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14章 初めての家族旅行兼新婚旅行 ~お城はやっぱり危険なトコロ~

エピローグ

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よぞらに見える 大きな大きなお月さま
いつもとおなじ夜なのに いつもとちがう お月さま

みんなをしあわせにする あおくて きれいなお月さま 


このおはなしは どんなにつらくて かなしいことがあっても
あきらめなかった あるお姫さまのおはなし・・・―――――――


・・・


・・・・・・


************************************


「・・・―――――――そして、悪い魔女によって大切な王子を奪われたお姫様は、森へと追放されたのでした」
「ひどいの!くーが、そのまじょ、ぷっちんするのよ!!」
「おーじも、しゅぎょーたりないの!だから、まじょにまけちゃうの!!」
「あだっ!なんな―っ!!」
「ふふっ、三人共、そんなに怒らなくてもこの後お姫様は幸せになるから安心して良いのよ?」
「そなの?ノンたん、はやくつづき、しりたいの!」
「ノンたん、よんで!!」
「あんあ!めーっ!!」
「「・・・」」


春のぽかぽかした心地良い昼下がり。
ガルドニアにある森の家のテラスでは、日向ぼっこをしながらノルンさんが子供達に絵本の読み聞かせをしていた。一見素晴らしく絵になる光景なのに、物語の内容にこの通り子供達は激おこ状態である。
双子に釣られたにしても、リリアまで怒ってるのはどうして?まだ絵本の内容を理解できてないはずだよね??


フェイフォンの騒動とあたしの妊娠発覚から、かれこれもう半年ほど経った今、あたしのつわりが以前より重いという事以外は、比較的平和な生活が戻ってきた。


とりあえず安定期になるまではフェイフォンの家で生活し始めたものの、元々ライムントさんとタモツさんの2人で生活していた家は大人数での生活に向いておらず、人数を制限したらしたであたしがつわりでご飯を作れないこともあり、いろいろと問題が勃発した。

そのため、家の建て直しに慣れているエルの両親こと、ルーシェントさんとフィリーさんに助けを求め、敷地を拡張して家を増築する事にしたのだ。
皆で分担し協力し合ったとはいえ、一週間足らずで家が建ち皆で生活できるようになったのにはとても驚いた。

そして、ルーシェントさんがいるならば・・・と、エルはフェイフォンの家にも転移門ゲートを作り始め、あたしが安定期に入る前に見事に完成させた。
そのおかげで、安定期に入ってから皆それぞれの家に帰ることができ、元の生活へ戻ったというわけだ。

あたしは寝たきりとまでいかないけど、長時間動き回るのがつらいため家のことがほとんどできず、ご飯はエルが作るか転移門ゲートを使ってアレク兄様達やルーシェントさん達が持ってきてくれていた。
ミナトちゃん達や双子達も、率先して家事を手伝ってくれたので生活には何ら問題はない。

皆には感謝してもしきれないので、無事に出産を終えた暁には、たくさんの料理とお菓子で皆をおもてなししようと思う。


・・・――――――そして現在、ノルンさんと先代様が子供達を見てくれている。
といっても、先代様は聖獣の姿でノルンさんに寄り添い、子供達のクッション代わりになっているだけだけどね。
もふもふのクッション・・・正直ちょっと、いや、かなり羨ましい。

子供達と一緒にもふもふを堪能したい気持ちもあるんだけど、今はどうしてもそばに行きずらい理由があった。


その理由はというと・・・―――――――――


「ねぇ、エル。今ノルンさんが読んでるのって、もしかしなくてもあたしとエルのお話だよね?」
「・・・そうだな」

そう。
今ノルンさんが子供達に読み聞かせてるのは、先ほどマデリーヌさんが持ってきた、モニカとユーリが監修したというあたしとエルの話を題材にした絵本だった。

ガルドニアで”蒼月”という、この世界の蒼い月をテーマにした人気の絵本シリーズで、”舞台になった話をぜひ絵本でも!”とモニカの元に熱烈なオファーがあったらしい。
それにしたって、監修を国王夫妻がするのってどうなの?しかも、ユーリに至っては登場人物本人ですけど?!

一応子供向けの絵本ということで舞台とは違った脚色がされてるみたいだけど、すでに王族嫌いとなっているレオンとサクラは、さっきから王子様批判やダメ出しがすごい。

「ふっ、現実の王子などロクな奴がいないからな」
「それは・・・まぁ、そうかもしれないけどさ。あ、今お腹蹴った」
「くくっ、“早く出せ”と言ってるようだな。落ち着きのないトコロはお前にそっくりではないか」
「酷い!これでも前よりは落ち着いたんだよ!!・・・たぶん」
「ふっ、元気であればどちらでも構わわぬ。お前も、腹の子もな」
「エル・・・んっ、ゃ、皆近くに・・・んんっ」
「ん・・・あいつらは絵本に夢中だ。気にするな」

リビングのソファでふわふわのクッションに包まれてるあたしに、覆いかぶさるようにエルがキスをする。
お腹を優しく撫でながら、じゃれるようにはむはむとあたしの口唇を啄み心から幸せそうなエルの顔を見ると、あたしまで幸せな気持ちになってついそのまま流されてしまう。
さすがにエルも、ここでキス以上のことはしないよね?きっと。

優しいキスの雨が止んだ頃、あたしとお腹の子を慈しむように撫でながら、エルは言葉を続けた。

腹の子こいつが産まれたら、しばらく子は控えようと思うが・・・良いか?サーヤ」
「ん?それは良いけど・・・そもそも今回って、あの妊娠しやすくなる薬使ってないよね?種族違いは妊娠しずらいんじゃなかったの?」
「あの薬は副作用があるから使っていない。・・・が、サーヤの身体の周期と子ができやすい体勢などを理解していれば、いくらでも調整できると今回改めてわかった」
「・・・ソウデスカ」

確かに旅行中の一時期、エルにめちゃくちゃ抱かれてベッドがお友達状態の時期があった気がするけど、アレはそういう事だったんですね・・・納得。
ホントにエルは、あたし以上にあたしの身体を理解してくれているようです。

お腹の子が生まれたら子供は4人。
元々子供は授かりモノだ。あたしとしてはできたら嬉しいし、できなくても今いる家族が大切であることに変わりはないので、どちらでも構わなかった。
でも、エルがボソッと「しばらくは、可能な限り二人の時間を満喫したい」と呟いたのを聞き逃さなかったあたしは、即OKしました。
エルがたまに見せるこういうデレに、あたしはめっぽう弱いのだ。


あたしがエルに甘えているうちに絵本の物語はクライマックスに差し掛かったらしく、レオンやサクラが「がんばれ、ぱぱ!」とか「ぱぱ、わるいまじょ、やっつけるのよ!!」などと叫んでいる声が聞こえてきた。
おかしい、どうして二人はエルを応援してるの?絵本にエルの名前なんて出てるわけないのに・・・

「ノルンってば、あの絵本がサーヤとエリュシオンの話を元にしたモノだってレオンとサクラに話したみたいだね☆」
「!!・・・セイル?!いつからそこに?」
「・・・なるほどな」

当然のように現れて話しかけてきたセイルに驚いたのはあたしだけで、エルはセイルと普通に会話している。
そして、あたしの声でこっちを向いたリリアがセイルの存在に気付き、嬉しそうにハイハイしながら近づいてきた。

「ぇいーっ」
「ふふっ、リリア、今日も元気で可愛いね☆」

嬉しそうなリリアをセイルが抱っこした時、ちょうど絵本の読み聞かせも終わったようで、レオンやサクラ達もセイルの存在に気が付いた。

「あら。セイルがいるという事は、あちらの準備は終わったのかしら?」
「うん☆ボクはサーヤ達を呼びにきたんだ♪おっと、移動する前に今日のお姫様であるリリアにはこれをあげようね☆」

セイルはそう言って、白いリナリアの花がついた花冠をリリアの頭に乗せる。

実は今日は、リリアの1歳の誕生日パーティなのだ。
現在メラルダの家の庭では、アレク兄様達やルーシェントさん達がたくさんの料理を作って待っているはず。

主役であるリリアは、キャロさん特製の淡いピンク色の可愛いベビードレスを着ている。
もちろんそれだけでも可愛いけど、セイルがくれた花冠がこれまたドレスにピッタリで、リリアはまさに花の妖精さんみたいで超絶可愛い!

あぁ・・・我が家の天使達と妖精さんがホントに可愛い過ぎるっ!
今日もベルナートさんの黒曜石で、バッチリたっぷり記憶させてもらわなきゃ!

「まま!また、わるいまじょがきたら、ボクたち、やっつけるよ!」
「そなの!くーたち、ままも、このこもまもるの!!もっともーっと、つよくなるのよ!!」
「あー・・・うん、ありがとう。でも、悪い魔女はもういないから、気持ちだけもらっておくね」

お揃いジャケットを着た我が家の双子の天使達は、相変わらず頼もしい・・・というか、さらに喧嘩上等になってる気がする。
家族を護る気持ちは嬉しいけど、お願いだからこれ以上は強くならないで欲しい。切実に。


「ではサーヤ、行くぞ」
「うん!・・・って、ひゃっ?!エル、あたし歩けるよ??」
「2人分の大事な身体だ。この方が安全だろう」
「そうなのよ、まま」
「まま、よくころぶも。だから、ぱぱがだっこなの」
「まうー」
「ふふっ、リリアまで同意してるみたいだよ☆」
「えぇ?!」
「良いじゃない、サーヤ。大事にされている証拠よ?」
「お前は見ているとヒヤヒヤするからな。仕方あるまい」

最早あたしがエルにお姫様抱っこされるのが普通になってる?!
ってか、先代様の言葉が酷いっ!見ててヒヤヒヤするって、あたしそんなにドジじゃないのに!!



◇◆



§§§§§§§§§§§§§§§§§§§§§§§§§§§§§§

 何十年かに一度 蒼い月が夜空を照らすとき
 運命に導かれ出逢う者あり 
 異性ならば永遠の愛を 同性ならば生涯の友となるだろう

§§§§§§§§§§§§§§§§§§§§§§§§§§§§§§



 エルが教えてくれた この世界の“蒼い月”についての言い伝え
 あたしが元いた世界で知った内容と少し違ったけれど
 あたしとエルの出逢いが より特別なモノに思えてすごく嬉しかった



「あ、サーヤまま達来たのよ」
「おにーさん、おねーさん、待ってたよ。リリア、誕生日おめでとう」
「うわ~、今日のリリア、いちだんと可愛いね!今日のためにいっぱい黒曜石作ったから、たくさん思い出残そうね!!」



 楽しかったことも 辛かったことも たくさんたくさんあった



「あらん♡サーヤちゃん、だいぶお腹が大きくなったわねん♡♡そろそろ産まれるんじゃなくて?」
「そうだね。確か来月だったかな?狩ってきた栄養たっぷりの魔猪をステーキにしてもらったんだ。妊婦も食べて問題ないみたいだから、後で食べると良い」
「少し前に、“うめぼし”がなくなりそうだと言っていたであろう?複製して持ってきてやったぞ。ついでに”はーぶてぃー”と”はーぶそると”も複製しておいた。礼ならぜんざいで構わぬ、作れる時に作れ」



 貴方に出逢い 貴方を通していろんな人達と出逢い いろんな別れもあった



「サーヤちゃん、少しでも容体が変わったら教えてね。私の権限で、メラルダの病院のVIPルームをもう押さえてるから、いつでも対応できるよ!」
「着替えなど必要なモノは、すべてこちらで用意してありますわ。だから、サーヤは自分の身体のことだけを考えなさいな」
「ボクも、てつだったよ」
「ちゃるも、がんばったの」
「そうだな。二人とも、たくさん手伝って偉かったぞ」
「「えへへ♪」」
「くぅ~、アレクもすっかりパパの顔が板に付いてきたな。子供の頃から知ってる分、実に感慨深い・・・」
「隊長~、発言がなんかジジくさいですよ」
「実際、隊長は年取った」
「ちょっ、リンダ!アルマ!どうしていつまでも俺の扱い酷いの?!」



 かけがえのない仲間と出逢い 



「ふふっ、サーヤの周りは相変わらず賑やかですわね、セレス」
「ははうえ、みなさん、たのちそうでしゅ」
「・・・アレは、賑やかと言うのか?」
「ま、カルステッドはそういう役回りだからね。仕方ないさ♪」
「父上まで・・・」

「ふふっ、エリュシオンはこんなに良い人達と巡り会えていたんだね、フィリー」
「あぁ。・・・だが、その良い人にあのようなおぞましい恰好を・・・」
「ん?おぞましいって、いったい何のことだい?」



 ・・・―――――そして かけがえのない家族たからものができた



「まま、ほしいもの、ボクがとりにいくの」
「まま、のみもの、くーがとりにいくのよ」
「いや、自分で取りに行ける・・・―――」
「「めっなの!!」」
「めーっ」
「くくっ、リリアまで反対しているようだ。諦めろ、サーヤ」
「そうそう☆主役にこう言われちゃね♪」
「うぅ、ホントに大丈夫なのに・・・」



 これからも 良いことだけじゃなく 悪いことも含めて
 いろんなことがたくさんあるだろう

 だけど 貴方と 大切な家族や仲間達となら 
 何でも乗り越えられそうな気がする・・・―――――



「エル」
「ん?」
「この子が産まれたら、また皆で一緒にお出かけして、いろんな世界を見せてあげようね」
「・・・そうだな。だが、たまには二人の時間も作るぞ」
「もちろん!・・・エル、愛してるよ♡」
「あぁ。・・・俺も・・・・・・(ボソッ)愛してる」
「―――――!!!エルっ、大好きっ♡♡」
「ぅわっ!急に動くなっ、このバカがっ!!」
「えへへ、ごめん・・・」



 異世界であたしを拾ったオレ様なエルフこと エルのおかげで
 あたしのセカンドライフは これからも最高に幸せな生活が続きそうです!





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本編はこれにて完結します。
最後までお読みいただいた方、本当に、本当に、ありがとうございました。

本編に入れられなかった番外編や小話などをこの後ちょこちょこ更新していく予定です。
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