに誘ってるような言い方だが、ザネクがしているのは夕食のおかわりの提案だ。
これにはルキアスも同意する他ない。
「行っちゃおう」
注文したのはルキアスがまたまたラビット丼、ザネクがクラーケンかつ定食だ。クラーケンかつは漁船で食べたクラーケン焼きと比べ遥かに柔らかく調理されていてすこぶる食べやすい。
二人はまた無言で半分ほどを平らげた。
「おっと、また全部食っちまうところだった」
ザネクがハッと気付いたように手を止めた。ルキアスも釣られて手を止める。
「危なかった……」
食べ終わった後で話し込んでいたら追い出されるところだ。
箸の動きをゆっくりにしながらルキアスは言った。
「思ったんだけど、第六階層って二人だけじゃきついよね?」
言い終わる頃には箸を遅くするのを待っていたかのように襲って来た眠気との戦いを余儀なくされたルキアスだ。こうまで疲れているのは今日の探索では緊張感を持続させなければならなかったためだろう。丁字路でホーンラビットからの襲撃を受けて以降、常に最大限で警戒した。第五階層まででも警戒していなかった訳ではないが、神経を磨り減らすまでには至っていない。
ザネクも欠伸を一つ。それから言葉を返す。
「確かにな。休憩してても気が休まらないのは痛い」
もう一人だけでも居れば一人ずつ交替で仮眠もできようが、二人だけだと難しい。もしも二人だけの探索で一方が仮眠に至った場合、魔物に急襲されても起こして貰うのを期待できない。見張り役には魔物対応が優先されるためだ。そうなったら不測の事態にも陥りかねず、陥らないようにするには仮眠に至らないように気を張っておく必要がある。
「誰か仲間を探さない?」
「そうだな……」
探すとしても誰でも良い訳ではない。ザネクは心当たりを思案するのだが……。
「でしたらこのわたくしがご一緒させていただきますわ!」
突然声が割り込んで来た。驚いたルキアスとザネクが振り向くと、もみあげ部分を縦ロールにしたブロンド、蒼玉のような瞳の少女が張った胸にてを添え、どや顔で佇んでいた。
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