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【番外編&after story】

蜜月中の魔王様* inエリュシオンside

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※エリュシオンを救出した「あなたを助けるために3*」の直後くらいのお話です。


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「ん・・・エル、も、むりぃ・・・ スゥ――――」
「・・・寝言か?さすがに無理をさせ過ぎたか・・・」

先日、サーヤ達のおかげでセイルと俺は無事に聖獣女の根城から救出された。
あの檻さえどうにかなれば・・・と、セイルと共に機会を伺っていたが、まさかその前にサーヤ達があんな力技で助けに来るとは予想外だった。

頭脳派だろうと思っていたノルンが力で押し通すタイプだと話していた時に、「もしかしたら、無理矢理結界破壊したりして☆」とセイルが冗談交じりで言っていたが、まさかそれが現実になるとは思いもしなかった。


とりあえず、どこかのバカのせいで一度死にかけはしたものの、そのバカの協力もあって今は少しずつ魔力も体力も回復へと向かっている。

「ホントにお前は・・・褒めることと怒ることが同じくらいあるから、仕置きと褒美のどちらをやるべきか迷うではないか。まったく、大人しく待っていれば良いものを、あんな無茶までしおって・・・」

ライムントの魔法とサーヤを助けるためにほとんどの魔力を使ってしまった俺は、あのままだと今のアレク以上に回復に時間を要しただろう。だが、魔力は安静にしていれば時間がかかっても自然と回復するから、本来なら待っていれば良かったのだ。

それなのにサーヤこいつは・・・――――――

「やった事もない魔力付与を・・・しかも回復薬を飲みながら継続して行うなど無謀過ぎだ、バカが・・・」


一歩間違えれば、お前だって死んでいたかもしれないというのに・・・―――――


目の前ですやすやと寝息を立てるサーヤの顔に触れると、その手をきゅっと握り幸せそうな笑みを浮かべる。
“愛しい”という感情を知った俺は、今が幸せである反面それを失ったら・・・という恐怖が芽生えるようになったというのに・・・・・・お前は知る由もないのだろう。

「ホントにお前は・・・出会った頃から俺を振り回してばかりだ」

眠っているサーヤに口付けてひと眠りしようとしたが、眠っているくせに嬉しそうに“もっと”と反応を示す仕草が可愛くてつい手が伸びる。
昨夜・・・というか、まだ深夜だから数時間前になるが、俺の腕の中で艶やかに乱れていたサーヤの肌は、吸い付くように滑らかだがまだ少しだけ汗ばんでいた。

日焼けをほとんどしていない白い肌に散りばめられた無数の赤い華。
もう邪魔をする者など誰もいないのに、“俺のモノだ”というシルシはいくらつけても満たされず、消えそうになっては新しいシルシをつけてしまう。

今も胸の少し上に消えかけた赤いシルシを見つけ、眠っているサーヤの肌に吸い寄せられるように口付ける。

「んっ、ぁ・・・」

眠っていてもこうして反応されると、どんどん欲は膨らむばかりで。
寝かせてやりたいと思いながらも、そのまま首や鎖骨に唇や舌を這わせ、布団の中に手を差し入れて撫でるよう脚に触れる。起こしたくない気持ちもあり、触れて欲しそうに主張し始める胸の先端や、擦り合わせて触れて欲しそうな脚の付け根はあえて避けた。

「ぁ・・・ふぁ」
「くくっ、眠っていても相変わらず敏感な奴め。夢の中でも俺に抱かれているのか?」

気持ち良いようなくすぐったいような愛撫を繰り返していると、さらに息が上がってきたサーヤが艶っぽく反応する。熟れた果実のように美味そうな胸の先端を舌で転がしつつ甘噛みすると、案の定ビクンッと身体が反応を示したものの、発した言葉は予想外の内容だった。

「んぁっ、やぁ・・・だめ、ベルナートさ・・・」
「!!」

・・・は?駄犬??なぜ今その名前が出てくるのだ??

尚も“くすぐったい”だの“やめて”だの言いながら何度か駄犬の名前が出てきたことで、こいつの夢の中には俺ではなく駄犬がいるのだと確信する。

「ほぅ・・・夢の中の相手は駄犬か・・・」

面白くない。実に面白くない。
現実ではないから気にしなければ良いと頭で理解しているが、どうしてもサーヤ絡みだと調子が狂わされる。
”起きても構わない・・・いや、むしろ起きてしまえば良い”と思いながら、俺は己を刻み付けるかのようにサーヤの身体にかぶりついた。

先ほどまでの優しい愛撫ではなく、胸の先端をカリッと噛みながらサーヤのナカを指を指で掻き混ぜ、少々乱暴に解す。数時間前に放った俺の精が残っているナカは、充分にぬかるんでいるから問題なく挿入るだろう。

布団を剥ぎ取り、サーヤが“感じすぎるから苦手だ”と言っていた、横向きで片足を俺の肩にかける体位でゆっくりと挿入する。
ずぶずぶと少しずつ俺のモノを飲み込んでいくにつれ、眠っていたサーヤの反応が変化した。
さすがに刺激が強すぎて目を覚ましたらしい。

「ん、ぁ、エル?・・・ぁっ、ぁれ?」
「起きたか?サーヤ」
「ゃんっ、ぁ、嘘、もしかしてはいっ・・・んぁぁっ、・・・っふぁ」
「ずいぶんと、おもしろい夢を見ていたようだ、なっ」
「~~~~~~っ」

少し体重をかけながら最奥まで到達し抉るように掻き混ぜると、身体を震わせながらきゅうきゅうと俺のモノを締め付けるサーヤ。起きたばかりだというのに軽く達したらしい。
こいつの弱点は知り尽くしているが、その際俺に与える快感も半端ないので気を緩むと俺まで達しそうになる。

「ん、もう、朝なの・・・?」
「いや、まだ夜中だ」
「ど、して、こんな・・・んっ、ぁ、奥ダメっ・・・」
「サーヤ、どんな夢を見ていた?」
「ふぇ?ゆ、め・・・?」

達したことでさらに身体の力が抜けたサーヤを寝かせ、上から覆いかぶさる。
サーヤが好きな“恋人繋ぎ”とやらで手を繋ぎながら、瞼や頬、唇へと口付けを落とすと、先ほどまで困惑していたサーヤが落ち着きを取り戻し、俺の言った言葉に対して返答し始めた。

「えっと・・・庭で、ミナトちゃん達とお昼寝してた・・・かな?」
「ミナト達ということは、ミナト、カイト、後は駄犬か?」
「う・・・ん」

忘れたわけでもないような、いまいち歯切れの悪い言い方にひっかかりを覚える。
何かを隠してると確信した俺は、腰をゆるゆると動かしながらサーヤの耳元で囁いた。

「どうした?憶えていないのか?それとも・・・・・・駄犬とこういうコトをしていたのか?」
「??!!・・・なっ、違っ、んむっ、ふ・・・」

返答を聞きたい気持ちもあるが、例え夢であってもサーヤの口から駄犬と睦み合った話など聞きたくはない。矛盾した感情を抱きながら、俺は己の唇でサーヤの口を塞ぎ、話す余裕などなくなるくらい攻め立てた。

ナカに残っていた精と新たに分泌された愛液で、最奥をノックするたびにじゅぶんっ、ぐちゅんっ、とおびただしい水音が部屋に響き渡り、サーヤは瞳を潤ませながら顔を赤く染める。
その仕草が、俺の加虐心を煽っているのだということを未だに気付いていないらしい。

「・・・っ、エルっ、んんっ・・・音、やぁ・・・恥ずかし、ん、ふっ」
「んっ、はぁ・・・一度、イクぞ」
「ぅあっ、ゃ、深・・・ぁふっ、んんっ、~~~~~~~~~~~~~っ」

唇を重ねたまま、最奥でドクン、ドクン、と吐精する。
俺とほぼ同時に達したサーヤも、ビクンッ、ビクンッと身体を大きく痙攣させ、一気に脱力していた。
このまま意識を失わせるつもりがない俺は、ミナトが用意してくれた超癒しの水を口に含み、サーヤに口移しで与える。

「ん、んく、ゴクッ・・・・・・ぷはぁ、もう、エルのバカ・・・寝込み襲うなんて酷いよ」
「お前が変な夢を見ていたのが悪い」
「・・・ねぇエル。もしかして、嫉妬?」
「・・・」

ハッキリ言われることほどバツの悪いモノはない。
なるべく考えないようにしていたが、俺はかなり独占欲が強い方だろう。しかもサーヤに関しては特に。
サーヤが好きなコトしたり、好きな場所に行って楽しそうにする姿を見るのも好きだが、反面、俺から離れられないよう閉じこめておきたい気持ちも同じくらいある。

「ふふっ、あくまで夢だよ?ぼんやりしか覚えてないし、エルが気にするほどの夢じゃ・・・」
「だったら、駄犬にナニをされていた?」
「や、えっと、その・・・だから、大したことは・・・・・・」

なおも歯切れの悪い言い方をするため、身体に聞こうとしたらサーヤはすぐに白状した。
どうやらミナト達と昼寝している夢の中で、駄犬が寝ぼけてサーヤの身体を舐めまわしていたらしい。実際にサーヤの身体に触れて舐めていたのは俺だが、夢の中では駄犬に置き換えられたようだ。

「ふむ。駄犬にはまだまだ躾が必要なようだな・・・」
「いやいや、わんこ状態のベルナートさんだし、しかも夢の中の話だから!しかも、現実であたしに触れてたのはエルだからね!!」


すっかり目が覚めた様子のサーヤは、「もう、エルってば意外とヤキモチ焼きだよね☆あたしもだけど♪」と言いながら俺に抱きつき、嬉しそうに胸にシルシを付け始めた。

「ん、ちゅ・・・へへ、キスマーク付けるのだいぶうまくなってきたと思わない?あたしだって負けないくらいヤキモチやきだから、しっかりと虫よけしておかなきゃね!」

”虫よけだ”と一生懸命シルシを付けるサーヤに、”黒”である俺に寄ってくるような物好きなどいないと言おうとしたが、独占欲を隠そうともしないサーヤが小動物のように愛らしくて好きにさせることにした。


・・・――――が、忘れていた。
こいつは俺が黙っていればいるほど好き放題して、とんでもないコトをしでかす奴だった。


「・・・っ」
「ふふっ、エルの乳首立ってきた。可愛い・・・れろっ」
「っく、おい、やめ・・・ん」

仕返しと言わんばかりに、俺がいつもしているように胸の先端を舌先で転がし痛くならない絶妙な加減で甘噛みするサーヤ。
油断していた俺が思わず声を出すと、さらに気分が良くなったサーヤは自ら腰を動かし始め気持ち良いトコロを擦り合わせる。

「んぁっ、エルの、ナカでどんどんおっきく・・・ふぁぁぁっ」
「くっ・・・煽ったのは、お前だぞ、サーヤ・・・っ」
「きゃぅっ、あっ、だって、エルはあたしの・・・あぁぁっ、ぁああぁぁっ」

数えきれないほど抱いてきたサーヤのナカはすっかり俺のモノに馴染み、吸い寄せられるように自然と互いの気持ち良いトコロを刺激し合う。
心も身体もすべて満たされるようなこの感覚は、一度味わうとやめられない麻薬のようでなるべく無理させたくないのについ夢中で貪ってしまう。

「・・・っ、サーヤ」
「んっ、エ、ルっ・・・ぁんっ」
「っく、ハァ、サーヤ・・・愛してる・・・」
「――――??!!」

珍しく感情が昂り過ぎたのか、気が付けば普段めったに言わない言葉を発していた。
そしてサーヤは、身体をビクンッと痙攣させてからナカを締め付け、真っ赤な顔で口をパクパクしてから、両手で顔を覆い顔を背けてしまった。


・・・もしかして今、俺の言葉で達したのか?


なおも顔を覆ったまま小動物のようにプルプル震えるサーヤに、俺は追い打ちをかけるように耳元で囁いた。

「サーヤ、愛してる」
「!!」
「お前がいれば他に何も要らない」
「!!!」
「例え俺の言葉だけで達するような淫乱でも、ずっとそばにいて欲しい」
「だぁぁぁぁぁぁっ、うるさいうるさ――――いっ!いったい誰のせいだと思ってるのよ!!それに、そんなわざとらしい甘い台詞なんて・・・」
「わざとではない。本心だ」
「っ!!!!」

サーヤの反応が面白くてまくしたてたのは本当だが、言葉の内容に嘘などはない。

「これからもずっと、女として愛しているのはお前だけだ、サーヤ。だから、お前も俺だけを見ていろ」
「・・・っ、あ、ぅ~~~~」

今までこれよりもっと恥ずかしいことを何度もしているはずなのに、言葉だけでこんなに恥ずかしがるとは・・・身体のことは理解しても、こいつの恥ずかしいというベクトルだけは未だに理解できない。

真っ赤な顔で瞳を潤ませていたサーヤは、俺にしがみ付きながら「うぅ、悔しい・・・あたしだって愛してるんだからね、バカぁ・・・」と赤くなった顔を両手で隠しながら悔しそうに呟く。

感度がどんどん上がり、胸だけで達するようになったサーヤが、今度は俺の言葉で達するようになったらしい。
また一つサーヤの一部を手に入れたようで嬉しかったが、喜びすぎると逆ギレして負けん気を起こすだろう。そして、ベッドの上でこいつに主導権を握らせるとロクなことにならないから、俺はそのまま快楽を貪ることに集中した。

「んぁっ、エル・・・キス、して欲し・・・んっ、ふ」

結合部をピッタリとくっつけ、サーヤの腰を抑えながら円を描くようにゆっくりと掻き混ぜ、要望に応えて口付けて舌を絡める。
上も下も溶けて一つになりそうなこの体勢は、心も身体も満たされる感じがしてずっとこうしていたくなる。サーヤも同じ気持ちなのか、俺を求めるように必死に舌を絡めながら腰をゆるゆると動し始めた。

今までは俺が一方的に気持ち良くさせたり抱き潰すことが多かったが、情欲に満ちた顔で俺を求めるサーヤの姿を一度見てしまうとそうさせたくなるわけで。最初は動きがぎこちなかったサーヤも、今では余裕がある時は自ら腰を動かすようになった。

「ん、気持ち、良すぎ・・・ぅあっ、ゃ、溶けちゃぅ・・・」
「くくっ、いつぞやは”溶けて一つになりたい”と言っていなかったか?」
「あっ、それ、は・・・ゃあっ、これ、気持ち良すぎ・・・んむっ、ふ」


本当にそうなりたいわけではないが、以前サーヤが”このまま溶けて1つになれたらずっと一緒にいられるか・・・”と言っていた気持ちが今ならわかる気がする。


そんなことを思いながら、そのまま溶け合うようにナカに欲を吐き出した俺は、心地よい温もりを感じながらサーヤと眠りに就いた。



翌朝、レオンやサクラが起こしに来るまで珍しく熟睡していた俺は、魔力もだいぶ回復しスッキリと清々しい気持ちで起きることができたが、それに対しサーヤは声がかすれ思うように動けないようだ。
いつものように、超癒しの水と妖精の粉を与えてすっかり元気になったのに「なんか理不尽っ!!」と怒っていたので、その日はいつも以上にサーヤを甘やかすことにした。

そして、駄犬には最近できたばかりの改良した回復しない回復薬を2本ほど飲ませることにした。
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