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【番外編&after story】
【季節ネタSS】それぞれのハロウィン≪前編≫
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※このお話の子供達の年齢はこんな感じです。
ムサシ→2歳
リリア→4歳
レオン・サクラ→8歳
ミナト(見た目)→10歳くらい
カイト(見た目)→13歳くらい
------------------------
◇
「とぉいく、ぉあ、いー!!」
「きゃぁ~~~っ、ちゃんと言えたね!頑張ったね!!そんなムサシにはお菓子い~~~~っぱいあげちゃう♡♡」
「サーヤ……“はろうぃん”とはそういう理由で菓子を与えるモノではなかった気がするが?」
季節はほんのり寒さを感じる秋。
末っ子のムサシも、すくすくと成長して2歳になり少しずつ話す言葉も増えてきた今日この頃。
我が家の庭では、毎年恒例となったハロウィンパーティーをしています。
「パパ、ママはムサシをできあいしてるから、言っても無駄だよ」
「そうなのよ。くーにもリアたんにも、ママはいつもたくさんお菓子をくれるもの」
「まま、あたちたち、ちゅきしゅぎなの……」(←好きすぎなの)
「はぁ……まったく、これではどちらが子供かわからぬな……」
愛しい家族達にそんなことを言われているなんて露知らず、あたしはムサシが持っているかごがいっぱいになるくらいお菓子を与えていた。もちろん、ハロウィンらしくかぼちゃを使った、しかもムサシも安心して食べれる甘さ控えめの焼き菓子やプリンだ。
「ふふっ、サーヤの溺愛っぷりは相変わらずみたいだね☆」
「レオたん、もうそんな難しい言葉知ってるのね。すごいの!」
「皆がよく使う言葉だから自然と憶えたんだろうけど、レオンは覚えが早いだけじゃなく頭も良いと思うよ」
「うんうん!レオンは俺が知らない言葉もたまに使うから、ビックリするよ」
「駄犬……お前はそれで良いのか」
「??」
あたしやエルに加護を与えている精霊王様達も、仮装した姿で遊びに来てくれた。
全員揃っているところを見ると、どうやらマゼンダさんのお店で着替えと髪型までセットしてもらったみたいだ。
「ちぇい!」
「あ、ベル!!」
「ミナト、いらっしゃい」
黒の燕尾服に髪の毛に合わせた狼耳カチューシャを付けた執事風狼男のレオン、真っ赤なフード付きマントにレースアップした胸元からマントと同じ真っ赤なAラインのスカートが可愛い赤ずきんのサクラ、水色のワンピースに真っ白なフリフリのエプロンを付けた不思議な国のアリスのようなリリアは、セイル達の来訪に気付きそのままお目当ての人に飛びついた。
お菓子をもらったムサシは、レオンとお揃いの黒い燕尾服に黒い猫耳カチューシャを付けた黒猫姿で、師匠であるフランさんにお菓子を分けようと、とてとて歩いている。
うんうん、子供達の仮装姿は今年もめちゃくちゃ可愛い!ベルナートさんも来てくれたことだし、今年もしっかりと黒曜石に永久保存しなければっ!!
「お前達の服、どうやら間に合ったみたいだな」
「えぇ。マゼンダのお店の子達がとても頑張ってくれたの」
「うむ。さすがは“職人”というだけあって、着付けまで仕事は完璧であったぞ。だいぶ興奮していたようだがな」
「ふふ♡数日前に「サイズ調整するから直接試着して欲しい」って言われて行ったときは間に合うか心配だったけれど、この通り綺麗に仕上げてくれたし髪までセットしてくれたのよん♡♡」
「以前のドレスもそうだけど、ノルンやマデリーヌと生地はお揃いなのに少しデザインが違うというのが良いね。私の服はちゃんと動きやすいよう作られているし……あ、ムサシは黒猫かい?可愛いね」
「あいっ!」
スリットから見える褐色肌の太ももがなんともセクシーな魔女姿のフランさんの膝に、頑張ってよじ登ろうとしている黒猫姿のムサシ。超可愛いんだけど、ちょっとだけおねショタ的なイケナイものを見ている気分にもなって、ドキドキしてしまう。
待って待って。ちょっと前に「ぜひ一度読んで欲しいですの!」と言ってモニカに渡された、ユキさんのBL本や百合本を読んでから、あたしの感性がまたおかしくなってない?
これ以上新たな扉は開きたくないんだけど??
あたしの思考が皆と別方向に向かっている中、これまた思考も言動も別方向の人が発言し始めた。
「闇の世界より誘われし、漆黒の衣をまとった我が眷属よ。この魂をも揺さぶる……―――――――」
「はいはい、ストップスト―――――ップ!ライムントさん、皆で衣装を合わせたのが嬉しいのはわかりますが、久しぶりのパーティだからって緊張しないで普通に喋ってくださいね!じゃないと、皆ライムントさんが何言ってるかわかりませんよ?」
「……っ!!……―――っ、――――――――…」
「んみゅ?…うん、わかったの。サーヤまま、ライたんね、皆に会うのが楽しみだったけど、久しぶりだからちょっと恥ずかしいって言ってるの」
「もぅ、気心の知れた仲間なんだから、さすがに慣れましょうよ……」
「う、うむ……」
そんなこんなで、いつも誰かしらいないことがあるけど、今日は加護精霊王様達も全員勢揃いしてハロウィンパーティに参加しています。
基本的に男性陣は皆、時間の関係上黒の燕尾服に統一されている。
だけど、セイルはリリアのアリスに合わせたのか、マッドハッターのようなシルクハットに杖を持っていたり、カイトくんやベルナートさん、先代様は髪色に合わせた狼耳カチューシャに尻尾をつけたりとアレンジしている。
ベルナートさんと先代様は、耳や尻尾の動きを見る限りきっと自前だろうけどね。
そして、ライムントさんはカッコいいドクロの刺繍が施された眼帯を付けて帽子をかぶっていた。
ちなみに、マデリーヌさん、ノルンさん、フランさんの大人組は、黒い魔女帽に黒いシルク生地を利用したドレスなんだけど、ノルンさんは長い髪をサイドでゆるくまとめ、正面から見るとホルダーネックのシンプルなデザインなのに背中ががっつりと見えるセクシーなドレス。マデリーヌさんは金糸のような金髪をサイドだけおろしつつ上品にまとめ、綺麗な身体のラインがはっきりとわかるマーメイドラインドレスに、太ももまでスリットが入った超セクシーなオフショルダーのドレス。フランさんは髪を高い位置でポニーテールにし、両サイドにスリットの入ったセクシーだけど動きやすいワンショルダーのドレスと、黒い生地でなければ魔女ではなく女神にしか見えない素晴らしい出で立ちだ。
さすが国内外から人気のある王都随一のお店だね!
「マゼンダさん達、今年は王都のお祭りもあったから大変だったろうね。今度お礼のお菓子を持ってお店に行こうか」
「そうだな。だが、他の店と作業を分散したと言っていたから、マゼンダの店だけに負担がかかってるということはないだろう」
「そっか。でも、皆の衣装だけでも大変だったろうから焼き菓子たくさん作って持って行こうかなぁ。あ、モニカやユーリ達、カルステッドさん達の分も用意しちゃおう♪お祭りは管理する側も大変だからね」
今日カルステッドさん達は、王都で行われている王家主催のハロウィンイベントのお手伝いをしているため不在なのです。
“ハロウィンイベント”なんてモノ、もちろん元々この世界にはない。
だけど、我が家のハロウィンパーティを毎年楽しみにしていたモニカやユーリ達国王夫妻は、どちらかが城に残らないと行けなかったりそもそも公務で行けない年があったりと不満が爆発。
その結果、『行けないならば、私達は私達で“はろうぃん”をいたしましょう!王都でお祭りですの!!』とモニカが言い出し、ちょうどこの時期に収穫される作物もあることから、“参加者は仮装必須のちょっと変わった収穫祭”として収穫された作物を使ったお菓子や料理の出店が立ち並ぶ、仮装パーティならぬ、仮装祭りが国公式のイベントとして決定し、今まさに王都で仮装祭りが行われている。
今年は初めての開催ということで、国王夫妻やセレスくん、ルナちゃんも気合を入れて仮装しつつ、お祭りを楽しんでいるに違いない。
「マデリーヌと少し顔を出して来たけど、大きなトラブルもなく楽しそうなお祭りだったよ」
「あ、レヴィンさん!え?その恰好で行ってきたんですか?」
「先代様が認識阻害の魔法をかけてくれたけど、一応髪色を変えつつ仮面も被ったよ。露店で少し買い物をしてたら、警備してたカルステッドとたまたま会ってね。少し話をしてきたんだ」
「ふふっ、サーヤちゃんが作る料理も美味しいけれど、露店の食べ物もなかなかだったわよん♡」
「そうだね。だから、露店で買ってきたお土産と、焼きあがったミートパイを持ってきたよ。これもテーブルに並べて良いかな?」
「きゃ~~♡私、レヴィンのミートパイ美味しくてすごく大好きなのん♡♡あ、もちろんレヴィン自身も美味し……」
「レヴィンさんっ、ミートパイありがとうございますっ!さぁさぁ、こちらへ!!」
「あ…うん」
隠居生活にすっかり慣れた隣人の元国王様こと、レヴィンさんも、燕尾服の袖をまくって焼きたてのミートパイと露店で買ってきた料理を乗せた大皿を持ってきてくれた。
変態の魔女……げふん、魔女のコスプレをしたマデリーヌさんは相変わらず子供の教育によろしくない発言をしまくるので、常にあたしはそれを止めるのに必死である。
「んー、しょー、ないないー」
「ん?あ、そうだね。キッシュを食べて皿が空いてしまったね。サーヤ、そのミートパイはムサシも食べて大丈夫なのかい?」
「大丈夫ですよ。ムサシ、服が汚れないようにコレつけようね~♪」
「あいっ」
服が汚れないようムサシに前掛けを付けてから、小さく切ったミートパイの皿をムサシの前に差し出すと、首をぶんぶん横に振り「しょーも!しょーも!」とテーブルをバンバン叩きながら駄々をこねるムサシ。
“師匠”とまだ言えないムサシは、フランさんのことを“しょー”と呼んでるんだけど、どうやらムサシはミートパイをフランさんと一緒に食べたいらしい。
なんてこと……我が家の天使、可愛すぎかよっ!
フランさんもすごく嬉しそうに「じゃあ一緒に食べようか」って、天使のムサシに女神のフランさんがあーんを……!!!
あれかな?あたしの中では、新しい扉がもうすでに開かれてしまってるのかな??
「ふふっ、フランもすっかりムサシがお気に入りみたいね」
「うむ。いつも思うが、子というのはそんなに可愛いモノなのか?」
「あらん♡もちろんですわん♡♡特に”我が子”というのは、愛する人との愛の結晶ですものん♡♡」
「愛の、結晶……」
高貴な存在であるほど人間的な"感情"というモノが欠落してるとセイルから聞いたけど、先代様はノルンさんと一緒にいることで、様々な“感情”を理解し始め喜怒哀楽も増えてきたように思う。
子供か……精霊さんも妖精さんも、基本的に人間みたいに出産で子を成すわけではないらしいけど、もし先代様とノルンさんの子供が生まれたら、ものすごく美形なんだろうなぁ。
「先代様、私は愛しい旦那様と、我が子のようなサーヤ達家族人囲まれている今が充分幸せですわ」
「愛しい旦那様・・・それは、我の事なのだな?」
「えぇ、もちろんです」
こうして、はたから見ると神々しいくらいの美男・美女カップルなノルンさんと先代様は、人目をはばかることなく二人の世界を作り始めてしまった。
ここには子供達もいるのに……と言いたい気持ちはあるが、普段からあたしとエルが散々いちゃつく姿を見て育った子供達は、気にすることなく目の前の食事を楽しんでいる。
……果たしてコレは良いことなんだろうか?
「サーヤ、口の周りにミートパイのソースがついているぞ」
「ふぇ?……ん、ありがと。ねぇエル、その牙すっごくリアルだよね。本物の吸血鬼みたい」
「そうか?お前も似合ってはいるが、本物のシスターとは程遠いな」
「うるさいやいっ……っんぐ」
燕尾服に黒いマントを羽織っただけなのに、牙があるせいか本物の吸血鬼に見える妖艶で迫力のあるエル。
さっきから普通に食事をしているし、近くで見ても作りモノの牙にはとても見えなくて不思議で仕方ない。
これも魔法なのかな?
口を拭いてもらいながらぼんやりとエルの口元の牙を見ていると、不意にその口唇が目の前に迫ってきた。
“キスされる”と思わず目を瞑ってしまったが、予想していた感触は一向に訪れず、恐る恐る目を開けるのと同時に耳元で囁く声が聞こえた。
「期待しているところ悪いが、ソレは後のお楽しみだ」
「―――――――っ!!」
耳元で囁かれただけなのに、聴こえた艶っぽいバリトンボイスにゾクリとあたしの身体が反応する。
この場ではナニもないことに安堵する気持ちと少しだけ残念さを感じたけど、うとうとし始めたムサシを抱っこしたフランさんから声をかけられたことであたしは我に返り、ムサシを寝室へと連れて行った。
あたしが少し席を外してる間に皆自由に行動を開始したらしく、庭に戻った頃には残ってお茶を楽しんでいるマデリーヌさんとレヴィンさん、ノルンさんと先代様、少し離れた場所でエルとリリアを抱っこしたセイル、カイトくんが空いた食器を片付け始めていた。
「あれ?レオンやサクラ達は?」
「少しで良いから王都のお祭りに行ってくるって。ベルが転移魔法で連れて行ったよ」
「え?あの子達だけで大丈夫かな……」
「晩飯までには帰るよう約束させたし、レオンがいるから大丈夫だろう」
「そうそう☆何かあれば念話で連絡するよういってあるし、たまには良いんじゃない?」
「んみゅ……ちぇぃ、おねむ……」
「あ、そろそろリアのお昼寝の時間だね☆じゃあサーヤ、後はよろしく~♪」
セイルはそう言って、リリアを抱っこしたまま転移魔法でいなくなってしまった。
最近はリリアもあたしよりセイルにべったりで、朝と夜以外はだいたいセイルと一緒に過ごしている。
あたし、一応リリアの母親なんだけどなぁ……
「セイルは好きでやっているのだ、放っておけ」
「おねーさん、僕、食器洗ってくるね」
「あ、待ってカイトくん。量が多いからあたしも……」
「大丈夫だよ。おねーさんは朝から動きっぱなしだから、晩ご飯の時間まではおにーさんとゆっくり過ごしてね」
「え?あの……」
「大丈夫よ、サーヤ。テーブルセットは私達が片付けておくわ」
「サーヤほど美味しくはないけど、オレが作った魔牛のシチューで良ければ大鍋に作ってあるから、良ければ晩ご飯は食べに来ると良いよ」
「ノルンさん……レヴィンさんも、ありがとうございます!」
「助かる。サーヤに晩飯を作る体力が残るとは思えないからな」
「??!!」
待って待って!
確かにエルとちょっとくらいいちゃいちゃする時間が欲しいと思ってたけど、晩ご飯作る体力がなくなるくらいってどういうこと?何でそれが決定事項なの??!!
「ふふ♡エリュシオンってばいつもと違う格好のサーヤちゃんを襲いたくて仕方がないのねん♡わかるわ♡私も執事姿のレヴィンにご奉仕された……」
「わぁぁぁぁっ、マデリーヌっ!このテーブルセットって、研究室近くの物置にしまうで良いんだっけ??」
「え?あ、そうよん♡普段はここに1セットあれば十分だものん♡♡」
「ふむ。我もさっさと片付けとやらを済ませ、魔女姿のノルンを背後から……んぐっ?!」
「ふふっ、先代様、こちらのミートパイは本当に美味しいですわね♡」
「カイト、この空気は何だ?寒気がするような甘ったるいような……とにかく変な空気ではないか?」
「大丈夫だよライ、いつものことだから。それよりも食器洗うの手伝って」
「じゃあ私はこのテーブルセットを片付けて来るよ」
「~~~~っ、~~~~~~~~~っ!!!」
いろいろとツッコみたいのに、いつの間にか布のようなモノで口と手を塞がれていたあたしは、エルにお姫様抱っこされたまま唸る事しかできなかった。
そして、あたしを助けてくれる人も誰もいなかった……悲しい。
せめてもの抵抗で、寝室へ向かうエルを睨んでみても「ん?なんだ、我慢できないのか?淫乱なシスターめ」と言って、エルは優しくあたしのおでこにキスをするだけ。
嬉しい……けど嬉しくない。なんとも複雑である。
あたしがモヤモヤしている間に寝室に着いたらしく、部屋に入ったと思った瞬間、あたしは視界は闇に閉ざさたかのように真っ暗になった。
ムサシ→2歳
リリア→4歳
レオン・サクラ→8歳
ミナト(見た目)→10歳くらい
カイト(見た目)→13歳くらい
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◇
「とぉいく、ぉあ、いー!!」
「きゃぁ~~~っ、ちゃんと言えたね!頑張ったね!!そんなムサシにはお菓子い~~~~っぱいあげちゃう♡♡」
「サーヤ……“はろうぃん”とはそういう理由で菓子を与えるモノではなかった気がするが?」
季節はほんのり寒さを感じる秋。
末っ子のムサシも、すくすくと成長して2歳になり少しずつ話す言葉も増えてきた今日この頃。
我が家の庭では、毎年恒例となったハロウィンパーティーをしています。
「パパ、ママはムサシをできあいしてるから、言っても無駄だよ」
「そうなのよ。くーにもリアたんにも、ママはいつもたくさんお菓子をくれるもの」
「まま、あたちたち、ちゅきしゅぎなの……」(←好きすぎなの)
「はぁ……まったく、これではどちらが子供かわからぬな……」
愛しい家族達にそんなことを言われているなんて露知らず、あたしはムサシが持っているかごがいっぱいになるくらいお菓子を与えていた。もちろん、ハロウィンらしくかぼちゃを使った、しかもムサシも安心して食べれる甘さ控えめの焼き菓子やプリンだ。
「ふふっ、サーヤの溺愛っぷりは相変わらずみたいだね☆」
「レオたん、もうそんな難しい言葉知ってるのね。すごいの!」
「皆がよく使う言葉だから自然と憶えたんだろうけど、レオンは覚えが早いだけじゃなく頭も良いと思うよ」
「うんうん!レオンは俺が知らない言葉もたまに使うから、ビックリするよ」
「駄犬……お前はそれで良いのか」
「??」
あたしやエルに加護を与えている精霊王様達も、仮装した姿で遊びに来てくれた。
全員揃っているところを見ると、どうやらマゼンダさんのお店で着替えと髪型までセットしてもらったみたいだ。
「ちぇい!」
「あ、ベル!!」
「ミナト、いらっしゃい」
黒の燕尾服に髪の毛に合わせた狼耳カチューシャを付けた執事風狼男のレオン、真っ赤なフード付きマントにレースアップした胸元からマントと同じ真っ赤なAラインのスカートが可愛い赤ずきんのサクラ、水色のワンピースに真っ白なフリフリのエプロンを付けた不思議な国のアリスのようなリリアは、セイル達の来訪に気付きそのままお目当ての人に飛びついた。
お菓子をもらったムサシは、レオンとお揃いの黒い燕尾服に黒い猫耳カチューシャを付けた黒猫姿で、師匠であるフランさんにお菓子を分けようと、とてとて歩いている。
うんうん、子供達の仮装姿は今年もめちゃくちゃ可愛い!ベルナートさんも来てくれたことだし、今年もしっかりと黒曜石に永久保存しなければっ!!
「お前達の服、どうやら間に合ったみたいだな」
「えぇ。マゼンダのお店の子達がとても頑張ってくれたの」
「うむ。さすがは“職人”というだけあって、着付けまで仕事は完璧であったぞ。だいぶ興奮していたようだがな」
「ふふ♡数日前に「サイズ調整するから直接試着して欲しい」って言われて行ったときは間に合うか心配だったけれど、この通り綺麗に仕上げてくれたし髪までセットしてくれたのよん♡♡」
「以前のドレスもそうだけど、ノルンやマデリーヌと生地はお揃いなのに少しデザインが違うというのが良いね。私の服はちゃんと動きやすいよう作られているし……あ、ムサシは黒猫かい?可愛いね」
「あいっ!」
スリットから見える褐色肌の太ももがなんともセクシーな魔女姿のフランさんの膝に、頑張ってよじ登ろうとしている黒猫姿のムサシ。超可愛いんだけど、ちょっとだけおねショタ的なイケナイものを見ている気分にもなって、ドキドキしてしまう。
待って待って。ちょっと前に「ぜひ一度読んで欲しいですの!」と言ってモニカに渡された、ユキさんのBL本や百合本を読んでから、あたしの感性がまたおかしくなってない?
これ以上新たな扉は開きたくないんだけど??
あたしの思考が皆と別方向に向かっている中、これまた思考も言動も別方向の人が発言し始めた。
「闇の世界より誘われし、漆黒の衣をまとった我が眷属よ。この魂をも揺さぶる……―――――――」
「はいはい、ストップスト―――――ップ!ライムントさん、皆で衣装を合わせたのが嬉しいのはわかりますが、久しぶりのパーティだからって緊張しないで普通に喋ってくださいね!じゃないと、皆ライムントさんが何言ってるかわかりませんよ?」
「……っ!!……―――っ、――――――――…」
「んみゅ?…うん、わかったの。サーヤまま、ライたんね、皆に会うのが楽しみだったけど、久しぶりだからちょっと恥ずかしいって言ってるの」
「もぅ、気心の知れた仲間なんだから、さすがに慣れましょうよ……」
「う、うむ……」
そんなこんなで、いつも誰かしらいないことがあるけど、今日は加護精霊王様達も全員勢揃いしてハロウィンパーティに参加しています。
基本的に男性陣は皆、時間の関係上黒の燕尾服に統一されている。
だけど、セイルはリリアのアリスに合わせたのか、マッドハッターのようなシルクハットに杖を持っていたり、カイトくんやベルナートさん、先代様は髪色に合わせた狼耳カチューシャに尻尾をつけたりとアレンジしている。
ベルナートさんと先代様は、耳や尻尾の動きを見る限りきっと自前だろうけどね。
そして、ライムントさんはカッコいいドクロの刺繍が施された眼帯を付けて帽子をかぶっていた。
ちなみに、マデリーヌさん、ノルンさん、フランさんの大人組は、黒い魔女帽に黒いシルク生地を利用したドレスなんだけど、ノルンさんは長い髪をサイドでゆるくまとめ、正面から見るとホルダーネックのシンプルなデザインなのに背中ががっつりと見えるセクシーなドレス。マデリーヌさんは金糸のような金髪をサイドだけおろしつつ上品にまとめ、綺麗な身体のラインがはっきりとわかるマーメイドラインドレスに、太ももまでスリットが入った超セクシーなオフショルダーのドレス。フランさんは髪を高い位置でポニーテールにし、両サイドにスリットの入ったセクシーだけど動きやすいワンショルダーのドレスと、黒い生地でなければ魔女ではなく女神にしか見えない素晴らしい出で立ちだ。
さすが国内外から人気のある王都随一のお店だね!
「マゼンダさん達、今年は王都のお祭りもあったから大変だったろうね。今度お礼のお菓子を持ってお店に行こうか」
「そうだな。だが、他の店と作業を分散したと言っていたから、マゼンダの店だけに負担がかかってるということはないだろう」
「そっか。でも、皆の衣装だけでも大変だったろうから焼き菓子たくさん作って持って行こうかなぁ。あ、モニカやユーリ達、カルステッドさん達の分も用意しちゃおう♪お祭りは管理する側も大変だからね」
今日カルステッドさん達は、王都で行われている王家主催のハロウィンイベントのお手伝いをしているため不在なのです。
“ハロウィンイベント”なんてモノ、もちろん元々この世界にはない。
だけど、我が家のハロウィンパーティを毎年楽しみにしていたモニカやユーリ達国王夫妻は、どちらかが城に残らないと行けなかったりそもそも公務で行けない年があったりと不満が爆発。
その結果、『行けないならば、私達は私達で“はろうぃん”をいたしましょう!王都でお祭りですの!!』とモニカが言い出し、ちょうどこの時期に収穫される作物もあることから、“参加者は仮装必須のちょっと変わった収穫祭”として収穫された作物を使ったお菓子や料理の出店が立ち並ぶ、仮装パーティならぬ、仮装祭りが国公式のイベントとして決定し、今まさに王都で仮装祭りが行われている。
今年は初めての開催ということで、国王夫妻やセレスくん、ルナちゃんも気合を入れて仮装しつつ、お祭りを楽しんでいるに違いない。
「マデリーヌと少し顔を出して来たけど、大きなトラブルもなく楽しそうなお祭りだったよ」
「あ、レヴィンさん!え?その恰好で行ってきたんですか?」
「先代様が認識阻害の魔法をかけてくれたけど、一応髪色を変えつつ仮面も被ったよ。露店で少し買い物をしてたら、警備してたカルステッドとたまたま会ってね。少し話をしてきたんだ」
「ふふっ、サーヤちゃんが作る料理も美味しいけれど、露店の食べ物もなかなかだったわよん♡」
「そうだね。だから、露店で買ってきたお土産と、焼きあがったミートパイを持ってきたよ。これもテーブルに並べて良いかな?」
「きゃ~~♡私、レヴィンのミートパイ美味しくてすごく大好きなのん♡♡あ、もちろんレヴィン自身も美味し……」
「レヴィンさんっ、ミートパイありがとうございますっ!さぁさぁ、こちらへ!!」
「あ…うん」
隠居生活にすっかり慣れた隣人の元国王様こと、レヴィンさんも、燕尾服の袖をまくって焼きたてのミートパイと露店で買ってきた料理を乗せた大皿を持ってきてくれた。
変態の魔女……げふん、魔女のコスプレをしたマデリーヌさんは相変わらず子供の教育によろしくない発言をしまくるので、常にあたしはそれを止めるのに必死である。
「んー、しょー、ないないー」
「ん?あ、そうだね。キッシュを食べて皿が空いてしまったね。サーヤ、そのミートパイはムサシも食べて大丈夫なのかい?」
「大丈夫ですよ。ムサシ、服が汚れないようにコレつけようね~♪」
「あいっ」
服が汚れないようムサシに前掛けを付けてから、小さく切ったミートパイの皿をムサシの前に差し出すと、首をぶんぶん横に振り「しょーも!しょーも!」とテーブルをバンバン叩きながら駄々をこねるムサシ。
“師匠”とまだ言えないムサシは、フランさんのことを“しょー”と呼んでるんだけど、どうやらムサシはミートパイをフランさんと一緒に食べたいらしい。
なんてこと……我が家の天使、可愛すぎかよっ!
フランさんもすごく嬉しそうに「じゃあ一緒に食べようか」って、天使のムサシに女神のフランさんがあーんを……!!!
あれかな?あたしの中では、新しい扉がもうすでに開かれてしまってるのかな??
「ふふっ、フランもすっかりムサシがお気に入りみたいね」
「うむ。いつも思うが、子というのはそんなに可愛いモノなのか?」
「あらん♡もちろんですわん♡♡特に”我が子”というのは、愛する人との愛の結晶ですものん♡♡」
「愛の、結晶……」
高貴な存在であるほど人間的な"感情"というモノが欠落してるとセイルから聞いたけど、先代様はノルンさんと一緒にいることで、様々な“感情”を理解し始め喜怒哀楽も増えてきたように思う。
子供か……精霊さんも妖精さんも、基本的に人間みたいに出産で子を成すわけではないらしいけど、もし先代様とノルンさんの子供が生まれたら、ものすごく美形なんだろうなぁ。
「先代様、私は愛しい旦那様と、我が子のようなサーヤ達家族人囲まれている今が充分幸せですわ」
「愛しい旦那様・・・それは、我の事なのだな?」
「えぇ、もちろんです」
こうして、はたから見ると神々しいくらいの美男・美女カップルなノルンさんと先代様は、人目をはばかることなく二人の世界を作り始めてしまった。
ここには子供達もいるのに……と言いたい気持ちはあるが、普段からあたしとエルが散々いちゃつく姿を見て育った子供達は、気にすることなく目の前の食事を楽しんでいる。
……果たしてコレは良いことなんだろうか?
「サーヤ、口の周りにミートパイのソースがついているぞ」
「ふぇ?……ん、ありがと。ねぇエル、その牙すっごくリアルだよね。本物の吸血鬼みたい」
「そうか?お前も似合ってはいるが、本物のシスターとは程遠いな」
「うるさいやいっ……っんぐ」
燕尾服に黒いマントを羽織っただけなのに、牙があるせいか本物の吸血鬼に見える妖艶で迫力のあるエル。
さっきから普通に食事をしているし、近くで見ても作りモノの牙にはとても見えなくて不思議で仕方ない。
これも魔法なのかな?
口を拭いてもらいながらぼんやりとエルの口元の牙を見ていると、不意にその口唇が目の前に迫ってきた。
“キスされる”と思わず目を瞑ってしまったが、予想していた感触は一向に訪れず、恐る恐る目を開けるのと同時に耳元で囁く声が聞こえた。
「期待しているところ悪いが、ソレは後のお楽しみだ」
「―――――――っ!!」
耳元で囁かれただけなのに、聴こえた艶っぽいバリトンボイスにゾクリとあたしの身体が反応する。
この場ではナニもないことに安堵する気持ちと少しだけ残念さを感じたけど、うとうとし始めたムサシを抱っこしたフランさんから声をかけられたことであたしは我に返り、ムサシを寝室へと連れて行った。
あたしが少し席を外してる間に皆自由に行動を開始したらしく、庭に戻った頃には残ってお茶を楽しんでいるマデリーヌさんとレヴィンさん、ノルンさんと先代様、少し離れた場所でエルとリリアを抱っこしたセイル、カイトくんが空いた食器を片付け始めていた。
「あれ?レオンやサクラ達は?」
「少しで良いから王都のお祭りに行ってくるって。ベルが転移魔法で連れて行ったよ」
「え?あの子達だけで大丈夫かな……」
「晩飯までには帰るよう約束させたし、レオンがいるから大丈夫だろう」
「そうそう☆何かあれば念話で連絡するよういってあるし、たまには良いんじゃない?」
「んみゅ……ちぇぃ、おねむ……」
「あ、そろそろリアのお昼寝の時間だね☆じゃあサーヤ、後はよろしく~♪」
セイルはそう言って、リリアを抱っこしたまま転移魔法でいなくなってしまった。
最近はリリアもあたしよりセイルにべったりで、朝と夜以外はだいたいセイルと一緒に過ごしている。
あたし、一応リリアの母親なんだけどなぁ……
「セイルは好きでやっているのだ、放っておけ」
「おねーさん、僕、食器洗ってくるね」
「あ、待ってカイトくん。量が多いからあたしも……」
「大丈夫だよ。おねーさんは朝から動きっぱなしだから、晩ご飯の時間まではおにーさんとゆっくり過ごしてね」
「え?あの……」
「大丈夫よ、サーヤ。テーブルセットは私達が片付けておくわ」
「サーヤほど美味しくはないけど、オレが作った魔牛のシチューで良ければ大鍋に作ってあるから、良ければ晩ご飯は食べに来ると良いよ」
「ノルンさん……レヴィンさんも、ありがとうございます!」
「助かる。サーヤに晩飯を作る体力が残るとは思えないからな」
「??!!」
待って待って!
確かにエルとちょっとくらいいちゃいちゃする時間が欲しいと思ってたけど、晩ご飯作る体力がなくなるくらいってどういうこと?何でそれが決定事項なの??!!
「ふふ♡エリュシオンってばいつもと違う格好のサーヤちゃんを襲いたくて仕方がないのねん♡わかるわ♡私も執事姿のレヴィンにご奉仕された……」
「わぁぁぁぁっ、マデリーヌっ!このテーブルセットって、研究室近くの物置にしまうで良いんだっけ??」
「え?あ、そうよん♡普段はここに1セットあれば十分だものん♡♡」
「ふむ。我もさっさと片付けとやらを済ませ、魔女姿のノルンを背後から……んぐっ?!」
「ふふっ、先代様、こちらのミートパイは本当に美味しいですわね♡」
「カイト、この空気は何だ?寒気がするような甘ったるいような……とにかく変な空気ではないか?」
「大丈夫だよライ、いつものことだから。それよりも食器洗うの手伝って」
「じゃあ私はこのテーブルセットを片付けて来るよ」
「~~~~っ、~~~~~~~~~っ!!!」
いろいろとツッコみたいのに、いつの間にか布のようなモノで口と手を塞がれていたあたしは、エルにお姫様抱っこされたまま唸る事しかできなかった。
そして、あたしを助けてくれる人も誰もいなかった……悲しい。
せめてもの抵抗で、寝室へ向かうエルを睨んでみても「ん?なんだ、我慢できないのか?淫乱なシスターめ」と言って、エルは優しくあたしのおでこにキスをするだけ。
嬉しい……けど嬉しくない。なんとも複雑である。
あたしがモヤモヤしている間に寝室に着いたらしく、部屋に入ったと思った瞬間、あたしは視界は闇に閉ざさたかのように真っ暗になった。
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