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7章 帰郷!エルフの里へ ~祝福された小さな命~

メラルダへ行こう ~授かった新しい命 inエリュシオンside~

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微睡まどろみの中で、抱きしめながら眠っていたサーヤが身じろぎをするのを感じた。

「ん・・・」

どうやらサーヤが目覚めたらしい。

「エル・・・」

愛おしそうに俺の名を呼ぶ愛しい存在・・・
まだこの微睡を堪能していたい俺は、あえてサーヤの好きにさせることにした。

「・・・寝てる顔までカッコイイってなんかずるい」

・・・前言撤回。
こいつサーヤはホントにどうしてそんな思考になるのだ。

不穏な空気を察し、目を開けた。
案の定こいつサーヤは俺の顔に手を伸ばし何かをしようとしていた。

「あれ?起きてたの?」
「お前の声で目が覚めた・・・何をしようとした?」

一瞬ビクっとなり目を泳がせるサーヤ。最終的に少し下を向きながら苦し紛れにこう言った。

「・・・キスしようとしたんだよ」
「ほぅ・・・じゃあ望み通りにしてやろう」
「へ?・・・んんっ」

いつもなら「お仕置きだ」と言いたくなるが、嘘の理由を利用してサーヤに魔力を込めて口づけをする。

自己治癒に回っているのか子供に魔力が送られているのか、昨夜緑色まで回復させたはずのブレスレットの石は黄色になっている。
今日も他の奴らと一緒にサーヤに魔力を与えた方が良さそうだな。

「んぁ、はぁ・・・はふ、んっ、エル・・・」
「ん、どうした?サーヤ。苦しかったか?」
「ううん、もっとちょうだい・・・」
「ふっ、朝から可愛い奴め」

素直に感じつつ甘えるサーヤに満足し、先ほどより魔力を込めて口づけた。
また眠りそうな感じだったので、心置きなく眠れるようサーヤに優しく告げる。

「・・・サーヤ、眠いならまだ寝ていても良いぞ。まだ起きるには早い時間だ」
「ん・・・エルも、いっしょ・・・?」
「あぁ。このまま隣にいる。眠いなら無理をするな、まだ回復しきっていないんだしお前ひとりの身体じゃないんだ」
「・・・ぁ、りがと、エ・・・ル・・・・・・―――すぅ・・・」

本当はすでに起きる時間だったが、それを告げるとサーヤは無理してでも起きるに決まっているからな。
魔力をなるべく消費したくないため、マデリーヌへ念話でセイル達への伝言を伝えてもらい、他の奴らの準備が終わるまで俺はサーヤを抱きしめながらベッドで過ごすことにした。

抱きしめながらサーヤの下腹部にそっと手を添えて、聞こえるかわからない子供に語りかける。

「お前は宿ったばかりだというのに、ずいぶんと魔力を欲しがるのだな。だが自分が回復する分が大丈夫なら、今は母親の回復を優先させてやってくれ。・・・母親が回復したら俺がたっぷりと魔力をやろう」

このままサーヤが回復しないと、魔力が満足に与えられずすぐにまた枯渇してしまいかねないからな。
頼む、どうか伝わってくれ・・・


寝ている間も、俺は触れるような優しい口づけをしながらサーヤに魔力を緩やかに与え続けた。
それを中断したのはマデリーヌから念話で連絡がきた時だった。

「(はぁ~い♡エリュシオン♡♡今大丈夫かしらん?)」
「(・・・あぁ、セイルから連絡はあったか?)」
「(ふふ♡今回は私もメラルダまで同行して、サーヤちゃんの回復を手伝ってあげることにしたから今は一緒よん♡♡皆の準備は終わってるし、ベルの特殊空間も準備できてるから、簡単に身支度だけ整えていらっしゃいな♡それともお迎えに行った方が良いかしらん?)」

マデリーヌも同行・・・頼もしいのか不安の種なのか微妙なところだが、今のサーヤの状態を一番理解してるのはマデリーヌだから居てくれた方が良いだろうな。

「(いや、大丈夫だ。・・・調合の準備はできているか?)」
「(ふふん♡それも大丈夫よん♡足りない道具があればセイルが取りに行くし、素材が足りなかったらノルンが森の精霊達に採集のお手伝いをお願いすることになってるわん♡今回私はお医者さんの代わりなんだから、私が休めと言ったらエリュシオンも休まなきゃダメよん♡♡)」

・・・頼もしいはずの言葉だが、100%信用できないのがこの変態マデリーヌだ。
どうしても素直に頷くことが憚られた。

「(あぁ・・・善処する)」

俺はサーヤを起こさないようゆっくり身体を起こし、まずは自分の身支度を簡単に整える。
サーヤは寝着として俺のシャツしか着ないまま寝てしまったから、仕方なく着替えさせたがやはり起こしてしまったようだ。

「ん・・・あれ?エ、ル・・・?」
「あぁ。皆の準備ができたようだからお前を着替えさせていた。起こしたようですまんな」
「着替え・・・あ!むしろ起きれなくてごめんね!」

今のサーヤは下着を付けてシャツを羽織り、ボタンを留める前だから下着も丸見えの状態だ。
寝ているときなら“これは作業だ”と言い聞かせていたが、起きてしまっては少しサーヤを可愛がりたくなるわけで・・・

「ひゃんっ、エ、エル・・・?あの、皆待ってるんじゃ・・・」
「あぁ・・・だから少しだけだ。昨日お前は寝てしまっていたからな」
「ぁ、う・・・ごめっ、んんっ、ぁ、はぁ・・・」

下着を外さずに布地を下に下げ、敏感なサーヤの胸の先端を舌で転がす。
案の定それだけで艶めかしい声をあげ、胸元にある俺の頭にぎゅうっとしがみ付く。
恥ずかしそうにしながらも受け入れるサーヤの仕草は本当に堪らない。

もっとこうしていたいが、さすがに出発する時間なので、いくつかシルシをつけてからサーヤの服を整える。
残念そうな顔をしているサーヤを見ると、妊娠してもこういうことに不快感はなさそうで安心した。

「・・・そんな残念そうな顔をするな」
「だって・・・もっとして欲しかったし、エルのことも気持ち良く・・・してあげたかった・・・」
「子が宿るとシたくなくなる者が多いと聞いたが?」
「・・・あたし、なんだか逆みたいで・・・むしろエルとずっとくっついていたい・・・ダメ?」
「!!」
(バキッミシッ)

思わず手を付いていたサイドテーブルを力強く握り過ぎてしまった。

なんなのだっ!なぜ今このすぐにでも移動しなければいけないこの状況でそんな可愛いことを言うのだこのバカサーヤはっ!!そんなに押し倒して欲しいのか?!
もういっそのこと出発なんぞ延期してこのままサーヤを・・・

いかんいかん、ダメだ。サーヤは妊婦で今日は安静にしないといけないんだ。
なんとか回復してからじゃないと抱いてはいけな・・・

「今夜は野営なんだよね?あたしの体力回復したらいっぱいいちゃいちゃしようね♡」
「だが・・・今までみたいにできないし、体力次第では挿入れることだって・・・」
「大丈夫!アレならたぶん挿入れなくても一緒に気持ち良くなれるはず!」


ア レ と は な ん だ ! ア レ と は !!


やはりまだ変な知識を隠し持っていたか。本当にこいつサーヤは予想外というか規格外というか・・・
ま、それがサーヤらしいと言えばサーヤらしいがな。



相変わらずなサーヤに苦笑いしながら、支度を終えたサーヤを抱きかかえ、俺は皆の元へ向かった。
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