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170 弓店
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「それでもう弓は買ったの?」
「いや、今から見に行くところだ。ルキアスも見に来るか?」
「いいの? なら行きたい」
「じゃあ、一緒に行こうぜ」
ルキアスも一度は弓を使おうかと考えたのだ。全く興味が無い訳ではないし、知識を仕入れるのは吝かではない。
そんな訳でルキアスはザネクに付いて弓店へと行った。
ダンジョンタワー地下一階の各武器店はほぼ専門化していて弓もまた専門店になっている。ずらっと店舗の壁一面に弓が並べられている様子は壮観だ。ロングボウ、ショートボウにクロスボウ。やたらと長い弓もある。材質も金属、木材、木材のようで木材でない何か、そしてそれらの複合と様々に取り揃えられている。矢に至っては種類も数も数知れない。
「あの木みたいなの何だろう? 木じゃないよね?」
ルキアスは木のようで木でない見知らぬ何かで出来た弓を指差した。
「あれは竹だ」
答えたのはザネクではなかった。ルキアスが「あっ」と振り向けば、腕、特に左腕が妙に太い中年男が立っていた。エプロンをしているので店主だと予想は付いた。
「あ、あれが竹ですか……。話には聞いてたましたけど、見るのは初めてです」
故郷を旅立って直ぐの頃に運び屋さんに聞いただけだから随分昔のようでもある。
「面白い見た目だろ? 生えてるのを見たらもっと面白いぞ。ダンジョンの第一階層に生えてるから見に行ってみるといい」
「第一階層にですか?」
「大きい林は階層に入って右に真っ直ぐ行った辺りだな」
「近い内に行ってみます!」
「もう一ついい事を教えてやろう。竹の生え始めはタケノコって言って食えるぞ」
「ほんとですか!? それの食べ方って……」
ルキアスは食べ方まで聞こうとしたが、客はルキアスとザネクだけではない。
「おーい、この矢一〇〇本頼むぜ!」
「へい、毎度!」
店主は他の客の方へと行ってしまった。
そこに茶々を入れに来たのがザネクだ。直ぐ近くに居たから話は当然のように聞いている。
「ルキアスは食い気の方が勝るようだな」
「だって……」
蓄えが一気に減ったから節約できるものは節約したいルキアスだ。しかしそれを声高に主張するのはさすがに憚られた。
「それよりザネクは買う弓は決まったの?」
「一応な」
ザネクは壁に掛かる金属と木材の複合弓を指差した。
「いや、今から見に行くところだ。ルキアスも見に来るか?」
「いいの? なら行きたい」
「じゃあ、一緒に行こうぜ」
ルキアスも一度は弓を使おうかと考えたのだ。全く興味が無い訳ではないし、知識を仕入れるのは吝かではない。
そんな訳でルキアスはザネクに付いて弓店へと行った。
ダンジョンタワー地下一階の各武器店はほぼ専門化していて弓もまた専門店になっている。ずらっと店舗の壁一面に弓が並べられている様子は壮観だ。ロングボウ、ショートボウにクロスボウ。やたらと長い弓もある。材質も金属、木材、木材のようで木材でない何か、そしてそれらの複合と様々に取り揃えられている。矢に至っては種類も数も数知れない。
「あの木みたいなの何だろう? 木じゃないよね?」
ルキアスは木のようで木でない見知らぬ何かで出来た弓を指差した。
「あれは竹だ」
答えたのはザネクではなかった。ルキアスが「あっ」と振り向けば、腕、特に左腕が妙に太い中年男が立っていた。エプロンをしているので店主だと予想は付いた。
「あ、あれが竹ですか……。話には聞いてたましたけど、見るのは初めてです」
故郷を旅立って直ぐの頃に運び屋さんに聞いただけだから随分昔のようでもある。
「面白い見た目だろ? 生えてるのを見たらもっと面白いぞ。ダンジョンの第一階層に生えてるから見に行ってみるといい」
「第一階層にですか?」
「大きい林は階層に入って右に真っ直ぐ行った辺りだな」
「近い内に行ってみます!」
「もう一ついい事を教えてやろう。竹の生え始めはタケノコって言って食えるぞ」
「ほんとですか!? それの食べ方って……」
ルキアスは食べ方まで聞こうとしたが、客はルキアスとザネクだけではない。
「おーい、この矢一〇〇本頼むぜ!」
「へい、毎度!」
店主は他の客の方へと行ってしまった。
そこに茶々を入れに来たのがザネクだ。直ぐ近くに居たから話は当然のように聞いている。
「ルキアスは食い気の方が勝るようだな」
「だって……」
蓄えが一気に減ったから節約できるものは節約したいルキアスだ。しかしそれを声高に主張するのはさすがに憚られた。
「それよりザネクは買う弓は決まったの?」
「一応な」
ザネクは壁に掛かる金属と木材の複合弓を指差した。
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