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4章 打倒!悪役令嬢ヒロイン

お城で過ごそう~魅了魔法の対策方法2~

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「あの、初めまして・・・リーちゃん。サーヤです」
「キャ~~~~♡サーヤちゃん、いつも水晶で覗いてたけど実物はホントに可愛いっ!こちらこそ初めまして♡♡」
「え?覗くって・・・わぷっ」

立ち上がって改めて挨拶すると、リーちゃんは勢いよくあたしにぎゅっと抱きついてきた。
水晶で覗くって、やめて!!覗き、ダメ、絶対。
精霊さんってそんなことまでしてるの?!
本気でエルに精霊さん対策(特に寝室覗き禁止)を考えてもらわないといけないのでは?!

抱きついてきたリーちゃんは、あたしと同じくらいの身長で金糸のような金髪のボンキュッボンのナイスバディ美女なので、必然的に女性特有の柔らかいものがあたしに当たる。
正面から抱きつかれる今、あたしとリーちゃんの胸が丁度当たっており、もにゅもにゅと柔らかいも同士が押し合いへし合いとなり、揉まれるのとはちょっと違った感じでこそばゆいとゆーかなんとゆーか・・・

「んっ、ぁっ」
「やだ♡サーヤちゃんってば敏感さんなのね♡♡」
「!!!」

やだっ!今あたし変な声でちゃった?!

「いい加減にしろ、ソレは俺のだ。変なことしたら森へ突っ返すぞ」

エルはそう言ってあたしを自分の方へ抱き寄せて胸を揉む。
ちょっと待て。抱き寄せられるのは嬉しいけど、揉むのは求めてないっ!!

「んっ、や、バカっ!エル、やめてっ・・・ぁぅっ」
「消毒だ」

揉んだら揉み返すのが消毒ってどうゆうことだよっ!!
エルが触るといろんなところが反応しちゃうからイヤなんだよっ、バカ!!

「お願っ・・・ん、二人きりのときだけに・・・んぅっ」
「・・・確かに、こんなサーヤを他の奴に見せるのもな」

もっと早く気づいて欲しかったよっ!エルのバカぁぁぁぁっ!!!
あたしは恥ずかしくてそのままエルの胸に顔を埋めた。
・・・絶対、今顔赤い、恥ずかしい・・・。

「はいはい。まったくエリュシオンってば、相変わらずあたしという美女を前にしても一切見向きもしないんだから~。ま、ソコがいいんだけどね♡♡」
「黙れ、虫唾が走る」
「あぁっ、良いっ、良いわ!ゾクゾクしちゃうっ♡♡エリュシオンはソコが良いの!!もっと、もっと言ってぇぇ♡♡」

なぬっ?!リーちゃんが頬を染めながらハァハァし始めたんだけどっ!!!
リーちゃんってまさかのドMさんなの?罵られたい人なの??!!
こんなやり取りミナトちゃんの教育上よろしくないんじゃ・・・

ミナトちゃんの方を見ると、セイルがしっかりとミナトちゃんの目と耳を塞いでいた。
グッジョブ、セイル!!

「まったく、魅了の光魔法や光の精霊は私が何とかするって言うから連れてきたが、役立たずは不要だ。
 森へ帰れ。」
「いやんっ、待って!エリュ・・・」
「《転移ヴァンデル》」

(シュンッ)

エルはそう言ってリーちゃんを森へ強制転移させた。
・・・嵐のような人だったなぁ。

とりあえず、エルが自分の研究室から持ってきたのは魔法を無効にする指輪だった。
これをユーリウス殿下につけてもらえば魅了は全く効かないか、効いたとしても大した効果ではないはずとのこと。

アネモネさんは明日城に戻るという報告が執務中にあったと告げられた。
この日も晩餐はレヴィンさん達と一緒に食べる話になったので、ユーリ殿下と一応レヴィンさんにも魅了阻止のための指輪を渡すことにした。

アネモネさんと突然関わるのもおかしいので、普段通り自由に過ごし、彼女のスケジュールを先回りし、目撃されそうな場所にユーリウス殿下と一緒にいたり、エルとは城を色々歩き回って城の人達からアネモネさんに伝わるよう行動したりしようかということになったので、彼女の予定を聞いておかないとね。

ちなみに、セイルやミナトちゃん、リーちゃんは気配を断って城内で傍にいてくれるが、あたしとエルの部屋以外では人に見られないよう姿を隠して過ごすようだ。
精霊王にもなると、精霊や精霊を見える人間にも気づかれないよう気配を完全に断つこともできるんだって、すごいね。
・・・お願いだからあたしとエルが一緒のときには傍にいないで欲しい。心からお願いしておいた。



いよいよヒロインと直接対決・・・じゃないけど、それに近いものが近づいてきた。
ユーリウス殿下のときのような暴走が起こらないと良いな・・・



不安な気持ちはないけど、会うのが少し怖い・・・くらいの気持ちがあたしの中にずっと燻っていた。
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