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10章 延引された結婚式

必要なモノを探しに*

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「まま、おやちゅ~」
「くーたん、しおいのがい~」

メラルダで出産した双子達は、早いものでもう3歳になりました。
大分会話ができるようになった分、前よりさらに我が家は賑やかになったと思う。
ちなみに、レオンもサクラも自分の名前がまだ言えなくて、レオンは“ぼく”、サクラは“くーたん”と自分の事を呼んでいる。

「今日はパパの希望でプリンだよ。特別に果物と生クリームで盛り付けしてあげるから、まずは手を洗おうね~」
「ぷりん、ちゅき~♪」
「しおいの~♪」
「はいはい、おてて洗わないとあげないぞー」
「「や―――!!」」

今はガルドニアの森の家に帰って来ていて、エルと双子達と家族水入らずで生活しつつ、森にいる精霊さんや、お馴染みのミナトちゃんやカイトくん、ベルナートさん達が毎日のように遊びに来ている状態だ。

ちなみに、まだメラルダの家とこの森の家を転移門で繋ぐことはできていない。
エルとルーシェントさんが頑張ってあれこれ考えてるんだけど、さすがに海を越えて転移するとなるとかなり難しいらしく、今でも時々会っては親子2人で頭を抱えているみたい。
シュルテンからの船旅も良いと思うんだけど、エルやルーシェントさんとしてはどうしても転移門を完成させたいようだ。

「くーたん、おててだちて!」
「あいっ」

レオンとサクラはすでに魔法の練習も始めていて、練習を兼ねて水球を作って互いの手を洗い合っている。
・・・あれ、レオンってばあたしより水球出すの速くなってない?

「りぇおたんも~・・・えぃっ!」

(バッシャ―――――ン)

サクラは、掛け声と共に大きい水球を出してしまい、手を洗うどころかレオンが全身ずぶ濡れ状態になってしまった。驚いてしまったレオンはもちろん・・・――――

「!!・・・ふぇ・・・ぅわぁぁぁ~~~~~ん」
「あ~・・・レオン、全身濡れてビックリしちゃったね~。サクラ、水球はもっと小さくていいのよ」
「うぅ・・・ちゃいの、ちたのぉ・・・ふぇ~~~~」
「あぁっ、2人共っ、大丈夫だから!今タオルで拭きふきして・・・あれ?タオルが・・・レオン、サクラ、ちょっとここで待って・・・冷たっ、レオン今タオルを取って、ひゃっ、サクラあたしの服で鼻ちーんしないでぇぇぇ!!」

ずぶ濡れで泣いてるレオンと、泣いて涙と鼻水でぐちゃぐちゃのサクラに抱きつかれ、タオルを取りに行きたくても行けないあたしも泣きそうだ。

魔力量は普通よりちょっと上で調整が上手なレオンと、魔力量が多くて調整が苦手なサクラ。
双子だけど違う所やシンクロする所がそれぞれあるものの、基本的に笑ったり泣いたりするのは2人共一緒である。

「泣き声と叫び声が研究室にまで聞こえてきたんだが・・・あぁ、またか・・・」
「エル~~~~~~~っ」
「「ぱぱぁ~~~~~っ」」

双子は泣きながらエルに駆け寄って抱きつこうとしたが、辿り着く前にエルの作った洗浄と乾燥魔法を込めた風の球体に取り込まれて全身綺麗にされる。
魔法が大好きな2人は驚きと楽しさで一気に泣き止み、さっきまで大泣きだったのにすぐにきゃっきゃと笑い始める。

「レオたん、サクたん、たのしそうなの~♪」
「遊びに来たよ。レオン、サクラ」
「「ミーたんっ、カイたん!」」

大好きなミナトちゃんとカイトくんが遊びに来たので、双子達はさらにテンションが上がってしまった。
おやつはもう少し後でも良いかな・・・?

「・・・っくしゅ!」
「あれ、サーヤ濡れてるね。俺の服貸してあげるよ」
「あ、ベルナートさん。ありがとう」

ミナトちゃん達と一緒に来たらしいベルナートさんが、上に着てたシャツを脱いでふわっと羽織らせてくれた。
ちなみに、シャツを脱いだベルナートさんは上半身裸状態だ。

「え、ベルナートさん!そんな状態で・・・」
「大丈夫、こうするからっ」

ベルナートさんの姿が真っ黒の大型犬わんこの状態になり、その姿が大好きな双子達はさらにテンションが上がり喜んでわんこに飛びついた。
これはそのままおやつ忘れて遊ぶパターン決定です。

先に濡れた服を着替えに行こうかなと思ったら、せっかく羽織らせてくれたベルナートさんのシャツをエルに取られた。

「エル、それがないとさすがにちょっと寒いんだけど・・・」
「・・・俺が着替えさせてやろうと思っていたのに。駄犬め・・・余計な事を」

エルがどうしてあたしに乾燥魔法かけてくれなかったのか疑問だったけど、どうやらそういう事らしい。

「もうっ!そういう事ばっかり考えないでエルがさっさと乾燥魔法かけてくれれば・・・へっくしゅっ」

羽織ってたシャツを取られた事でまた外気に晒され、身体がちょっと冷えてきた。
コレは早く着替えるかなんかしないとホントに風邪ひいちゃう。

「カイト、ミナト、しばらく双子達を任せて良いか?」
「大丈夫だよ」
「まかせて、なのっ!」
「・・・という訳だ。サーヤ、行くぞ」
「や、エルっ、行くぞって・・・ひゃぁっ」


軽々とエルに抱っこされて向かった先は寝室のお風呂だった。
冷えた身体に熱いシャワーはありがたいけど、エルと一緒に入るって事はシャワーだけで済むわけがない。
なのに、あれよあれよと服を脱がされ、濡れてもいないエル自身も服を脱ぎお風呂へ強制連行された。


サァァァァァ―――――――・・・・


「エル、何も一緒にシャワーに入らなくたって・・・んんっ」

熱いシャワーを2人で浴びながら、そのまま唇を貪られる。
どうしたんだろう。研究室での作業が行き詰って疲れてるのかな?

「んっ、ふぁ・・・エル、どうしたの?ちょっと疲れてる?」
「・・・少しな。早く転移門を完成させて、延び延びになっている結婚式を少しでも早く挙げたいんだが・・・」
「エル・・・」

実は、あたしとエルはまだ結婚式を挙げる事が出来ていない。
理由は大きく2つある。

1つは、結婚式よりも先にモニカが後の王太子を産んだ事で、レヴィンさんからユーリ殿下への王位継承と国をあげてのお披露目パーティやパレードが合同で開催される事になってしまい、マゼンダさんの仕事が激増して作業が中断してしまった事だ。

マゼンダさんが丹精込めて作っているのでウェディングドレスは絶対に着たいし、イベントは先日終わったみたいで、「ようやく作業を再開し始めたから年内には完成させるわね☆」と言われたし、これから気長に待つつもりだ。

もう1つは、クラリスさんとティリアさんが妊娠、出産を迎えてしまった事だ。
今アレク兄様達は、産まれた子供達とメラルダの家で生活しており、時々セイルやミナトちゃん達が遊びに行っている。
とてもおめでたいし喜ばしいけど、さすがに育児に大変な状態の2人を転移門が完成していないこの状態でガルドニアまで呼ぶのはさすがに気が引ける。

エルとしては、転移門さえ完成したらこの家とメラルダの家を行き来できて諸々が解決するのに・・・と大分気にしているらしい。
あたしとしては今も十分幸せで楽しい生活だし、結婚式が遅くなっても全然気にならないんだけどね。

「エル、そんなに無理しないで。転移門があれば確かに便利だけど、エルに無理してまで作って欲しいとは思わないし、結婚式が遅くなってる事もあたしは全然気にしてないんだからね」
「サーヤ」
「あたしは、エルと双子達と過ごす今の生活で十分幸せなんだよ。マゼンダさんのドレスは着たいから、完成したら集まれる人だけ集めてささやかなパーティーだけでも・・・んっ」

シャワーを浴びたまま壁に追い詰められ、ちゅくちゅくと舌を絡める濃厚なキスをされながら魔力も奪われる。
快感と魔力与奪の両方で一人で立っていられないあたしの身体は、手ごと壁に押さえつけられ、足の間にエルの足がある事でかろうじて支えられていた。

「・・・っはぁ、待ってエル。早く戻らないと、双子達が・・・んっ、んんっ」
「んっ、ココをこんなにしておいて・・・コレはシャワーの湯ではないだろう?」
「ぁんっ、足でぐりぐり、やぁっ・・・ん、はぁっ、エルのいじわる・・・んんっ」

湯船に浸かってるわけじゃないのに、熱くてのぼせそう。
昼間からこんな事ダメなのに・・・と思いながらも身体はエルを求めてしまう。

「サーヤ、壁に手を付いて後ろを向け」
「・・・」

エルに言われた通りの体勢になると、熱くなったエルのモノがあたしの蜜口に宛がわれる。
充分に解されていないため圧迫感があって少し苦しいけど、少しずつ押し広げるようにずぶずぶとあたしのナカにエルのモノが奥まで挿入ってくる。

「ん、んぁ、はぁっ・・・」
「・・・っ、はぁ、動くぞ」
「きゃぅっ、ぁ、や、激しっ・・・こんなっ、ぁんっ、立って、いられなっ・・・」

急がなきゃいけないからと、腰を引き寄せられ激しく攻め立てられる。
そうなるともちろんあたしは立ってなどいられなくて、足がガクガクして力が抜けてきてしまう。
エルはあたしが倒れないようにと気遣って下から突きあげながら、後ろから敏感な胸の先端やクリトリスを刺激する。
優しいのか優しくないのかどっちなんだ!とツッコみたいのに、実際は抗議する声も出せず、身体の力は入らないのにエルのモノだけはきゅんきゅんと締め付けてしまうという全く逆の状態だった。

「やっ、そんな同時、ダメ・・・ぁぁっぁっ、も、やぁぁぁぁぁぁっ」
「っ、サーヤ・・・そろそろ・・・っく」
「~~~~~~~~~~っ」

最奥でエルが弾けるのを感じながら、あたしもビクンッ、ビクンッと痙攣して一緒に達してしまう。
まだエルのモノがドクン、ドクンとしているのを感じている時、顔だけエルの方を向かされてキスをされる。
上も下も蕩けてしまい、意識も少し朦朧としてきた。



「サーヤ・・・どうしても必要なモノがあるから、俺はしばらく・・・――――――」



エルが何かを言いかけてた気がするけど、最後まで聞けないままあたしは意識を失ってしまった・・・――――



そして、目が覚めた時目の前にいたのは、涙を浮かべながらあたしの手を握っているレオンとサクラ、そしてエルのお母さんであるフィリーさんだった。
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