生活魔法は万能です

浜柔

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4 昼食

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 ルキアスの故郷の町タードから最も近い村には半日歩くだけで着く。ルキアスはこの村には一度来たことがあり、タードをこじんまりとさせたような印象を持った。目新しさが無かったのだ。
 ルキアスはこの町までの途中、乗り合いバスに追い越され、見送るのに一抹の切なさを覚えた。そこはかとない疲れまでもだ。全ては気分の問題ではあるのだが。

 乗り合いバスはダンジョンで発見された設計書を元に作られた。ダンジョンでは魔物が魔石の他、魔石を使って動く魔道具や、魔道具の設計書を落とす。そしてそれを元に様々な品物が製造されている。

 そして隣村に着いたルキアスは以前と同じように目新しさを感じなかった。歩いて半日程度しか離れていない町と村ではそうそう雰囲気が変わるものではないのである。
 ここから次の村までは少し遠く、歩いて一日掛かりになる。そのため、ベクロテの方へと向かう旅人の多くはこの村に泊まり、翌日の朝から次の村を目指す。しかしルキアスはできるだけ早くベクロテに行きたいがため、素通りする。

(どうせ野宿だからどこで泊まっても同じだもの。
 だから少しでも先に進みたい。
 まだ太陽は天頂を過ぎていないのだし)

 ただ、次の村からその次の村まで歩くも一日掛かりになるため、明日も同じように行動すれば野宿する場所も今晩と同じように村と村との間のどこかになると決定付けられる。
 それでもルキアスは進んだ。

 村を出て歩くこと暫し、太陽が天頂に差し掛かったところで休憩がてらの昼食。今日だけは母親に作って貰ったサンドイッチだ。
 適当な岩を探す。良さそうなのを見付け、岩に腰掛けたら『収納』から包みを取り出して開く。
 良い匂いがする。サンドイッチの切り口も覗いている。

「ハムが挟んである!」

 ルキアスは両親が農家を営んでいただけあって、ひもじい思いこそして来なかった。しかしそれは芋や野菜に不自由しなかっただけで、肉類はなかなか食べられなかったのだ。

(このサンドイッチはぼくのために奮発してくれたんだ)

 そう思い、目頭を熱くするルキアスである。

「美味しい」

 ハムの味が口いっぱいに広がる。

(よく噛み締めて味わおう)

 人心地付いたらまた出発である。
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