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12章 初めての家族旅行兼新婚旅行 ~お米の国へ出発編~
巡り会えた懐かしい味
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◇
先代様に貰った鉱石を利用してエルが作ってくれた認識障害アイテムのおかげで、ハーフェンに着いてようやく全員で観光を心置きなく楽しめることになったあたし達は、それぞれが買い物や観光を全力で楽しもうと様々な計画を立てて行動を開始した。
ミナトちゃんはカイトくんとレオンと一緒におもちゃ屋巡りに出かけ、サクラは雑貨やアクセサリーなどを見に行くと言って、ベルナートさんを連れて出かけて行った。
双子と言えど性別が違うので、好きなモノも性格も全然違うから行きたい場所も違うらしい。
あたしはエルとリリアと一緒に、港にある広場でほぼ毎日開催されているという市場へ足を運んだ。
ここは港のそばということもあり、フェイフォンからの商人や個人が食材や薬草、調味料など仕入れた物を販売したり、作った物を販売したりしているのでいつ行っても新しい発見や出会いがあるらしい。
もちろんその場で食べれるモノも販売しているので、食べ歩きしながら買い物まで楽しめるというなんとも素敵な場所なのだ。
地図を広げた時に真っ先に行きたいと思っていたら、偶然エルも同意見だったので歩きながら互いの欲しいモノを買おうと一緒に歩いているところだ。
そして、エルの後ろにはアレク兄様が控えている。
せっかくの旅行なんだから家族で過ごせば良いのに・・・と思って、昨夜ティリアさんやクラリスさんにその旨を伝えたけど、意外・・・というか、納得の回答が返ってきたのを思い出す。
『私達は明日アレク様と別行動で良いわよ』
『うん、クラリスと一緒に子供達と買い物を楽しむつもりだしね』
『えぇ?!せっかくの旅行なのに??!!クラリスさんもティリアさんも家族旅行初めてなんですよね?』
『えぇ、初めてではあるけれど・・・』
『ほら、アレクにとってはこの旅行も”仕事”だからね』
『でも・・・』
『くどいですわよ、サーヤ。アレク様が私達と一緒にいたとしても、エリュシオン様の動向が気になって楽しむどころじゃなくなるのは目に見えてますわ!』
『そうそう。夜は宿の部屋でちゃんと家族の時間を過ごさせてもらっているし、アレクは好きなように行動してねって言ってあるから、気にしなくて大丈夫だよ』
ホントにアレク兄様をよくわかっているというか・・・奥さんが”仕事第一”であるアレク兄様をよく理解した二人だから成り立ってる関係だよね。
クラリスさんは家事や細かい気配りが苦手な分体力や力があるから、皆の護衛や疲れたシャルちゃんやレミリオくんを抱っこする担当のようだし、ティリアさんは荷物の準備や整理、子供達に栄養たっぷりのご飯を作ったりお医者さんだから体調管理までできるという、互いを支え合う素晴らしいチームワークがある上にとても仲が良い。
そして、時々リリアも一緒に預かってくれるという旅行中の頼れる保育所的な存在にもなっているので、こちらとしてはいくら感謝してもし足りないくらいだ。
エルに、アレク兄様かクラリスさん達への臨時ボーナスをお願いしておこう。
「ふふ~、このお肉、柔らかくてジューシーですっごく美味しい~♪」
「じゅーしー?それはこの町の近くで良く狩猟されている魔鳥の肉だな。歯ごたえがあり脂がのって程よく柔らかいのに、素材自体の味が良いから凝った味付けをしなくても十分に美味い。気に入ったのなら魔鳥の肉を買って行くか?」
「ホント?!買う買う!!」
「あうっ、だー!」
「あ、リリアにはちょっと脂が多すぎるから、こっちを食べようね~」
「ぶー、あんぁー!!」
「脂分の少ない赤身の部分ならばリリアも大丈夫だろう。サーヤ、その肉は俺が持つからリリアにこれを食べさせてやれ」
エルが抱っこ紐でリリアを正面から抱っこしているので、エルがお肉を持ってあたしが赤身のお肉をリリアに食べさせている。
最初はあたしと同じモノじゃなくて不機嫌だったリリアも、一口もらった赤身の、しかも店員さんにお願いして超薄味にしてもらった魔鳥のお肉を大変気に入った様子。
後ろにいるアレク兄様が、キラリと目を光らせさりげなく店員さんに話をしている姿が見えたので、これはきっと近いうちあたし達が普通に購入できるよう取引がされるんだろう・・・
「・・・それにしても、市場だけあってここはさすがに人が多いな」
「うん。褐色肌の人がちらほらいるけど、服装や雰囲気も独特だよね。もしかして、ガルドニアの人じゃなくてフェイフォンの人なの?」
「そうだね。フェイフォンはガルドニアより温かいから、温暖な気候を好む種族が結構移住しているんだ。そして、種族関係なく婚姻が自由に認められているからいろんな種族のハーフやクォーターも多いみたいだね」
市場には本当に様々な人がいて、褐色肌に民族衣装なのかなって服を着ている人がちらほらいた。
アレク兄様曰く、やはりフェイフォンから来た人みたいなんだけど、その民族衣装というのが着物をベースにしてるような襟足ですごく気になるのだ。
なんとなくだけど、フェイフォンには”日本”から来た”落ち人”がいて、いろんな文化を広げてくれたのではないかとあたしは予測している。
もしまだその日本から来た人がいるなら会ってみたい気もするけど、それはエルに相談次第の話だ。
「じゃあフェイフォンはガルドニアみたいにがっちがちな貴族社会じゃない国なんですかね?話を聞く限り平和な国のように聞こえますけど・・・」
「行ったことがないから平和かどうかはわからぬが、フェイフォンは実力主義の国だと聞いたことがあるな」
「実力主義?」
「そうですね。エリュシオン様の言うとおり、国を統治しているのは国一番の実力者のようです。貴族もいるようですが、貴族の跡取りや王を決める決定戦のようなモノが催され、王都や領地ではその度毎回お祭りのように賑やかになるとか」
「へ、へぇ・・・面白い国ですね・・・」
実力主義・・・
跡取りや王様まで決定戦で決めるとか、平和なのか殺伐としてるのかよくわからなくなってきた。
ま、何にしてもあたし達は旅行でお米の生産国であるフェイフォンで、米・・・もといリーズを購入し、定期的に仕入れできそうならそれで良いのだ。
我が家の食卓に和食が追加される日が待ち遠しくて仕方がないっ!!
その後も、リリアを抱いているエルの腕に捕まりながら、市場に並ぶいろんなお店を歩きつつ見ていると、ふと懐かしい匂いがあたしの鼻をくすぐった。
え、うそ・・・もしかしてコレって・・・
あたしが白米と共に求めてやまない食材の1つ。
この独特の風味、お母さんが毎日作ってくれたあの味を思い出すようなこの感じ・・・
間違いない、これは・・・――――――――――
「お味噌汁だぁ~~~~~~~~♪」
「?・・・おい、サーヤ??」
和食には欠かせないお味噌汁。
お酒を飲み過ぎた次の日に、シジミ入りで作って飲みたくなるお味噌汁。
お肉や野菜をたっぷり入れたら豚汁という素晴らしい料理に変化してくれる、あのお味噌汁っ!!
あたしは懐かしいお味噌汁の匂いに釣られ、人ごみをかき分けてずんずんと歩みを進めたのだった。
先代様に貰った鉱石を利用してエルが作ってくれた認識障害アイテムのおかげで、ハーフェンに着いてようやく全員で観光を心置きなく楽しめることになったあたし達は、それぞれが買い物や観光を全力で楽しもうと様々な計画を立てて行動を開始した。
ミナトちゃんはカイトくんとレオンと一緒におもちゃ屋巡りに出かけ、サクラは雑貨やアクセサリーなどを見に行くと言って、ベルナートさんを連れて出かけて行った。
双子と言えど性別が違うので、好きなモノも性格も全然違うから行きたい場所も違うらしい。
あたしはエルとリリアと一緒に、港にある広場でほぼ毎日開催されているという市場へ足を運んだ。
ここは港のそばということもあり、フェイフォンからの商人や個人が食材や薬草、調味料など仕入れた物を販売したり、作った物を販売したりしているのでいつ行っても新しい発見や出会いがあるらしい。
もちろんその場で食べれるモノも販売しているので、食べ歩きしながら買い物まで楽しめるというなんとも素敵な場所なのだ。
地図を広げた時に真っ先に行きたいと思っていたら、偶然エルも同意見だったので歩きながら互いの欲しいモノを買おうと一緒に歩いているところだ。
そして、エルの後ろにはアレク兄様が控えている。
せっかくの旅行なんだから家族で過ごせば良いのに・・・と思って、昨夜ティリアさんやクラリスさんにその旨を伝えたけど、意外・・・というか、納得の回答が返ってきたのを思い出す。
『私達は明日アレク様と別行動で良いわよ』
『うん、クラリスと一緒に子供達と買い物を楽しむつもりだしね』
『えぇ?!せっかくの旅行なのに??!!クラリスさんもティリアさんも家族旅行初めてなんですよね?』
『えぇ、初めてではあるけれど・・・』
『ほら、アレクにとってはこの旅行も”仕事”だからね』
『でも・・・』
『くどいですわよ、サーヤ。アレク様が私達と一緒にいたとしても、エリュシオン様の動向が気になって楽しむどころじゃなくなるのは目に見えてますわ!』
『そうそう。夜は宿の部屋でちゃんと家族の時間を過ごさせてもらっているし、アレクは好きなように行動してねって言ってあるから、気にしなくて大丈夫だよ』
ホントにアレク兄様をよくわかっているというか・・・奥さんが”仕事第一”であるアレク兄様をよく理解した二人だから成り立ってる関係だよね。
クラリスさんは家事や細かい気配りが苦手な分体力や力があるから、皆の護衛や疲れたシャルちゃんやレミリオくんを抱っこする担当のようだし、ティリアさんは荷物の準備や整理、子供達に栄養たっぷりのご飯を作ったりお医者さんだから体調管理までできるという、互いを支え合う素晴らしいチームワークがある上にとても仲が良い。
そして、時々リリアも一緒に預かってくれるという旅行中の頼れる保育所的な存在にもなっているので、こちらとしてはいくら感謝してもし足りないくらいだ。
エルに、アレク兄様かクラリスさん達への臨時ボーナスをお願いしておこう。
「ふふ~、このお肉、柔らかくてジューシーですっごく美味しい~♪」
「じゅーしー?それはこの町の近くで良く狩猟されている魔鳥の肉だな。歯ごたえがあり脂がのって程よく柔らかいのに、素材自体の味が良いから凝った味付けをしなくても十分に美味い。気に入ったのなら魔鳥の肉を買って行くか?」
「ホント?!買う買う!!」
「あうっ、だー!」
「あ、リリアにはちょっと脂が多すぎるから、こっちを食べようね~」
「ぶー、あんぁー!!」
「脂分の少ない赤身の部分ならばリリアも大丈夫だろう。サーヤ、その肉は俺が持つからリリアにこれを食べさせてやれ」
エルが抱っこ紐でリリアを正面から抱っこしているので、エルがお肉を持ってあたしが赤身のお肉をリリアに食べさせている。
最初はあたしと同じモノじゃなくて不機嫌だったリリアも、一口もらった赤身の、しかも店員さんにお願いして超薄味にしてもらった魔鳥のお肉を大変気に入った様子。
後ろにいるアレク兄様が、キラリと目を光らせさりげなく店員さんに話をしている姿が見えたので、これはきっと近いうちあたし達が普通に購入できるよう取引がされるんだろう・・・
「・・・それにしても、市場だけあってここはさすがに人が多いな」
「うん。褐色肌の人がちらほらいるけど、服装や雰囲気も独特だよね。もしかして、ガルドニアの人じゃなくてフェイフォンの人なの?」
「そうだね。フェイフォンはガルドニアより温かいから、温暖な気候を好む種族が結構移住しているんだ。そして、種族関係なく婚姻が自由に認められているからいろんな種族のハーフやクォーターも多いみたいだね」
市場には本当に様々な人がいて、褐色肌に民族衣装なのかなって服を着ている人がちらほらいた。
アレク兄様曰く、やはりフェイフォンから来た人みたいなんだけど、その民族衣装というのが着物をベースにしてるような襟足ですごく気になるのだ。
なんとなくだけど、フェイフォンには”日本”から来た”落ち人”がいて、いろんな文化を広げてくれたのではないかとあたしは予測している。
もしまだその日本から来た人がいるなら会ってみたい気もするけど、それはエルに相談次第の話だ。
「じゃあフェイフォンはガルドニアみたいにがっちがちな貴族社会じゃない国なんですかね?話を聞く限り平和な国のように聞こえますけど・・・」
「行ったことがないから平和かどうかはわからぬが、フェイフォンは実力主義の国だと聞いたことがあるな」
「実力主義?」
「そうですね。エリュシオン様の言うとおり、国を統治しているのは国一番の実力者のようです。貴族もいるようですが、貴族の跡取りや王を決める決定戦のようなモノが催され、王都や領地ではその度毎回お祭りのように賑やかになるとか」
「へ、へぇ・・・面白い国ですね・・・」
実力主義・・・
跡取りや王様まで決定戦で決めるとか、平和なのか殺伐としてるのかよくわからなくなってきた。
ま、何にしてもあたし達は旅行でお米の生産国であるフェイフォンで、米・・・もといリーズを購入し、定期的に仕入れできそうならそれで良いのだ。
我が家の食卓に和食が追加される日が待ち遠しくて仕方がないっ!!
その後も、リリアを抱いているエルの腕に捕まりながら、市場に並ぶいろんなお店を歩きつつ見ていると、ふと懐かしい匂いがあたしの鼻をくすぐった。
え、うそ・・・もしかしてコレって・・・
あたしが白米と共に求めてやまない食材の1つ。
この独特の風味、お母さんが毎日作ってくれたあの味を思い出すようなこの感じ・・・
間違いない、これは・・・――――――――――
「お味噌汁だぁ~~~~~~~~♪」
「?・・・おい、サーヤ??」
和食には欠かせないお味噌汁。
お酒を飲み過ぎた次の日に、シジミ入りで作って飲みたくなるお味噌汁。
お肉や野菜をたっぷり入れたら豚汁という素晴らしい料理に変化してくれる、あのお味噌汁っ!!
あたしは懐かしいお味噌汁の匂いに釣られ、人ごみをかき分けてずんずんと歩みを進めたのだった。
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