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194 第四階層
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ルキアスは第四階層に進出した。ザネクについては既に過ぎた階層だから進出には当たらないだろう。
第四階層も第二階層同様に入口から直ぐの部分は草原だ。広さもほぼ同じ。その草原より向こうには湿地が斑に広がっている。固い地面と緩い地面が入り交じっていて、気を付けなければ最悪底なし沼に足を取られかねない。
「離れた場所には湖も在るぞ」
「釣り竿を持ってれば良かったね……」
「いや、さすがに魚釣りじゃ生活が成り立たないだろ」
「あ、そっか」
ルキアスは小さく舌を出した。まあ、あまり可愛くはない。
「ところでここにはどんな魔物が?」
「小型のクロコダイルとメガフロッグだ。ワニと巨大なカエルだな」
全長が人の背丈に満たないワニと小型犬サイズのカエルで、クロコダイルは水の中から突然の噛み付きが、メガフロッグは舌で足を絡めて水の中に引き込もうとするのが特徴だ。またクロコダイルは魔石と肉と皮が、メガフロッグは魔石が売れる。しかし……。
「クロコダイルの肉と皮は売れなくはないが、嵩張る分だけ効率は悪いだろうな」
「そっか。一、二頭狩るだけで止めるなら全部持ち帰ればいいけど、数を狩ろうと思ったら捨てた方がいいんだね」
「お? ルキアス、やる気だな?」
「え? どうして?」
「クロコダイルを沢山狩るから捨てる心配してるんだろ?」
「え? あ! そうなるのか……。でもザネクが先に効率が悪いとか言ったんだよ!」
ルキアスはザネクが一般論を言っただけだと気付いて慌てて否定するが、ザネクは「捨てる心配をするくらいがいい」と笑った。
湿地に入ると途端に歩きづらくなる。草と水草の境界線が曖昧な場所が在り、固い地面と思って踏んでも水の上だったりする。
「うわっ!」
ルキアスの叫びと水音が同時に起きた。
「何やってんだ……」
ザネクは右半身を水に浸けた状態のルキアスを見、腰に手を当て呆れ顔をする。ザネクの真後ろに付いて行けば落ちる筈のない場所に落ちているのだから呆れもする。銃は左手で持っていたお陰で無事だから、ルキアスを引き上げるだけで憂いは無い。
「ご……」
ところがルキアスが「ごめん」と謝ろうとした刹那、ザネクの表情が緊張する。
「ルキアス! 早く上がれ!」
ザネクはルキアスの手を思いっきり引いて水の外へと引き上げる。その直後、ルキアスのものとは違う水音が響く。
ルキアスが振り向けば、ちょうどルキアスの足があった場所にワニの頭が鎮座していた。
第四階層も第二階層同様に入口から直ぐの部分は草原だ。広さもほぼ同じ。その草原より向こうには湿地が斑に広がっている。固い地面と緩い地面が入り交じっていて、気を付けなければ最悪底なし沼に足を取られかねない。
「離れた場所には湖も在るぞ」
「釣り竿を持ってれば良かったね……」
「いや、さすがに魚釣りじゃ生活が成り立たないだろ」
「あ、そっか」
ルキアスは小さく舌を出した。まあ、あまり可愛くはない。
「ところでここにはどんな魔物が?」
「小型のクロコダイルとメガフロッグだ。ワニと巨大なカエルだな」
全長が人の背丈に満たないワニと小型犬サイズのカエルで、クロコダイルは水の中から突然の噛み付きが、メガフロッグは舌で足を絡めて水の中に引き込もうとするのが特徴だ。またクロコダイルは魔石と肉と皮が、メガフロッグは魔石が売れる。しかし……。
「クロコダイルの肉と皮は売れなくはないが、嵩張る分だけ効率は悪いだろうな」
「そっか。一、二頭狩るだけで止めるなら全部持ち帰ればいいけど、数を狩ろうと思ったら捨てた方がいいんだね」
「お? ルキアス、やる気だな?」
「え? どうして?」
「クロコダイルを沢山狩るから捨てる心配してるんだろ?」
「え? あ! そうなるのか……。でもザネクが先に効率が悪いとか言ったんだよ!」
ルキアスはザネクが一般論を言っただけだと気付いて慌てて否定するが、ザネクは「捨てる心配をするくらいがいい」と笑った。
湿地に入ると途端に歩きづらくなる。草と水草の境界線が曖昧な場所が在り、固い地面と思って踏んでも水の上だったりする。
「うわっ!」
ルキアスの叫びと水音が同時に起きた。
「何やってんだ……」
ザネクは右半身を水に浸けた状態のルキアスを見、腰に手を当て呆れ顔をする。ザネクの真後ろに付いて行けば落ちる筈のない場所に落ちているのだから呆れもする。銃は左手で持っていたお陰で無事だから、ルキアスを引き上げるだけで憂いは無い。
「ご……」
ところがルキアスが「ごめん」と謝ろうとした刹那、ザネクの表情が緊張する。
「ルキアス! 早く上がれ!」
ザネクはルキアスの手を思いっきり引いて水の外へと引き上げる。その直後、ルキアスのものとは違う水音が響く。
ルキアスが振り向けば、ちょうどルキアスの足があった場所にワニの頭が鎮座していた。
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