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4章 打倒!悪役令嬢ヒロイン

お城で過ごそう~打倒!ヒロイン対策会議2~

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もぐもぐとサンドイッチを頬張りながら、エルが何か良い案を考えてくれるんじゃないかと楽観的に話を聞いていた。天使も一緒にもきゅもきゅしてます。
あらあら、口の周りにソース付けちゃって、可愛いんだから。

「そうだな・・・一番手っ取り早くカタをつける方法がないわけではないが・・・」
「「本当か(ですか)?」」

やっぱりエルが何か良い案を思い浮かんだみたい。さすがだね。でもあまり気が進まないのかな?
レヴィンさんとユーリウス殿下はすぐに食いついた。

「う~ん・・・なんとなくエリュシオンが言いたいことわかるけど、ボクはちょっとヤダなぁ」
「・・・セイルも嫌がるエルの案っていったいどんな案なの?早くカタを付けられるならそれで良いんじゃない?」
「良いのか?・・・アネモネを嵌めるために、サーヤをおとりにするってことだぞ?」
「へ?あたしが、おとり??」

エルの作戦はこうだった。

あたしがサーシャとして“帰らずの森”から生還したとアネモネさんの耳に入るよう侍女経由で伝える。
エルに連れられて二人でこの城に来ているので、あながち間違いではない。
ただ、事実と違うことがあるとすれば、あたしがサーシャさんとして王子と接すること。
別に好意を持つ必要はないが、友好である必要がある。
だって、アネモネさんに二人で話しているところを目撃してもらわないといけないから。

「“サーシャが生還した”“王太子ボンクラと友好に話している”これだけで、アネモネバカ女はサーシャに接触を図るはずだ。一人のときを狙ってな」

ユーリウス殿下とアネモネさんの言い方が雑なのはあえてツッコまないぞ。
確かに、それをするだけでアネモネさんは簡単に釣れるだろう。
でも、ユーリウス殿下と二人きりとか、アネモネさんと一対一とか、あたしにとってはハードルが高すぎる・・・

「だいじょうぶ、サーヤまま、ひとりにしないよ」
「そうそう、ボクらが気配を断って傍にいるから困ったことがあったら念話ですぐに教えてね☆」
「お前にはブレスレットもあるし、俺も探知魔法を展開しておくから何かあればすぐに駆け付けられる。
 だが、アネモネバカ女も何も用意しないで接触してくるとは思えぬ。
 いつでもシールドを張れるようにしておけ」

アネモネさんの件が片付けば森へ帰れるんだよね。元の生活に戻れるんだよね。
・・・こんなに心配してくれる心強い味方もいるし、これ以上アネモネさんを好きにさせるわけにも、何かの拍子でセイルが誤って「殺っちゃった☆」なんてテヘペロするのも怖いので、ここはあたしが頑張るしかないっ!
よし!女は度胸だっ!!


そんな感じで、アネモネさんが城に戻ってきたら作戦決行ということになり、あたしとエルは客人としてしばらくお城に滞在することになった。。
気を付けるのはユーリウス殿下への態度だったが、城に滞在中のエルとあたしの関係は婚約者のままで良いということになったので、その安心感からか意外と普通に話せるようにはなった。

「じゃあ、あたしは前と同じようにユーリウス殿下のことを"ユーリ殿下"と呼べば良いんですね?」
「あぁ、オレもキミのことを"サーシャ"と以前のように呼ばせてもらう。良いか?」
「良いも悪いも、大事な作戦です。お仕事です。お好きなように呼んでください」
「仕事、か・・・そうだね。よろしく頼む」
「はいっ!」
「サーヤまま、なかせたら、ぷっちんよ?」
「ぷっちん?・・・大丈夫。約束は守るよ」
「あいっ」

ユーリウス殿下・・・ぷっちんってあなたの命が危ういヤツです。お願いだから全力で約束守って!!


可愛いくて心強い天使・・・とゆーか、ナイトのおかげであたしの心は少し軽くなりました。


話し合いが終わり、レヴィンさんとユーリウス殿下は公務に戻るということなので、あたし達はあてがわれた部屋に戻り、のんびりと過ごすことにした。
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