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2章 過去の自分と新しい出会い
巻き込まれる予兆と過去の記憶4
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「心配してくれてありがとう、セイル。ちなみに、あたしを護るって具体的には何をするの?」
「ふふ☆サーヤにはボクの加護を与えてあげるよ♪」
「加護?」
「わかりやすく言うと、加護を与えることでボクはサーヤに魔力を与えることができる。
そして、サーヤはボクの力を全部ではないけど使えるようになるよ☆」
「え?セイルからも魔力をもらうって・・・もしかして、エルみたいな・・・?」
「いいや、ボクの場合は加護を与えている時点で魔力を与えることができるから、エリュシオンと同じことをする必要はないよ☆
・・・もしかして、したかった?」
へ?エル以外とえっちとか・・・?やだやだっ絶対お断りだっ!!
「ふざけるのも大概にしろ、セイル。」
エルがぎゅっとあたしを強く抱き込む。
・・・ふふ、エルってば意外と独占欲強いのかも。愛されてるなぁ、あたし。
あたしも「大好きだよ」の気持ちを込めて、ぎゅっと抱き込むエルの腕を抱きしめ返した。
「も~、ホントにエリュシオンは冗談が通じないんだからぁ。
ほらほら、加護をあげるからサーヤちょっとそこに立ってくれる?」
なんか「コレあげるから」的な感じで与えられる加護っていったい・・・
エルに「いいの?」と目で訴えてみたら、しぶしぶ腕を解いてくれたのでOKということだろう。
あたしはソファから立ち上がり、ソファ横にいるセイルの前に立った。
「じゃあ、胸の前で祈るように両手を握って。そして目を瞑ってね」
「うん」
セイルに言われた通り胸の前で両手を握り、目を瞑る。
セイルはその両手を包み込むように握り、自分のおでこをあたしのおでこにくっつけてきた。
「じゃあこれからボクの言葉を復唱してね。『我、ここに加護を求める者なり』」
「我、ここに加護を求める者なり」
「『加護を求めるは、風の精霊王セイルリーン』」
へ?精霊王??!セイルが???!!
「か、加護を求めるは、風の精霊王セイルリーン」
「『加護を与えし風の精霊王よ、我に真名を教えたもれ』」
「加護を与えし風の精霊王よ、我に真名を教えたもれ」
セイルが握っている手と触れ合っているおでこがぽかぽかと温かい。魔力が流れてきてるのがわかる。
そして魔力と共に流れてきた言葉・・・これがセイルの真名・・・
「加護を求めし者よ、そなたに伝えた我の真名を呼んでみよ」
「・・・”セイルリーン=レクシード”」
「汝に、我の加護を与えん」
ぶわっとさっきより大きな魔力が流れ込む。なにこれ、すごく熱い・・・
身体全体に熱いものが流れているのがわかる。たぶんセイルの魔力だ。
身体の中にあるエルがくれた魔力とまだうまく混ざり合っていないのか、なんかぐるぐるして乗り物酔いみたいに気持ち悪い・・・
「うっ・・・ぐっ、~~~~っ」
「・・・大丈夫。キミの中でうまく融合できるはずだよ。キミにはその力がある。」
そう言ってセイルがあたしから離れたが、あたしは一人で立っていられず、すかさずエルが支えてくれる。
「魔力の器にはね、自分の中に取り込んだ魔力を自分のモノに変換する能力もあるんだ。
エリュシオンの魔力はすぐに自分の魔力に変換できてたみたいだから大丈夫かと思ったけど、ボクの魔力は少し反発してるみたいだね。時間が経てばおのずと落ち着いてくるはずだよ」
セイルが何か言っているのはわかったけど、魔力が身体を巡る感覚がとても熱くて苦しくて聞く余裕が全くないままあたしは意識を失った・・・―。
「ふふ☆サーヤにはボクの加護を与えてあげるよ♪」
「加護?」
「わかりやすく言うと、加護を与えることでボクはサーヤに魔力を与えることができる。
そして、サーヤはボクの力を全部ではないけど使えるようになるよ☆」
「え?セイルからも魔力をもらうって・・・もしかして、エルみたいな・・・?」
「いいや、ボクの場合は加護を与えている時点で魔力を与えることができるから、エリュシオンと同じことをする必要はないよ☆
・・・もしかして、したかった?」
へ?エル以外とえっちとか・・・?やだやだっ絶対お断りだっ!!
「ふざけるのも大概にしろ、セイル。」
エルがぎゅっとあたしを強く抱き込む。
・・・ふふ、エルってば意外と独占欲強いのかも。愛されてるなぁ、あたし。
あたしも「大好きだよ」の気持ちを込めて、ぎゅっと抱き込むエルの腕を抱きしめ返した。
「も~、ホントにエリュシオンは冗談が通じないんだからぁ。
ほらほら、加護をあげるからサーヤちょっとそこに立ってくれる?」
なんか「コレあげるから」的な感じで与えられる加護っていったい・・・
エルに「いいの?」と目で訴えてみたら、しぶしぶ腕を解いてくれたのでOKということだろう。
あたしはソファから立ち上がり、ソファ横にいるセイルの前に立った。
「じゃあ、胸の前で祈るように両手を握って。そして目を瞑ってね」
「うん」
セイルに言われた通り胸の前で両手を握り、目を瞑る。
セイルはその両手を包み込むように握り、自分のおでこをあたしのおでこにくっつけてきた。
「じゃあこれからボクの言葉を復唱してね。『我、ここに加護を求める者なり』」
「我、ここに加護を求める者なり」
「『加護を求めるは、風の精霊王セイルリーン』」
へ?精霊王??!セイルが???!!
「か、加護を求めるは、風の精霊王セイルリーン」
「『加護を与えし風の精霊王よ、我に真名を教えたもれ』」
「加護を与えし風の精霊王よ、我に真名を教えたもれ」
セイルが握っている手と触れ合っているおでこがぽかぽかと温かい。魔力が流れてきてるのがわかる。
そして魔力と共に流れてきた言葉・・・これがセイルの真名・・・
「加護を求めし者よ、そなたに伝えた我の真名を呼んでみよ」
「・・・”セイルリーン=レクシード”」
「汝に、我の加護を与えん」
ぶわっとさっきより大きな魔力が流れ込む。なにこれ、すごく熱い・・・
身体全体に熱いものが流れているのがわかる。たぶんセイルの魔力だ。
身体の中にあるエルがくれた魔力とまだうまく混ざり合っていないのか、なんかぐるぐるして乗り物酔いみたいに気持ち悪い・・・
「うっ・・・ぐっ、~~~~っ」
「・・・大丈夫。キミの中でうまく融合できるはずだよ。キミにはその力がある。」
そう言ってセイルがあたしから離れたが、あたしは一人で立っていられず、すかさずエルが支えてくれる。
「魔力の器にはね、自分の中に取り込んだ魔力を自分のモノに変換する能力もあるんだ。
エリュシオンの魔力はすぐに自分の魔力に変換できてたみたいだから大丈夫かと思ったけど、ボクの魔力は少し反発してるみたいだね。時間が経てばおのずと落ち着いてくるはずだよ」
セイルが何か言っているのはわかったけど、魔力が身体を巡る感覚がとても熱くて苦しくて聞く余裕が全くないままあたしは意識を失った・・・―。
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