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4章 打倒!悪役令嬢ヒロイン
ヒロインの帰城 ~アネモネside~
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◇
アタシはアネモネ=ウィンスレット。
ウィンスレット男爵の娘で、“蒼い月の下で貴方と~雪恋~”のヒロインよ。
・・・そう。この世界をアタシは知っている。
大好きでたくさんやりこんでいた乙女ゲームだ。
この世界に来る前は、普通のぱっとしないOLをやっていた。・・・思い出したくもないけどね。
アタシがこの世界を乙女ゲームの世界だと認識したのは、10歳で魔力の登録をすることになった時だ。
元々母親はどこかの貴族に遊ばれて、未婚でアタシを産んだ。
ずっと平民として過ごしてきたが、国民の義務である魔力登録を境にアタシの人生はガラッと変わった。
魔力を持つ平民自体が珍しいのに、アタシの属性はその中で最もレアな光属性。
魔力の高さや、契約する精霊によっては聖女とも呼ばれる激レアな属性だった。
魔力登録後、父だという人があらわれアタシと母親を引き取ったのが、貴族のウィンスレット男爵だった。
男爵は、アタシを王族へ売り込もうと必死だった。
ピンクブロンドの腰まで伸びたゆるふわな髪にグリーンのパッチリとした二重の瞳という、見目は良かったアタシは、ちょっと着飾るだけで立派な貴族令嬢になった。・・・見た目はね。
王族の目に留まるよう、貴族としての教養を学ばされ、パーティにも何度も連れて行かれた。
最低限の教養やマナーは身に着けたが、16歳になってから通う学園で出会いがあることがわかってたから、そんなに焦る必要なんてないし、マナーや教養何て学びたい人が学べば良いと思って覚える気もなかった。
だって、アタシはこの世界でヒロインなんだからっ!!
最初はこの世界か本当に乙女ゲームの世界か半信半疑だったけど、攻略対象を全員チェックしたらちゃんと存在してたし、性格や家族構成なども概ね一致した。
攻略キャラは大体身分の高い令息や王太子だから、好きなキャラを攻略すれば、アタシは将来もれなく玉の輿!!
人生イージーモード過ぎて笑いたくなったわ。
学園に通い始めてからまず狙ったのはもちろん王太子!
婚約者はゲームのシナリオ通り、悪役令嬢のサーシャリア=ロンドだった。
・・・アタシはこのキャラが大嫌いだった。
クソ真面目で正論しか言わず、お高くとまった典型的なプライドが高い貴族。
前作ヒロインの子孫だか何だかしらないけど、それだけで王太子の婚約者となった、いわゆるエリートの家系だ。
アタシが王太子を攻略すると、卒業パーティで断罪イベントが行われ、実家からの絶縁後生きて帰れぬと言われる“帰らずの森”へ追放される。
アタシは自分を見下すエリートが大嫌いだ。
いつでも身分の高い人、エリート街道まっしぐらの人間は自分より下の人間を見下す。
・・・前の世界だってそうだった。
アタシは別に王太子に興味はなかったけど、迷いなく王太子ルートを選択し、入学直後の桜舞う季節に、予定通り学園の裏庭で王太子に出逢った。
それから順調に王太子のイベントをこなしたが、予定通りにいかないこともしばしばあった。
サーシャリア=ロンドがアタシをイジメてこないのだ。
そして、ゲームにはなかった“魅了魔法”というモノを自分が使えることを王太子攻略中に知った。
アタシを見ても、一般的な注意しかしてこないサーシャリア=ロンド。
このままじゃ、卒業イベントで断罪イベントが起こらないじゃないっ!!
卒業まであと1年というところでさすがに焦ったアタシは、魅了魔法を使ってイジメを捏造することにした。
しばらくたってから、そろそろ断罪イベントに向けて動くため王太子に打ち明けたら、すでに魅了魔法でアタシの虜になっていた彼はすぐにアタシの言葉を信じた。
ふんっ、やっぱりゲームだからちょろいわね。
断罪するにはイジメだけじゃ弱いから、賊を使って“ヒロイン殺害未遂事件”も捏造してやった。
もちろん証拠なんて残さず、金で利用した賊も処分した。
在学中に光の上位精霊と契約できたのは大きかったわね。
どうせなら精霊王とかと契約したら聖女になれたかもしれないのに、「精霊王様はすでに別の方に加護を与えてます」って言われちゃったし・・・。
ま、契約した光の上位精霊“リヒト”のおかげでアタシの魔力もぐんっと上がったからいろいろできるようになってより便利になったわ。
予定通り、卒業パーティでの断罪イベント。
念には念を入れて、参加している令嬢や令息もまとめて魅了にかけておいたから、サーシャリア=ロンドを庇う人なんて誰もいなかった。拍子抜けするくらいスムーズに終わった断罪イベンドだったわ。
魅了魔法をかけていない国王が隣国から帰ってきたら面倒だから、帰ってこないうちにさっさと森への追放処分も執行するのに手を貸した。そして、トドメも自分で刺した。
あの時の悪役令嬢の顔ったらなかったわ!ゲームではそこまでのスチルがなかったから絶対見たかったのよね!!
後はアタシが王太子妃になって、そのまま王妃になってエンディング、晴れの玉の輿が完成!!!
・・・するはずだった。
アタシはアネモネ=ウィンスレット。
ウィンスレット男爵の娘で、“蒼い月の下で貴方と~雪恋~”のヒロインよ。
・・・そう。この世界をアタシは知っている。
大好きでたくさんやりこんでいた乙女ゲームだ。
この世界に来る前は、普通のぱっとしないOLをやっていた。・・・思い出したくもないけどね。
アタシがこの世界を乙女ゲームの世界だと認識したのは、10歳で魔力の登録をすることになった時だ。
元々母親はどこかの貴族に遊ばれて、未婚でアタシを産んだ。
ずっと平民として過ごしてきたが、国民の義務である魔力登録を境にアタシの人生はガラッと変わった。
魔力を持つ平民自体が珍しいのに、アタシの属性はその中で最もレアな光属性。
魔力の高さや、契約する精霊によっては聖女とも呼ばれる激レアな属性だった。
魔力登録後、父だという人があらわれアタシと母親を引き取ったのが、貴族のウィンスレット男爵だった。
男爵は、アタシを王族へ売り込もうと必死だった。
ピンクブロンドの腰まで伸びたゆるふわな髪にグリーンのパッチリとした二重の瞳という、見目は良かったアタシは、ちょっと着飾るだけで立派な貴族令嬢になった。・・・見た目はね。
王族の目に留まるよう、貴族としての教養を学ばされ、パーティにも何度も連れて行かれた。
最低限の教養やマナーは身に着けたが、16歳になってから通う学園で出会いがあることがわかってたから、そんなに焦る必要なんてないし、マナーや教養何て学びたい人が学べば良いと思って覚える気もなかった。
だって、アタシはこの世界でヒロインなんだからっ!!
最初はこの世界か本当に乙女ゲームの世界か半信半疑だったけど、攻略対象を全員チェックしたらちゃんと存在してたし、性格や家族構成なども概ね一致した。
攻略キャラは大体身分の高い令息や王太子だから、好きなキャラを攻略すれば、アタシは将来もれなく玉の輿!!
人生イージーモード過ぎて笑いたくなったわ。
学園に通い始めてからまず狙ったのはもちろん王太子!
婚約者はゲームのシナリオ通り、悪役令嬢のサーシャリア=ロンドだった。
・・・アタシはこのキャラが大嫌いだった。
クソ真面目で正論しか言わず、お高くとまった典型的なプライドが高い貴族。
前作ヒロインの子孫だか何だかしらないけど、それだけで王太子の婚約者となった、いわゆるエリートの家系だ。
アタシが王太子を攻略すると、卒業パーティで断罪イベントが行われ、実家からの絶縁後生きて帰れぬと言われる“帰らずの森”へ追放される。
アタシは自分を見下すエリートが大嫌いだ。
いつでも身分の高い人、エリート街道まっしぐらの人間は自分より下の人間を見下す。
・・・前の世界だってそうだった。
アタシは別に王太子に興味はなかったけど、迷いなく王太子ルートを選択し、入学直後の桜舞う季節に、予定通り学園の裏庭で王太子に出逢った。
それから順調に王太子のイベントをこなしたが、予定通りにいかないこともしばしばあった。
サーシャリア=ロンドがアタシをイジメてこないのだ。
そして、ゲームにはなかった“魅了魔法”というモノを自分が使えることを王太子攻略中に知った。
アタシを見ても、一般的な注意しかしてこないサーシャリア=ロンド。
このままじゃ、卒業イベントで断罪イベントが起こらないじゃないっ!!
卒業まであと1年というところでさすがに焦ったアタシは、魅了魔法を使ってイジメを捏造することにした。
しばらくたってから、そろそろ断罪イベントに向けて動くため王太子に打ち明けたら、すでに魅了魔法でアタシの虜になっていた彼はすぐにアタシの言葉を信じた。
ふんっ、やっぱりゲームだからちょろいわね。
断罪するにはイジメだけじゃ弱いから、賊を使って“ヒロイン殺害未遂事件”も捏造してやった。
もちろん証拠なんて残さず、金で利用した賊も処分した。
在学中に光の上位精霊と契約できたのは大きかったわね。
どうせなら精霊王とかと契約したら聖女になれたかもしれないのに、「精霊王様はすでに別の方に加護を与えてます」って言われちゃったし・・・。
ま、契約した光の上位精霊“リヒト”のおかげでアタシの魔力もぐんっと上がったからいろいろできるようになってより便利になったわ。
予定通り、卒業パーティでの断罪イベント。
念には念を入れて、参加している令嬢や令息もまとめて魅了にかけておいたから、サーシャリア=ロンドを庇う人なんて誰もいなかった。拍子抜けするくらいスムーズに終わった断罪イベンドだったわ。
魅了魔法をかけていない国王が隣国から帰ってきたら面倒だから、帰ってこないうちにさっさと森への追放処分も執行するのに手を貸した。そして、トドメも自分で刺した。
あの時の悪役令嬢の顔ったらなかったわ!ゲームではそこまでのスチルがなかったから絶対見たかったのよね!!
後はアタシが王太子妃になって、そのまま王妃になってエンディング、晴れの玉の輿が完成!!!
・・・するはずだった。
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