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180 収支
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ルキアスの練習に真剣味が増した。弾丸のコストが気になった途端にで現金なものだが、現金が無ければ干上がってしまうのだからこれも必然だろう。遭遇するのがゴブリンやコボルトばかりだから尚更だ。
『鏡』が割れても直ぐには撃たない。相手が一頭ならその振り回す棒の間合いの外を維持するように間を空けつつ腰だめで銃の狙いを定めて引き金を引く。殆ど棍棒の間合いだからそれなりに中る。ただあまり悠長にはしていられない。ゴブリンの棒ならバックステップで避けられるものの、そうして移動した際に別のゴブリンに遭遇する場合もある。こうなったらもう相手が複数だ。複数ならもう逃げに徹する。複数同時では幾らかは牽制のための射撃が必要だから、弾丸数が心に重くのし掛かる。何せ数発撃つだけで赤字になってしまうのだ。赤字の狩りなんてしていられない。
遭遇するゴブリンやコボルトが単独か複数かは件数としてほぼ半々。となれば、最終的には逃げる方が多くなって収入もはかばかしくない。
(ヤバいな……)
何がヤバいかと言えば生活費だ。ゴブリンやコボルトばかりではホーンラビットを専門に狩るよりも利益が上がらない。かと言ってオーク狙いを止めては意味が無い。飛ぶガーゴイルを仕留めるには腰だめで斜め上に撃つ必要があるが、ルキアスが狩れる範囲でその角度になるのはオークの頭部のみなのだから。
(出て欲しい時には出ないよね……)
出て欲しくない時には大発生したオークが今はさっぱり出ない。勿論今大発生されても困るから無理のない範囲で出て欲しいのだ。
(だけどこうなったら赤字覚悟をするしかないか)
ルキアスはまずゴブリンやコボルトが二頭までなら狩りに挑むことにした。単独の相手なら一発で仕留められるところを二頭では三発、四発掛かる。
だがものは考えようだ。一頭ずつで収支を考えれば効率が悪く見える。しかし戦い一回ずつで考えればどうか。二頭で一〇発以上撃つのは論外として、五発以下に抑えれば戦闘一回当たりの収支はプラス。最悪六発か七発までなら収支がとんとんとなる。
二頭相手で幾度か手慣らしした後、ルキアスは三頭相手に挑んだ。そしてまた四頭に増やす。
結果的には赤字覚悟が黒字幅を増やすこととなった。
『鏡』が割れても直ぐには撃たない。相手が一頭ならその振り回す棒の間合いの外を維持するように間を空けつつ腰だめで銃の狙いを定めて引き金を引く。殆ど棍棒の間合いだからそれなりに中る。ただあまり悠長にはしていられない。ゴブリンの棒ならバックステップで避けられるものの、そうして移動した際に別のゴブリンに遭遇する場合もある。こうなったらもう相手が複数だ。複数ならもう逃げに徹する。複数同時では幾らかは牽制のための射撃が必要だから、弾丸数が心に重くのし掛かる。何せ数発撃つだけで赤字になってしまうのだ。赤字の狩りなんてしていられない。
遭遇するゴブリンやコボルトが単独か複数かは件数としてほぼ半々。となれば、最終的には逃げる方が多くなって収入もはかばかしくない。
(ヤバいな……)
何がヤバいかと言えば生活費だ。ゴブリンやコボルトばかりではホーンラビットを専門に狩るよりも利益が上がらない。かと言ってオーク狙いを止めては意味が無い。飛ぶガーゴイルを仕留めるには腰だめで斜め上に撃つ必要があるが、ルキアスが狩れる範囲でその角度になるのはオークの頭部のみなのだから。
(出て欲しい時には出ないよね……)
出て欲しくない時には大発生したオークが今はさっぱり出ない。勿論今大発生されても困るから無理のない範囲で出て欲しいのだ。
(だけどこうなったら赤字覚悟をするしかないか)
ルキアスはまずゴブリンやコボルトが二頭までなら狩りに挑むことにした。単独の相手なら一発で仕留められるところを二頭では三発、四発掛かる。
だがものは考えようだ。一頭ずつで収支を考えれば効率が悪く見える。しかし戦い一回ずつで考えればどうか。二頭で一〇発以上撃つのは論外として、五発以下に抑えれば戦闘一回当たりの収支はプラス。最悪六発か七発までなら収支がとんとんとなる。
二頭相手で幾度か手慣らしした後、ルキアスは三頭相手に挑んだ。そしてまた四頭に増やす。
結果的には赤字覚悟が黒字幅を増やすこととなった。
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