427 / 512
13章 初めての家族旅行兼新婚旅行 ~お米をGetするために~
お米の生産地、マジャーレ村に到着!
しおりを挟む
◇
あたし達は、お米・・・もとい、リーズを生産をしているマジャーレという村に到着した。
え?到着が早い?道中いろいろあったんじゃないかって??
もちろん道中はいろんな事がありました。・・・あり過ぎましたよ。
でもね、ちょっと振り返りたくないというか、“普通の子供”ってどう教育したらなってくれるのかなって出来事ばかりだったので、それは別の機会があればまた・・・
とりあえず、今いるのは初めて訪れたマジャーレの村。
村と言っても、家の近くにあるスルト村みたいに行商が割と盛んなようで、けっこうな賑わいを見せている。
「わぁ~、町ほどじゃないけど結構な人混みだね。はぐれないように手を繋ごうか」
「まま、まいごはめっなのよ」
「ボクのて、ちゃんと、ぎゅっとしてね」
「あれ?注意するの・・・あたし??」
「「(コクリ)」」
レオンとサクラがあたしの両腕をぎゅっと掴んでくれるけど、その理由がちょっとショックだ。
「あらあら、レオンとサクラ、よくわかってるじゃありませんの」
「なっ?!クラリスさんまで酷いっ!!」
「あら?どっかの誰かさんってば、ハーフェンで迷子になったと聞いたのですけれど・・・私の聞き間違いだったかしら?」
「うぐっ・・・」
「レオン、サクラ、今日はサーヤのそばを一時も離れず監視しておけ。何をしでかすかわからん」
「「あいっ」」
「エルまで??!!」
リリアを抱っこしているエルは、レオンとサクラにあたしの監視をお願いしてる。
もう皆してあたしの扱いおかしくない?さすがに泣いちゃうよ??
「サーヤまま、大丈夫なのよ」
「ミナトちゃん・・・」
やっぱり天使は見放さなかった!
「全快なの!」と言って、今朝合流して一緒にマジャーレの村に入ったミナトちゃんとカイトくんとベルナートさん。
ミナトちゃんは、パステルピンクのチュニックワンピにツインテールと今日も超可愛いっ!!
うん、ミナトちゃんならあたしの味方になってくれると信じて・・・
「サーヤままが迷子になっても、あたし達がきっと見つけるの。だから安心してね♡」
「え・・・?」
「ミナト、それフォローになってないよ」
「大丈夫だよ、サーヤ。迷子になりやすいのは俺も一緒だから!」
「・・・」
可愛い笑顔の天使にトドメを刺され、カイトくんの的確なツッコみとベルナートさんの慰めてるようで慰めてない言葉がさらに追い打ちをかける。
「ふふっ、皆にこれだけ心配されてるって事なんだから、素直に喜んでおけばいいじゃない☆」
「・・・素直に喜べる内容じゃないもん」
「それは、日頃の行いのせいだよ☆サーヤのことは、信頼してるけど信用はしてないからね♪」
「・・・」
もう返す言葉もございません・・・
こうしてあたしは、レオンとサクラに連行・・・いや、手を繋ぎながら露店の立ち並ぶ市場へと足を踏み入れた。
◇
市場というのは、町や村により特産品が違うだけで大体お店の作りや、飲食、雑貨、地元の特産品、その他というように場所を分けて行われているらしい。
だから、どういうモノを買いたいか、食べたいかで自ずと行く場所が決まる。
もちろん今回まず行くのは飲食エリアである。
お米を使った料理が絶対あるはず!
まずはしっかりと現地の味ってモノを食べてから買い物へ行くのだ!!
「ん~・・・お醤油の香ばしい匂いがする♪」
出来立ての食べ物を多数取り扱っているこのエリアでは、メラニウム王国で売っていたイカ焼き、魔獣の肉と野菜を交互に串に刺した串焼き、そして、あたしが探し求めていたお米も当然の事ながら調理された状態で販売されていた。
「パエリアっ、パエリアだぁ~~~~~!!!」
「まま、めっだよ」
「すてーなのよ、まま」
「ぷっ!・・・ちょっとエリュシオン、レオンとサクラにナニ教えてるのさ♪」
「・・・待てをできなかった場合だけ言えと伝えたのだが、早速コレか・・・駄犬と一緒だな」
「え?俺、サーヤと一緒??嬉しい!!」
「ベル、それって喜ぶところじゃないと思うよ」
なんかものすごく失礼なことを言われてるけど、目の前のパエリアに夢中なあたしの耳には届かない。
まず目に入ったのは、大きな鍋に魚介類たっぷり色鮮やかな野菜たっぷりのパエリアを売っているお店。
さすがにサフランはこの世界にないらしく、バターライスのいい匂いが食欲を駆り立てる。
「パエリアっ!あ、隣の店にあるのはもしかしてイカめし?!あぁぁっ、焼きおにぎりまで??!!ヤダもうここに住みたいっ!!」
「・・・アレク、家はどうなっている?」
「申し訳ございません。さすがにこの村に住みたいとまで思うとは予想できず、まだ物件の候補は探しておりません・・・」
「へぇ~、さすがのアレクもサーヤの思考は予想できないみたいだね☆」
「ぐっ・・・俺はまだまだ未熟者のようです。申し訳ございません・・・」
「えっと・・・サーヤちゃんは勢いで言ってるだけだし、アレクは十分過ぎるほど行動してると思うよ?」
「レオン、サクラ、このままではサーヤが脱走しますわ!絶対手を放しちゃダメですわよ!!」
「「あいなの!!」」
脱走ってなんだ、脱走って!
テンションが爆上がりしたのは認めるけどさすがに酷いよっ!!
この後双子にしっかりと押さえられていたあたしは、近くにあったテーブル席で両隣りにレオンとサクラ、そしてリリアを抱っこという強制的な待機状態にさせられた。
あたしってホントに信用されてない・・・
「お前が買い物に行くと、変な輩に絡まれる可能性があるからな。俺達は座るスペースを確保だ」
「「あいっ」」
「ぁぷっ!」
「はーい」
少しだけ冷静さを取り戻したあたしは、食べたい物をカルステッドさん達にお願いして、大人しくサクラを挟んで隣に座ったエルや子供達と待つ事にした。
あたし達は、お米・・・もとい、リーズを生産をしているマジャーレという村に到着した。
え?到着が早い?道中いろいろあったんじゃないかって??
もちろん道中はいろんな事がありました。・・・あり過ぎましたよ。
でもね、ちょっと振り返りたくないというか、“普通の子供”ってどう教育したらなってくれるのかなって出来事ばかりだったので、それは別の機会があればまた・・・
とりあえず、今いるのは初めて訪れたマジャーレの村。
村と言っても、家の近くにあるスルト村みたいに行商が割と盛んなようで、けっこうな賑わいを見せている。
「わぁ~、町ほどじゃないけど結構な人混みだね。はぐれないように手を繋ごうか」
「まま、まいごはめっなのよ」
「ボクのて、ちゃんと、ぎゅっとしてね」
「あれ?注意するの・・・あたし??」
「「(コクリ)」」
レオンとサクラがあたしの両腕をぎゅっと掴んでくれるけど、その理由がちょっとショックだ。
「あらあら、レオンとサクラ、よくわかってるじゃありませんの」
「なっ?!クラリスさんまで酷いっ!!」
「あら?どっかの誰かさんってば、ハーフェンで迷子になったと聞いたのですけれど・・・私の聞き間違いだったかしら?」
「うぐっ・・・」
「レオン、サクラ、今日はサーヤのそばを一時も離れず監視しておけ。何をしでかすかわからん」
「「あいっ」」
「エルまで??!!」
リリアを抱っこしているエルは、レオンとサクラにあたしの監視をお願いしてる。
もう皆してあたしの扱いおかしくない?さすがに泣いちゃうよ??
「サーヤまま、大丈夫なのよ」
「ミナトちゃん・・・」
やっぱり天使は見放さなかった!
「全快なの!」と言って、今朝合流して一緒にマジャーレの村に入ったミナトちゃんとカイトくんとベルナートさん。
ミナトちゃんは、パステルピンクのチュニックワンピにツインテールと今日も超可愛いっ!!
うん、ミナトちゃんならあたしの味方になってくれると信じて・・・
「サーヤままが迷子になっても、あたし達がきっと見つけるの。だから安心してね♡」
「え・・・?」
「ミナト、それフォローになってないよ」
「大丈夫だよ、サーヤ。迷子になりやすいのは俺も一緒だから!」
「・・・」
可愛い笑顔の天使にトドメを刺され、カイトくんの的確なツッコみとベルナートさんの慰めてるようで慰めてない言葉がさらに追い打ちをかける。
「ふふっ、皆にこれだけ心配されてるって事なんだから、素直に喜んでおけばいいじゃない☆」
「・・・素直に喜べる内容じゃないもん」
「それは、日頃の行いのせいだよ☆サーヤのことは、信頼してるけど信用はしてないからね♪」
「・・・」
もう返す言葉もございません・・・
こうしてあたしは、レオンとサクラに連行・・・いや、手を繋ぎながら露店の立ち並ぶ市場へと足を踏み入れた。
◇
市場というのは、町や村により特産品が違うだけで大体お店の作りや、飲食、雑貨、地元の特産品、その他というように場所を分けて行われているらしい。
だから、どういうモノを買いたいか、食べたいかで自ずと行く場所が決まる。
もちろん今回まず行くのは飲食エリアである。
お米を使った料理が絶対あるはず!
まずはしっかりと現地の味ってモノを食べてから買い物へ行くのだ!!
「ん~・・・お醤油の香ばしい匂いがする♪」
出来立ての食べ物を多数取り扱っているこのエリアでは、メラニウム王国で売っていたイカ焼き、魔獣の肉と野菜を交互に串に刺した串焼き、そして、あたしが探し求めていたお米も当然の事ながら調理された状態で販売されていた。
「パエリアっ、パエリアだぁ~~~~~!!!」
「まま、めっだよ」
「すてーなのよ、まま」
「ぷっ!・・・ちょっとエリュシオン、レオンとサクラにナニ教えてるのさ♪」
「・・・待てをできなかった場合だけ言えと伝えたのだが、早速コレか・・・駄犬と一緒だな」
「え?俺、サーヤと一緒??嬉しい!!」
「ベル、それって喜ぶところじゃないと思うよ」
なんかものすごく失礼なことを言われてるけど、目の前のパエリアに夢中なあたしの耳には届かない。
まず目に入ったのは、大きな鍋に魚介類たっぷり色鮮やかな野菜たっぷりのパエリアを売っているお店。
さすがにサフランはこの世界にないらしく、バターライスのいい匂いが食欲を駆り立てる。
「パエリアっ!あ、隣の店にあるのはもしかしてイカめし?!あぁぁっ、焼きおにぎりまで??!!ヤダもうここに住みたいっ!!」
「・・・アレク、家はどうなっている?」
「申し訳ございません。さすがにこの村に住みたいとまで思うとは予想できず、まだ物件の候補は探しておりません・・・」
「へぇ~、さすがのアレクもサーヤの思考は予想できないみたいだね☆」
「ぐっ・・・俺はまだまだ未熟者のようです。申し訳ございません・・・」
「えっと・・・サーヤちゃんは勢いで言ってるだけだし、アレクは十分過ぎるほど行動してると思うよ?」
「レオン、サクラ、このままではサーヤが脱走しますわ!絶対手を放しちゃダメですわよ!!」
「「あいなの!!」」
脱走ってなんだ、脱走って!
テンションが爆上がりしたのは認めるけどさすがに酷いよっ!!
この後双子にしっかりと押さえられていたあたしは、近くにあったテーブル席で両隣りにレオンとサクラ、そしてリリアを抱っこという強制的な待機状態にさせられた。
あたしってホントに信用されてない・・・
「お前が買い物に行くと、変な輩に絡まれる可能性があるからな。俺達は座るスペースを確保だ」
「「あいっ」」
「ぁぷっ!」
「はーい」
少しだけ冷静さを取り戻したあたしは、食べたい物をカルステッドさん達にお願いして、大人しくサクラを挟んで隣に座ったエルや子供達と待つ事にした。
10
お気に入りに追加
2,857
あなたにおすすめの小説
マイナー18禁乙女ゲームのヒロインになりました
東 万里央(あずま まりお)
恋愛
十六歳になったその日の朝、私は鏡の前で思い出した。この世界はなんちゃってルネサンス時代を舞台とした、18禁乙女ゲーム「愛欲のボルジア」だと言うことに……。私はそのヒロイン・ルクレツィアに転生していたのだ。
攻略対象のイケメンは五人。ヤンデレ鬼畜兄貴のチェーザレに男の娘のジョバンニ。フェロモン侍従のペドロに影の薄いアルフォンソ。大穴の変人両刀のレオナルド……。ハハッ、ロクなヤツがいやしねえ! こうなれば修道女ルートを目指してやる!
そんな感じで涙目で爆走するルクレツィアたんのお話し。
大嫌いな次期騎士団長に嫁いだら、激しすぎる初夜が待っていました
扇 レンナ
恋愛
旧題:宿敵だと思っていた男に溺愛されて、毎日のように求められているんですが!?
*こちらは【明石 唯加】名義のアカウントで掲載していたものです。書籍化にあたり、こちらに転載しております。また、こちらのアカウントに転載することに関しては担当編集さまから許可をいただいておりますので、問題ありません。
――
ウィテカー王国の西の辺境を守る二つの伯爵家、コナハン家とフォレスター家は長年に渡りいがみ合ってきた。
そんな現状に焦りを抱いた王家は、二つの伯爵家に和解を求め、王命での結婚を命じる。
その結果、フォレスター伯爵家の長女メアリーはコナハン伯爵家に嫁入りすることが決まった。
結婚相手はコナハン家の長男シリル。クールに見える外見と辺境騎士団の次期団長という肩書きから女性人気がとても高い男性。
が、メアリーはそんなシリルが実は大嫌い。
彼はクールなのではなく、大層傲慢なだけ。それを知っているからだ。
しかし、王命には逆らえない。そのため、メアリーは渋々シリルの元に嫁ぐことに。
どうせ愛し愛されるような素敵な関係にはなれるわけがない。
そう考えるメアリーを他所に、シリルは初夜からメアリーを強く求めてくる。
――もしかして、これは嫌がらせ?
メアリーはシリルの態度をそう受け取り、頑なに彼を拒絶しようとするが――……。
「誰がお前に嫌がらせなんかするかよ」
どうやら、彼には全く別の思惑があるらしく……?
*WEB版表紙イラストはみどりのバクさまに有償にて描いていただいたものです。転載等は禁止です。
悪役令嬢は王太子の妻~毎日溺愛と狂愛の狭間で~
一ノ瀬 彩音
恋愛
悪役令嬢は王太子の妻になると毎日溺愛と狂愛を捧げられ、
快楽漬けの日々を過ごすことになる!
そしてその快感が忘れられなくなった彼女は自ら夫を求めるようになり……!?
※この物語はフィクションです。
R18作品ですので性描写など苦手なお方や未成年のお方はご遠慮下さい。
R18、アブナイ異世界ライフ
くるくる
恋愛
気が付けば異世界。しかもそこはハードな18禁乙女ゲームソックリなのだ。獣人と魔人ばかりの異世界にハーフとして転生した主人公。覚悟を決め、ここで幸せになってやる!と意気込む。そんな彼女の異世界ライフ。
主人公ご都合主義。主人公は誰にでも優しいイイ子ちゃんではありません。前向きだが少々気が強く、ドライな所もある女です。
もう1つの作品にちょいと行き詰まり、気の向くまま書いているのでおかしな箇所があるかと思いますがご容赦ください。
※複数プレイ、過激な性描写あり、注意されたし。
【R18】殿下!そこは舐めてイイところじゃありません! 〜悪役令嬢に転生したけど元潔癖症の王子に溺愛されてます〜
茅野ガク
恋愛
予想外に起きたイベントでなんとか王太子を救おうとしたら、彼に執着されることになった悪役令嬢の話。
☆他サイトにも投稿しています
義兄様に弄ばれる私は溺愛され、その愛に堕ちる
一ノ瀬 彩音
恋愛
国王である義兄様に弄ばれる悪役令嬢の私は彼に溺れていく。
そして彼から与えられる快楽と愛情で心も身体も満たされていく……。
※この物語はフィクションです。
R18作品ですので性描写など苦手なお方や未成年のお方はご遠慮下さい。
悪役令嬢なのに王子の慰み者になってしまい、断罪が行われません
青の雀
恋愛
公爵令嬢エリーゼは、王立学園の3年生、あるとき不注意からか階段から転落してしまい、前世やりこんでいた乙女ゲームの中に転生してしまったことに気づく
でも、実際はヒロインから突き落とされてしまったのだ。その現場をたまたま見ていた婚約者の王子から溺愛されるようになり、ついにはカラダの関係にまで発展してしまう
この乙女ゲームは、悪役令嬢はバッドエンドの道しかなく、最後は必ずギロチンで絶命するのだが、王子様の慰み者になってから、どんどんストーリーが変わっていくのは、いいことなはずなのに、エリーゼは、いつか処刑される運命だと諦めて……、その表情が王子の心を煽り、王子はますますエリーゼに執着して、溺愛していく
そしてなぜかヒロインも姿を消していく
ほとんどエッチシーンばかりになるかも?
【R18】悪役令嬢は元お兄様に溺愛され甘い檻に閉じこめられる
夕日(夕日凪)
恋愛
※連載中の『悪役令嬢は南国で自給自足したい』のお兄様IFルートになります。
侯爵令嬢ビアンカ・シュラットは五歳の春。前世の記憶を思い出し、自分がとある乙女ゲームの悪役令嬢である事に気付いた。思い出したのは自分にべた甘な兄のお膝の上。ビアンカは躊躇なく兄に助けを求めた。そして月日は経ち。乙女ゲームは始まらず、兄に押し倒されているわけですが。実の兄じゃない?なんですかそれ!聞いてない!そんな義兄からの溺愛ストーリーです。
※このお話単体で読めるようになっています。
※ひたすら溺愛、基本的には甘口な内容です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる