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14章 初めての家族旅行兼新婚旅行 ~お城はやっぱり危険なトコロ~
二人を救出するために
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◇
意気揚々と出かけていったライムントさんが帰ってきた。
帰ってきたんだけど・・・―――――――
「あの・・・ライムントさん。何があったかわかりませんけど、そろそろ出て来てくれませんかね?」
「ライたん。エルぱぱは?セイたんは?お願いなの、もう怒ってないからわかったこと教えて欲しいの」
ライムントさんは帰ってきた直後から、自分の部屋のベッドに引きこもっている状態だ。
どことなく髪が乱れ、服も乱れ、少し泣きそうな顔をしていた気がするライムントさんの身にナニがあったのか・・・ちょっと想像できて可哀そうになったけど、聖獣イディナロクと接触したのは間違いないだろう。
そうなると、エルやセイルについても何かしら情報を得ているはずだから、今こうしてあたしとミナトちゃんでライムントさんの部屋に来て、先ほどからなるべく優しく声をかけてるんだけど一向に返事がない。
だんだんミナトちゃんが苛立ち始めて、ボソッと「いい加減にしろなのよ・・・」と言ってるのでホントにそろそろ出てきてほしいところだ。
「「まま、ししょーいたいいたいなの?」」
あたしとミナトちゃんの元に、レオンとサクラが手を繋いで仲良くやってきた。
いつの間にか師弟関係がすっかり根付き、二人はライムントさんのことを師匠と呼びながら心配している。
「ん~、そうだね、いたいいたいなのかもね」
「げんきないの、ままのおかしたべたら、げんきなのよ」
「そだよ!さっきのおやちゅ、くおくてあまくて、おいちかったもっ」
「あ、ぜんざいね。ちょっと前に小豆っぽいモノ手に入れたから作ってみたんだけど、結構美味しかったよね」
「ふふっ、サーヤままのお菓子で、美味しくないモノなんてないのよ♪」
「やだなぁ、ミナトちゃん。そんな褒めたって何も出てくるわけ・・・」
「ゼンザイ・・・だと?」
「・・・へ?」
「ゼンザイっ!我にも、我にも寄こせぇぇぇぇぇっ」
「ひぃぃぃぃっ!出たぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
ミナトちゃんがぜんざいの味を褒めたら、ライムントさんが出てきました、まる。
◇
「・・・なるほど。では城から南西に行った辺りの国王の離宮に聖獣イディナロク殿がいて、エリュシオンやセイル殿は何かの魔道具で洗脳か魅了魔法をかけられている最中だと・・・」
「・・・そうだ」
「ライムント殿にそのような深手を負わせるとは・・・聖獣イディナロク殿もやはり強いのですね・・・」
「いや、この怪我はミナトや双子の攻撃によるものだ」
「・・・・・・え?」
ぜんざいに釣られて出てきたライムントさんは、ベッドから出て真っ先にあたしに飛び掛かってきた。だけど、それに反応したミナトちゃん、レオン、サクラ、三人の攻撃により瞬時に阻止されたのだ。
そのせいで、ライムントさんの顔には痛そうな痣がいくつかくっきりとできている。
ミナトちゃんはともかく、双子達、曲がりなりにも自分達の師匠に対して容赦なさすぎじゃない?ってか、君達以前よりもさらに強くなってない??あなた達まだまだ子供ですからね??!!
先ほどマデリーヌさんと一度ガルドニアに戻っていたレヴィンさんを中心に、改めてダイニングで作戦会議を始めたものの、ライムントさんの姿やケガの理由を聞いて固まってしまうレヴィンさん。
だけど、マデリーヌさんがレヴィンさんに何か耳打ちすると、レヴィンさんはあたしをちらりと見て何かを納得したように話を進め、マデリーヌさんはライムントさんに回復魔法をかけ始めた。
ちょっと待って。なんか、なんか腑に落ちないっ!!なんであたしを見て納得しちゃうの??!!
「・・・――――とりあえず、エリュシオンとセイル殿は早急に救出したいですね・・・」
「うむ。だが、結界の中にどうやって入る?力でどうこうできるモノではないようだぞ?」
「そうですね・・・それが一番問題なのです」
皆が難しい顔をしながら結界内に入る方法を考える中、ライムントさんは一人無言でぜんざいを食べ続けている。
レオンとサクラも食べたそうにしてるけど、これ以上食べるとご飯が食べれなくなるからダメです。
めちゃくちゃよだれ垂らしまくってるけど、ダメったらダメです。
「ねぇ、ライムントがサーヤに加護を与えたら、俺やノルンがサーヤを通して繋がるから、またライムントが結界内に入った時同じ場所へ転移できるようになるんじゃない?」
「「「「!!!!!」」」」
ベルナートさんの言葉に、ノルンさんやマデリーヌさん、レヴィンさんにあたしが反応する。
そうだ。
あたしがベルナートさんに攫われた時、ベルナートさんの加護を得た瞬間に魔法が使えるようになって、セイルも転移魔法で駆け付けて来れたんだよね。
そんな理由で加護をもらって良いのかアレだけど、でもそれが一番確実な方法なのかもしれない。
そうと決まればライムントさんを説得だ!と思ってライムントさんの方を見てみたら、なんだか様子がおかしかった。
「えっと・・・ライムント、さん?」
「・・・」
口の周りを餡子だらけにしたライムントさんは、顔面蒼白の状態でブルブルと震えているようだ。
忘れていた恐怖をまた思い出してしまったんだろう。
「大丈夫ですか?ライムントさ・・・――――――ひゃぁっ?!」
(ガタッ、ガタガタンッ)
近づいて声をかけると、ライムントさんがいきなりあたしに飛びついてきたので、支えきれずにそのまま尻もちをついてしまった。
飛びついてきたライムントさんは尚も震え、「いやだ・・・女、怖い・・・いやだ・・・」と呟いている。
・・・いや、あの、あたしも女なんですけど・・・
ライムントさんがこんなにも怯えるなんて・・・
確かに協力して欲しいけど、こんなに怖がった状態のライムントさんを見るのは忍びない。
とりあえず、少しでも慰めになればとライムントさんの頭を優しく撫でながら子供にしてあげるみたいにぎゅうって抱きしめる。
服が餡子まみれになるのは仕方ない。諦めよう。
周囲はミナトちゃんを筆頭にライムントさんを剝がそうと睨みつけてたけど、それを無言で制してから声をかける。
「あたし達のお願いで、怖い思いさせてしまって・・・ごめんなさい」
「・・・っ」
「だけど・・・お願いします。ライムントさんがそれだけ怖い思いしたって事は、エルやセイルも同じかそれ以上の酷い目に遭ってしまうかもしれないんです。もうライムントさん一人に任せたりしません、あたし達もできる限りのことはします。だから・・・だから、エル達の救出に力を貸してください・・・っ」
あたし以外の女がエルに触れるって考えるだけで嫌だし、もちろんセイルにだって触れて欲しくない。
それに、今こうしている間にも二人が洗脳や魅了のような魔法で苦しんでる以上、できればいますぐ行動して救出に向かいたいくらいだ。
だけど、あたしにできる事なんて限られてる。
でも、その限られた事があたしにしかできないならば・・・―――――
「お願いしますっ、ライムントさんの加護をあたしに下さい!!ライムントさんのこと、絶対大切にしますからっ!!!」
「―――――――!!!」
一瞬ピクっと反応したライムントさんは、無言のまま自らもあたしに腕を回してきてぎゅうっと抱きしめ返してきた。
「ししょー、くーからも、おねがいなの」
「サクラ・・・」
「こあいの、みんなでやっつけるの。ししょーやぱぱ、セイたんいじめるやつ、てきなの!やっつけゆの!!」
「レオン・・・」
「そうね。あんな聖獣イディナロクなんて、結界にさえ入れたら敵ではないわ」
「うむ。我から見てもディーよりノルンの方が強いだろう」
「精神崩壊さえしてなければ、私がどうにか回復させてあげられるはずよん♡たぶん♡♡」
あたしのお願いをきっかけに、皆が口々に頼もしい言葉をかけてくれる。
・・・一部の発言には物申したい気持ちでいっぱいだけど、今はあえてスルーしよう。
「ライムント、おねーさんに加護を与えたいって気持ちは今もあるの?」
「・・・サーヤと・・・・・・サクラになら、与えても良い・・・」
「え?」
「う?くーも?まま、かごってなぁに??」
意外な事に、ライムントさんはあたしと、サクラにも加護を与えても良いと思ってくれているらしい。
親としては嬉しいけど、サクラに加護を与えてもノルンさん達は潜入できな・・・―――――
「ダメっ!サクラはダメっ!!サクラの初めて(の加護)は俺なのっ!!!!」
「みゅ?」
ベルナートさんがサクラを抱き上げてそう叫んだ瞬間、皆固まってシ――――――――ンと静まり返った。
「くーのはじめて、ベルなの?」
「え・・・ゃ、その・・・」
「ふふっ、くーのはじめて、ぜんぶベルに、あげゆのよ♪」
「・・・っ、サク、ラ・・・」
そう言って、サクラは自分を抱き上げているベルナートさんの頬っぺたに、ちゅっとキスをした。
わぁぁぁぁぁっ!何これ、何これ、ナニコレ~~~~~~~~~っ!!!
やだもう二人とも超可愛いっ!!でも今ここにエルがここにいたら、絶対血の雨が降っただろうね!
周囲もなんだかにまにまと、あたしと同じような気持ちで見守っているようだ。
・・・呆然としてるライムントさんを除いて。
「そんなわけで、ライムントさん。お願いします、あたしに今すぐ加護を下さい!!ぜんざい好きならもっと作りますから!!!」
「・・・しらたまたっぷりのゼンザイが食べたい」
「はいっ、喜んで!!」
こうしてあたしは、ぜんざいに釣られてくれたライムントさんから加護を与えてもらうことになったのでした。
・・・与えてもらってなんだけど、加護ってそんな感じでもらって良いものなの??
意気揚々と出かけていったライムントさんが帰ってきた。
帰ってきたんだけど・・・―――――――
「あの・・・ライムントさん。何があったかわかりませんけど、そろそろ出て来てくれませんかね?」
「ライたん。エルぱぱは?セイたんは?お願いなの、もう怒ってないからわかったこと教えて欲しいの」
ライムントさんは帰ってきた直後から、自分の部屋のベッドに引きこもっている状態だ。
どことなく髪が乱れ、服も乱れ、少し泣きそうな顔をしていた気がするライムントさんの身にナニがあったのか・・・ちょっと想像できて可哀そうになったけど、聖獣イディナロクと接触したのは間違いないだろう。
そうなると、エルやセイルについても何かしら情報を得ているはずだから、今こうしてあたしとミナトちゃんでライムントさんの部屋に来て、先ほどからなるべく優しく声をかけてるんだけど一向に返事がない。
だんだんミナトちゃんが苛立ち始めて、ボソッと「いい加減にしろなのよ・・・」と言ってるのでホントにそろそろ出てきてほしいところだ。
「「まま、ししょーいたいいたいなの?」」
あたしとミナトちゃんの元に、レオンとサクラが手を繋いで仲良くやってきた。
いつの間にか師弟関係がすっかり根付き、二人はライムントさんのことを師匠と呼びながら心配している。
「ん~、そうだね、いたいいたいなのかもね」
「げんきないの、ままのおかしたべたら、げんきなのよ」
「そだよ!さっきのおやちゅ、くおくてあまくて、おいちかったもっ」
「あ、ぜんざいね。ちょっと前に小豆っぽいモノ手に入れたから作ってみたんだけど、結構美味しかったよね」
「ふふっ、サーヤままのお菓子で、美味しくないモノなんてないのよ♪」
「やだなぁ、ミナトちゃん。そんな褒めたって何も出てくるわけ・・・」
「ゼンザイ・・・だと?」
「・・・へ?」
「ゼンザイっ!我にも、我にも寄こせぇぇぇぇぇっ」
「ひぃぃぃぃっ!出たぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
ミナトちゃんがぜんざいの味を褒めたら、ライムントさんが出てきました、まる。
◇
「・・・なるほど。では城から南西に行った辺りの国王の離宮に聖獣イディナロク殿がいて、エリュシオンやセイル殿は何かの魔道具で洗脳か魅了魔法をかけられている最中だと・・・」
「・・・そうだ」
「ライムント殿にそのような深手を負わせるとは・・・聖獣イディナロク殿もやはり強いのですね・・・」
「いや、この怪我はミナトや双子の攻撃によるものだ」
「・・・・・・え?」
ぜんざいに釣られて出てきたライムントさんは、ベッドから出て真っ先にあたしに飛び掛かってきた。だけど、それに反応したミナトちゃん、レオン、サクラ、三人の攻撃により瞬時に阻止されたのだ。
そのせいで、ライムントさんの顔には痛そうな痣がいくつかくっきりとできている。
ミナトちゃんはともかく、双子達、曲がりなりにも自分達の師匠に対して容赦なさすぎじゃない?ってか、君達以前よりもさらに強くなってない??あなた達まだまだ子供ですからね??!!
先ほどマデリーヌさんと一度ガルドニアに戻っていたレヴィンさんを中心に、改めてダイニングで作戦会議を始めたものの、ライムントさんの姿やケガの理由を聞いて固まってしまうレヴィンさん。
だけど、マデリーヌさんがレヴィンさんに何か耳打ちすると、レヴィンさんはあたしをちらりと見て何かを納得したように話を進め、マデリーヌさんはライムントさんに回復魔法をかけ始めた。
ちょっと待って。なんか、なんか腑に落ちないっ!!なんであたしを見て納得しちゃうの??!!
「・・・――――とりあえず、エリュシオンとセイル殿は早急に救出したいですね・・・」
「うむ。だが、結界の中にどうやって入る?力でどうこうできるモノではないようだぞ?」
「そうですね・・・それが一番問題なのです」
皆が難しい顔をしながら結界内に入る方法を考える中、ライムントさんは一人無言でぜんざいを食べ続けている。
レオンとサクラも食べたそうにしてるけど、これ以上食べるとご飯が食べれなくなるからダメです。
めちゃくちゃよだれ垂らしまくってるけど、ダメったらダメです。
「ねぇ、ライムントがサーヤに加護を与えたら、俺やノルンがサーヤを通して繋がるから、またライムントが結界内に入った時同じ場所へ転移できるようになるんじゃない?」
「「「「!!!!!」」」」
ベルナートさんの言葉に、ノルンさんやマデリーヌさん、レヴィンさんにあたしが反応する。
そうだ。
あたしがベルナートさんに攫われた時、ベルナートさんの加護を得た瞬間に魔法が使えるようになって、セイルも転移魔法で駆け付けて来れたんだよね。
そんな理由で加護をもらって良いのかアレだけど、でもそれが一番確実な方法なのかもしれない。
そうと決まればライムントさんを説得だ!と思ってライムントさんの方を見てみたら、なんだか様子がおかしかった。
「えっと・・・ライムント、さん?」
「・・・」
口の周りを餡子だらけにしたライムントさんは、顔面蒼白の状態でブルブルと震えているようだ。
忘れていた恐怖をまた思い出してしまったんだろう。
「大丈夫ですか?ライムントさ・・・――――――ひゃぁっ?!」
(ガタッ、ガタガタンッ)
近づいて声をかけると、ライムントさんがいきなりあたしに飛びついてきたので、支えきれずにそのまま尻もちをついてしまった。
飛びついてきたライムントさんは尚も震え、「いやだ・・・女、怖い・・・いやだ・・・」と呟いている。
・・・いや、あの、あたしも女なんですけど・・・
ライムントさんがこんなにも怯えるなんて・・・
確かに協力して欲しいけど、こんなに怖がった状態のライムントさんを見るのは忍びない。
とりあえず、少しでも慰めになればとライムントさんの頭を優しく撫でながら子供にしてあげるみたいにぎゅうって抱きしめる。
服が餡子まみれになるのは仕方ない。諦めよう。
周囲はミナトちゃんを筆頭にライムントさんを剝がそうと睨みつけてたけど、それを無言で制してから声をかける。
「あたし達のお願いで、怖い思いさせてしまって・・・ごめんなさい」
「・・・っ」
「だけど・・・お願いします。ライムントさんがそれだけ怖い思いしたって事は、エルやセイルも同じかそれ以上の酷い目に遭ってしまうかもしれないんです。もうライムントさん一人に任せたりしません、あたし達もできる限りのことはします。だから・・・だから、エル達の救出に力を貸してください・・・っ」
あたし以外の女がエルに触れるって考えるだけで嫌だし、もちろんセイルにだって触れて欲しくない。
それに、今こうしている間にも二人が洗脳や魅了のような魔法で苦しんでる以上、できればいますぐ行動して救出に向かいたいくらいだ。
だけど、あたしにできる事なんて限られてる。
でも、その限られた事があたしにしかできないならば・・・―――――
「お願いしますっ、ライムントさんの加護をあたしに下さい!!ライムントさんのこと、絶対大切にしますからっ!!!」
「―――――――!!!」
一瞬ピクっと反応したライムントさんは、無言のまま自らもあたしに腕を回してきてぎゅうっと抱きしめ返してきた。
「ししょー、くーからも、おねがいなの」
「サクラ・・・」
「こあいの、みんなでやっつけるの。ししょーやぱぱ、セイたんいじめるやつ、てきなの!やっつけゆの!!」
「レオン・・・」
「そうね。あんな聖獣イディナロクなんて、結界にさえ入れたら敵ではないわ」
「うむ。我から見てもディーよりノルンの方が強いだろう」
「精神崩壊さえしてなければ、私がどうにか回復させてあげられるはずよん♡たぶん♡♡」
あたしのお願いをきっかけに、皆が口々に頼もしい言葉をかけてくれる。
・・・一部の発言には物申したい気持ちでいっぱいだけど、今はあえてスルーしよう。
「ライムント、おねーさんに加護を与えたいって気持ちは今もあるの?」
「・・・サーヤと・・・・・・サクラになら、与えても良い・・・」
「え?」
「う?くーも?まま、かごってなぁに??」
意外な事に、ライムントさんはあたしと、サクラにも加護を与えても良いと思ってくれているらしい。
親としては嬉しいけど、サクラに加護を与えてもノルンさん達は潜入できな・・・―――――
「ダメっ!サクラはダメっ!!サクラの初めて(の加護)は俺なのっ!!!!」
「みゅ?」
ベルナートさんがサクラを抱き上げてそう叫んだ瞬間、皆固まってシ――――――――ンと静まり返った。
「くーのはじめて、ベルなの?」
「え・・・ゃ、その・・・」
「ふふっ、くーのはじめて、ぜんぶベルに、あげゆのよ♪」
「・・・っ、サク、ラ・・・」
そう言って、サクラは自分を抱き上げているベルナートさんの頬っぺたに、ちゅっとキスをした。
わぁぁぁぁぁっ!何これ、何これ、ナニコレ~~~~~~~~~っ!!!
やだもう二人とも超可愛いっ!!でも今ここにエルがここにいたら、絶対血の雨が降っただろうね!
周囲もなんだかにまにまと、あたしと同じような気持ちで見守っているようだ。
・・・呆然としてるライムントさんを除いて。
「そんなわけで、ライムントさん。お願いします、あたしに今すぐ加護を下さい!!ぜんざい好きならもっと作りますから!!!」
「・・・しらたまたっぷりのゼンザイが食べたい」
「はいっ、喜んで!!」
こうしてあたしは、ぜんざいに釣られてくれたライムントさんから加護を与えてもらうことになったのでした。
・・・与えてもらってなんだけど、加護ってそんな感じでもらって良いものなの??
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