388 / 512
11章 双子、失踪事件
ようやく入った目撃情報
しおりを挟む
◇
「エル・・・それ、ホントなの?」
「・・・あぁ。先ほどマデリーヌが念話で伝えてきた。レヴィンやユーリの元へ、王都の南西にあるキュリウスの領主から早馬で知らせがあったと言うから間違いないだろう」
「そんな・・・」
レオンやサクラの捜索が難航している最中、あたし達に入ってきた情報はあまり喜ばしい内容ではなかった。
・スルト村から行商人の荷馬車に潜り込んで、村を出た可能性が高い
・国内外から大小様々な行商人が行き交うため、どこに向かったのか見当がつかない
そして、ようやく入ってきた有力な二人の目撃情報は、ならず者に襲われた行商人親子が遭遇したという双子の話。
これは間違いなくレオンとサクラの事だろう。
行商人親子の話では、平和な街道で普段なら遭遇しないならず者に遭遇したようだ。
幸い怪我もなく、金銭も荷物も盗まれることはなかったが、「“黒”が荷馬車に紛れてたからならず者に遭遇したんだ!」と豪語していたらしい。
ガルドニア国内でも海沿いの田舎から行商に来ていた親子は、王都近郊と違って”黒”に対しての畏怖や差別を当然の事のように思っており、現在王族や王都を中心に差別撤廃運動をしている事など知らなかったようだ。
レオンやサクラが何をしたのか、そしてその人達がサクラに対してどんな事を言ったのか、容易に想像できてしまいやるせなさが募る。
「・・・サクラ、きっと酷い事言われたよね。行商人さん達を助けようとしただけなのに・・・」
「可能性は高いだろうな。”黒”についての差別があることは一応教えているが、さすがにまだ理解できる年齢ではない」
「でも、ミナトやカイトの言い付けをちゃんと守って、縄でぎゅーに留めたみたいで偉いよね♪ボクなら迷わず消しちゃったと思うよ☆・・・ま、行商人の父親の方をボコボコにして縄でぎゅーしたのはレオンだろうけど♪」
「サクたんをいじめる悪い奴なんて、ぷっちんでいいのよ・・・」
「ミナト、気持ちはわかるけど加護者であるおねーさんに直接関わってない人間に手をかけるのは、さすがに制約に反するよ」
「サクたんが傷つくと、サーヤままがいっぱい泣くの。理由はこれだけで充分なのよ・・・」
「あ、それもそうだね。じゃあ僕も協力す・・・―――――」
「ミナトちゃんっ、カイトくんっ、気持ちは嬉しいけどそれはやっちゃいけませ――――んっ!!!」
危ない危ない。
あたしの涙やサクラの辛い経験一つで、見ず知らずの行商人さんがまた危険な目に遭うところだった。
精霊さん達は、加護者以外の人間に必要以上に関わっちゃいけないという制約があるみたいだけど、何かしら理由があれば大丈夫ってホントにそれでいいの?制約としてどうなの??
いつかサクラも”黒”についての差別を目の当たりにするだろうとは思ってたけど、何もそばで抱きしめてあげられないこんな時じゃなくてもいいのに・・・
「エル。あたし、サクラの好きなお菓子作ってくるね」
「サーヤ?」
「ホントは、今すぐにでも探しに行って、見つけたら思いっきり抱きしめてあげたいけど、あたし一人が飛び出したトコロで余計なトラブルにしかならないから・・・」
エルが前に言ってくれた通り、あたしにできることは魔法袋のお菓子や食事をちゃんと食べてるレオンやサクラのために、好きなモノを作って入れておくことだ。
少しでも、傷ついたサクラやそばにいるレオンの励ましになれば良いな・・・
「俺は帰ってきた双子が今後迷子にならないよう、場所が大まかにわかるシールド付きの装飾品を作りながらサーヤとリリアとこの家にいるから、何か進展があれば念話で知らせてくれ」
「念話で良いの?直接知らせない方が良い?」
「まずは念話でサーヤに知らせろ。・・・リリアの授乳中に来られても待たせるだけだからな」
「ふ~ん・・・」
・・・やめて、セイル。
”どうせお前らボク達がいない間にナニかしてるんだろ?”的な、そんな目で見ないで。
念話で知らせろって言ったのはエルなんだから、言いたい事があるならエルに言ってよっ!!
素直に返事をしてくれるミナトちゃんとカイトくんは、ホントになんて良い子なんだろう。
「ぇいー、あぷー」
「わかったよ、リア☆ボクはちょっとお出かけしてくるから良い子で待っててね♪」
「ぁうー、んだっ」
「ありがと☆じゃあ行ってくるね、リア♪」
え?セイルってば、今リリアが言ったこと理解した上で会話してたの??
母親のあたしでさえまだリリアと意思疎通や会話が難しいのに、セイルはわかるとでも言うんだろうか?
「サーヤまま、あたし達も行ってくるの」
「僕の転移魔法だと、よくわからない場所への転移はどこに行くかわからないから、とりあえずお城にいるマデリーヌの所に行ってみるね」
「うん、ありがとう。ミナトちゃん、カイトくん。気を付けてね」
セイル達を見送ると、家のリビングにはエルとあたしとリリアの三人だけになった。
いつもなら庭やリビングで楽しそうに遊ぶレオンやサクラ、ミナトちゃん達の声が聞こえてくるので、それが聞こえない今はなんだか少しだけ寂しく感じる。
「・・・サクラ、大丈夫かな。泣いてないかな?」
「まぁ、ショックを受けて最初は泣いているだろうが、あいつはなんだかんだ強い子だ。レオンもいるし、泣いたままでいる奴ではないだろう」
「ふふっ、そうだね」
「まぁー、ぱぁー」
「!!・・・”まぁー”ってママのこと?”ぱー”はパパ??!!ちょっとエルっ、リリアが初めて”ママ”と”パパ”って言ってくれたよ!!」
「くそっ、どうして黒曜石の準備をしていない今なんだ?!」
寂しい気持ちやもやもやした気持ちがリリアのおかげで少し和んでから、あたしは台所でサクラが大好きな生クリームたっぷり添えたプリンアラモードと、レオンが大好きなトベーレの実を使ったタルトを作り始めた。
エルはリリアを抱っこしながらつまみ食いしたり、リリアにお菓子をあげたりしてくれている。
リリアはご機嫌なのか応援してくれているのか、手をパチパチさせながらキャッキャと笑い、常に場を和ませてくれた。
お菓子を作り終えると、エルはポケットからおもむろに銀色の四角い石を出してきた。
「これは“ギベル”という鉱石を俺と駄犬で改良し、音声のみを残すことができるようにしたモノだ。まだ試作品レベルだが、何度か使ってきちんと声は残せているから、レオンやサクラへ伝えたい事をこれに記憶させると良い」
「え?エルとベルナートさんが一緒に??いつの間に・・・」
「・・・あいつがうじうじと俺に悩み相談をしてくるから、話を聞く代わりに手伝わせた」
ベルナートさんの悩みって、間違いなくあたしへの恋愛感情云々の相談だよね。
さすがはエル様。タダで話を聞くんじゃなくて、しっかりと対価を貰ってらっしゃる・・・
それにしても、エルはホントに何でも作れちゃうすごい旦那様だ。
作れないモノなんてないんじゃない??
「エルってホントにすごいね!そのうち、携帯電話みたいな通信機器とか作っちゃいそう」
「ん?“けいたいでんわ”とはなんだ?」
「えっとね、離れた人と会話することができる通信機器みたいなものだよ。前いた世界ではほとんどの人が持ってたんだ」
「なん、だと・・・?!離れた相手と会話とは、念話みたいなモノか?」
「あ、確かに近いモノはあるかも!でも、念話って加護を貰っている精霊王様としかできないよね?携帯電話は、同じモノを持ってる人なら誰とでも会話できるんだよ」
「なっ??!!・・・誰とでも、だと?!サーヤっ、その“けいたいでんわ”とやらについて、もっと詳しく聞かせろ!!」
「え?でも、レオン達にお菓子作った後、晩ご飯の準備が・・・」
「普段からたくさんストックしてるのだから、今夜は魔法袋にあるもので済ませば良かろう。ほら、まずはレオンやサクラへの言伝と菓子を早く渡してやれ」
「あ、はい・・・」
すっかり“携帯電話”という未知の機器に興味津々となってしまったエルは、あたしから聞いた言葉で何かを閃いたらしく、「すまん、今夜は研究室でやりたい事があるからリリアを頼む。何人も入れぬよう結界を強固にしておいた」と言って研究室へと籠ってしまった。
いや、別にいいんだけどね。
でも、何人たりとも部屋に入れない結界って、あたしとリリアを閉じ込めてるだけじゃない?
別に寝室から出るつもりないから良いんだけどさ。
そんな感じで、珍しくその日は隣にエルがいない夜を過ごしたのでした。
「エル・・・それ、ホントなの?」
「・・・あぁ。先ほどマデリーヌが念話で伝えてきた。レヴィンやユーリの元へ、王都の南西にあるキュリウスの領主から早馬で知らせがあったと言うから間違いないだろう」
「そんな・・・」
レオンやサクラの捜索が難航している最中、あたし達に入ってきた情報はあまり喜ばしい内容ではなかった。
・スルト村から行商人の荷馬車に潜り込んで、村を出た可能性が高い
・国内外から大小様々な行商人が行き交うため、どこに向かったのか見当がつかない
そして、ようやく入ってきた有力な二人の目撃情報は、ならず者に襲われた行商人親子が遭遇したという双子の話。
これは間違いなくレオンとサクラの事だろう。
行商人親子の話では、平和な街道で普段なら遭遇しないならず者に遭遇したようだ。
幸い怪我もなく、金銭も荷物も盗まれることはなかったが、「“黒”が荷馬車に紛れてたからならず者に遭遇したんだ!」と豪語していたらしい。
ガルドニア国内でも海沿いの田舎から行商に来ていた親子は、王都近郊と違って”黒”に対しての畏怖や差別を当然の事のように思っており、現在王族や王都を中心に差別撤廃運動をしている事など知らなかったようだ。
レオンやサクラが何をしたのか、そしてその人達がサクラに対してどんな事を言ったのか、容易に想像できてしまいやるせなさが募る。
「・・・サクラ、きっと酷い事言われたよね。行商人さん達を助けようとしただけなのに・・・」
「可能性は高いだろうな。”黒”についての差別があることは一応教えているが、さすがにまだ理解できる年齢ではない」
「でも、ミナトやカイトの言い付けをちゃんと守って、縄でぎゅーに留めたみたいで偉いよね♪ボクなら迷わず消しちゃったと思うよ☆・・・ま、行商人の父親の方をボコボコにして縄でぎゅーしたのはレオンだろうけど♪」
「サクたんをいじめる悪い奴なんて、ぷっちんでいいのよ・・・」
「ミナト、気持ちはわかるけど加護者であるおねーさんに直接関わってない人間に手をかけるのは、さすがに制約に反するよ」
「サクたんが傷つくと、サーヤままがいっぱい泣くの。理由はこれだけで充分なのよ・・・」
「あ、それもそうだね。じゃあ僕も協力す・・・―――――」
「ミナトちゃんっ、カイトくんっ、気持ちは嬉しいけどそれはやっちゃいけませ――――んっ!!!」
危ない危ない。
あたしの涙やサクラの辛い経験一つで、見ず知らずの行商人さんがまた危険な目に遭うところだった。
精霊さん達は、加護者以外の人間に必要以上に関わっちゃいけないという制約があるみたいだけど、何かしら理由があれば大丈夫ってホントにそれでいいの?制約としてどうなの??
いつかサクラも”黒”についての差別を目の当たりにするだろうとは思ってたけど、何もそばで抱きしめてあげられないこんな時じゃなくてもいいのに・・・
「エル。あたし、サクラの好きなお菓子作ってくるね」
「サーヤ?」
「ホントは、今すぐにでも探しに行って、見つけたら思いっきり抱きしめてあげたいけど、あたし一人が飛び出したトコロで余計なトラブルにしかならないから・・・」
エルが前に言ってくれた通り、あたしにできることは魔法袋のお菓子や食事をちゃんと食べてるレオンやサクラのために、好きなモノを作って入れておくことだ。
少しでも、傷ついたサクラやそばにいるレオンの励ましになれば良いな・・・
「俺は帰ってきた双子が今後迷子にならないよう、場所が大まかにわかるシールド付きの装飾品を作りながらサーヤとリリアとこの家にいるから、何か進展があれば念話で知らせてくれ」
「念話で良いの?直接知らせない方が良い?」
「まずは念話でサーヤに知らせろ。・・・リリアの授乳中に来られても待たせるだけだからな」
「ふ~ん・・・」
・・・やめて、セイル。
”どうせお前らボク達がいない間にナニかしてるんだろ?”的な、そんな目で見ないで。
念話で知らせろって言ったのはエルなんだから、言いたい事があるならエルに言ってよっ!!
素直に返事をしてくれるミナトちゃんとカイトくんは、ホントになんて良い子なんだろう。
「ぇいー、あぷー」
「わかったよ、リア☆ボクはちょっとお出かけしてくるから良い子で待っててね♪」
「ぁうー、んだっ」
「ありがと☆じゃあ行ってくるね、リア♪」
え?セイルってば、今リリアが言ったこと理解した上で会話してたの??
母親のあたしでさえまだリリアと意思疎通や会話が難しいのに、セイルはわかるとでも言うんだろうか?
「サーヤまま、あたし達も行ってくるの」
「僕の転移魔法だと、よくわからない場所への転移はどこに行くかわからないから、とりあえずお城にいるマデリーヌの所に行ってみるね」
「うん、ありがとう。ミナトちゃん、カイトくん。気を付けてね」
セイル達を見送ると、家のリビングにはエルとあたしとリリアの三人だけになった。
いつもなら庭やリビングで楽しそうに遊ぶレオンやサクラ、ミナトちゃん達の声が聞こえてくるので、それが聞こえない今はなんだか少しだけ寂しく感じる。
「・・・サクラ、大丈夫かな。泣いてないかな?」
「まぁ、ショックを受けて最初は泣いているだろうが、あいつはなんだかんだ強い子だ。レオンもいるし、泣いたままでいる奴ではないだろう」
「ふふっ、そうだね」
「まぁー、ぱぁー」
「!!・・・”まぁー”ってママのこと?”ぱー”はパパ??!!ちょっとエルっ、リリアが初めて”ママ”と”パパ”って言ってくれたよ!!」
「くそっ、どうして黒曜石の準備をしていない今なんだ?!」
寂しい気持ちやもやもやした気持ちがリリアのおかげで少し和んでから、あたしは台所でサクラが大好きな生クリームたっぷり添えたプリンアラモードと、レオンが大好きなトベーレの実を使ったタルトを作り始めた。
エルはリリアを抱っこしながらつまみ食いしたり、リリアにお菓子をあげたりしてくれている。
リリアはご機嫌なのか応援してくれているのか、手をパチパチさせながらキャッキャと笑い、常に場を和ませてくれた。
お菓子を作り終えると、エルはポケットからおもむろに銀色の四角い石を出してきた。
「これは“ギベル”という鉱石を俺と駄犬で改良し、音声のみを残すことができるようにしたモノだ。まだ試作品レベルだが、何度か使ってきちんと声は残せているから、レオンやサクラへ伝えたい事をこれに記憶させると良い」
「え?エルとベルナートさんが一緒に??いつの間に・・・」
「・・・あいつがうじうじと俺に悩み相談をしてくるから、話を聞く代わりに手伝わせた」
ベルナートさんの悩みって、間違いなくあたしへの恋愛感情云々の相談だよね。
さすがはエル様。タダで話を聞くんじゃなくて、しっかりと対価を貰ってらっしゃる・・・
それにしても、エルはホントに何でも作れちゃうすごい旦那様だ。
作れないモノなんてないんじゃない??
「エルってホントにすごいね!そのうち、携帯電話みたいな通信機器とか作っちゃいそう」
「ん?“けいたいでんわ”とはなんだ?」
「えっとね、離れた人と会話することができる通信機器みたいなものだよ。前いた世界ではほとんどの人が持ってたんだ」
「なん、だと・・・?!離れた相手と会話とは、念話みたいなモノか?」
「あ、確かに近いモノはあるかも!でも、念話って加護を貰っている精霊王様としかできないよね?携帯電話は、同じモノを持ってる人なら誰とでも会話できるんだよ」
「なっ??!!・・・誰とでも、だと?!サーヤっ、その“けいたいでんわ”とやらについて、もっと詳しく聞かせろ!!」
「え?でも、レオン達にお菓子作った後、晩ご飯の準備が・・・」
「普段からたくさんストックしてるのだから、今夜は魔法袋にあるもので済ませば良かろう。ほら、まずはレオンやサクラへの言伝と菓子を早く渡してやれ」
「あ、はい・・・」
すっかり“携帯電話”という未知の機器に興味津々となってしまったエルは、あたしから聞いた言葉で何かを閃いたらしく、「すまん、今夜は研究室でやりたい事があるからリリアを頼む。何人も入れぬよう結界を強固にしておいた」と言って研究室へと籠ってしまった。
いや、別にいいんだけどね。
でも、何人たりとも部屋に入れない結界って、あたしとリリアを閉じ込めてるだけじゃない?
別に寝室から出るつもりないから良いんだけどさ。
そんな感じで、珍しくその日は隣にエルがいない夜を過ごしたのでした。
10
お気に入りに追加
2,857
あなたにおすすめの小説
マイナー18禁乙女ゲームのヒロインになりました
東 万里央(あずま まりお)
恋愛
十六歳になったその日の朝、私は鏡の前で思い出した。この世界はなんちゃってルネサンス時代を舞台とした、18禁乙女ゲーム「愛欲のボルジア」だと言うことに……。私はそのヒロイン・ルクレツィアに転生していたのだ。
攻略対象のイケメンは五人。ヤンデレ鬼畜兄貴のチェーザレに男の娘のジョバンニ。フェロモン侍従のペドロに影の薄いアルフォンソ。大穴の変人両刀のレオナルド……。ハハッ、ロクなヤツがいやしねえ! こうなれば修道女ルートを目指してやる!
そんな感じで涙目で爆走するルクレツィアたんのお話し。
悪役令嬢は王太子の妻~毎日溺愛と狂愛の狭間で~
一ノ瀬 彩音
恋愛
悪役令嬢は王太子の妻になると毎日溺愛と狂愛を捧げられ、
快楽漬けの日々を過ごすことになる!
そしてその快感が忘れられなくなった彼女は自ら夫を求めるようになり……!?
※この物語はフィクションです。
R18作品ですので性描写など苦手なお方や未成年のお方はご遠慮下さい。
大嫌いな次期騎士団長に嫁いだら、激しすぎる初夜が待っていました
扇 レンナ
恋愛
旧題:宿敵だと思っていた男に溺愛されて、毎日のように求められているんですが!?
*こちらは【明石 唯加】名義のアカウントで掲載していたものです。書籍化にあたり、こちらに転載しております。また、こちらのアカウントに転載することに関しては担当編集さまから許可をいただいておりますので、問題ありません。
――
ウィテカー王国の西の辺境を守る二つの伯爵家、コナハン家とフォレスター家は長年に渡りいがみ合ってきた。
そんな現状に焦りを抱いた王家は、二つの伯爵家に和解を求め、王命での結婚を命じる。
その結果、フォレスター伯爵家の長女メアリーはコナハン伯爵家に嫁入りすることが決まった。
結婚相手はコナハン家の長男シリル。クールに見える外見と辺境騎士団の次期団長という肩書きから女性人気がとても高い男性。
が、メアリーはそんなシリルが実は大嫌い。
彼はクールなのではなく、大層傲慢なだけ。それを知っているからだ。
しかし、王命には逆らえない。そのため、メアリーは渋々シリルの元に嫁ぐことに。
どうせ愛し愛されるような素敵な関係にはなれるわけがない。
そう考えるメアリーを他所に、シリルは初夜からメアリーを強く求めてくる。
――もしかして、これは嫌がらせ?
メアリーはシリルの態度をそう受け取り、頑なに彼を拒絶しようとするが――……。
「誰がお前に嫌がらせなんかするかよ」
どうやら、彼には全く別の思惑があるらしく……?
*WEB版表紙イラストはみどりのバクさまに有償にて描いていただいたものです。転載等は禁止です。
【R18】殿下!そこは舐めてイイところじゃありません! 〜悪役令嬢に転生したけど元潔癖症の王子に溺愛されてます〜
茅野ガク
恋愛
予想外に起きたイベントでなんとか王太子を救おうとしたら、彼に執着されることになった悪役令嬢の話。
☆他サイトにも投稿しています
義兄様に弄ばれる私は溺愛され、その愛に堕ちる
一ノ瀬 彩音
恋愛
国王である義兄様に弄ばれる悪役令嬢の私は彼に溺れていく。
そして彼から与えられる快楽と愛情で心も身体も満たされていく……。
※この物語はフィクションです。
R18作品ですので性描写など苦手なお方や未成年のお方はご遠慮下さい。
R18、アブナイ異世界ライフ
くるくる
恋愛
気が付けば異世界。しかもそこはハードな18禁乙女ゲームソックリなのだ。獣人と魔人ばかりの異世界にハーフとして転生した主人公。覚悟を決め、ここで幸せになってやる!と意気込む。そんな彼女の異世界ライフ。
主人公ご都合主義。主人公は誰にでも優しいイイ子ちゃんではありません。前向きだが少々気が強く、ドライな所もある女です。
もう1つの作品にちょいと行き詰まり、気の向くまま書いているのでおかしな箇所があるかと思いますがご容赦ください。
※複数プレイ、過激な性描写あり、注意されたし。
悪役令嬢なのに王子の慰み者になってしまい、断罪が行われません
青の雀
恋愛
公爵令嬢エリーゼは、王立学園の3年生、あるとき不注意からか階段から転落してしまい、前世やりこんでいた乙女ゲームの中に転生してしまったことに気づく
でも、実際はヒロインから突き落とされてしまったのだ。その現場をたまたま見ていた婚約者の王子から溺愛されるようになり、ついにはカラダの関係にまで発展してしまう
この乙女ゲームは、悪役令嬢はバッドエンドの道しかなく、最後は必ずギロチンで絶命するのだが、王子様の慰み者になってから、どんどんストーリーが変わっていくのは、いいことなはずなのに、エリーゼは、いつか処刑される運命だと諦めて……、その表情が王子の心を煽り、王子はますますエリーゼに執着して、溺愛していく
そしてなぜかヒロインも姿を消していく
ほとんどエッチシーンばかりになるかも?
【R18】悪役令嬢は元お兄様に溺愛され甘い檻に閉じこめられる
夕日(夕日凪)
恋愛
※連載中の『悪役令嬢は南国で自給自足したい』のお兄様IFルートになります。
侯爵令嬢ビアンカ・シュラットは五歳の春。前世の記憶を思い出し、自分がとある乙女ゲームの悪役令嬢である事に気付いた。思い出したのは自分にべた甘な兄のお膝の上。ビアンカは躊躇なく兄に助けを求めた。そして月日は経ち。乙女ゲームは始まらず、兄に押し倒されているわけですが。実の兄じゃない?なんですかそれ!聞いてない!そんな義兄からの溺愛ストーリーです。
※このお話単体で読めるようになっています。
※ひたすら溺愛、基本的には甘口な内容です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる