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【番外編&after story】
最強の腐食スライム誕生秘話 inエリュシオンside
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※フェイフォンの森の家で暮らし始めた
『楽しく始まる新居の準備2』と『いざ戦場・・・いやいや、王城へ』間くらいのお話です。
--------------------------
◇
「エルぱぱにとって、いちばん嫌な攻撃ってなぁに?」
「・・・は?」
フェイフォンの森の家で暮らし始めて少し生活に慣れてきた頃、落ち人のタモツが残した素材や備品をチェックしている最中に珍しくミナトが一人で研究室に訪れ、「今日のおやつはなぁに?」と聞いてくるのと同じようにそんな事を聞いてきた。
一番嫌な攻撃・・・?
どういう事だ?ミナトはいったい何をする気だ?
まさか俺の弱点を探って・・・いやいや、俺とサーヤを親のように慕うミナトに限ってそんな事は断じてあり得ぬ。
一瞬困惑したが、平静を取り戻しまずはミナトに理由を聞く事にした。
「ミナト・・・なぜそのようなことを?」
「サーヤままの周り、いつも危険がいっぱいなの。でも、あたし達が護ろうとしてもずっと護るのは難しいの。セイたんに相談したら、サーヤままでも使えるアイテムを作れば良いんじゃないかって言ってたのよ」
「なるほど・・・先代様から貰った指輪のおかげで護りは固くなったから、相手に攻撃できるモノを作ろうというわけか」
「そうなの。あたしの水魔法を使って攻撃できるもの・・・何か作りたいの」
「水魔法で攻撃か・・・」
少し前までサーヤが”癒しの天使!!”と言っていた幼い少女のミナトは、メラルダやこのフェイフォンで色々経験を重ね、以前より身体も心も成長して自分のやるべき事を探して自分から行動しようとしているようだ。
感慨深くて何か込み上げるモノがあったが、頭を切り替え何とかミナトの問いについて思考する。
水魔法は、攻撃魔法主体の火や雷に比べると、癒しや護りとして使う方が多いだろう。
だが、不思議なことに自然災害は水が不足した事による干ばつや、大量の雨による土砂災害など、水の影響力は強い。また、生きるために水は必要不可欠だが、水中に入ってしまうとまともに動けず呼吸ができないため、逆に危険な状態となる。
使い方次第で、水は十分武器になりえるだろう。
「溺れさせると言っても、大量の水は魔力消費も激しい・・・ならば、小さめの水球で顔を覆う?いや、それだとアイテムではないな。少量の水で動きを止めるか・・・呼吸器官を塞ぐならば粘着性もあった方が良いか・・・?」
「少量で動きを止める・・・粘着性・・・」
俺が考えながらぶつぶつと思考を練っていると、同じようにミナトも考え始める。
そして、それから程なく「エルぱぱ、これなら攻撃できる?」と言って見せてきたのは、綺麗な青色をした手のひらサイズのスライムだった。
「これはスライムか?」
「うん。レオたん達と遊ぶ時はもうちょっと大きくしてるけど、ぷにぷにして柔らかいから、サーヤままが教えてくれた“かさすごっこ”っておままごとで、犯人役が崖から飛び降りる時のクッションにピッタリなのよ。あと、暑い日にはお昼寝用の冷たいクッションとしても役立つの♪」
「・・・」
ちょっと待て。
“かさすごっこ”?犯人役が崖から飛び降りるとはなんだ?
ままごととは、普通家族で構成されていて父や母、子供がいるほのぼのとした遊びだと思っていたが、サーヤは何変な遊びを教えているのだ?!
心の中でサーヤへのお仕置きを決意しつつ、ミナトの話に戻る。
確かにスライムならば魔力の消費量も押さえられるし、応用すれば相手の動きを封じたりすることも可能だろう。
「うむ、そうだな。スライムならば色々役立ちそうだ」
「ホント?!スライムならいっぱい練習したから、いくらでも作れるのよ!」
ミナトは嬉しそうに以前練習で作ったというスライムの話をしてくれたが、毒草を使った“猛毒スライム”とか人食い花の酸を使った”強酸スライム”、他にも笑いダケや麻痺や石化効果のある毒草など、作っているスライムすべてがえげつないモノばかりだった。
・・・誰だ、ミナトにこのような危ない素材ばかり提供したのは・・・
「ライたんね、趣味でお庭でいろんな薬草つくってるのよ。ライたんが、どれも薬草を使った証拠が残らない優れモノだって言ってたの。これで、サーヤままとエルぱぱの敵は、全員ぷっちんなのよ♪」
「・・・」
サーヤがよくミナトのことを“天使”と言って可愛がっていたが、今俺の前にいるミナトはまさにその天使のような微笑みで、めちゃくちゃ物騒なことを言っている。
俺も人間は好きではないが、精霊王達の人間嫌いはさすがに行き過ぎではないか?
「ミナト・・・さすがにそれらは、サーヤが使い方を誤ると危険だからやめておこう」
「むぅ・・・確かにサーヤままならやりかねないの」
サーヤ。お前、ある意味ではミナトに全然信用されていないのだな・・・
「ミナト、これは俺が駄犬の躾・・・いや、死なない程度だが確実にを与えるために作った薬なのだが・・・」
「う?しつけ?」
「そこは忘れて良い。たいていの生物には五感と言って、視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚というのがある。これは“味覚”で相手にダメージを与えるものだ。」
「ごかん・・・」
「あぁ。これは回復薬と称して相手に飲ませるものだからな。“味覚”で攻撃するのが適している」
「味覚で攻撃・・・じゃあ、このスライムだったら?」
「ふむ。スライムならば・・・」
スライムには“視覚”と“聴覚”は適していないだろう。
“触覚”も、ツルツルか粘着するかしかないため、攻撃には向かないな。
となると・・・
「“嗅覚”か“味覚”か・・・」
「みゅ?エルぱぱ、“きゅうかく”ってなぁに?」
「“嗅覚”とは臭いだ。例えば、サーヤが作る飯は良い匂いがするだろう?」
「うんっ!サーヤままのご飯、美味しそうなとってもいい匂いなのよ!でも、匂いで攻撃ってできるの?」
「あぁ。良い匂いはもちろん攻撃にならないが、悪い臭いならば十分攻撃に値する」
「!!」
「本来スライムは攻撃に向かないが、手のひらサイズのボールと同じならば、サーヤでも相手に向かって投げたりぶつけたりできるだろう。・・・もしぶつけられたスライムからとてもイヤな臭いがしたら、ミナトはどう思う?」
「!!!!・・・ものすごく嫌っ!」
「しかも、それが洗っても洗ってもとれないほど臭かったら?」
「????!!!!」
余程臭いスライムをぶつけられた自分を想像したのか、ミナトはショックを受けた顔をしながら次第に瞳を潤ませていく。
待て待て。これでは俺がミナトを泣かせているみたいではないかっ!
例えめったに人が訪れない研究室だからと言えど、誰も来ないとは限らないし、どこかでセイルが見てるかもしれな・・・―――――――
(コンコンッ、ガチャ)
「ぱぱ、ミーたんいゆ?みんなでおやつだから・・・・・・―――――え?」
よりによってこの最悪なタイミングでレオンが入ってきた。
「・・・ッグズ、ん、レオ、たん?」
「レオン、これは・・・」
「ぱぱ、ミーたん、いじめたの?」
ノックをした後、相手の返事を待ってから開けろと散々教えて来たのに、何度言っても直らないところはサーヤにそっくり・・・いやいや、それは今どうでも良い。
完全に目の前のレオンは、俺がミナトを泣かせたと思い込んで父親である俺に向かって殺気を放っている。
「レオン、あのな・・・」
「ミーたんいじめゆの、ぱぱでもゆるさない・・・」
「みゅ?レオたん、怒ってる?どうして??」
目の前のレオンは俺の言葉を聞く耳持たないし、当のミナトは現状を把握しておらずなぜレオンが怒っているのかを理解していない。
なんだこの状況はっ!
どうしてこんな時に限って、空気の読めるカイトや盾にできる駄犬がこの場にいない?!
レオンが本気で殴りかかって来ても力ずくで止められるが、万が一レオンがケガなどしたらどうしてくれる!!
そうこう思っている間に、殺気を放ったレオンは一瞬にして距離を詰め、俺に殴りかかってきた。
それに気付いて受け身を取ろうとしたところで、ミナトが「レオたん、また暴走してるの」と言って、俺とレオンの間に巨大なスライムを出現させた。
巨大スライムに突っ込んだレオンは、そのままミナトがスライムを操り身動きが取れないよう拘束されている。
ミナト、“また”って言ったか?そして、随分手慣れているのは気のせいだろうか?
レオンの暴走を止めたミナトは状況を説明し、誤解だと理解したレオンはすぐさま俺に謝罪してきた。
うむ・・・ここ最近はミナト達や双子達の修行に立ち会っていないが、レオンの格闘術も以前より断然レベルアップしているし、ミナトも随分と魔力調整が上達した気がする。
俺が知らないだけで、ミナトやレオン、そしてサクラやカイトもずいぶんと成長してるのだろう。
・・・駄犬はなぜか幼児退行している気がするが。
「エルぱぱっ、ありがとうなの!あたし、最強のスライム作り、頑張るのよ!!」
「あぁ・・・」
最強のスライム作り・・・
果たしてスライムが最強となりえるのかこの時疑問だったが、その後ミナトは、レオンやサクラ、カイトや他の精霊王達の助力を得て、必死に最強のスライム作りに励んでいた。
近くの森が緑を失ったり、劇薬にもなりえるライムントの薬草農園の薬草の減りが早いのも気になったが、「サーヤが使っても危険じゃないモノ」という条件は守っていると言っていたので、俺は自由に作らせる事にした。
後日、俺とセイルが不覚にも聖獣女に捕まり、救出の際その腐食スライムを使ったと聞いた時、仲間内では最強であろうフランさえも戦意を失いかけるほどのスライムだったと聞いて、ミナトは本当に最強のスライムを作ってしまったのだと少々戦慄した。
口々に「酷い臭いだった」「死ぬかと思った」などの発言をしている皆を見て、魔力枯渇で深い眠りに就いていた俺は、心の中で密かに安堵していたのは言うまでもない。
-----------------------------------
影では意外といろんな人に振り回されてる苦労人な魔王様です(笑)
※そして、うっぷんが溜まると矛先は大体サーヤに向きます←
『楽しく始まる新居の準備2』と『いざ戦場・・・いやいや、王城へ』間くらいのお話です。
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「エルぱぱにとって、いちばん嫌な攻撃ってなぁに?」
「・・・は?」
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一番嫌な攻撃・・・?
どういう事だ?ミナトはいったい何をする気だ?
まさか俺の弱点を探って・・・いやいや、俺とサーヤを親のように慕うミナトに限ってそんな事は断じてあり得ぬ。
一瞬困惑したが、平静を取り戻しまずはミナトに理由を聞く事にした。
「ミナト・・・なぜそのようなことを?」
「サーヤままの周り、いつも危険がいっぱいなの。でも、あたし達が護ろうとしてもずっと護るのは難しいの。セイたんに相談したら、サーヤままでも使えるアイテムを作れば良いんじゃないかって言ってたのよ」
「なるほど・・・先代様から貰った指輪のおかげで護りは固くなったから、相手に攻撃できるモノを作ろうというわけか」
「そうなの。あたしの水魔法を使って攻撃できるもの・・・何か作りたいの」
「水魔法で攻撃か・・・」
少し前までサーヤが”癒しの天使!!”と言っていた幼い少女のミナトは、メラルダやこのフェイフォンで色々経験を重ね、以前より身体も心も成長して自分のやるべき事を探して自分から行動しようとしているようだ。
感慨深くて何か込み上げるモノがあったが、頭を切り替え何とかミナトの問いについて思考する。
水魔法は、攻撃魔法主体の火や雷に比べると、癒しや護りとして使う方が多いだろう。
だが、不思議なことに自然災害は水が不足した事による干ばつや、大量の雨による土砂災害など、水の影響力は強い。また、生きるために水は必要不可欠だが、水中に入ってしまうとまともに動けず呼吸ができないため、逆に危険な状態となる。
使い方次第で、水は十分武器になりえるだろう。
「溺れさせると言っても、大量の水は魔力消費も激しい・・・ならば、小さめの水球で顔を覆う?いや、それだとアイテムではないな。少量の水で動きを止めるか・・・呼吸器官を塞ぐならば粘着性もあった方が良いか・・・?」
「少量で動きを止める・・・粘着性・・・」
俺が考えながらぶつぶつと思考を練っていると、同じようにミナトも考え始める。
そして、それから程なく「エルぱぱ、これなら攻撃できる?」と言って見せてきたのは、綺麗な青色をした手のひらサイズのスライムだった。
「これはスライムか?」
「うん。レオたん達と遊ぶ時はもうちょっと大きくしてるけど、ぷにぷにして柔らかいから、サーヤままが教えてくれた“かさすごっこ”っておままごとで、犯人役が崖から飛び降りる時のクッションにピッタリなのよ。あと、暑い日にはお昼寝用の冷たいクッションとしても役立つの♪」
「・・・」
ちょっと待て。
“かさすごっこ”?犯人役が崖から飛び降りるとはなんだ?
ままごととは、普通家族で構成されていて父や母、子供がいるほのぼのとした遊びだと思っていたが、サーヤは何変な遊びを教えているのだ?!
心の中でサーヤへのお仕置きを決意しつつ、ミナトの話に戻る。
確かにスライムならば魔力の消費量も押さえられるし、応用すれば相手の動きを封じたりすることも可能だろう。
「うむ、そうだな。スライムならば色々役立ちそうだ」
「ホント?!スライムならいっぱい練習したから、いくらでも作れるのよ!」
ミナトは嬉しそうに以前練習で作ったというスライムの話をしてくれたが、毒草を使った“猛毒スライム”とか人食い花の酸を使った”強酸スライム”、他にも笑いダケや麻痺や石化効果のある毒草など、作っているスライムすべてがえげつないモノばかりだった。
・・・誰だ、ミナトにこのような危ない素材ばかり提供したのは・・・
「ライたんね、趣味でお庭でいろんな薬草つくってるのよ。ライたんが、どれも薬草を使った証拠が残らない優れモノだって言ってたの。これで、サーヤままとエルぱぱの敵は、全員ぷっちんなのよ♪」
「・・・」
サーヤがよくミナトのことを“天使”と言って可愛がっていたが、今俺の前にいるミナトはまさにその天使のような微笑みで、めちゃくちゃ物騒なことを言っている。
俺も人間は好きではないが、精霊王達の人間嫌いはさすがに行き過ぎではないか?
「ミナト・・・さすがにそれらは、サーヤが使い方を誤ると危険だからやめておこう」
「むぅ・・・確かにサーヤままならやりかねないの」
サーヤ。お前、ある意味ではミナトに全然信用されていないのだな・・・
「ミナト、これは俺が駄犬の躾・・・いや、死なない程度だが確実にを与えるために作った薬なのだが・・・」
「う?しつけ?」
「そこは忘れて良い。たいていの生物には五感と言って、視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚というのがある。これは“味覚”で相手にダメージを与えるものだ。」
「ごかん・・・」
「あぁ。これは回復薬と称して相手に飲ませるものだからな。“味覚”で攻撃するのが適している」
「味覚で攻撃・・・じゃあ、このスライムだったら?」
「ふむ。スライムならば・・・」
スライムには“視覚”と“聴覚”は適していないだろう。
“触覚”も、ツルツルか粘着するかしかないため、攻撃には向かないな。
となると・・・
「“嗅覚”か“味覚”か・・・」
「みゅ?エルぱぱ、“きゅうかく”ってなぁに?」
「“嗅覚”とは臭いだ。例えば、サーヤが作る飯は良い匂いがするだろう?」
「うんっ!サーヤままのご飯、美味しそうなとってもいい匂いなのよ!でも、匂いで攻撃ってできるの?」
「あぁ。良い匂いはもちろん攻撃にならないが、悪い臭いならば十分攻撃に値する」
「!!」
「本来スライムは攻撃に向かないが、手のひらサイズのボールと同じならば、サーヤでも相手に向かって投げたりぶつけたりできるだろう。・・・もしぶつけられたスライムからとてもイヤな臭いがしたら、ミナトはどう思う?」
「!!!!・・・ものすごく嫌っ!」
「しかも、それが洗っても洗ってもとれないほど臭かったら?」
「????!!!!」
余程臭いスライムをぶつけられた自分を想像したのか、ミナトはショックを受けた顔をしながら次第に瞳を潤ませていく。
待て待て。これでは俺がミナトを泣かせているみたいではないかっ!
例えめったに人が訪れない研究室だからと言えど、誰も来ないとは限らないし、どこかでセイルが見てるかもしれな・・・―――――――
(コンコンッ、ガチャ)
「ぱぱ、ミーたんいゆ?みんなでおやつだから・・・・・・―――――え?」
よりによってこの最悪なタイミングでレオンが入ってきた。
「・・・ッグズ、ん、レオ、たん?」
「レオン、これは・・・」
「ぱぱ、ミーたん、いじめたの?」
ノックをした後、相手の返事を待ってから開けろと散々教えて来たのに、何度言っても直らないところはサーヤにそっくり・・・いやいや、それは今どうでも良い。
完全に目の前のレオンは、俺がミナトを泣かせたと思い込んで父親である俺に向かって殺気を放っている。
「レオン、あのな・・・」
「ミーたんいじめゆの、ぱぱでもゆるさない・・・」
「みゅ?レオたん、怒ってる?どうして??」
目の前のレオンは俺の言葉を聞く耳持たないし、当のミナトは現状を把握しておらずなぜレオンが怒っているのかを理解していない。
なんだこの状況はっ!
どうしてこんな時に限って、空気の読めるカイトや盾にできる駄犬がこの場にいない?!
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それに気付いて受け身を取ろうとしたところで、ミナトが「レオたん、また暴走してるの」と言って、俺とレオンの間に巨大なスライムを出現させた。
巨大スライムに突っ込んだレオンは、そのままミナトがスライムを操り身動きが取れないよう拘束されている。
ミナト、“また”って言ったか?そして、随分手慣れているのは気のせいだろうか?
レオンの暴走を止めたミナトは状況を説明し、誤解だと理解したレオンはすぐさま俺に謝罪してきた。
うむ・・・ここ最近はミナト達や双子達の修行に立ち会っていないが、レオンの格闘術も以前より断然レベルアップしているし、ミナトも随分と魔力調整が上達した気がする。
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・・・駄犬はなぜか幼児退行している気がするが。
「エルぱぱっ、ありがとうなの!あたし、最強のスライム作り、頑張るのよ!!」
「あぁ・・・」
最強のスライム作り・・・
果たしてスライムが最強となりえるのかこの時疑問だったが、その後ミナトは、レオンやサクラ、カイトや他の精霊王達の助力を得て、必死に最強のスライム作りに励んでいた。
近くの森が緑を失ったり、劇薬にもなりえるライムントの薬草農園の薬草の減りが早いのも気になったが、「サーヤが使っても危険じゃないモノ」という条件は守っていると言っていたので、俺は自由に作らせる事にした。
後日、俺とセイルが不覚にも聖獣女に捕まり、救出の際その腐食スライムを使ったと聞いた時、仲間内では最強であろうフランさえも戦意を失いかけるほどのスライムだったと聞いて、ミナトは本当に最強のスライムを作ってしまったのだと少々戦慄した。
口々に「酷い臭いだった」「死ぬかと思った」などの発言をしている皆を見て、魔力枯渇で深い眠りに就いていた俺は、心の中で密かに安堵していたのは言うまでもない。
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影では意外といろんな人に振り回されてる苦労人な魔王様です(笑)
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