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10章 延引された結婚式
待ち望んでいた結婚式2
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◇
マゼンダさんによるヘアメイクとドレスアップが終わった後、控室となっている寝室で双子に癒されつつ、エルを直視できるよう見つめ合うという練習をさせられているうちに、アレク兄様から準備完了のお知らせがきた。
「まま、あいじゅきたの!」
「おにわいくのー」
「ふふっ、そうだね。皆で行こうか」
「まったく・・・30秒が限界か」
結局エルを直視するのは30秒が限界でした。
寝室を出て1階のリビングへ行くと、アレク兄様がすでに待機していた。
「エリュシオン様、サーヤ・・・改めておめでとうございます。やはりマゼンダ様の作るドレスやタキシードは素晴らしいですね」
「ボクのも、ねーねがちゅくったの!」
「へへ♪くーのも~」
「あぁ、2人ともすごく似合っているよ」
「「えへへ♪」」
アレク兄様も今日は特務騎士団の正装という事で、一目でエルの部下だとわかる黒と蒼が用いられた詰襟ジャケットに、真っ白なトラウザーズとブーツという服装をしていた。
襟や袖口などを金色で綺麗に縁取られたジャケットは、とてもシックで上品な仕上がりとなっている。
「・・・それを、着たのか」
「はい。今まで禁止されておりましたが、本日は特別なので全員着用しております」
準備期間中にアレク兄様から聞いたけど、騎士団は部隊ごとに色別の隊服があり、カルステッドさん達はエルの色である"黒"をベースにした騎士団の隊服や正装を元々持っていて、有事の際は着用を義務付けられている。
だが、数年前の建国祭で当時特務師団のメンバーだったカルステッドさん、アレク兄様、アルマさんの3人は、登城した際“黒”を纏っていた事で相当酷い扱いを受けたらしく、それを知ったエルが正装や有事への参加を禁止にしたらしい。
だから、今日の結婚式という晴れの門出は、何を言われようとこの正装で参加すると決めていたようだ。
この黒ジャケット、エルの髪と瞳の色ですごく素敵だからあたしも欲しいくらいなのに・・・
「特務騎士団のジャケット、すっごくカッコイイよね・・・あたしも着てみたい」
「は?」
「ボクも!にーに、かっこいい!!」
「くーも!くーもしゅきー!!」
「お前ら・・・」
「ふふっ、さすがはエリュシオン様の家族ですね。・・・表立って着る事は出来ないだろうけど、キャロに頼めば作ってくれると思うよ。デザインして作ってくれたのはキャロだからね」
なんと!さすがはキャロさん!!
結婚式が終わって落ち着いたら早速お願いしてみよう。
「ほら、皆が待ってるから庭に移動しよう。エリュシオン様、サーヤをエスコートお願いします。レオンとサクラは、サーヤのドレスの裾を持ってあげて」
「あぁ、わかった」
「「あいっ!」」
アレク兄様の誘導で、あたし達はリビングからウッドデッキを通り、結婚式会場となっている庭へと移動した。
◇
ウッドデッキから庭へ出ると、まず目についたのは色とりどりの花で作られたアーチだった。
それをくぐると、中央の大きめのテーブルにリクエストした料理とそれ以外の料理が所狭しと並べられ、どれも美味しそうで目移りしてしまう。
リンダはドリンクを作って皆に提供し、アルマさんは食べ終わったお皿を回収して魔法袋に入れている。
カルステッドさんはひときわ大きなお肉をフランさんと共に豪快に切り分ける担当のようだ。
参加している人に目を向けると、レヴィンさんは孫であるセレスくんやモニカ、マデリーヌさんやノルンさんと食事や歓談を楽しみ、ティリアさんとクラリスさんはシャルちゃんとレミリオくんにご飯を食べさせながら、その周囲を精霊さんや妖精さんがふわふわ飛び回っている。
ルーシェントさんとフィリーさんは、エルフの里から連れてきたゴルドさんとマゼンダさんと共に円卓で立食を楽しみ、ミナトちゃんやカイトくん、セイルやベルナートさんは食事よりもお菓子に夢中になっているようだ。
「お集りの皆様、大変お待たせいたしました。主役の2人をお連れしました」
アレク兄様の声で皆あたし達の方へ振り向き、おめでとうというお祝いの言葉やドレスやタキシードなどに驚き感嘆を漏らす声が口々に聞こえてきた。
皆に見守られながらエルのエスコートとお手伝いの双子と一緒に、用意されたメインテーブルに着席すると、アレク兄様が“今日来れなかった方から”という事で、なんとメラルダのレミールさんとシュナイゼルさんからのお祝いメッセージを読んでくれた。
仕事が忙しいのと、ルミエールちゃんがまだ幼いためガルドニアへ来るのは難しかったそうだ。
仕事仲間ではあるけれど、さすがにまだ転移門で呼べるほどの関係ではないというのがエルの判断だった。
その後はアレク兄様が、あたしやエル、双子達へのご飯を用意し、他の皆は代わる代わるあたし達のメインテーブルへと挨拶しに来てくれた。
「おめでとう、2人とも。初めて来たけど、この森がこんなに緑豊かで素敵な場所だとは知らなかったよ。“帰らずの森”だなんて物騒な名前を変えた方が良いかな?」
「妖精も精霊も基本的に外部の人間を嫌っているから、あながち間違ってはいない。それに、人間が多く訪れると面倒だからこのままで良い」
「ふふっ、少し前にこの森に入ってきたおバカさんの話、そう言えばまだレヴィンにしてなかったわねん♡聞きたい?」
「いや、遠慮しておくよ。・・・そうだね、この森は人間がどうこうして良い森ではないからこのままにするよ」
あたしも忘れがちになるけど、この森は“一度入ると生きて帰って来れない”という曰く付きの森だ。
普通の人は森でこんなパーティが行われてるなんて思わないんだろうな・・・
「ちなみにユーリは、後からオレと入れ替わりで来る予定だよ。さすがに2人同時に城を空ける事はできなくてね」
「後で私がレヴィンを送った後連れて来るから心配しなくても良いわよん♡」
ユーリは後程レヴィンさんと入れ替わりで来てくれるらしい。
「ふふっ、ユーリ様はお迎えが来たらすぐにでも出発できるよう、今日の分のお仕事を猛スピードで終わらせているに違いありませんわね」
「モニカ、セレスくん」
「サーヤ、おめでとうございますわ!今日のサーヤ、すっごく素敵で妖精様みたいですの!!」
「おめーと、ごじゃーましゅ」
「ふふっモニカ、セレスくん、ありがとう」
「「れちゅだー」」
「れお!くー!」
モニカとドレスの話やユーリの話を聞きつつ、双子とセレスくんを少し遊ばせた後は、ミナトちゃんやカイトくん、ベルナートさんやセイルがやってきた。
「サーヤままっ、エルぱぱっ!!」
「おにーさん、おねーさん、おめでとう」
「「ミナたん!カイたん!」」
「んふ~、レオたんもサクたんも、おてつだいえらいのよ♪」
「うん、2人とも良い子だね」
「「えへへ~」」
双子はミナトちゃんとカイトくんに褒められてすごく嬉しそうだ。
あ、サクラの頬っぺたにお肉のソースがついてる・・・
「サクラ、口の周りにソースがついて・・・せっかくおめかししてるのに汚れちゃうよ?」
「べうっ!ん、ふきふきちて」
「はいはい。じゃあ大人しくしててね」
「あいっ」
あら。サクラってばベルナートさんにしっかりお願いしちゃって、可愛い・・・
(パキッ)
「ん?・・・あの、エル・・・ベルナートさんはサクラにお願いされたからふきふきしてるんだよ?」
「・・・そのようだな」
「ふふっ、エリュシオン、サクラも女の子なんだから大きくなったらサーヤみたいに誰かと結婚するんだよ☆今からそんなんでどうするの?」
「??!!・・・サクラが、結婚・・・だと・・・?!」
「いやいやいや、エルっ!それは大分先の話であって、今じゃないから!!」
エルって、色々辛い経験をして心を閉ざしていた時期が長かったけど、心を開いている人にはすごく愛情が深い人なんだとつくづく思う。
でも、まだまだ先になるだろうサクラの結婚にこんな反応をするのは、さすがに親バカの域に達していて意外で可愛いんだけど、そのうち本当にベルナートさんを攻撃しそうでちょっと心配。
「ふっ、今のエリュシオンは昔のルーシェと本当にそっくりだな」
「やめてよフィリー。それは昔の話だろう?」
「ははっ、マゼンダが産まれた時の事を思い出すなぁルーシェ」
「え、お義父さんもそうだったんですか?」
「ふふっ、そうみたいよ。今となっては”まだ結婚しないのか”とか言ってくるのよ?酷い話よね」
なるほど、遺伝なら納得です。
確かにルーシェントさんはとても愛情深い方だもんね。
「二人とも、改めておめでとう!ん~、やっぱりその色素敵だわ♪頑張った甲斐があったわね、アイシャ」
「~・・・~~~」
マゼンダさんの肩には小さな妖精がちょこんと座っていて、とても仲良さそうにしていた。
多分ドレス作りに協力してくれた妖精さんなんだろう。
色んな人と話していたら、食事が全然手についていなかったのを見かねたアレク兄様が皆に声をかけてくれた。
なんか嬉しくてすごく胸がいっぱいだから、そんな食べれる気がしない。
「サーヤ、改めておめでとう。すっごくすっごく綺麗」
「あ、ベルナートさん。ふふっ、ありがとう」
「エリュシオン、後で少しだけサーヤと話しても良い?」
「・・・あぁ」
「ありがとう。・・・サーヤ、後で少しだけ時間ちょうだいね」
「うん、良いよ」
”時間が欲しい”と言ったベルナートさんは、さっきまでのにこやかな顔ではなく、何か思いつめたような真剣な顔をしていた。
マゼンダさんによるヘアメイクとドレスアップが終わった後、控室となっている寝室で双子に癒されつつ、エルを直視できるよう見つめ合うという練習をさせられているうちに、アレク兄様から準備完了のお知らせがきた。
「まま、あいじゅきたの!」
「おにわいくのー」
「ふふっ、そうだね。皆で行こうか」
「まったく・・・30秒が限界か」
結局エルを直視するのは30秒が限界でした。
寝室を出て1階のリビングへ行くと、アレク兄様がすでに待機していた。
「エリュシオン様、サーヤ・・・改めておめでとうございます。やはりマゼンダ様の作るドレスやタキシードは素晴らしいですね」
「ボクのも、ねーねがちゅくったの!」
「へへ♪くーのも~」
「あぁ、2人ともすごく似合っているよ」
「「えへへ♪」」
アレク兄様も今日は特務騎士団の正装という事で、一目でエルの部下だとわかる黒と蒼が用いられた詰襟ジャケットに、真っ白なトラウザーズとブーツという服装をしていた。
襟や袖口などを金色で綺麗に縁取られたジャケットは、とてもシックで上品な仕上がりとなっている。
「・・・それを、着たのか」
「はい。今まで禁止されておりましたが、本日は特別なので全員着用しております」
準備期間中にアレク兄様から聞いたけど、騎士団は部隊ごとに色別の隊服があり、カルステッドさん達はエルの色である"黒"をベースにした騎士団の隊服や正装を元々持っていて、有事の際は着用を義務付けられている。
だが、数年前の建国祭で当時特務師団のメンバーだったカルステッドさん、アレク兄様、アルマさんの3人は、登城した際“黒”を纏っていた事で相当酷い扱いを受けたらしく、それを知ったエルが正装や有事への参加を禁止にしたらしい。
だから、今日の結婚式という晴れの門出は、何を言われようとこの正装で参加すると決めていたようだ。
この黒ジャケット、エルの髪と瞳の色ですごく素敵だからあたしも欲しいくらいなのに・・・
「特務騎士団のジャケット、すっごくカッコイイよね・・・あたしも着てみたい」
「は?」
「ボクも!にーに、かっこいい!!」
「くーも!くーもしゅきー!!」
「お前ら・・・」
「ふふっ、さすがはエリュシオン様の家族ですね。・・・表立って着る事は出来ないだろうけど、キャロに頼めば作ってくれると思うよ。デザインして作ってくれたのはキャロだからね」
なんと!さすがはキャロさん!!
結婚式が終わって落ち着いたら早速お願いしてみよう。
「ほら、皆が待ってるから庭に移動しよう。エリュシオン様、サーヤをエスコートお願いします。レオンとサクラは、サーヤのドレスの裾を持ってあげて」
「あぁ、わかった」
「「あいっ!」」
アレク兄様の誘導で、あたし達はリビングからウッドデッキを通り、結婚式会場となっている庭へと移動した。
◇
ウッドデッキから庭へ出ると、まず目についたのは色とりどりの花で作られたアーチだった。
それをくぐると、中央の大きめのテーブルにリクエストした料理とそれ以外の料理が所狭しと並べられ、どれも美味しそうで目移りしてしまう。
リンダはドリンクを作って皆に提供し、アルマさんは食べ終わったお皿を回収して魔法袋に入れている。
カルステッドさんはひときわ大きなお肉をフランさんと共に豪快に切り分ける担当のようだ。
参加している人に目を向けると、レヴィンさんは孫であるセレスくんやモニカ、マデリーヌさんやノルンさんと食事や歓談を楽しみ、ティリアさんとクラリスさんはシャルちゃんとレミリオくんにご飯を食べさせながら、その周囲を精霊さんや妖精さんがふわふわ飛び回っている。
ルーシェントさんとフィリーさんは、エルフの里から連れてきたゴルドさんとマゼンダさんと共に円卓で立食を楽しみ、ミナトちゃんやカイトくん、セイルやベルナートさんは食事よりもお菓子に夢中になっているようだ。
「お集りの皆様、大変お待たせいたしました。主役の2人をお連れしました」
アレク兄様の声で皆あたし達の方へ振り向き、おめでとうというお祝いの言葉やドレスやタキシードなどに驚き感嘆を漏らす声が口々に聞こえてきた。
皆に見守られながらエルのエスコートとお手伝いの双子と一緒に、用意されたメインテーブルに着席すると、アレク兄様が“今日来れなかった方から”という事で、なんとメラルダのレミールさんとシュナイゼルさんからのお祝いメッセージを読んでくれた。
仕事が忙しいのと、ルミエールちゃんがまだ幼いためガルドニアへ来るのは難しかったそうだ。
仕事仲間ではあるけれど、さすがにまだ転移門で呼べるほどの関係ではないというのがエルの判断だった。
その後はアレク兄様が、あたしやエル、双子達へのご飯を用意し、他の皆は代わる代わるあたし達のメインテーブルへと挨拶しに来てくれた。
「おめでとう、2人とも。初めて来たけど、この森がこんなに緑豊かで素敵な場所だとは知らなかったよ。“帰らずの森”だなんて物騒な名前を変えた方が良いかな?」
「妖精も精霊も基本的に外部の人間を嫌っているから、あながち間違ってはいない。それに、人間が多く訪れると面倒だからこのままで良い」
「ふふっ、少し前にこの森に入ってきたおバカさんの話、そう言えばまだレヴィンにしてなかったわねん♡聞きたい?」
「いや、遠慮しておくよ。・・・そうだね、この森は人間がどうこうして良い森ではないからこのままにするよ」
あたしも忘れがちになるけど、この森は“一度入ると生きて帰って来れない”という曰く付きの森だ。
普通の人は森でこんなパーティが行われてるなんて思わないんだろうな・・・
「ちなみにユーリは、後からオレと入れ替わりで来る予定だよ。さすがに2人同時に城を空ける事はできなくてね」
「後で私がレヴィンを送った後連れて来るから心配しなくても良いわよん♡」
ユーリは後程レヴィンさんと入れ替わりで来てくれるらしい。
「ふふっ、ユーリ様はお迎えが来たらすぐにでも出発できるよう、今日の分のお仕事を猛スピードで終わらせているに違いありませんわね」
「モニカ、セレスくん」
「サーヤ、おめでとうございますわ!今日のサーヤ、すっごく素敵で妖精様みたいですの!!」
「おめーと、ごじゃーましゅ」
「ふふっモニカ、セレスくん、ありがとう」
「「れちゅだー」」
「れお!くー!」
モニカとドレスの話やユーリの話を聞きつつ、双子とセレスくんを少し遊ばせた後は、ミナトちゃんやカイトくん、ベルナートさんやセイルがやってきた。
「サーヤままっ、エルぱぱっ!!」
「おにーさん、おねーさん、おめでとう」
「「ミナたん!カイたん!」」
「んふ~、レオたんもサクたんも、おてつだいえらいのよ♪」
「うん、2人とも良い子だね」
「「えへへ~」」
双子はミナトちゃんとカイトくんに褒められてすごく嬉しそうだ。
あ、サクラの頬っぺたにお肉のソースがついてる・・・
「サクラ、口の周りにソースがついて・・・せっかくおめかししてるのに汚れちゃうよ?」
「べうっ!ん、ふきふきちて」
「はいはい。じゃあ大人しくしててね」
「あいっ」
あら。サクラってばベルナートさんにしっかりお願いしちゃって、可愛い・・・
(パキッ)
「ん?・・・あの、エル・・・ベルナートさんはサクラにお願いされたからふきふきしてるんだよ?」
「・・・そのようだな」
「ふふっ、エリュシオン、サクラも女の子なんだから大きくなったらサーヤみたいに誰かと結婚するんだよ☆今からそんなんでどうするの?」
「??!!・・・サクラが、結婚・・・だと・・・?!」
「いやいやいや、エルっ!それは大分先の話であって、今じゃないから!!」
エルって、色々辛い経験をして心を閉ざしていた時期が長かったけど、心を開いている人にはすごく愛情が深い人なんだとつくづく思う。
でも、まだまだ先になるだろうサクラの結婚にこんな反応をするのは、さすがに親バカの域に達していて意外で可愛いんだけど、そのうち本当にベルナートさんを攻撃しそうでちょっと心配。
「ふっ、今のエリュシオンは昔のルーシェと本当にそっくりだな」
「やめてよフィリー。それは昔の話だろう?」
「ははっ、マゼンダが産まれた時の事を思い出すなぁルーシェ」
「え、お義父さんもそうだったんですか?」
「ふふっ、そうみたいよ。今となっては”まだ結婚しないのか”とか言ってくるのよ?酷い話よね」
なるほど、遺伝なら納得です。
確かにルーシェントさんはとても愛情深い方だもんね。
「二人とも、改めておめでとう!ん~、やっぱりその色素敵だわ♪頑張った甲斐があったわね、アイシャ」
「~・・・~~~」
マゼンダさんの肩には小さな妖精がちょこんと座っていて、とても仲良さそうにしていた。
多分ドレス作りに協力してくれた妖精さんなんだろう。
色んな人と話していたら、食事が全然手についていなかったのを見かねたアレク兄様が皆に声をかけてくれた。
なんか嬉しくてすごく胸がいっぱいだから、そんな食べれる気がしない。
「サーヤ、改めておめでとう。すっごくすっごく綺麗」
「あ、ベルナートさん。ふふっ、ありがとう」
「エリュシオン、後で少しだけサーヤと話しても良い?」
「・・・あぁ」
「ありがとう。・・・サーヤ、後で少しだけ時間ちょうだいね」
「うん、良いよ」
”時間が欲しい”と言ったベルナートさんは、さっきまでのにこやかな顔ではなく、何か思いつめたような真剣な顔をしていた。
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