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13章 初めての家族旅行兼新婚旅行 ~お米をGetするために~

お米の生産地、マジャーレ村に到着!

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あたし達は、お米・・・もとい、リーズを生産をしているマジャーレという村に到着した。

え?到着が早い?道中いろいろあったんじゃないかって??
もちろん道中はいろんな事がありました。・・・あり過ぎましたよ。

でもね、ちょっと振り返りたくないというか、“普通の子供”ってどう教育したらなってくれるのかなって出来事ばかりだったので、それは別の機会があればまた・・・


とりあえず、今いるのは初めて訪れたマジャーレの村。
村と言っても、家の近くにあるスルト村みたいに行商が割と盛んなようで、けっこうな賑わいを見せている。

「わぁ~、町ほどじゃないけど結構な人混みだね。はぐれないように手を繋ごうか」
「まま、まいごはめっなのよ」
「ボクのて、ちゃんと、ぎゅっとしてね」
「あれ?注意するの・・・あたし??」
「「(コクリ)」」

レオンとサクラがあたしの両腕をぎゅっと掴んでくれるけど、その理由がちょっとショックだ。

「あらあら、レオンとサクラ、よくわかってるじゃありませんの」
「なっ?!クラリスさんまで酷いっ!!」
「あら?どっかの誰かさんってば、ハーフェンで迷子になったと聞いたのですけれど・・・私の聞き間違いだったかしら?」
「うぐっ・・・」
「レオン、サクラ、今日はサーヤのそばを一時も離れず監視しておけ。何をしでかすかわからん」
「「あいっ」」
「エルまで??!!」

リリアを抱っこしているエルは、レオンとサクラにあたしの監視をお願いしてる。
もう皆してあたしの扱いおかしくない?さすがに泣いちゃうよ??

「サーヤまま、大丈夫なのよ」
「ミナトちゃん・・・」

やっぱり天使は見放さなかった!

「全快なの!」と言って、今朝合流して一緒にマジャーレの村に入ったミナトちゃんとカイトくんとベルナートさん。
ミナトちゃんは、パステルピンクのチュニックワンピにツインテールと今日も超可愛いっ!!

うん、ミナトちゃんならあたしの味方になってくれると信じて・・・

「サーヤままが迷子になっても、あたし達がきっと見つけるの。だから安心してね♡」
「え・・・?」
「ミナト、それフォローになってないよ」
「大丈夫だよ、サーヤ。迷子になりやすいのは俺も一緒だから!」
「・・・」

可愛い笑顔の天使にトドメを刺され、カイトくんの的確なツッコみとベルナートさんの慰めてるようで慰めてない言葉がさらに追い打ちをかける。

「ふふっ、皆にこれだけ心配されてるって事なんだから、素直に喜んでおけばいいじゃない☆」
「・・・素直に喜べる内容じゃないもん」
「それは、日頃の行いのせいだよ☆サーヤのことは、信頼してるけど信用はしてないからね♪」
「・・・」

もう返す言葉もございません・・・


こうしてあたしは、レオンとサクラに連行・・・いや、手を繋ぎながら露店の立ち並ぶ市場へと足を踏み入れた。





市場というのは、町や村により特産品が違うだけで大体お店の作りや、飲食、雑貨、地元の特産品、その他というように場所を分けて行われているらしい。

だから、どういうモノを買いたいか、食べたいかで自ずと行く場所が決まる。
もちろん今回まず行くのは飲食エリアである。

お米を使った料理が絶対あるはず!
まずはしっかりと現地の味ってモノを食べてから買い物へ行くのだ!!


「ん~・・・お醤油の香ばしい匂いがする♪」


出来立ての食べ物を多数取り扱っているこのエリアでは、メラニウム王国で売っていたイカ焼き、魔獣の肉と野菜を交互に串に刺した串焼き、そして、あたしが探し求めていたお米も当然の事ながら調理された状態で販売されていた。

「パエリアっ、パエリアだぁ~~~~~!!!」
「まま、めっだよ」
「すてーなのよ、まま」
「ぷっ!・・・ちょっとエリュシオン、レオンとサクラにナニ教えてるのさ♪」
「・・・待てをできなかった場合だけ言えと伝えたのだが、早速コレか・・・駄犬と一緒だな」
「え?俺、サーヤと一緒??嬉しい!!」
「ベル、それって喜ぶところじゃないと思うよ」

なんかものすごく失礼なことを言われてるけど、目の前のパエリアに夢中なあたしの耳には届かない。

まず目に入ったのは、大きな鍋に魚介類たっぷり色鮮やかな野菜たっぷりのパエリアを売っているお店。
さすがにサフランはこの世界にないらしく、バターライスのいい匂いが食欲を駆り立てる。

「パエリアっ!あ、隣の店にあるのはもしかしてイカめし?!あぁぁっ、焼きおにぎりまで??!!ヤダもうここに住みたいっ!!」
「・・・アレク、家はどうなっている?」
「申し訳ございません。さすがにこの村に住みたいとまで思うとは予想できず、まだ物件の候補は探しておりません・・・」
「へぇ~、さすがのアレクもサーヤの思考は予想できないみたいだね☆」
「ぐっ・・・俺はまだまだ未熟者のようです。申し訳ございません・・・」
「えっと・・・サーヤちゃんは勢いで言ってるだけだし、アレクは十分過ぎるほど行動してると思うよ?」
「レオン、サクラ、このままではサーヤが脱走しますわ!絶対手を放しちゃダメですわよ!!」
「「あいなの!!」」

脱走ってなんだ、脱走って!
テンションが爆上がりしたのは認めるけどさすがに酷いよっ!!

この後双子にしっかりと押さえられていたあたしは、近くにあったテーブル席で両隣りにレオンとサクラ、そしてリリアを抱っこという強制的な待機状態にさせられた。


あたしってホントに信用されてない・・・


「お前が買い物に行くと、変な輩に絡まれる可能性があるからな。俺達は座るスペースを確保だ」
「「あいっ」」
「ぁぷっ!」
「はーい」



少しだけ冷静さを取り戻したあたしは、食べたい物をカルステッドさん達にお願いして、大人しくサクラを挟んで隣に座ったエルや子供達と待つ事にした。
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