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3章 いざ王都へ

お城へ行こう~王様とのお話~

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≪今の状況≫
・ユーリ殿下と殿下を護るように剣を抜いている側近のアルバートさん。
・エルに抱きかかえるように支えられてるあたしと、その胸に抱かれているミナトちゃん
 その脇で傍観しているセイル。

ちなみに、さっきのミナトちゃんの発する冷気により、所々が凍ったり水浸しだったりしております。
・・・とてもお茶を飲んでお待ちくださいって言われた貴賓室とは思えない状況です、はい。

「レヴィン、お前は息子にどういった教育をしてる。まったく親子そろって出来損ないもいいところだな」

ちょぉぉぉぉぉっ!!!エルっ、王様とユーリ殿下になんてこと言ってくれちゃってるのよっ!!!

「はは、久しぶりに会ったと思ったら、相変わらずエリュシオンは手厳しいな。
 うちの愚息が大変失礼したみたいだね、申し訳ない。」

あれ?まったく気にしてない?!むしろ普通に受け入れて謝罪までしてる??!!

「あの、父上・・・」
「ユーリ。オレは言ったはずだよ。今日城に来るのはだ、と。
 それがたまたま自分の知り合いだったからって、随分と勝手な行動をしていたみたいだね」
「陛下、恐れなが・・・」
「誰が喋って良いと言った?」
「っ、申し訳ありません・・・」

さっきエルと話してる穏やかな感じから急に変わって威圧感が半端ない・・・。
貫禄?ってものがちゃんとあるんだな・・・さすが王様。

「さて、部外者は退席願おうか。ユーリ、アルバート」
「っ、部外者・・・ですか?オレっ、私は・・・」
「あぁ、部外者だよ。このお嬢さんがサーシャ嬢であったとしても、すでに婚約者でもなんでもないお前は部外者だ。これは公務ではなく、オレ個人の客人であって、お前にはまったく関係がない。
 わかったら早く出て行って、側近の再教育でもしていなさい。
 随分と迷惑をかけたようだからね・・・」
「は、はい。では失礼します」

ユーリ殿下とアルバートさんは顔を真っ青にしながら出て行った。
王様、息子にも容赦ないな・・・。

「さて、久々の再会に楽しくお茶でも・・・と思っていたんだけど、とりあえず場所を移動しようか。
 もちろん、精霊様方もご一緒にどうぞ。口に合うかわかりませんが、茶菓子も用意してますから」
「そう?じゃあご馳走になろっかな☆」
「おかし、たべゆ♪」

とりあえずミナトちゃんもすっかり落ち着いたみたいでよかった。
この部屋を台無しにしたのは、あとで改めてお詫びしよう。



そんな感じで、王様が案内してくれたのは中庭らしき色とりどりの花たちが咲き乱れる庭園のテラス席だった。

すごいっ!!色とりどりの薔薇、色分けされたり種類別にされた他の花が、まるで絵画のように見事なまでに計算され整備された完璧な庭園である。
まだ歩けるまで回復してなかったあたしは、エルにお姫様抱っこされながら、素晴らしい景色に目を奪われていた。

「うわぁ・・・圧巻だね」
「うむ、いつ見ても素晴らしい庭園だ」
「ここは、エルのお気に入りの場所だったの?」
「あぁ、植物たちやここに住む精霊も喜んでいたからな。」
「ここにも精霊さんがいるんだ!」
「そうだね☆この庭園を気にって住み着いてる地の精霊たちがちらほらいるよ。ほら、あの木のあたりとか」

セイルに言われた木を見てみると、確かに白雪姫の小人さんみたいな子達が数人楽しそうに遊んでいる。
この場所が大好きなんだね。

「この場所は、地の精霊王と契約をしていた初代国王が用意した、精霊のための場所だからね」
「王様・・・」
「サーシャとしての記憶はないんだよね?・・・だったら、初めまして、かな?サーヤ嬢」
「あの、サーヤで良いです。王様」
「じゃあ、サーヤだね。オレのこともレヴィンで良いよ。エリュシオンの婚約者殿☆」
「こ、婚約者・・・」
「レヴィン、俺らは城に長居する気はない。さっさと本題に入れ」
「はいはい、久しぶりに会ったってのに、エリュシオンは相変わらずつれないね~。
 そうだね、まずは何から話そうか・・・サーヤ、嫌なことを思い出させるかもしれないが聞いてくれるかい?
 そして、君の覚えてる範囲で良いから何があったのかを教えて欲しい。」
「・・・はい。わかりました」


こうして、ようやく王様と目的の話をすることができたけど、事態は思わぬ方向に進んでしまうことを今のあたしは知る由もなかった。
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