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4章 打倒!悪役令嬢ヒロイン

幕間 文字を教えてもらいましょう

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「エル、お願いがあるんだけど・・・」



前にアネモネさんに誘拐されたとき、エルが指輪と一緒にくれた手紙をどうしても自分で読めるようになりたくて、エルに文字の読み方を教えて欲しいとお願いした。
書いてくれた文字をただ教えてもらうより、自分でちゃんと読めるようになりたかったのだ。

快く引き受けてくれたエルは、寝室に2人で使える机と椅子があるから、寝る前の時間ならということで教えてもらえることになり、一通りの家事や寝る準備を終えたあたしは、筆記用具を準備してぼんやりしながら寝る準備をしているエルを待つ。

寝る前のえっちする時間を削って教えてもらうんだから、少しでも読める文字を増やすんだ。
間違っても教わる前にえっちに突入なんてことになってはいけない!
今日の分が終わったら・・・そりゃシても良いとは思うけど・・・

「ここ最近はなんだかんだ毎晩抱かれてるのは・・・気のせいじゃないよね」

もちろん毎日濃厚で激しいわけじゃないんだけど、なんていうの・・・おやすみって挨拶と同じように1回はする・・・みたいな。「一日の終わりと始まりはお前を感じていたい」って色っぽく言うエルに、思わずうんって頷いてしまったらこうなっていた。

「・・・でも、毎日えっちして飽きちゃったりしない?大丈夫かな・・・」

前世で読んでいた本はいろいろあって、えっちがマンネリ化すると男女の危機って書いてある本もあった。
あたし自身えっちはたまに愛を確かめ合うためにする行為と思っていたので、こんな毎日になるとは思っていなかった。

「・・・お前は飽きるのか?」
「っ!!」

振り返ればエルがいた!
突然あらわれるのが久々過ぎてちょっとビックリしてしまった。

「エルっ、あの、寝る準備は終わったの?」
「あぁ・・・それよりも応えろ。飽きているのか?」

・・・正直飽きるというより、エルに抱かれるのが当たり前になっている自分がいる。
毎日キスしたくなるのと同じように、キスするならえっちしたくなる、みたいな・・・

「・・・飽きたりなんてしてない。むしろ、毎日キスするみたいにエルとえっちしないとなんか変な感じ・・・エルは?」
「お前を抱くのはもはや生活の一部みたいなもので飽きることなどない。むしろ腕の中にいないと落ち着かない」
「ふふっ、抱き枕みたいな感じ?」
「ずいぶんと激しく乱れる抱き枕だな」
「・・・エルが気持ちいことばっかりするからだもん、ばか・・・」
「ふ、お互い毎日シたいと思ってるならそれで良いではないか。この話は終わりだ」
「エ・・・んんっ、ふぁっ・・・ぁふ」

エルはそう言ってちゅくちゅくと軽く舌を絡めるキスをする。
力が抜けるほどではないけど、気持ち良くてずっとしていたくなるような魔力を含まない甘いキス。

良いのかな?エルがそう言ってるならそれで良いか、とすぐにあたしの頭はエルのキスで夢中になった。

「ん、今日は文字を教えて欲しいんだろう?このままじゃ勉強にならんぞ」
「ふぁ、んっ・・・そうだった。エル、文字教えて」
「あぁ、は後でな」
「!!」

エルはそう言って、シャツの胸ポケットから出した眼鏡をかけた。

「エル・・・眼鏡、かけるの?」
「あぁ、見えないわけではないが文字を読むときは大体かけているな」

確かに以前のお城の図書館や、たまにリビングで本を読むときとかは、エルは眼鏡をかけている。
大事なことなのでもう一度言います。エル、今、眼鏡かけてます。

一枚の大きめな紙に五十音順と同じような文字の表を用意し、一つ一つ読み方を教えてくれるエル。
サラサラの黒髪を軽く耳にかけ、眼鏡から覗く俯き加減の切れ長で綺麗な蒼い瞳。

風呂上がりのバスローブ一枚ではなく、シャツとスラックスという軽装だけど、お風呂上りの良い匂いとボタンを留めていないシャツの隙間から見える程よい筋肉のついた肢体・・・とにかく今あたしは目の前のエルの色香に宛てられまくっている!なんなの?!なんでこんなにお色気たっぷりなの??!!
少しはあたしにも分けてくれっ!!!!


ダメだ、集中しろあたし。


魔法を教えてくれたときも思ったけど、エルの教え方はとてもわかりやすい。今もここが間違えやすいとかいろいろ気を使って言ってくれているのがとてもわかるんだ。わかるんだけど・・・

「~~、ここまではわかるか?」
「ひゃいっ」
「・・・なんだ、変な声出して」
「うぅ・・・あまりこっちを見ないでぇ・・・」

あたしはエルの顔が好きだ。そんな好きな顔であるエルの眼鏡姿は、いつもの色気に知的要素が追加されて直視できない。色香にあてられまくっていることもあり、まったくもって集中できていないのである。
普段かけてない分たまにかける眼鏡がギャップというか破壊力が凄まじくて、いつも以上にドキドキしてしまい思わず手で顔を覆ってしまう。

エルに文字を教えてもらうの失敗したかな?でも、他に誰に教わればいいって言うの??

「そういえば、サーヤは俺の眼鏡姿が好きだったな・・・」

そう言って、顔を隠しているあたしの手をそっとどかせてちゅっと優しいキスをしてくるエル。

「んっ・・・ダメ、勉強中っ」
「口づけもダメなのか?」
「・・・それだけじゃ、満足できなくなっちゃうもん・・・」
「お前がか?」
「なっ、エルだってそうでしょっ!!」
「ふっ、否定はせん」

啄むようなキスを数回してから、エルは離れて教えるのに戻ってしまった。

「・・・そんな残念そうな顔をするな。正解したら褒美をやる。・・・ただし、間違ったら"お仕置き"だ」
「・・・え?お仕置き?」



そう言って、正解したらご褒美、間違ったらお仕置きというルールが出来上がった・・・――――――









「・・・違う。これは"る"だ」
「えぇ?!・・・もぅ、この国の文字は似た形の文字が多すぎっ」

エルの眼鏡姿に少しだけ慣れてきて、普通にやり取りできるようにはなったけど、この世界の文字は意外にもわかりずらかった。
日本語に慣れていて英語もそんなにできないあたしは、この国の文字が記号や図形にしか見えない。
しかも形が似てるのだっ!紛らわしいっ!!

「ほら、"次間違ったら外す"と言っただろう?」
「や、でも・・・さすがにそれは・・・」
「・・・無理やりやってもいいんだぞ」
「うぅ・・・わかったわよぅ」

間違えるたびに行われるエルのお仕置きとは、あたしの服を脱がせる事だった。
しかも、一気にではなく少しずつ。
最初はボタン一つから始まって、一つ、また一つと外し、全部外れたところで今度はスカートを下着が見えるくらい上げられた。

さすがに脱ぐのは・・・ってなったけど、もう外すものは外してしまったので、ついに服ではなく中の下着を脱ぐことになった。

エルの見ている前で、服は着てるけどシャツの前ボタンは全開、ブラも外した状態じゃ、ちょっと動くだけでエルに見えちゃうじゃないかっ!

言われた通り、シャツを着たままブラを外した。外気じゃないけど、つけているはずのものがないのはかなり落ち着かない。

あ、やだ・・・シャツに直接乳首当たって擦れちゃ・・・

「・・・乳首、たってるぞ」
「!!」
「俺は何もしてないのになぁ」

確かに物理的には何もしてないが、精神的にはめっちゃ言葉で苛めてるじゃないかっ!!

確かに何もしてないけど、何もされない事が切なくて、ここまでするならいっそのことシャツの隙間にに手を入れてエルに胸を触ったり、揉んだりして欲し・・・

「~~~・・・ぃ、おい、サーヤ。聞いているのか?」
「!!」
「まったく、お前から言い出したのに話を聞かないとは・・・」
「や、ごめんなさ・・・」
「お仕置き、だな」

エルはそう言って、眼鏡をくいっとあげながらより一層妖艶な笑みを浮かべてあたしにそう告げた・・・―――
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