【本編完結済】【R18】異世界でセカンドライフ~俺様エルフに拾われました~

暁月

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10章 延引された結婚式

幕間 初めての女子会~リンダの過去と現在2* inリンダside~

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『キミが今日から稽古に参加するリンダかい?』
『はい!よろしくお願いします!!体力には少し自信があります!!』

エリュシオン様に何度も何度も頼み込んだ結果、特務部隊に入隊させてもらいアルマと共に隊長の稽古に参加したのは、あたしが15歳になってからだ。

アルマは男性にしては小柄だなと思っていたけど、あたしよりも3歳年上だった。
前髪で隠してるけど、金色と赤の綺麗なオッドアイをしている。

『アルマさん、以前は助けてくれてありがとうございました!今日からよろしくお願いします!』
『・・・アルマで良い。“さん”とか敬語、いらない』
『はいっ!・・・あ、うん。わかったよ、アルマ。改めてよろしくね!』
『ははっ、アルマに可愛い妹弟子ができたな。俺の特訓は厳しいからな、頑張ってついて来るんだぞ!あ、でも無理は禁物だぞ!あと大事なのは・・・――――――――』


特務部隊への入隊を、両親は反対しなかった。
むしろ、事件があった後「俺は盾になる事はできても、守る力まではない・・・すまないな」とお父さんに謝られてしまった。
一般女性のように手仕事をするより元気に走り回る方が好きだし、何より今後はあんなやつらに屈したくはない。
自分の身くらいは自分で守れるようになりたかった。

入隊する際、魔力もそんなにないあたしは、腰まであった長い髪を迷いなく肩までバッサリと切った。

『・・・髪、綺麗だったのに・・・』
『え?・・・アルマ、今何か言った?』
『いや、言ってない。まずは体力づくり。ついてきて』
『あ、うん!』
『ちょっとアルマ??!!それ俺の台詞・・・はぁ、ま、いっか』

隊長の指示でまずは体力作りを中心とした基本の身体作り、そして剣の稽古をアルマと共に一緒に学んだ。
何もかも初めてでわからないため、まずはアルマを見本にした。

無愛想で口数は少ないけど、決して冷たいわけじゃなくむしろ優しい・・・アルマはそんな人だ。
アルマに追いつけるように、いつか隣に立って互いの背中を守れるように、それを目標にがむしゃらな日々が続いた。



少しずつ気配がわかるようになってきた頃、どう頑張ってもアルマの気配を感じる事だけはできなくて疑問をぶつけてみた。

『ね、アルマ。あたし大分気配を察知できるようになったのに、アルマだけは見失ってわからなくなるの。どうして?』
『・・・得意だから』
『気配殺すの得意なの?すごいね!さすがアルマだ!!』
『全然すごくない。・・・それができないと、死んでた』
『え・・・?』

元々口数の少ないアルマは、自分の事を滅多に話さない。
こうして時々アルマから聞けるようになったけど、聞けば聞くほどあたしが想像もしていない厳しい世界で生きてきたんだと思い知らされ、なんだか申し訳なくなる。

『・・・大丈夫。リンダは悪くな・・・』
『・・・っ、ぃやぁぁぁぁっ』

(バシッ)

あたしが俯いた事で、アルマが気を遣って頭を撫でてくれようと手を伸ばしただけなのに、以前あの男に与えられた恐怖がフラッシュバックして、思わずアルマの手を弾いてしまった。

アルマは何も悪くないのに・・・

『・・・ぁ、ごめっ、ごめんなさ・・・』
『・・・』

もうずいぶん前の事なのに、刻まれた恐怖はすぐにこうして蘇ってしまう。
少しは強くなったのに・・・強くなったとしても、こんなんじゃ強くなったなんてとても言えないじゃないか・・・

『・・・ごめん。でも、きっと克服してみせるから・・・あたし、負けない、から・・・』
『・・・うん。大丈夫、リンダならできる』

その会話以降、アルマの気配を見失う事がなくなった代わりに、アルマがあたしに手を伸ばす事もなくなった。

アルマらしい優しさは嬉しかったけど、触れてもらえない事に少しだけちくんと胸が痛んだ。





アルマの気配に安心感を覚え、だいぶ恐怖を感じなくなった頃、あたしはアルマにあるお願いをすることにした。

『・・・アルマ、ちょっとお願いしたい事があるから、今夜部屋に来てもらっても良い?』
『うん。わかった』

迷うことなく了承してくれるアルマ。
この時点であたしとアルマは大分信頼関係も築けてきたと自分では思っている。

アルマは食事が何よりの楽しみで、特に肉が大好きなこと、お腹がすくと電池が切れたように動けなくなること。
・・・主に食べ物関係ばかりなのは否めないけど、隠さずに自分を見せてくれるのが心を開いてくれているようで嬉しかった。


そんなアルマにお願いしたい事というのは・・・――――――


『アルマ・・・あたしに触れてみてくれない?』
『!!』

さすがにアルマも驚いたようで、普段見えないオッドアイが見える位目を見開いている。

『・・・お願い。前みたいにあたしの頭を撫でて』
『・・・あ、そっちか。わかったよ』

アルマの言ってる意味が良くわからなかったけど、とりあえず納得してくれたようで正面に向き合って座っているアルマは、あたしの頭を撫でようと手を伸ばしてきた。

そのまま優しく撫でるアルマの手は、恐怖を感じるどころかむしろ心地良さを感じる位気持ち良かった。

『アルマ、もっと・・・』
『リンダ、それってわざと・・・?』
『??』
『・・・じゃなさそうだね。はぁ・・・』

微妙な顔をしながら頭を撫でてくれるアルマの手を取り、今度は顔を摺り寄せる。
アルマの言ってる言葉の意味はよくわからないけど、寝る前に寝室に男性を部屋に呼ぶ意味位はあたしも知っている。


そう。今日アルマにお願いしようと思ったのは・・・――――


『・・・アルマ、抱いて?』

『!!!!』


アルマの手に口づけて、綺麗なオッドアイをまっすぐ見つめながら、そうお願いした。

『・・・リンダ、本気で言ってるの?』
『もちろん』
『・・・どうして、俺なの?』
『アルマは、あたしにとって“安心できる場所”だから』
『安心できる、場所・・・?』
『アルマがそばにいると、あたし、いろんなことが怖くない。勇気をもらえるの』
『・・・』

辛そうに何か言いたげな顔をしてるアルマから何を言われるのかが怖くて、あたしはさらに言葉を続けた。

『それに、辛くて忘れられない事があるなら、別の事で上書きすれば良いってエリュシオン様が・・・』
『・・・別の事で、上書き?』
『何かを不意に思い出すなら、あたしはアルマの事を思い出したい!』
『!!!!』
『・・・っ、もう、あんな・・・あんな奴の事なんか・・・』

思い出したくもないのに、ふとした瞬間まだあの男が脳裏に浮かんでくる。
近づいて来る恐怖や、殴られた痛み、声すら上げられなかった悔しさ・・・今だってアルマと一緒にいるのに、アルマの気配を感じて安心できる場所なのに、身体は以前の恐怖を思い出して震える。

どんなに強くなっても、例えあいつがすでにこの世からいないとしても、あたしのナカに残ってる。
それがどうしても嫌だった、耐えられなかった・・・―――――

『お願い・・・思い出したくない・・・だから、あたしをアルマでいっぱいにして・・・』
『・・・っ』

本来なら好き合った恋人同志や夫婦がする行為だという事は知っている。
でも、あたしやアルマはそんな恋愛関係どころか、あたしは恋愛や人を好きになるという事すら知らない。

家族ではないけど、かけがえのない安心できる仲間、こんなお願いも誰でもいいわけじゃない。
誰かにお願いしたいと思った時、真っ先に思い浮かんだのはアルマだった・・・

アルマは、あたしが掴んでいない方の手で自分の額を抑え、深くため息をついた。


 どうしよう・・・呆れられた・・・?


『後悔したって知らないからな、バカリンダ』
『!!・・・バカってひどっ・・・んんっ』

予想外の言葉と急な行動に何も反応できず、口が塞がったと思って目を開いたら目の前にアルマの顔があった。
口づけされてると気付いた時には、口の中に入ってきたナニかがあたしの舌に絡みつき、うまく話す事ができなかった。

『んっ、んんっ??!!・・・ぁ、アル、マ?』
『・・・口づけの時は、普通目を閉じるの。わかった?』
『へ?目を閉じ・・・んんっ?!』
『・・・できるまで、何度でも口づけるよ。このままじゃ、それができる頃には朝になっちゃうんじゃない?』
『!!!』

あたしは初めてで、しかもいきなりで何もわからないのに、知っているそぶりのアルマの態度がすごく腹立たしい。
しかもすごく舐められてる。

『・・・できるっ、できるもん!!』
『ふ~ん・・・じゃぁ』
『へ?・・・んっ』
『・・・できてないけど?』
『~~~~~~っ、アルマがいきなりするからじゃないかっ!バカぁ!!!』
『じゃあ言えばいいの?・・・口づけするよ』
『え、いや、その・・・んんっ、ぁ、んむっ、はぁ・・・バカアルマっ、言えば良いってわけじゃ・・・んっ』

あたしがきちんと目を瞑るまで何度もされる口づけ。
しかも、さっき口の中に入ってきたのはアルマの舌らしく、今も何度か舌を絡めて来たり、口唇を甘噛みされたり、口づけと言ってもこんなに種類があるなんて知らなかった。

アルマは他の誰かとこんな口づけをした事があるの?
色恋に縁がなかったあたしはもちろん初めてだけど、もしかしてアルマは初めてじゃないの?

手慣れた手つきで寝着を脱がされながら、あたしの頭はそれしか考えられなかった。

『アルマ、もしかして初めてじゃないの・・・?』
『・・・なんで今ソレを聞くの?』
『だって、なんかアルマ手慣れてる感じだし気になっちゃって・・・』
『・・・わかった。優しくしようと思ってたけど、気が変わった。そんな事が気にならないくらいめちゃくちゃにしてあげる』
『へ?・・・ぁっ、や、そんなトコロ・・・痛っ、いま噛んだっ?!酷いよアルマっ!!』
『・・・ホントにもう、リンダうるさい』
『なっ、うるさいってひど・・・んんっ、~~~~~~~~っ』

それ以降は全部口づけされながら、アルマにされるがままの状態だった。
自分でも触れた事がない場所をアルマに触れられている・・・それがくすぐったいような、気持ち良いような不思議な感覚だったけど、嫌ではなかった。

そして、気が付けばあたしはほとんど服を着ていない下着姿の状態だった。
さすがにビックリして、恥ずかしさのあまり身体を隠そうとしたらアルマの手に阻止され、アルマはそのままあたしの胸の先端をペロリと舐めた。

『ひゃぁっ』
『・・・リンダ、可愛い声も出せるんだね。もっと聞かせて』
『やっ、可愛いって何それ・・・んぁっ、やだ、そんな転がさな、いで・・・』

舌でコロコロと先端を転がされるたび、痺れるようなむず痒さを感じて、お腹の辺りがきゅんきゅんする。
そして、赤ちゃんが乳をのむみたいに吸われると、さっきよりも強い快感が身体を巡り、同時に先端を摘ままれている事もあり、気持ち良いのにどこかもどかしくておかしくなりそうだ。

『はぁっ、はぁ・・・なに、これ・・・』
『・・・コレだけでそんなに息切れするなんて、リンダってあんまり体力ないんだね』
『!!・・・そんな事な・・・あぁぁっ』
『こんなに濡れてる。・・・リンダって結構いやらしいんだ・・・』
『!!!!』

さっきは下着の上から触れていたアルマの指が、下着の中に入り込み直接あたしの大事なトコロに触れる。
ゆっくりなぞってるだけなのに、くちゅ、くちゅ、と聞こえる水音がすごくいやらしい。

恥ずかしいけど気持ち良くて、気持ちいのにどこかもどかしい。

あたしの身体、一体どうなっちゃったの?
男女の営みって皆こういう事してるの??

『指、挿入れるよ』
『え?・・・あぁっ??!!』

アルマの指がナカに挿入ってきた。
いきなりだけどゆっくりと周りを解すようにずぷずぷと奥まで挿入ると、今度は抽挿を繰り返し、もっと解れると本数を増やしたり角度を変えてかき混ぜられたりで、多少の圧迫感や痛みがあるけど気持ち良さがさっきと比べ物にならなかった。

『やっ、変な声っ、ぁ、出ちゃう・・・んんっ、音、やなのっ、アルマぁ』
『・・・俺に触れられるのは嫌じゃないの?』
『へ?・・・ぁんっ、アルマの指、怖いけど・・・ん、嫌じゃない、よ・・・』
『俺の指が怖い?』
『・・・だって、さっきからアルマの指のせいで、ん、変な声、止まんな・・・ぁぁっ、それやぁっ、怖いっ』

アルマの指から与えられる快感は、だんだん気持ち良くなってきてこのままどうにかなってしまいそうで怖かった。

『大丈夫、怖くない。そばにいるから』
『アル、マ・・・』
『だから、一度イって』
『???!!!~~~~~~~~~~~っ』

アルマが安心させてくれたのも束の間、さっきよりも強い快感を与えられた身体は、大嵐が来たかのように何かが突き抜け、目の前が一瞬真っ白になった後一気に身体から力が抜けた。

『はぁっ、はぁ・・・やだって、怖いって言ったのにぃ・・・これで終わり?もう寝よ?』
『リンダ、残念だけどまだ終わりじゃないよ。むしろこの後が本番』
『へ?ほん、ばん・・・?』

心臓みたいにドクンドクンと脈を打っているようなあたしの秘部に、くちゅり、とナニかが触れる。

・・・あれ、コレってもしかして・・・――――――

『リンダ、挿入れるよ』
『ぁ、アルマ、ちょっと待っ・・・~~~~~~~~~~~~っ』

一気に挿入ってきたモノは、さすがにあたしでもナニかわかった。
ナカで何かが“ブチッ”と切れたか裂けたかしたような感覚と、少しの痛みを感じた。
いわゆる破瓜の痛みってヤツなんだろう。

自分のナカを、アルマで埋め尽くされるように挿入っているアルマのモノ。
どっちの鼓動なのかわからないけど、すごくドクンドクンという強い鼓動を感じる。

『・・・痛い?』
『・・・思ってたより痛くない、かも』
『じゃあ動くよ』
『・・・ぁ、あぁぁっ、何これ・・・っ、奥っ、深いっ、やぁぁぁぁっ』

少しの痛みよりも、感じた事のない快感が勝る。


翻弄されっぱなしのあたしと、手慣れた感じでコトを進めるアルマ。
聞きたい事も言いたい事もいっぱいあったけど、話しかける余裕なんてあたしにはない。

どうせアルマは余裕なんだろうなと思って、悔し紛れになんとかアルマの顔を覗いてみると、アルマは綺麗なオッドアイを歪ませながら少し汗ばんで余裕のない表情をしていた。

それがなんだか可愛くて、嬉しくて、ものすごくアルマを抱きしめたくなった。
アルマに手を伸ばしたのは覚えてるけど、何かが弾けて真っ白になった感覚があってからの記憶がない。



目が覚めると、眩しい光が窓から差し込んでいた。
どうやらあたしは、アルマに抱かれている最中に意識を失いそのまま眠ってしまったようだ。
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