純喫茶 浪漫へようこそ

別れたい彼女と付き合いたい彼女

どこかで見たことがある人

◇
「ふぅ～。これでゴミ出し完了っと！」

お店で出たゴミを、外のごみ置き場へもっていくのも大事なお仕事です。
二宮さんがやってくれるとは言ったけど、これくらいならあたしでもできるもんね！

「さて、お店に戻りますか・・・ってあれ？・・・あの人って・・・」

お店の裏通りに面した人気のない場所、そこに男女のカップルらしき人がいて男性が女性にプレゼントを渡している。カップルらしきといった理由は、その男性に見覚えがあったからだ。

「あれ？前にお店に連れてきた彼女っぽい人と、違う人・・・？」

人の顔をなかなか覚えられないあたしが、その男性を覚えていたのには理由があった。

「今日の靴下はパック〇ン！やっぱりあの人だ！！」

そう、とにかく靴下がダサ・・・こほん、個性的なのだ！！
前に彼女（？）とお店に来たときは、カジュアルな白シャツに細身のデニムなのに、靴下がディ〇ニーの人魚姫という、ミスマッチを通り越して「なんでだよっ」とツッコみたくなる靴下だった。

そんな彼が、まさかの二股疑惑・・・いや、自分に関係ないから良いんだけど。
彼女（？）さんとしては、その靴下のセンス大丈夫なんだろうか？
プレゼントもなんかブランドっぽい袋だから、結構高級なモノなんじゃないだろうか？
・・・お金があるなら、もっと趣味の良い靴下買おうよ。

「ま、いっか。またお店に来るとも限らないし。来たとしたってあたしには関係のない話だしね～」

そう思ってゴミ捨てを終えたあたしはお店に戻った。

そして、事件はその数日後に起こりました。