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第七話 対価-4
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エカテリーナは今、ボナレスの城館の前に立つ。
ハイデンからここまで来るのは帰還するボナレス兵の跡をつけることで容易だった。ハイデルフト領内ではボナレス兵への襲撃を続け、ボナレス領内へと入った途端に止めたことで、彼らの足も一際速くなった。
ボナレス伯爵が母と兄の命を奪った張本人なのはハイデンの様子から疑いようが無い。直接手を下したのが兵士であっても、軍を動かしたのは伯爵なのだ。母と兄の仇としては一番目に挙げられる。
だが、ボナレス伯爵の住む城はハイデンから遠いため、過去のエカテリーナは目の前から始めた。ハイデンに滞在する直接の仇、領主館を襲撃した兵士らを討つところからである。
そうして、既に母の仇らしき兵士は討ち取っている。酒場にて「ただ殺すには惜しかった」に始まり、おぞましいことを自慢話として語る兵士が居て、特定が容易だったのだ。
一方で兄については誰の仕業か判らないままでいる。ただ、兄がむざむざと討たれるとは思えないため、幾人かの兵士は道連れにしただろうと考える。そう考えるなら、兄の仇を無理に討つ必要もない。
だからボナレスの城館で一番に為すべきは、ボナレス伯爵を討つことである。
閉まったままの正面城門を擦り抜ける。城門の手入れは行き届いておらず、開け閉めの跡も見られない。長く閉められたままなのだ。代わりに使われるのは通用門だろう。
人気の薄い城館内はどこかくすんで見える。廊下の端に埃が積もっているところからして、碌に清掃されていないのだろう。壊れたまま長く放置されているのだろう部屋の扉も有る。明らかに維持するための人が足りていない。
ハイデルフト家の援助した金銭が有ればこの城館の維持は容易かった筈だ。その金銭はどこへ消えたのか。エカテリーナは甚だ疑問に思うばかりである。
ともあれ階段を通って上へ。客を迎えることによる必然と人の心理とが重なって、館の主の私的空間は上の階に有るのが普通だ。
最上階で階段に近い部屋を確かめる。物置だったらしく、がらくたが所狭しと置かれている。歪んだ壺、腐りかけの乾涸らびたウサギの足、人の頭ほどの大きさがあろうかと言うただの石などだ。精々呪いの意味しか無さそうな物も多数転がる。がらくたではないが、長い柄の付いたハサミ、前世の記憶に有る高枝切りばさみのようなものなどは、ここに置いていて何の役に立つのか解らない。解らないのは物置に使うには内装がしっかりした部屋なこともだ。
次の部屋には珍獣の剥製や枯れ草の鉢植え、その次には様々な装飾を施した遊具、そのまた次はまたもやがらくたが有った。剥製や遊具も見方次第ではがらくたでしかないのだから、がらくたに埋もれた部屋ばかりと言うことになる。
これでは嫌でも解る。ハイデルフト家からの援助はがらくたに消えていた。それも城館の体裁を整えるよりも先にがらくたに消えていたのだ。
あまりの腹立たしさに、却って笑いが溢れる。
更にがらくたに埋もれた二つの部屋を確かめ、次の埋もれるまでには至っていない部屋にボナレス伯爵は居た。数年前に援助の無心にハイデンを訪れたところを覗き見ただけだったが、服の上からも判るだらしない肉の弛みは見間違えようがない。
『どうやって殺してあげましょうか』
呟きつつ近付く途中、ふいに伯爵が振り返って目が合った。
気のせいだろうと更に近付けば、伯爵の目が限界まで見開かれ、顔が青ざめる。
「ハイデルフトの娘が何故ここに居る!?」
伯爵が叫ぶが、エカテリーナには覗き見た以外に会った憶えが無い。どうして自分のことを判るのかと不思議に思うばかりだ。
ここではたと気付く。伯爵の振る舞いは相手の姿が見えていなければあり得ないものだ。
『私の姿が見える方もいらっしゃるのですね』
「お前は確かに死んだ筈だ!」
声までは聞こえないのか、会話は成立しなさそうである。エカテリーナとて会話は望んでいない。
そして少し考える。もしかすると伯爵も処刑場に居たのかも知れない。それならば今の容姿を知っていても不思議ではない。処刑された時のまま着替えたくとも着替えられない衣裳も目印になったのだろう。
「く、来るなっ! 来ないでくれ!」
伯爵は叫び、顔を隠すように両手を振り回す。顔を背けながら目を瞑る。だが、見えないのも怖いようで、目を開けてエカテリーナを凝視する。そしてまた目を瞑っては目を開けてを繰り返す。エカテリーナの歩みに合わせて後退りもする。
その怯え方の凄まじさがエカテリーナには滑稽に映る。それでくすりと笑みを零せば更に伯爵が怯える。
ここでエカテリーナは気付いた。伯爵からは自分が奇妙な見え方をしているのではないかと。恐らく伯爵は霊のようなものが怖いのではないかと。がらくたの中に呪い品のようなものが多数含まれていたのはそのせいではないかと。
少し悪戯心を出し、処刑場で意識を取り戻した時の自分の姿を思い浮かべる。そう、頭と胴が別れて血塗れの姿だ。
すると視界が回った。幾度か回転して止まった後、ボナレス伯爵が横倒しになって見えた。
にたーっと笑い顔を作る。
「ぎゃあああ!」
伯爵がこの世のものとも思えない悲鳴を上げ、必死に逃げようとする。しかしこの時は既にバルコニーの手摺りに達していた。そこから先には足場など無い。
伯爵の身体がバルコニーの向こうへと踊り出す。
「ぎゃあああ!」
悲鳴が響き、鈍い音がそれに続いた。
伯爵には勝手に死なれてしまった形だが、エカテリーナの気分は悪くない。そうなる切っ掛けは与えたのだ。
ここでの用が終わったので部屋から出るべく振り返ると、幾人もの兵士がこの部屋に入って来ていた。彼らはボナレス伯爵と交渉するために来ていた帰還兵の代表なのだが、エカテリーナがそれを知るのは階下に降りてからのことだ。
部屋の中が俄に騒がしくなる。ボナレス伯爵が落ちたバルコニーに駆け寄る者、階下へ知らせに走る者などで騒然とする。その兵士らの目の前を通ってエカテリーナは階下に降りる。
階下では別の騒動も起きていた。伯爵の急死によって報酬についての交渉が宙に浮いてしまったが、帰還した傭兵達が「はい、そうですか」と聞ける話でもない。即時の報酬支払いを求め、険悪な雰囲気で衛兵と対峙する。
そこでエカテリーナは衛兵の一人からナイフを抜き取り、傭兵の一人に突き刺した。致命傷には至らなかったが、衛兵の仕業と思ったらしいその傭兵が剣を抜く。
殺し合いに発展する中、エカテリーナは高笑いで城館を後にした。
◆
脱走したボナレス兵の殆どはハイデンに舞い戻った。呪いなど信じておらず、以前と同じように商店から商品を奪えると信じてのことだ。だが、彼らを狙うのは呪いばかりではない。ハイデンにて俄に組織された自警団によって次々と討伐された。
その自警団が組織された裏にとある女盗賊やとある紳士の姿があると噂されるが、定かではない。
◆
また後日、ボナレス伯爵の死が近隣に伝えられる。
雇った傭兵への報酬を踏み倒そうとしたことから傭兵達から襲撃され、殺される直前に塔から身を投げたと言う。その時、ボナレス伯爵は「ハイデルフトの娘が何故ここに居る!?」と叫んだとも言うが、その娘の姿を見た者は誰も居なかった。
だが、このことを切っ掛けに、呪いを為すものとしてエカテリーナの名前が囁かれるようにもなっていった。
ハイデンからここまで来るのは帰還するボナレス兵の跡をつけることで容易だった。ハイデルフト領内ではボナレス兵への襲撃を続け、ボナレス領内へと入った途端に止めたことで、彼らの足も一際速くなった。
ボナレス伯爵が母と兄の命を奪った張本人なのはハイデンの様子から疑いようが無い。直接手を下したのが兵士であっても、軍を動かしたのは伯爵なのだ。母と兄の仇としては一番目に挙げられる。
だが、ボナレス伯爵の住む城はハイデンから遠いため、過去のエカテリーナは目の前から始めた。ハイデンに滞在する直接の仇、領主館を襲撃した兵士らを討つところからである。
そうして、既に母の仇らしき兵士は討ち取っている。酒場にて「ただ殺すには惜しかった」に始まり、おぞましいことを自慢話として語る兵士が居て、特定が容易だったのだ。
一方で兄については誰の仕業か判らないままでいる。ただ、兄がむざむざと討たれるとは思えないため、幾人かの兵士は道連れにしただろうと考える。そう考えるなら、兄の仇を無理に討つ必要もない。
だからボナレスの城館で一番に為すべきは、ボナレス伯爵を討つことである。
閉まったままの正面城門を擦り抜ける。城門の手入れは行き届いておらず、開け閉めの跡も見られない。長く閉められたままなのだ。代わりに使われるのは通用門だろう。
人気の薄い城館内はどこかくすんで見える。廊下の端に埃が積もっているところからして、碌に清掃されていないのだろう。壊れたまま長く放置されているのだろう部屋の扉も有る。明らかに維持するための人が足りていない。
ハイデルフト家の援助した金銭が有ればこの城館の維持は容易かった筈だ。その金銭はどこへ消えたのか。エカテリーナは甚だ疑問に思うばかりである。
ともあれ階段を通って上へ。客を迎えることによる必然と人の心理とが重なって、館の主の私的空間は上の階に有るのが普通だ。
最上階で階段に近い部屋を確かめる。物置だったらしく、がらくたが所狭しと置かれている。歪んだ壺、腐りかけの乾涸らびたウサギの足、人の頭ほどの大きさがあろうかと言うただの石などだ。精々呪いの意味しか無さそうな物も多数転がる。がらくたではないが、長い柄の付いたハサミ、前世の記憶に有る高枝切りばさみのようなものなどは、ここに置いていて何の役に立つのか解らない。解らないのは物置に使うには内装がしっかりした部屋なこともだ。
次の部屋には珍獣の剥製や枯れ草の鉢植え、その次には様々な装飾を施した遊具、そのまた次はまたもやがらくたが有った。剥製や遊具も見方次第ではがらくたでしかないのだから、がらくたに埋もれた部屋ばかりと言うことになる。
これでは嫌でも解る。ハイデルフト家からの援助はがらくたに消えていた。それも城館の体裁を整えるよりも先にがらくたに消えていたのだ。
あまりの腹立たしさに、却って笑いが溢れる。
更にがらくたに埋もれた二つの部屋を確かめ、次の埋もれるまでには至っていない部屋にボナレス伯爵は居た。数年前に援助の無心にハイデンを訪れたところを覗き見ただけだったが、服の上からも判るだらしない肉の弛みは見間違えようがない。
『どうやって殺してあげましょうか』
呟きつつ近付く途中、ふいに伯爵が振り返って目が合った。
気のせいだろうと更に近付けば、伯爵の目が限界まで見開かれ、顔が青ざめる。
「ハイデルフトの娘が何故ここに居る!?」
伯爵が叫ぶが、エカテリーナには覗き見た以外に会った憶えが無い。どうして自分のことを判るのかと不思議に思うばかりだ。
ここではたと気付く。伯爵の振る舞いは相手の姿が見えていなければあり得ないものだ。
『私の姿が見える方もいらっしゃるのですね』
「お前は確かに死んだ筈だ!」
声までは聞こえないのか、会話は成立しなさそうである。エカテリーナとて会話は望んでいない。
そして少し考える。もしかすると伯爵も処刑場に居たのかも知れない。それならば今の容姿を知っていても不思議ではない。処刑された時のまま着替えたくとも着替えられない衣裳も目印になったのだろう。
「く、来るなっ! 来ないでくれ!」
伯爵は叫び、顔を隠すように両手を振り回す。顔を背けながら目を瞑る。だが、見えないのも怖いようで、目を開けてエカテリーナを凝視する。そしてまた目を瞑っては目を開けてを繰り返す。エカテリーナの歩みに合わせて後退りもする。
その怯え方の凄まじさがエカテリーナには滑稽に映る。それでくすりと笑みを零せば更に伯爵が怯える。
ここでエカテリーナは気付いた。伯爵からは自分が奇妙な見え方をしているのではないかと。恐らく伯爵は霊のようなものが怖いのではないかと。がらくたの中に呪い品のようなものが多数含まれていたのはそのせいではないかと。
少し悪戯心を出し、処刑場で意識を取り戻した時の自分の姿を思い浮かべる。そう、頭と胴が別れて血塗れの姿だ。
すると視界が回った。幾度か回転して止まった後、ボナレス伯爵が横倒しになって見えた。
にたーっと笑い顔を作る。
「ぎゃあああ!」
伯爵がこの世のものとも思えない悲鳴を上げ、必死に逃げようとする。しかしこの時は既にバルコニーの手摺りに達していた。そこから先には足場など無い。
伯爵の身体がバルコニーの向こうへと踊り出す。
「ぎゃあああ!」
悲鳴が響き、鈍い音がそれに続いた。
伯爵には勝手に死なれてしまった形だが、エカテリーナの気分は悪くない。そうなる切っ掛けは与えたのだ。
ここでの用が終わったので部屋から出るべく振り返ると、幾人もの兵士がこの部屋に入って来ていた。彼らはボナレス伯爵と交渉するために来ていた帰還兵の代表なのだが、エカテリーナがそれを知るのは階下に降りてからのことだ。
部屋の中が俄に騒がしくなる。ボナレス伯爵が落ちたバルコニーに駆け寄る者、階下へ知らせに走る者などで騒然とする。その兵士らの目の前を通ってエカテリーナは階下に降りる。
階下では別の騒動も起きていた。伯爵の急死によって報酬についての交渉が宙に浮いてしまったが、帰還した傭兵達が「はい、そうですか」と聞ける話でもない。即時の報酬支払いを求め、険悪な雰囲気で衛兵と対峙する。
そこでエカテリーナは衛兵の一人からナイフを抜き取り、傭兵の一人に突き刺した。致命傷には至らなかったが、衛兵の仕業と思ったらしいその傭兵が剣を抜く。
殺し合いに発展する中、エカテリーナは高笑いで城館を後にした。
◆
脱走したボナレス兵の殆どはハイデンに舞い戻った。呪いなど信じておらず、以前と同じように商店から商品を奪えると信じてのことだ。だが、彼らを狙うのは呪いばかりではない。ハイデンにて俄に組織された自警団によって次々と討伐された。
その自警団が組織された裏にとある女盗賊やとある紳士の姿があると噂されるが、定かではない。
◆
また後日、ボナレス伯爵の死が近隣に伝えられる。
雇った傭兵への報酬を踏み倒そうとしたことから傭兵達から襲撃され、殺される直前に塔から身を投げたと言う。その時、ボナレス伯爵は「ハイデルフトの娘が何故ここに居る!?」と叫んだとも言うが、その娘の姿を見た者は誰も居なかった。
だが、このことを切っ掛けに、呪いを為すものとしてエカテリーナの名前が囁かれるようにもなっていった。
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