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10章 延引された結婚式
帰ってきた我が家* inエリュシオンside
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◇
親父と行ったエルフの森での素材採集・・・結果だけを言うと、無事に目的のモノを手に入れる事は出来た。
だが、実害はないものの大切なナニカを失ったような、サーヤにはとても言い難いような経験をしてしまった。
・・・いっその事、もう忘れてしまいたい。
「いやぁ・・・聖獣様って初めてお会いしたけど、個性的で感じの良い方だったね」
約束通りエリクシルの採集やユグドラシルの葉がある場所へと案内してくれた事は有難いし、纏う魔力や気配からも一切の隙がない絶対的強者の聖獣である事は認めよう。
だが、聖獣とはその名の通り“聖なる獣”であって、神聖な存在ではないのか?!
なぜあのような・・・――――
「それにしても知らなかったよ。エルフの森にかつて“落ち人”がいて、聖獣様と共に生活していたなんてね」
親父が罠を張っていたドリアードの触手に捕まり、助けようと戦闘している時に偶然遭遇したのは、レオンの名前の元にもなった伝説の聖獣、白銀の獅子レオヴィアスだった。
支配下に置いているドリアードから親父を助けてくれたレオヴィアスは、俺達がエリクシルとユグドラシルの葉を探しに来た事とその理由を話すと、条件次第では協力してやらんでもないと言ってきた。
だが、その条件がなんとも最悪だった・・・―――――
◆
『主らの睦み合いを我に見せよ。もしくはまぐわいでも良いぞ』
「「・・・は?」」
脳裏に直接話しかけてくる聖獣レオヴィアスは、一声で何人もひれ伏せる事ができそうな威圧感のある声で意味不明の事を言ってきた。
『以前拾った落ち人と生活している時に、”びーえる”とやらの素晴らしさを何度も聞かされたのだが、人間同士はどうも美しくなくてな・・・主らはエルフなだけあって美丈夫だ。さぞ映えるだろう』
「いや、聖獣様・・・私達は親子ですし、それぞれ愛する妻や子供がおります。親子の親愛はあっても男女のような愛は・・・―――」
『親子!親子ならば“きんしんそーかん”になるのだな!ここにユキがいたらきっと喜ぶだろう』
いやいやいや、ちょっと待て。
どうしてそうなる?!“ユキ”とは聖獣と生活していた“落ち人”の事か??
そもそも”男同士の睦み合いの素晴らしさ”って何だ?!素晴らしいわけないだろうが!!
なんてものを聖獣に教えてるんだっ!!!!
その後も、その“落ち人”から聞いた男同士の恋愛の尊さや素晴らしさを語り続ける聖獣レオヴィアスに、伝説の聖獣に出会えた嬉しさよりも、最愛の息子の名前の由来が目の前の残念な生き物である事がとても嘆かわしくなったのは言うまでもない・・・
断固として拒否した結果、ならばドリアードとの絡みを見せろと言われるも、それも断固として拒否したので話し合いは平行線を辿る一方だった。
「・・・聖獣様、エルフの里にいる私の知り合いに、本物の”びーえる”がおります。後日必ずお連れしますので、今は何卒ご容赦いただけませんか?」
『なっ・・・本物の”びーえる”だと?!・・・だが、それだと我は”今”楽しむ事ができぬではないか』
親父の提案に頷きかけるも、”今”を楽しめない事に納得しない聖獣レオヴィアス。
元は俺が転移門を完成させるための素材採集なので、仕方なくこちらも“魔法で作った分身ならばドリアードの好きにして良い”という条件を出して、なんとか了承してもらう事ができた。
だが、分身を維持する関係上、イヤでも俺はある程度は見ていなければいけないわけで、自分の顔の分身がナニをされたか一部始終を否応なしに見るはめになった。
・・・正直、思い出すだけでも悍ましい。
サーヤが触手を全力で嫌がっていた気持ちが痛いほどわかった。
俺はこれを機に、金輪際触手は使うまいと心に誓った・・・―――――
◇
親父と共にエルフの里に帰ってきた時は、深夜・・・というより明け方に近い時間帯だった
「こんな時間か・・・エリュシオン、時間も時間だし今夜はこっちで寝るかい?」
「いや、これからマデリーヌを呼んで家に帰る」
「そうか・・・じゃあ僕も一緒に行くよ。さすがにフィリーを起こす気はないからリビングかどこかで仮眠させてもらうね」
「あぁ」
それから念話でマデリーヌを呼び、森の家まで転移魔法で送ってもらった。
「もうっ、予定ではもっと早いって言ってたじゃないのん!寝不足はお肌の大敵なのよん!!」
「あぁ、すまない。今後は余程の事がない限り、もうこんな時間には呼ばないようにする」
「・・・あなた、本当にエリュシオンよねん?私に普通に謝罪するなんて・・・なんか変なモノでも食べたのかしらん?」
とにかく精神的に疲れていた俺は、いつものようにマデリーヌを罵る気力がないだけなのに、思った事を言っただけでなぜ変な疑いをかけられねばならんのか・・・
「ふふっ、冗談よん♡あなたがそんなに疲れてるなんて、余程の事があったのねん♡サーヤちゃんや双子達は寂しくて仕方なかったみたいだから、もうこんな長期間離れるのはダメよん♡♡」
そう言って、マデリーヌは俺と親父に回復魔法をかけると、そのまま転移魔法でどこかに行ってしまった。
「やっと帰って来れたね。エリュシオンはサーヤさんの所に早く行ってあげなさい」
「あぁ、言われなくてもそうする」
移動する時間すらも惜しかった俺は、サーヤが眠っている寝室へとすぐに転移した。
食事と一緒の手紙からも強がりが見えたし、何より2日程前からレオン達の絵が入っていなかった。
子供に好かれているのは嬉しい限りだが、こうして寂しい思いをさせたり、サーヤ1人に負担がかかるような事は今後避けたい。
だから、今後はこんな長期で出かける事はしないと早く伝えたい・・・――――
「・・・なんだ?これは・・・」
寝室に転移した瞬間俺が目にしたのは、情事後の様に衣服の乱れたサーヤの寝姿だった。
◇
俺なるべく冷静さを保ったままサーヤに近づき、ベッドに腰を掛けサーヤの顔を覗き込む。
・・・目元が赤い。やはり泣いていたらしい。
そのまま頬をそっと撫でると、サーヤは心地良さそうな顔で俺の手に顔を摺り寄せる。
「ん・・・ェ、ル・・・すぅ―――・・・」
「・・・ったく、言いたい事がたくさんあると言うのに気持ち良さそうに眠りおって・・・」
なるべく起こしたくはないが、確認はしないと俺も気が気じゃないので、起きたら起きたで仕方あるまい。
そう思って、俺はサーヤの下着を剥ぎ取りナカに挿入した痕がないかを確認し始める事にした。
くちゅり
「・・・んっ、ぁ」
指を奥まで挿入れると、寝ているサーヤがわずかに反応する。
相変わらず眠っていても感じやすいようだな。
元々濡れていたが、俺の指で反応してさらに蜜が溢れてくる
指を抜いてから味を確認し、サーヤ以外の気配や痕跡がない事に安堵すると、俺は溢れた蜜を舐めとり蜜口周辺を舌で刺激し始める。
ちゃんと反応を示し息が荒くなってきたサーヤに、褒美だと言わんばかりに舌を挿入して指で敏感な秘豆をきゅっと摘まむ。
「んぁぁっ、やっ、ぁんっ、なに・・・え、あれ、エル?」
「ココには挿入れた形跡はなさそうだな・・・じゅるっ」
「やぁぁぁっ、吸っちゃダメっ、ぁぁ、やっ、そこ、摘まんじゃっ・・・っやぁぁぁぁぁぁ」
ビクンッ、ビクンッと痙攣し、きゅんきゅんと伸縮を繰り返すサーヤの蜜口をさらに舌で刺激しながら甘い蜜をすする。
「あぁっ、ぁっ、も、許して、んんっ・・・エルっ、それやぁぁっ、ぁんっ、んっ」
「ん、じゅるっ・・・こんなに蜜を溢れさせておいて、イヤはないだろう?」
「ひゃんっ、ぁぁっ、ソレ、舌でクリクリ、ダメぇ・・・ど、して?さっきは急に・・・」
「ん、さっき?」
「さっき、胸でシてあげた後、んっ・・・触れてくれなかったのに」
・・・なるほど、駄犬は俺と間違えてアレをされたのか。
そのままサーヤを抱かなかったのは褒めてやるが、やはり気分が良いものではないな。
「寂しかったの・・・せっかくエルが帰ってきたから、疲れてるかと思って頑張ったのに・・・」
「・・・寂しい思いをさせて悪かったな」
「ん、無事に帰って来てくれて嬉し・・・んぐっ?!」
とりあえず俺はサーヤの口内を洗浄してから、全部俺で上書きする事にした。
「けほっ、けほっ・・・急になに?」
「消毒だ。それにしても、なぜ俺の寝着を着てる」
「あれ、さっき言わなかったっけ?エルに抱きしめられてる感じがするからだよ。・・・最近お酒だけじゃ眠れなくて」
「ん?酒・・・だと??」
「?・・・これもさっき言ったと思うけど、最近眠れなくて・・・お義母さんに相談したら「寝る前のコップ1杯分の晩酌位なら授乳にも問題ないから」って勧められたの。ほら、前にエルが買ってくれたお酒あったでしょ?」
眠れなかったのも酒を飲んだのも寂しさや不安からくるものだろうし、寝着を着ていた理由も俺がそばにいなかった事が原因だな・・・こんな状態で“さっきお前が奉仕したのは駄犬だ”とはとても言えない・・・
駄犬にも後で口止めしておくか・・・
「今日ね「パパに会いたい」って双子の癇癪が凄くて、ベルナートさんが魔法で見た目だけエルの姿になってくれたんだよ。最初はちょっと戸惑ってたけど、レオンもサクラもやっぱりエルの姿を見る安心したみたいで助かっちゃった」
「!!・・・駄犬が、俺の姿に・・・?」
「うん。パッと見た感じは確かにエルなんだけど、やっぱり表情とかは少し違ってた・・・会いたかった。ホントは寂しかったよ、エル。ぎゅうってして?」
「あぁ・・・もうこんな長期で出かける事はしない、約束する」
「ん、嬉し・・・んっ」
思った以上に寂しくさせて申し訳ない気持ちと、待っている間のサーヤの行動が堪らなくて、夢中でサーヤの口唇を貪った。
久々に触れるサーヤの口唇はとても柔らかく、甘噛みしたり舌を絡めたり、時々甘い魔力を少し貰ったりする俺に、必死に応えようとするサーヤが愛おしくて、もっと乱れさせたくなる。
「んっ、んんっ、ぁ、んむっ・・・はぁっ、なんか今日のエル、キスだけですごくえっちな感じ・・・」
「・・・寂しかったのはお前だけではないからな」
「・・・エルも寂しかったの?」
「・・・まぁ、な」
「ふふっ、ホントに素直じゃないんだから・・・改めて、お帰りなさい。あなた♡」
「!!!・・・ただいま、サーヤ」
“おかえり”と“ただいま”、そんな当たり前の挨拶がこんなにも嬉しく感じるとは思わなかった。
そのまま瞳が合うと、示し合わせたかのようにサーヤは俺の首に腕を回し、俺もサーヤへ再び口づけを落とす。
それが合図となって、また互いの身体を求め合う。
直接触れあいたくて、口づけをしながら服を脱ぎサーヤと肌を重ね合わせると、“触ってくれ”と主張しているかのようにぷっくりと立ち上がった胸の先端が俺の肌に擦れ、それをきゅっと摘まむと口づけしているサーヤがピクンッ、ピクンッ、と敏感に反応する。
「ん、サーヤ・・・今のでイったのか?」
「(コクン)」
顔を真っ赤にしながら、恥ずかしそうに頷くサーヤ。
「うぅ・・・あたしの身体、どこまでエルに開発されちゃうのよ、バカぁ・・・」
「くくっ、元より感じやすい身体だったではないか」
「あうぅぅ・・・」
「俺の手で乱れるサーヤは堪らなく愛おしいのだ。・・・お前は素直に感じていれば良い」
「!!!」
俺の言葉に安心したらしく、その後は素直に身体を委ね求めてくるサーヤ。
ホントに従順というか単純と言うか、切り替えの早い可愛い奴だ。
そして、素直になったサーヤは挿入れて欲しそうにもじもじと太腿を擦り合わせている。
「んっ、はぁっ、はぁ・・・エル、も、欲しぃの・・・ちょうだい?」
「ふっ、やはりお前に求められるのはクるな・・・挿入れるが、すぐに落ちるなよ」
「あぁぁぁっ、そんなの、わかんなっ・・・~~~~~~っ」
なるべくゆっくり挿入れたつもりだが、挿入れただけできゅうきゅうと俺を締め付けてくるサーヤのナカ。
激しくしたい衝動にも駆られるが、それだとすぐにサーヤが気を失ってしまうので、感触をじっくり味わうように奥までゆっくりとピストンを繰り返す。
うねうねと絡みつくように熱いサーヤのナカは、久しぶりな事もあって俺もすぐにイってしまいそうになる。
「はぁっ、熱いな、お前のナカは・・・ぐっ」
「んっ、ぁ、エルの、熱い・・・はぁ、ん、気持ち、良い・・・?」
「あぁ、すぐにでもイキそうだ・・・」
なんとか堪えつつ蜜壺を掻き混ぜるように動くと、軽く痙攣を繰り返すサーヤの膣内は歓喜しながら俺のモノに絡みつき、“もっともっと”と強請るように締め付けてくる。
「くっ、はぁ・・・熱くて、んっ、溶かされそうだ」
「ぁ、あたしも、んっ、溶けちゃぅ、ぁぁっ、エル・・・ふぁぁ、気持ちいい、もっと・・・一緒に、んんっ」
深い口づけをしながら手を握り合い、サーヤの一番感じる最奥を何度もノックしたりぐりんっと抉るように掻き混ぜる。
サーヤもそろそろ限界らしく、声にならない声でさっきよりも強く締め付けてきた。
「・・・っ、サーヤ、射精すぞ・・・っく」
「んっ、ふぅっ、んん~~~~~~~~~~っ」
口付けをしながら、サーヤの最奥で吐精した後、脱力感と今まで溜まっていた疲労のせいか意識が遠のいてくる。
腕の中の温もりに“帰ってきたんだな”と幸せを感じながら、俺はサーヤと2人で眠りに落ちた・・・―――――
親父と行ったエルフの森での素材採集・・・結果だけを言うと、無事に目的のモノを手に入れる事は出来た。
だが、実害はないものの大切なナニカを失ったような、サーヤにはとても言い難いような経験をしてしまった。
・・・いっその事、もう忘れてしまいたい。
「いやぁ・・・聖獣様って初めてお会いしたけど、個性的で感じの良い方だったね」
約束通りエリクシルの採集やユグドラシルの葉がある場所へと案内してくれた事は有難いし、纏う魔力や気配からも一切の隙がない絶対的強者の聖獣である事は認めよう。
だが、聖獣とはその名の通り“聖なる獣”であって、神聖な存在ではないのか?!
なぜあのような・・・――――
「それにしても知らなかったよ。エルフの森にかつて“落ち人”がいて、聖獣様と共に生活していたなんてね」
親父が罠を張っていたドリアードの触手に捕まり、助けようと戦闘している時に偶然遭遇したのは、レオンの名前の元にもなった伝説の聖獣、白銀の獅子レオヴィアスだった。
支配下に置いているドリアードから親父を助けてくれたレオヴィアスは、俺達がエリクシルとユグドラシルの葉を探しに来た事とその理由を話すと、条件次第では協力してやらんでもないと言ってきた。
だが、その条件がなんとも最悪だった・・・―――――
◆
『主らの睦み合いを我に見せよ。もしくはまぐわいでも良いぞ』
「「・・・は?」」
脳裏に直接話しかけてくる聖獣レオヴィアスは、一声で何人もひれ伏せる事ができそうな威圧感のある声で意味不明の事を言ってきた。
『以前拾った落ち人と生活している時に、”びーえる”とやらの素晴らしさを何度も聞かされたのだが、人間同士はどうも美しくなくてな・・・主らはエルフなだけあって美丈夫だ。さぞ映えるだろう』
「いや、聖獣様・・・私達は親子ですし、それぞれ愛する妻や子供がおります。親子の親愛はあっても男女のような愛は・・・―――」
『親子!親子ならば“きんしんそーかん”になるのだな!ここにユキがいたらきっと喜ぶだろう』
いやいやいや、ちょっと待て。
どうしてそうなる?!“ユキ”とは聖獣と生活していた“落ち人”の事か??
そもそも”男同士の睦み合いの素晴らしさ”って何だ?!素晴らしいわけないだろうが!!
なんてものを聖獣に教えてるんだっ!!!!
その後も、その“落ち人”から聞いた男同士の恋愛の尊さや素晴らしさを語り続ける聖獣レオヴィアスに、伝説の聖獣に出会えた嬉しさよりも、最愛の息子の名前の由来が目の前の残念な生き物である事がとても嘆かわしくなったのは言うまでもない・・・
断固として拒否した結果、ならばドリアードとの絡みを見せろと言われるも、それも断固として拒否したので話し合いは平行線を辿る一方だった。
「・・・聖獣様、エルフの里にいる私の知り合いに、本物の”びーえる”がおります。後日必ずお連れしますので、今は何卒ご容赦いただけませんか?」
『なっ・・・本物の”びーえる”だと?!・・・だが、それだと我は”今”楽しむ事ができぬではないか』
親父の提案に頷きかけるも、”今”を楽しめない事に納得しない聖獣レオヴィアス。
元は俺が転移門を完成させるための素材採集なので、仕方なくこちらも“魔法で作った分身ならばドリアードの好きにして良い”という条件を出して、なんとか了承してもらう事ができた。
だが、分身を維持する関係上、イヤでも俺はある程度は見ていなければいけないわけで、自分の顔の分身がナニをされたか一部始終を否応なしに見るはめになった。
・・・正直、思い出すだけでも悍ましい。
サーヤが触手を全力で嫌がっていた気持ちが痛いほどわかった。
俺はこれを機に、金輪際触手は使うまいと心に誓った・・・―――――
◇
親父と共にエルフの里に帰ってきた時は、深夜・・・というより明け方に近い時間帯だった
「こんな時間か・・・エリュシオン、時間も時間だし今夜はこっちで寝るかい?」
「いや、これからマデリーヌを呼んで家に帰る」
「そうか・・・じゃあ僕も一緒に行くよ。さすがにフィリーを起こす気はないからリビングかどこかで仮眠させてもらうね」
「あぁ」
それから念話でマデリーヌを呼び、森の家まで転移魔法で送ってもらった。
「もうっ、予定ではもっと早いって言ってたじゃないのん!寝不足はお肌の大敵なのよん!!」
「あぁ、すまない。今後は余程の事がない限り、もうこんな時間には呼ばないようにする」
「・・・あなた、本当にエリュシオンよねん?私に普通に謝罪するなんて・・・なんか変なモノでも食べたのかしらん?」
とにかく精神的に疲れていた俺は、いつものようにマデリーヌを罵る気力がないだけなのに、思った事を言っただけでなぜ変な疑いをかけられねばならんのか・・・
「ふふっ、冗談よん♡あなたがそんなに疲れてるなんて、余程の事があったのねん♡サーヤちゃんや双子達は寂しくて仕方なかったみたいだから、もうこんな長期間離れるのはダメよん♡♡」
そう言って、マデリーヌは俺と親父に回復魔法をかけると、そのまま転移魔法でどこかに行ってしまった。
「やっと帰って来れたね。エリュシオンはサーヤさんの所に早く行ってあげなさい」
「あぁ、言われなくてもそうする」
移動する時間すらも惜しかった俺は、サーヤが眠っている寝室へとすぐに転移した。
食事と一緒の手紙からも強がりが見えたし、何より2日程前からレオン達の絵が入っていなかった。
子供に好かれているのは嬉しい限りだが、こうして寂しい思いをさせたり、サーヤ1人に負担がかかるような事は今後避けたい。
だから、今後はこんな長期で出かける事はしないと早く伝えたい・・・――――
「・・・なんだ?これは・・・」
寝室に転移した瞬間俺が目にしたのは、情事後の様に衣服の乱れたサーヤの寝姿だった。
◇
俺なるべく冷静さを保ったままサーヤに近づき、ベッドに腰を掛けサーヤの顔を覗き込む。
・・・目元が赤い。やはり泣いていたらしい。
そのまま頬をそっと撫でると、サーヤは心地良さそうな顔で俺の手に顔を摺り寄せる。
「ん・・・ェ、ル・・・すぅ―――・・・」
「・・・ったく、言いたい事がたくさんあると言うのに気持ち良さそうに眠りおって・・・」
なるべく起こしたくはないが、確認はしないと俺も気が気じゃないので、起きたら起きたで仕方あるまい。
そう思って、俺はサーヤの下着を剥ぎ取りナカに挿入した痕がないかを確認し始める事にした。
くちゅり
「・・・んっ、ぁ」
指を奥まで挿入れると、寝ているサーヤがわずかに反応する。
相変わらず眠っていても感じやすいようだな。
元々濡れていたが、俺の指で反応してさらに蜜が溢れてくる
指を抜いてから味を確認し、サーヤ以外の気配や痕跡がない事に安堵すると、俺は溢れた蜜を舐めとり蜜口周辺を舌で刺激し始める。
ちゃんと反応を示し息が荒くなってきたサーヤに、褒美だと言わんばかりに舌を挿入して指で敏感な秘豆をきゅっと摘まむ。
「んぁぁっ、やっ、ぁんっ、なに・・・え、あれ、エル?」
「ココには挿入れた形跡はなさそうだな・・・じゅるっ」
「やぁぁぁっ、吸っちゃダメっ、ぁぁ、やっ、そこ、摘まんじゃっ・・・っやぁぁぁぁぁぁ」
ビクンッ、ビクンッと痙攣し、きゅんきゅんと伸縮を繰り返すサーヤの蜜口をさらに舌で刺激しながら甘い蜜をすする。
「あぁっ、ぁっ、も、許して、んんっ・・・エルっ、それやぁぁっ、ぁんっ、んっ」
「ん、じゅるっ・・・こんなに蜜を溢れさせておいて、イヤはないだろう?」
「ひゃんっ、ぁぁっ、ソレ、舌でクリクリ、ダメぇ・・・ど、して?さっきは急に・・・」
「ん、さっき?」
「さっき、胸でシてあげた後、んっ・・・触れてくれなかったのに」
・・・なるほど、駄犬は俺と間違えてアレをされたのか。
そのままサーヤを抱かなかったのは褒めてやるが、やはり気分が良いものではないな。
「寂しかったの・・・せっかくエルが帰ってきたから、疲れてるかと思って頑張ったのに・・・」
「・・・寂しい思いをさせて悪かったな」
「ん、無事に帰って来てくれて嬉し・・・んぐっ?!」
とりあえず俺はサーヤの口内を洗浄してから、全部俺で上書きする事にした。
「けほっ、けほっ・・・急になに?」
「消毒だ。それにしても、なぜ俺の寝着を着てる」
「あれ、さっき言わなかったっけ?エルに抱きしめられてる感じがするからだよ。・・・最近お酒だけじゃ眠れなくて」
「ん?酒・・・だと??」
「?・・・これもさっき言ったと思うけど、最近眠れなくて・・・お義母さんに相談したら「寝る前のコップ1杯分の晩酌位なら授乳にも問題ないから」って勧められたの。ほら、前にエルが買ってくれたお酒あったでしょ?」
眠れなかったのも酒を飲んだのも寂しさや不安からくるものだろうし、寝着を着ていた理由も俺がそばにいなかった事が原因だな・・・こんな状態で“さっきお前が奉仕したのは駄犬だ”とはとても言えない・・・
駄犬にも後で口止めしておくか・・・
「今日ね「パパに会いたい」って双子の癇癪が凄くて、ベルナートさんが魔法で見た目だけエルの姿になってくれたんだよ。最初はちょっと戸惑ってたけど、レオンもサクラもやっぱりエルの姿を見る安心したみたいで助かっちゃった」
「!!・・・駄犬が、俺の姿に・・・?」
「うん。パッと見た感じは確かにエルなんだけど、やっぱり表情とかは少し違ってた・・・会いたかった。ホントは寂しかったよ、エル。ぎゅうってして?」
「あぁ・・・もうこんな長期で出かける事はしない、約束する」
「ん、嬉し・・・んっ」
思った以上に寂しくさせて申し訳ない気持ちと、待っている間のサーヤの行動が堪らなくて、夢中でサーヤの口唇を貪った。
久々に触れるサーヤの口唇はとても柔らかく、甘噛みしたり舌を絡めたり、時々甘い魔力を少し貰ったりする俺に、必死に応えようとするサーヤが愛おしくて、もっと乱れさせたくなる。
「んっ、んんっ、ぁ、んむっ・・・はぁっ、なんか今日のエル、キスだけですごくえっちな感じ・・・」
「・・・寂しかったのはお前だけではないからな」
「・・・エルも寂しかったの?」
「・・・まぁ、な」
「ふふっ、ホントに素直じゃないんだから・・・改めて、お帰りなさい。あなた♡」
「!!!・・・ただいま、サーヤ」
“おかえり”と“ただいま”、そんな当たり前の挨拶がこんなにも嬉しく感じるとは思わなかった。
そのまま瞳が合うと、示し合わせたかのようにサーヤは俺の首に腕を回し、俺もサーヤへ再び口づけを落とす。
それが合図となって、また互いの身体を求め合う。
直接触れあいたくて、口づけをしながら服を脱ぎサーヤと肌を重ね合わせると、“触ってくれ”と主張しているかのようにぷっくりと立ち上がった胸の先端が俺の肌に擦れ、それをきゅっと摘まむと口づけしているサーヤがピクンッ、ピクンッ、と敏感に反応する。
「ん、サーヤ・・・今のでイったのか?」
「(コクン)」
顔を真っ赤にしながら、恥ずかしそうに頷くサーヤ。
「うぅ・・・あたしの身体、どこまでエルに開発されちゃうのよ、バカぁ・・・」
「くくっ、元より感じやすい身体だったではないか」
「あうぅぅ・・・」
「俺の手で乱れるサーヤは堪らなく愛おしいのだ。・・・お前は素直に感じていれば良い」
「!!!」
俺の言葉に安心したらしく、その後は素直に身体を委ね求めてくるサーヤ。
ホントに従順というか単純と言うか、切り替えの早い可愛い奴だ。
そして、素直になったサーヤは挿入れて欲しそうにもじもじと太腿を擦り合わせている。
「んっ、はぁっ、はぁ・・・エル、も、欲しぃの・・・ちょうだい?」
「ふっ、やはりお前に求められるのはクるな・・・挿入れるが、すぐに落ちるなよ」
「あぁぁぁっ、そんなの、わかんなっ・・・~~~~~~っ」
なるべくゆっくり挿入れたつもりだが、挿入れただけできゅうきゅうと俺を締め付けてくるサーヤのナカ。
激しくしたい衝動にも駆られるが、それだとすぐにサーヤが気を失ってしまうので、感触をじっくり味わうように奥までゆっくりとピストンを繰り返す。
うねうねと絡みつくように熱いサーヤのナカは、久しぶりな事もあって俺もすぐにイってしまいそうになる。
「はぁっ、熱いな、お前のナカは・・・ぐっ」
「んっ、ぁ、エルの、熱い・・・はぁ、ん、気持ち、良い・・・?」
「あぁ、すぐにでもイキそうだ・・・」
なんとか堪えつつ蜜壺を掻き混ぜるように動くと、軽く痙攣を繰り返すサーヤの膣内は歓喜しながら俺のモノに絡みつき、“もっともっと”と強請るように締め付けてくる。
「くっ、はぁ・・・熱くて、んっ、溶かされそうだ」
「ぁ、あたしも、んっ、溶けちゃぅ、ぁぁっ、エル・・・ふぁぁ、気持ちいい、もっと・・・一緒に、んんっ」
深い口づけをしながら手を握り合い、サーヤの一番感じる最奥を何度もノックしたりぐりんっと抉るように掻き混ぜる。
サーヤもそろそろ限界らしく、声にならない声でさっきよりも強く締め付けてきた。
「・・・っ、サーヤ、射精すぞ・・・っく」
「んっ、ふぅっ、んん~~~~~~~~~~っ」
口付けをしながら、サーヤの最奥で吐精した後、脱力感と今まで溜まっていた疲労のせいか意識が遠のいてくる。
腕の中の温もりに“帰ってきたんだな”と幸せを感じながら、俺はサーヤと2人で眠りに落ちた・・・―――――
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