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124 森へ
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森は遠くから見える程には鬱蒼としていない。木々の間を通して森の向こうが見えないだけだ。植生は第一階層の林同様に統一性が無い。違いがあるとすれば第一階層が一本毎にバラバラなのに対し、第二階層は一〇〇本、あるいは一〇〇〇本単位の固まりでバラバラなところか。
そんな森の中を歩きながら、ルキアスの口から誰に尋ねるともない言葉が漏れる。
「この階層って、どんな魔物が出るんだろう?」
「オーク以外はコボルトとゴブリンだ」
ザネクはルキアスの疑問を拾った。
「どっちも耳まで裂けた口を持った人型のヤツで、毛むくじゃらがコボルトでそうでないのがゴブリンと思えばいい。ここのはどっちも第一階層のホーンラビットより弱いくらいだから大したことないぜ」
「ホーンラビットより弱いんだ……」
「物陰からいきなり出て来るのは質が悪いがな」
と、その時の事。
「あ痛っ!」
「どうした?」
「何かが太股に当たって……」
ちょうど防具を着けていた箇所に衝撃を受けたのだ。何が当たったのかと下を見れば、二歳児くらいの大きさで二足歩行の気味の悪い魔物が牙を剥き出しにしていた。
そしてその魔物が手に持つ木の棒を振り上げる。
「うわっ!」
ルキアスは捻りを加えたジャンプで飛び退った。別に格好を付けたつもりは無い。太股を見下ろすのに身体を捻っていたからジャンプする方向がとっちらかったのだ。
見ていたザネクに苦笑が混じる。
「ゴブリンだ」
「これが!?」
口は耳まで裂けていて、常に笑っているように見える。その口から覗く牙はかなり鋭く、噛まれればかなり手傷を負わされそうだ。もしも木の棒で叩かれるのではなく噛まれていたら今日の探索はここで終わった筈だ。
(木の棒で叩かれただけで助かった!)
ところがそのゴブリンと来たら、ルキアスが気付いた後にはダンスでもするかのような足踏みをするばかりで襲って来ない。
「これ、何してるの!?」
「威嚇のつもりらしい。こっちにしてみれば隙でしかないがな」
わざと隙を作っているとしか思えない様子には作為さえ感じさせられる。
ザネクは一息に間合いを詰めて、ゴブリンの首を刎ねた。
「しかしちょっと油断しちまったな。こんなんじゃ兄ちゃんにお小言貰っちまう」
ザネクは渋い顔だ。
ルキアスはまだまだ気が緩んだままだったと、改めて気合を入れ直した。
そんな森の中を歩きながら、ルキアスの口から誰に尋ねるともない言葉が漏れる。
「この階層って、どんな魔物が出るんだろう?」
「オーク以外はコボルトとゴブリンだ」
ザネクはルキアスの疑問を拾った。
「どっちも耳まで裂けた口を持った人型のヤツで、毛むくじゃらがコボルトでそうでないのがゴブリンと思えばいい。ここのはどっちも第一階層のホーンラビットより弱いくらいだから大したことないぜ」
「ホーンラビットより弱いんだ……」
「物陰からいきなり出て来るのは質が悪いがな」
と、その時の事。
「あ痛っ!」
「どうした?」
「何かが太股に当たって……」
ちょうど防具を着けていた箇所に衝撃を受けたのだ。何が当たったのかと下を見れば、二歳児くらいの大きさで二足歩行の気味の悪い魔物が牙を剥き出しにしていた。
そしてその魔物が手に持つ木の棒を振り上げる。
「うわっ!」
ルキアスは捻りを加えたジャンプで飛び退った。別に格好を付けたつもりは無い。太股を見下ろすのに身体を捻っていたからジャンプする方向がとっちらかったのだ。
見ていたザネクに苦笑が混じる。
「ゴブリンだ」
「これが!?」
口は耳まで裂けていて、常に笑っているように見える。その口から覗く牙はかなり鋭く、噛まれればかなり手傷を負わされそうだ。もしも木の棒で叩かれるのではなく噛まれていたら今日の探索はここで終わった筈だ。
(木の棒で叩かれただけで助かった!)
ところがそのゴブリンと来たら、ルキアスが気付いた後にはダンスでもするかのような足踏みをするばかりで襲って来ない。
「これ、何してるの!?」
「威嚇のつもりらしい。こっちにしてみれば隙でしかないがな」
わざと隙を作っているとしか思えない様子には作為さえ感じさせられる。
ザネクは一息に間合いを詰めて、ゴブリンの首を刎ねた。
「しかしちょっと油断しちまったな。こんなんじゃ兄ちゃんにお小言貰っちまう」
ザネクは渋い顔だ。
ルキアスはまだまだ気が緩んだままだったと、改めて気合を入れ直した。
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