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5章 帰郷!エルフの里へ ~記憶喪失編~

船で過ごそう ~記憶を失ったはずのあなた2~

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あの後一度ヌいてからお風呂でご奉仕の約束をしていたが、回復魔法をかけてもらってもさすがにあたしの体力と腰が限界になってしまい、洗浄魔法をあたしにかけてくれたエルは身支度も整えてくれた。

身支度が終わったものの、動けないあたしをどうしていいかわからないエルは、ソファに座ってあたしを抱き寄せながら、部屋にあった船内の見取り図を見て食堂を含めた船内の様々な場所の位置を確認していた。
食堂へご飯を取りに行ってくれるつもりらしい。


「よくわからないが、お前がそばにいないと落ち着かない」


記憶がないながらもあたしを離そうとしないエル。


「だが、そばにいたらいたで、お前のナカにいたくなる」


ちょっと呪いに抗うにしてはやり過ぎじゃありませんかね?
いや、嬉しいんだよ?嬉しいんだけど、さすがにエルの呪いが解けるまでの間ずっとえっちしてるってのは、どう考えてもおかしいし、あたしの身体も限界である。

なので、ベッドとお風呂以外ではえっち禁止。ただし、えっちするときはできる限りご奉仕してあげるという約束をなんとかこぎつけた。


そんなあたし達の部屋にセイルとミナトちゃんが食べ物を持って転移してきてくれた。

「サーヤまま、エルぱぱ、ごはん、いっしょにたべゆの☆」
「ちょっとだけ進展もあったから、報告も兼ねて来てみたよ☆エリュシオン、具合はどう?」
「セイル・・・と、ちびっこ?・・・今俺を“ぱぱ”って言ったか??」
「うぅ・・・あたし、ちびっこじゃ、ない、も・・・ふぇ・・・」
「あ~あ、エリュシオンがあんなに可愛がってたミナトを泣かせるなんて・・・いっぺん死んでみる?」
「ちょぉぉぉぉぉっ、セイルっ!!ほらほらっ、ミナトちゃん、こっちにおいで♡ぱぱは今病気でちょっとおかしくなってるだけだから、何言われてもホントじゃないからね~」
「う?ぱぱ、びょうき?からだ、いちゃい?」

記憶がないエルでも、ミナトちゃんの涙には弱いみたいだ。
涙を浮かべながらも心配してくれているミナトちゃんに戸惑っているのがわかる。

「・・・身体は痛くない」
「エルぱぱのためにつくった、いやしのおみず、のんでくれた?」
「あれは、お前が作ったのか?・・・あぁ、随分と役に立っている」
「んふ☆よかったの♪」

・・・ごめんね、ミナトちゃん。エルが飲んだのは最初だけで、後はだいたい抱き潰されたあたしが回復魔法と一緒に飲ませてもらってるの・・・うぅ、なんかものすごく罪悪感っ!!

あたしはミナトちゃんを膝に乗せながら、持ってきてくれたご飯を一緒に食べ始めた。
セイルも向かい側に座り、自然と皆で一緒にご飯を食べ始めたとき、セイルが急にエルにとんでもない質問を投げかけた。

「エリュシオン・・・今って何歳?」
「!!」
「はぁ?!俺の年齢なんてほとんど気にしたことないのに、急にどうしたんだ?」
「いいから答えて。何歳なの?」
「はぁ・・・今は316歳だ。・・・これで満足か?」
「??!!」

え、えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ??!!
エルの年齢って初めて聞いたけど、300歳越えてたの???!!!
それは立派なご高齢・・・

(ぶに)
「いひゃいっ(痛いっ)」
「・・・なんかものすごく失礼なこと考えただろう」
「ひょ、ひょんはほほひゃいっ!はひゃひへ~~っ!!!(そ、そんなことないっ!離して~~っ!!!)」

うん、意外な時にエルの年齢を知ることができたけど、セイルは一体なんでそんなことを・・・?

「・・・なるほど、記憶は1日約10年単位で忘れていってるみたいだね・・・」
「え?」
「は?」
「本来、今のエリュシオンの年齢は326歳なんだよ☆ね、エリュシオン、今のキミは部下であるカルステッドとはもう面識はある?」
「・・・あぁ、カルステッドは俺の部下だ」
「ちょっと彼を呼んでくるから、皆はご飯食べてていいよ☆」

エルの記憶が1日10年単位で・・・
あたしと出逢ってまだ1年経つか経たないかくらいだから、そりゃ覚えてるわけないよね・・・
いろんなことがあり過ぎたけど、実はまだそんなに時を重ねていないんだな、あたし達・・・
他の人達は何十年、セイル達ならもしかしたら何百年の付き合いってことだもんね。

改めてエルと出逢ってから、濃密ではあったが年数が少ないことに少なからずショックを受けた。

「・・・何を落ち込んでいる?」

エルがあたしの頭にぽんっと手を置いた。

「・・・あたしって、エルと出逢って間もないんだなって・・・長い付き合いのある人達との絆が羨ましいというかなんというか・・・」

エルフは・・・しかもハイエルフなんだから長寿ってことはわかってたことなのに、精霊王の加護を受けてなかったら人間のあたしがエルと一緒にいられるのは本当にごく一部の時間でしかないんだなと改めて実感した。
・・・あたしは、あとどれくらいエルとこうしていられるんだろうか・・・

そう考えていたら、エルが急にあたしの顔をくいっと上げてキスしてきた。

「ん、んんっ・・・ちょっ、エル、ミナトちゃんが見てっ・・・ふぁ、ん~~~~~~っ」
「ん、はぁ・・・気にするな、俺はしたいからしているだけだ」

いやいやいやっ!気にして!!お願いだから、教育的な意味で気にしてっ!!!

今のぱぱモードがないエルには何を言っても無駄なのかもしれない。
でも、ミナトちゃんがあたしの膝の上にいるのっ!
目の前でめっちゃ天使がこっちを見てるのがわかるのよぉぉぉぉっ!!!!!

目の前の天使こと、ミナトちゃんはエルの服をくいっと引っぱって、更なる問題発言をしてきた。

「エルぱぱ、あたしも、ちゅーしたい」
「「!!!!」」
「あたし、エルぱぱも、サーヤままも、だいしゅき♡ぱぱたちが、いっぱいちゅってしてゆの、みてたから、しってるよ?」

Nooooooooぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!
天使にそんなこと見られてたの??!!もうやだっ、バカバカっ!エルのバカぁぁぁぁぁ!!!

エルは少し考えるようなそぶりをしてから、ミナトちゃんのほっぺにちゅっとキスをした。

「・・・口は、俺達以外でお前が心から愛する者にだけしろ。・・・ほっぺたは家族のように好きな者へならしても良いが、簡単にはするな」
「あいすゆ・・・?」
「・・・わかるようになってからでいい」
「あいっ!ぱぱ、まま、ちゅ~♡」
「ひゃっ、ミナトちゃんってば・・・もうっ、あたしもちゅ~♡」
「きゃ~」

記憶がなくてもミナトちゃんに絆されてパパらしさを発揮したエルは、ミナトちゃんからちゅっちゅされまくっていたが・・・――――――



「エリュシオン・・・コレはいったいどういうことかなぁ??」







気が付いたら部屋の入り口に、笑顔なんだけど般若の顔に見えるセイルがたたずんでいました・・・
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