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【番外編&after story】
諦めかけた願い事4* inマデリーヌside
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◇
空気が重い。
視線を痛いほど感じるけれど、顔をあげる勇気がない。
今の私は、枕を背に座った状態のレヴィンから手を伸ばせば届くほどの距離にいて、正面から向き合っている。
エリュシオン達がいなくなってからしばらく経った気がするけれど、私もレヴィンもさっきから一言も発していない状態が続いていた。
話さなきゃ・・・とは思うけれど、いったい何をどう話したらいいの?
“秘薬を飲ませてしまってごめんなさい”・・・と言っても、飲ませたのは私ではないわね・・・
じゃあ“秘薬を飲ませようとしてごめんなさい”?それとも、”私と命が繋がり、寿命が延びてしまってごめんなさい”??
・・・ダメだわ。考えれば考えるほど違う気がしてくる。
なんにしても、レヴィンとしては望んでもいないのに私と命が繋がってしまったのだから、絶対に怒っているわよね??
「・・・マデリーヌ」
「!!」
急に声をかけられてビクっと過剰に反応してしまう。
その後の言葉が怖くて思わず逃げ腰になってしまったけれど、レヴィンはそれを見逃すことなく、私が逃げられないよう腕の中に閉じ込めてから、耳元で甘く「顔を見せて」と囁いた。
おずおずと顔をあげると、案の定レヴィンの口元はほのかに笑みを浮かべている。
最近の彼は、こういった“お願い”に私が弱いことを知っているのだ。
本当にずるい男。
レヴィンは何も言わずに、顔を上げた私の口唇に自身の口唇を重ねる。
ちゅ、ちゅ、と甘噛みするようなくすぐったい口付けは、次第に深い口付けへと変わり、口内に入ってきたレヴィンの舌が少し乱暴に私の舌を絡めとる。
心地良さと気持ち良さにそのまま身を委ねそうになったけれど、ようやく話しかけてきたレヴィンの言葉が、私を現実へと引き戻した。
「“命を繋ぐ秘薬”・・・そんな凄い秘薬をエリュシオンから貰ってたんだね。知らなかったよ」
「!!・・・ごめん、なさ・・・」
「謝るってことは、オレに悪いことをしたって思ってるの?後悔してる?」
「・・・」
悪いことをしたとは思ってる。
けれど、秘薬を使ってこれから先の生をレヴィンと共に居たいと望んだのは本当だもの。この結果に喜びこそすれ、後悔なんてしていない。
ただ、喜びと同じくらい申し訳ない気持ちでいっぱいで・・・でも、この気持ちを言葉でどう表現して良いのかわからなくて、何も言えないまま視線を逸らすことしかできない。
「・・・ふふっ、マデリーヌ。キミ、今自分がどんな顔をしてるかわかる?」
「え?」
「今にも泣きそうな顔なのに、笑ってるんだよ?今どんなことを思ってるの?」
怒ってるとばかり思っていたレヴィンは、私の予想に反し肩を震わせながら笑っていた。
泣きそうなのに笑ってるってどんな顔?私の顔がそんなに面白いとでもいうの??
元気になってくれたのは嬉しいけれど、どうしてこんなに笑われないといけないのかしら・・・だんだん腹が立ってきたわ。
「ふふっ、ごめんごめん。だって、さっきから予想外のことばかり起こるから・・・」
「もうもうっ、だからって人の顔見て笑うだなんて酷いわん。精霊達にだってこんなに笑われたことないのに・・・」
「うん、そうだね。マデリーヌは光の精霊・・・しかも王様だ。本来ならば出会うことも、ましてやベッドでこうして触れ合うことなどあり得ない尊い存在なんだよ」
「??・・・レヴィン?」
笑っていたレヴィンは、さっきまでと違い真面目な顔で私を見つめる。
ハルバードに似ているけれど、見た目も性格も野生の獣みたいなハルバードと違って、男性としては線が細くて美しい部類に入るレヴィン。
・・・まぁ、性格は全然美しくないけれど。
「以前も伝えたと思うけど、オレは精霊の王様だとか関係なく一人の女性として、マデリーヌ、あなたを愛している」
「!!」
「だけど”人間”であるオレは、分不相応な望みを持ってはいけない・・・越えてはいけない一線があるとずっと思っていたんだ」
「・・・越えてはいけない、一線?」
レヴィンの言葉に“もしかして・・・”と思わず期待してしまい、ドクン、ドクン、とまた心臓が早鐘を打ち始める
「以前、”これからの余生をすべてマデリーヌに捧げる”と伝えたけど、本音を言うと、老いる自分を見せながらあなたをを残して生を終えてしまうのはとても嫌だった。一時の関係だとマデリーヌに忘れ去られるのも、オレがいなくなった後にマデリーヌが悲しむのも想像するだけでイヤだった。いつだったかマデリーヌが「子供ができたって良い」と言ってくれた時、本当はすごく嬉しかったんだ。だけど、オレは”人間”だから初代国王のようにマデリーヌを残して先に逝ってしまう。そう思うと素直に喜ぶことができなかった。・・・ははっ、我ながら心が狭い男だよね」
「・・・え?」
あの時レヴィンが複雑な顔をしていた理由が、自分の思っていた内容とまったく違っていて、期待が確信へとどんどん変わっていく。
「・・・レヴィンがエリュシオンの避妊薬を飲んでいたのは、それが理由なの・・・?」
「なっ・・・え?!ちょっと待って!なんでマデリーヌがそれを・・・」
「答えてちょうだい!本当は私との子が欲しいけれど、子ができても自分は先にいなくなってしまうのが嫌だったの?てっきり私、あなたとの子を妊娠したら、欲に駆られた人間達がまたさらに増えて狙ってくることを懸念しているんだと・・・」
「あ、いや・・・確かにその考えもあったけど、そうなる前に徹底的に潰せば問題ない話だよ。幸い誰が敵でも手札は色々持ってるし、いざとなったらマデリーヌやエリュシオン達に協力してもらうつもりだったし・・・って、いやいやいや、マデリーヌこそそんな風に考えてたの??」
互いが相手を想っていることに変わりないのに、まったく違うことで悩んでいただなんて・・・
こんなことなら、もっと早くに本当の気持ちを伝えれば良かった。
「「・・・・・・ぷっ」」
状況が滑稽すぎて、思わず二人で同時に吹き出してしまった。
そして、ひとしきり笑った後どちらともなく口付けを交わし、そのまま無言でベッドに沈んだ私達は、互いの寝着のボタンを外して服を脱がせ合いながらまた口付ける。
レヴィンの優しくていやらしい指や口唇が身体に触れるたび、”愛してる”と言われている気がしていつも以上に気持ち良くて、もっともっと欲しくなる。
「ん、レヴィン・・・好きよ」
「うん、オレも・・・愛してる、マデリーヌ」
最近主導権を握りたがるレヴィンは、私を組み敷き優しく身体を弄りながら時々胸の先端をカリッと噛んだりシルシをつけたりと、甘さと痛みの伴う愛撫で私の身体をどんどん熱くさせる。
すぐにでもレヴィンと繋がりたい私の秘部は、まだ触れられてもいないのにすでに大量の蜜が溢れ、餌を待っている魚のようにヒクヒクとレヴィンを待ちわびていた。
けれど、レヴィンはそれに気付いていないのか両手で私の胸を揉みしだきながら、胸の先端を舌で転がしたり甘噛みしてばかりで、一番触れて欲しい場所に触れてくれない。
「んぁっ、ゃ、レヴィ・・・お願い。も、欲しい・・・痛っ」
「ん、強く噛みすぎちゃったね、ごめん・・・ぁむ、ちゅるっ」
「ふぁっ!胸ばかり、やぁ・・・」
「ふふっ、まだ触れてもいないのにこんなに濡れて・・・そんなにオレが欲しかった?」
ぐちゅんっ、といきなり挿入されたレヴィンの指を難なく受け入れる私のナカ。
触れて欲しかった場所だけれど、求めていた快感とは違っていて逆にもどかしい。
「ふぁ、指じゃ、やぁ・・・お願いレヴィン、早くちょうだい・・・」
「・・・っ、もう、少し焦らそうと思ったのに・・・そんな風におねだりされたら我慢できないかも」
「我慢なんて必要な・・・っぁ、あぁぁぁぁぁっ」
レヴィンのモノがあてがわれたと思ったら一気に奥まで挿入ってきて、求めていた快感が一気に全身を駆け巡る。
隙間がないくらいピッタリと肌を重ねながら、私は腕と足をさらにレヴィンに絡めて”もう離さないから”と全身でアピールする。
レヴィンもそれに応えるかのように腰をグラインドさせ、最奥に挿入したまま自身を刻み付けるように掻き混ぜ、欲望を秘めた野獣のような瞳で見つめ、私を食べるかのように激しく口付ける。
いつしか寝室には、ぐちゅっ、ずちゅっ、といういやらしい水音と、二人の荒い息遣いしか聞こえなくなっていた。
心も身体も何もかも繋がると、こんなにも満たされて幸せな気持ちになれるのね・・・
幸せ過ぎて泣きそうになりながらも貪るように求め合い、上も下も熱くて蕩けてしまいそうになった。
そして私のナカに熱を放った後、ようやく口を開いたレヴィンは確認するように私に問いかける。
「マデリーヌ・・・今のオレ達って、エリュシオン達みたいに命が繋がって、寿命も共有してるっていうのは本当なのかい?」
「えぇ、本当よ。その証拠に、今まで混ざり合うことのなかったあなたの魔力が、私の魔力と心地良く溶け合うように融合しているのを感じるわ。見た目は人間と変わらないけれど、これから先何十年、何百年とあなたは今の姿のまま老いることはないでしょうね」
「そっか・・・」
「・・・後悔、してる?」
さっきまでは怖くて聞けなかったレヴィンの気持ち。
今となっては答えがわかっているけれど、どうしてもレヴィン本人の口から直接聞きたかった。
「後悔してるわけないじゃないか。・・・わかってるだろう?」
「ふふっ、レヴィンの口から直接聞きたかっ・・・んっ、あぁっ」
「ん、ハァッ・・・マデリーヌは?オレがあなたの生涯の男になることに、後悔はない?」
「当たり前でしょ?ぁんっ・・・あなた、こそ、これから先私と生きていくのなら、“人間”として生きて行くことはできないわ。それに、家族とだって・・・ゃ、話すなら動かない、で・・・んっ」
「マデリーヌと同じ位置に立てる資格を得られて嬉しいんだ。体力が残っているうちに頑張っておかないと☆あ、ちなみに家族については、今まで予想外で規格外なサーヤとエリュシオン達をずっと見てきたから普通に受け入れてくれると思うよ」
「ふふっ、そうね。確かに多少驚きはするでしょうけれど、そんな気がするわ。・・・レヴィン、愛してる。加護は与えられないけれど、これからは私があなたを護ってあげるわ」
「ありがとう。オレもマデリーヌを誰よりも愛してる。この命尽きるまで、オレの全てをあなたに捧げます。・・・弱点にだけはなりたくないから、なるべく足を引っ張らないようできる限り頑張るよ」
互いに誓いを立てた後は、いつものように・・・けれど、いつもとはちょっと違うような甘い時間を二人で過ごし、そのまま眠りに就いた。
空気が重い。
視線を痛いほど感じるけれど、顔をあげる勇気がない。
今の私は、枕を背に座った状態のレヴィンから手を伸ばせば届くほどの距離にいて、正面から向き合っている。
エリュシオン達がいなくなってからしばらく経った気がするけれど、私もレヴィンもさっきから一言も発していない状態が続いていた。
話さなきゃ・・・とは思うけれど、いったい何をどう話したらいいの?
“秘薬を飲ませてしまってごめんなさい”・・・と言っても、飲ませたのは私ではないわね・・・
じゃあ“秘薬を飲ませようとしてごめんなさい”?それとも、”私と命が繋がり、寿命が延びてしまってごめんなさい”??
・・・ダメだわ。考えれば考えるほど違う気がしてくる。
なんにしても、レヴィンとしては望んでもいないのに私と命が繋がってしまったのだから、絶対に怒っているわよね??
「・・・マデリーヌ」
「!!」
急に声をかけられてビクっと過剰に反応してしまう。
その後の言葉が怖くて思わず逃げ腰になってしまったけれど、レヴィンはそれを見逃すことなく、私が逃げられないよう腕の中に閉じ込めてから、耳元で甘く「顔を見せて」と囁いた。
おずおずと顔をあげると、案の定レヴィンの口元はほのかに笑みを浮かべている。
最近の彼は、こういった“お願い”に私が弱いことを知っているのだ。
本当にずるい男。
レヴィンは何も言わずに、顔を上げた私の口唇に自身の口唇を重ねる。
ちゅ、ちゅ、と甘噛みするようなくすぐったい口付けは、次第に深い口付けへと変わり、口内に入ってきたレヴィンの舌が少し乱暴に私の舌を絡めとる。
心地良さと気持ち良さにそのまま身を委ねそうになったけれど、ようやく話しかけてきたレヴィンの言葉が、私を現実へと引き戻した。
「“命を繋ぐ秘薬”・・・そんな凄い秘薬をエリュシオンから貰ってたんだね。知らなかったよ」
「!!・・・ごめん、なさ・・・」
「謝るってことは、オレに悪いことをしたって思ってるの?後悔してる?」
「・・・」
悪いことをしたとは思ってる。
けれど、秘薬を使ってこれから先の生をレヴィンと共に居たいと望んだのは本当だもの。この結果に喜びこそすれ、後悔なんてしていない。
ただ、喜びと同じくらい申し訳ない気持ちでいっぱいで・・・でも、この気持ちを言葉でどう表現して良いのかわからなくて、何も言えないまま視線を逸らすことしかできない。
「・・・ふふっ、マデリーヌ。キミ、今自分がどんな顔をしてるかわかる?」
「え?」
「今にも泣きそうな顔なのに、笑ってるんだよ?今どんなことを思ってるの?」
怒ってるとばかり思っていたレヴィンは、私の予想に反し肩を震わせながら笑っていた。
泣きそうなのに笑ってるってどんな顔?私の顔がそんなに面白いとでもいうの??
元気になってくれたのは嬉しいけれど、どうしてこんなに笑われないといけないのかしら・・・だんだん腹が立ってきたわ。
「ふふっ、ごめんごめん。だって、さっきから予想外のことばかり起こるから・・・」
「もうもうっ、だからって人の顔見て笑うだなんて酷いわん。精霊達にだってこんなに笑われたことないのに・・・」
「うん、そうだね。マデリーヌは光の精霊・・・しかも王様だ。本来ならば出会うことも、ましてやベッドでこうして触れ合うことなどあり得ない尊い存在なんだよ」
「??・・・レヴィン?」
笑っていたレヴィンは、さっきまでと違い真面目な顔で私を見つめる。
ハルバードに似ているけれど、見た目も性格も野生の獣みたいなハルバードと違って、男性としては線が細くて美しい部類に入るレヴィン。
・・・まぁ、性格は全然美しくないけれど。
「以前も伝えたと思うけど、オレは精霊の王様だとか関係なく一人の女性として、マデリーヌ、あなたを愛している」
「!!」
「だけど”人間”であるオレは、分不相応な望みを持ってはいけない・・・越えてはいけない一線があるとずっと思っていたんだ」
「・・・越えてはいけない、一線?」
レヴィンの言葉に“もしかして・・・”と思わず期待してしまい、ドクン、ドクン、とまた心臓が早鐘を打ち始める
「以前、”これからの余生をすべてマデリーヌに捧げる”と伝えたけど、本音を言うと、老いる自分を見せながらあなたをを残して生を終えてしまうのはとても嫌だった。一時の関係だとマデリーヌに忘れ去られるのも、オレがいなくなった後にマデリーヌが悲しむのも想像するだけでイヤだった。いつだったかマデリーヌが「子供ができたって良い」と言ってくれた時、本当はすごく嬉しかったんだ。だけど、オレは”人間”だから初代国王のようにマデリーヌを残して先に逝ってしまう。そう思うと素直に喜ぶことができなかった。・・・ははっ、我ながら心が狭い男だよね」
「・・・え?」
あの時レヴィンが複雑な顔をしていた理由が、自分の思っていた内容とまったく違っていて、期待が確信へとどんどん変わっていく。
「・・・レヴィンがエリュシオンの避妊薬を飲んでいたのは、それが理由なの・・・?」
「なっ・・・え?!ちょっと待って!なんでマデリーヌがそれを・・・」
「答えてちょうだい!本当は私との子が欲しいけれど、子ができても自分は先にいなくなってしまうのが嫌だったの?てっきり私、あなたとの子を妊娠したら、欲に駆られた人間達がまたさらに増えて狙ってくることを懸念しているんだと・・・」
「あ、いや・・・確かにその考えもあったけど、そうなる前に徹底的に潰せば問題ない話だよ。幸い誰が敵でも手札は色々持ってるし、いざとなったらマデリーヌやエリュシオン達に協力してもらうつもりだったし・・・って、いやいやいや、マデリーヌこそそんな風に考えてたの??」
互いが相手を想っていることに変わりないのに、まったく違うことで悩んでいただなんて・・・
こんなことなら、もっと早くに本当の気持ちを伝えれば良かった。
「「・・・・・・ぷっ」」
状況が滑稽すぎて、思わず二人で同時に吹き出してしまった。
そして、ひとしきり笑った後どちらともなく口付けを交わし、そのまま無言でベッドに沈んだ私達は、互いの寝着のボタンを外して服を脱がせ合いながらまた口付ける。
レヴィンの優しくていやらしい指や口唇が身体に触れるたび、”愛してる”と言われている気がしていつも以上に気持ち良くて、もっともっと欲しくなる。
「ん、レヴィン・・・好きよ」
「うん、オレも・・・愛してる、マデリーヌ」
最近主導権を握りたがるレヴィンは、私を組み敷き優しく身体を弄りながら時々胸の先端をカリッと噛んだりシルシをつけたりと、甘さと痛みの伴う愛撫で私の身体をどんどん熱くさせる。
すぐにでもレヴィンと繋がりたい私の秘部は、まだ触れられてもいないのにすでに大量の蜜が溢れ、餌を待っている魚のようにヒクヒクとレヴィンを待ちわびていた。
けれど、レヴィンはそれに気付いていないのか両手で私の胸を揉みしだきながら、胸の先端を舌で転がしたり甘噛みしてばかりで、一番触れて欲しい場所に触れてくれない。
「んぁっ、ゃ、レヴィ・・・お願い。も、欲しい・・・痛っ」
「ん、強く噛みすぎちゃったね、ごめん・・・ぁむ、ちゅるっ」
「ふぁっ!胸ばかり、やぁ・・・」
「ふふっ、まだ触れてもいないのにこんなに濡れて・・・そんなにオレが欲しかった?」
ぐちゅんっ、といきなり挿入されたレヴィンの指を難なく受け入れる私のナカ。
触れて欲しかった場所だけれど、求めていた快感とは違っていて逆にもどかしい。
「ふぁ、指じゃ、やぁ・・・お願いレヴィン、早くちょうだい・・・」
「・・・っ、もう、少し焦らそうと思ったのに・・・そんな風におねだりされたら我慢できないかも」
「我慢なんて必要な・・・っぁ、あぁぁぁぁぁっ」
レヴィンのモノがあてがわれたと思ったら一気に奥まで挿入ってきて、求めていた快感が一気に全身を駆け巡る。
隙間がないくらいピッタリと肌を重ねながら、私は腕と足をさらにレヴィンに絡めて”もう離さないから”と全身でアピールする。
レヴィンもそれに応えるかのように腰をグラインドさせ、最奥に挿入したまま自身を刻み付けるように掻き混ぜ、欲望を秘めた野獣のような瞳で見つめ、私を食べるかのように激しく口付ける。
いつしか寝室には、ぐちゅっ、ずちゅっ、といういやらしい水音と、二人の荒い息遣いしか聞こえなくなっていた。
心も身体も何もかも繋がると、こんなにも満たされて幸せな気持ちになれるのね・・・
幸せ過ぎて泣きそうになりながらも貪るように求め合い、上も下も熱くて蕩けてしまいそうになった。
そして私のナカに熱を放った後、ようやく口を開いたレヴィンは確認するように私に問いかける。
「マデリーヌ・・・今のオレ達って、エリュシオン達みたいに命が繋がって、寿命も共有してるっていうのは本当なのかい?」
「えぇ、本当よ。その証拠に、今まで混ざり合うことのなかったあなたの魔力が、私の魔力と心地良く溶け合うように融合しているのを感じるわ。見た目は人間と変わらないけれど、これから先何十年、何百年とあなたは今の姿のまま老いることはないでしょうね」
「そっか・・・」
「・・・後悔、してる?」
さっきまでは怖くて聞けなかったレヴィンの気持ち。
今となっては答えがわかっているけれど、どうしてもレヴィン本人の口から直接聞きたかった。
「後悔してるわけないじゃないか。・・・わかってるだろう?」
「ふふっ、レヴィンの口から直接聞きたかっ・・・んっ、あぁっ」
「ん、ハァッ・・・マデリーヌは?オレがあなたの生涯の男になることに、後悔はない?」
「当たり前でしょ?ぁんっ・・・あなた、こそ、これから先私と生きていくのなら、“人間”として生きて行くことはできないわ。それに、家族とだって・・・ゃ、話すなら動かない、で・・・んっ」
「マデリーヌと同じ位置に立てる資格を得られて嬉しいんだ。体力が残っているうちに頑張っておかないと☆あ、ちなみに家族については、今まで予想外で規格外なサーヤとエリュシオン達をずっと見てきたから普通に受け入れてくれると思うよ」
「ふふっ、そうね。確かに多少驚きはするでしょうけれど、そんな気がするわ。・・・レヴィン、愛してる。加護は与えられないけれど、これからは私があなたを護ってあげるわ」
「ありがとう。オレもマデリーヌを誰よりも愛してる。この命尽きるまで、オレの全てをあなたに捧げます。・・・弱点にだけはなりたくないから、なるべく足を引っ張らないようできる限り頑張るよ」
互いに誓いを立てた後は、いつものように・・・けれど、いつもとはちょっと違うような甘い時間を二人で過ごし、そのまま眠りに就いた。
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