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4章 打倒!悪役令嬢ヒロイン
ヒロインへの逆襲 〜想い合う二人 inセイルside~
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◇
「だいぶ無理したみたいだけど、大丈夫?エリュシオン」
「っぐ・・・あぁ・・・これくらい、平気だ・・・」
「ふふ、エリュシオンがそんなに疲弊してるの、ボクの暴走止めたとき以来じゃない?」
「・・・知るか」
昨夜、エリュシオンは少しでもサーヤの負担を減らすと言って、神経も魔力も使いまくる魔法を複数同時に使いつつ、入り込んだサーヤの精神世界で、自分の魔力をありったけ与えてきたらしい。
・・・まったく、一歩間違えれば辿り着くこともできず、帰って来れない可能性だってあったのに・・・サーヤのためとはいえホントに無茶するんだから。
ま、それに気づいたベルナートが、エリュシオンの魔力をうまく誘導してくれたからうまくいったみたいだけどね☆
リアを失ったボクの暴走を止めてくれたとき以来、久々に見るエリュシオンの魔力枯渇・・・
ボクよりは少ないと言っても枯渇するほど使うなんて、余程無茶な使い方をしても人生で1度あるかないかってくらいエリュシオンは魔力が有り余っているはずだった。
今までだって、どんなにサーヤに分け与えていても、ちょっと怠いなくらいはあったかもしれないけど平然としてたしね。
『魔力の器』というリアやサーヤの能力が、いくら魔力保有量が多いからってエリュシオンがこんな状態になるなんて・・・。もしかして、ボクやミナトが加護を与えたことで、サーヤの魔力保有量がさらに多くなったとか?
・・・ま、ありえなくはないか。
今回ばかりはエリュシオンも、自分で作った劇的にまずい魔力回復薬飲んだみたいだ。
アレ・・・ボクも飲んだことあるけどホントに激マズで大嫌いだ。
すごく効くけど、痺れ薬よりも痺れて動けなくなるし、世間でゲテモノ料理って言われてるモノ以上にクソまずいし・・・ボクはもう二度と飲みたくない・・・
あ~あ、つらいはずなのにサーヤが心配で眠れないのかな?寝ないように頑張っちゃって・・・。
まぁ、ベルナートに変なモノ見せられちゃったし、アネモネの動向も気になるし、安心できないのは仕方ないか☆
ホントにエリュシオンがこんなふうになるなんて・・・ふふ、随分と変わったものだね☆
もちろん良い方向に♪
そういえば、さっきエリュシオンの部下からの報告があったんだった。
教えたらたぶん安心して眠れるかな?
「エリュシオン、さっきキミの部下から知らせがあったけど、アネモネは今日マゼンダのお店に行くみたいだよ」
「・・・そうか」
「少なくとも晩餐まではアネモネがサーヤに危害を与えることなんてないから、今くらいは安心して休みなよ☆晩餐まではマゼンダがうまく相手してくれるさ♪」
「・・・あぁ、そうだな。・・・まか、せ、た・・・」
やっと安心したんだろう。
マゼンダ・・・エリュシオンの姉さんもなかなかのヤリ手だから安心して任せられるし、マデリーヌも着いて行くだろうから、何かあれば連絡してくれるはず。
・・・ホント、サーヤの周りには人とか精霊とかいろいろ集まるよね。ボクも人のことは言えないけど。
こんな状況だけど、皆がこれだけ協力してサーヤを助けようと動いていることが、ボクはとても嬉しい。
ミナトは昨日大量に癒しの水を作ったことで疲弊し、まだ回復のため休んでいる。
めんどくさがりで指図されるのが嫌いなマデリーヌも、今回ばかりは珍しく真剣に協力してる。
ノルンも地の精霊達を使って常にアネモネの仲間を監視し、動きがあったらすぐに知らせてくれる予定だ。
今は特に怪しい動きはないみたいだけどね。
ボクは司令塔になりつつ、この屋敷の護りと時々サーヤの気配を感知できるか確認している・・・でも、まだダメみたいだね。
「・・・頼んだよ、サーヤ。キミにかかってるんだ・・・」
早く・・・ベルナートの加護を自分のモノにして・・・
ボクは久々に、信じてもいない神様とやらに願いたくなった・・・―――
「だいぶ無理したみたいだけど、大丈夫?エリュシオン」
「っぐ・・・あぁ・・・これくらい、平気だ・・・」
「ふふ、エリュシオンがそんなに疲弊してるの、ボクの暴走止めたとき以来じゃない?」
「・・・知るか」
昨夜、エリュシオンは少しでもサーヤの負担を減らすと言って、神経も魔力も使いまくる魔法を複数同時に使いつつ、入り込んだサーヤの精神世界で、自分の魔力をありったけ与えてきたらしい。
・・・まったく、一歩間違えれば辿り着くこともできず、帰って来れない可能性だってあったのに・・・サーヤのためとはいえホントに無茶するんだから。
ま、それに気づいたベルナートが、エリュシオンの魔力をうまく誘導してくれたからうまくいったみたいだけどね☆
リアを失ったボクの暴走を止めてくれたとき以来、久々に見るエリュシオンの魔力枯渇・・・
ボクよりは少ないと言っても枯渇するほど使うなんて、余程無茶な使い方をしても人生で1度あるかないかってくらいエリュシオンは魔力が有り余っているはずだった。
今までだって、どんなにサーヤに分け与えていても、ちょっと怠いなくらいはあったかもしれないけど平然としてたしね。
『魔力の器』というリアやサーヤの能力が、いくら魔力保有量が多いからってエリュシオンがこんな状態になるなんて・・・。もしかして、ボクやミナトが加護を与えたことで、サーヤの魔力保有量がさらに多くなったとか?
・・・ま、ありえなくはないか。
今回ばかりはエリュシオンも、自分で作った劇的にまずい魔力回復薬飲んだみたいだ。
アレ・・・ボクも飲んだことあるけどホントに激マズで大嫌いだ。
すごく効くけど、痺れ薬よりも痺れて動けなくなるし、世間でゲテモノ料理って言われてるモノ以上にクソまずいし・・・ボクはもう二度と飲みたくない・・・
あ~あ、つらいはずなのにサーヤが心配で眠れないのかな?寝ないように頑張っちゃって・・・。
まぁ、ベルナートに変なモノ見せられちゃったし、アネモネの動向も気になるし、安心できないのは仕方ないか☆
ホントにエリュシオンがこんなふうになるなんて・・・ふふ、随分と変わったものだね☆
もちろん良い方向に♪
そういえば、さっきエリュシオンの部下からの報告があったんだった。
教えたらたぶん安心して眠れるかな?
「エリュシオン、さっきキミの部下から知らせがあったけど、アネモネは今日マゼンダのお店に行くみたいだよ」
「・・・そうか」
「少なくとも晩餐まではアネモネがサーヤに危害を与えることなんてないから、今くらいは安心して休みなよ☆晩餐まではマゼンダがうまく相手してくれるさ♪」
「・・・あぁ、そうだな。・・・まか、せ、た・・・」
やっと安心したんだろう。
マゼンダ・・・エリュシオンの姉さんもなかなかのヤリ手だから安心して任せられるし、マデリーヌも着いて行くだろうから、何かあれば連絡してくれるはず。
・・・ホント、サーヤの周りには人とか精霊とかいろいろ集まるよね。ボクも人のことは言えないけど。
こんな状況だけど、皆がこれだけ協力してサーヤを助けようと動いていることが、ボクはとても嬉しい。
ミナトは昨日大量に癒しの水を作ったことで疲弊し、まだ回復のため休んでいる。
めんどくさがりで指図されるのが嫌いなマデリーヌも、今回ばかりは珍しく真剣に協力してる。
ノルンも地の精霊達を使って常にアネモネの仲間を監視し、動きがあったらすぐに知らせてくれる予定だ。
今は特に怪しい動きはないみたいだけどね。
ボクは司令塔になりつつ、この屋敷の護りと時々サーヤの気配を感知できるか確認している・・・でも、まだダメみたいだね。
「・・・頼んだよ、サーヤ。キミにかかってるんだ・・・」
早く・・・ベルナートの加護を自分のモノにして・・・
ボクは久々に、信じてもいない神様とやらに願いたくなった・・・―――
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