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2章 過去の自分と新しい出会い

自分の身を守る訓練をしましょう2

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「ちなみに、お前は一度シールドを展開している」
「へ?」

なんか、「お前はもう死んでいる」的な言い方でサラッと言われたけど、まったく覚えがない。

「暴漢を全力で拒否しただろう?」
「!!」
「魔法の発動はすべてではないが、感情に左右されやすい。
教えていなくともお前が心から拒否したことで物理的攻撃とみなしシールドを展開したんだろう。
俺が駆け付けたときに、すでに男共はシールドにより吹っ飛ばされていた」

たしかにそんな音がしたかもしれない・・・。そうだったんだ。

「加減がわからぬお前は、それにより一気に魔力を消費し、ブレスレットの石も一気にグリーンからオレンジに変わった。気づかなかったか?」
「・・・それは、気づかなかったデス」

だって、それどころじゃなかったし。

「さて、ここからが本題だ。シールドを張るにはどうしたらいいと思う?」
「うーん・・・拒絶する?」
「それでは曖昧過ぎる。具体的にシールドを張りたいときはどういうときか、どういう感情かを理解しイメージしろ」
「うぅ・・・イメージ・・・」

たぶん、「来るな!」とか感情的なものだと発動しても感情の強さで大きさが変わる上に消費魔力が多いんだろうな・・・。
拒絶じゃなくて、自分を守るイメージの方が良いのかな?自分を四角形で全方向囲ってしまえばどの方向からの攻撃も防げそうだし、大きくなければ消費魔力も少しで済みそうだ。

ブォンという音と共にあたしの周りに薄い四角形の膜が張られていた。

「ほぉ、考えたな。これなら全方向からの攻撃が防げるし、自分の周りだけなら範囲も狭く、魔力もそんなに消費しないだろう」
「やったぁ♪」
「後は強度だな。強度を上げるには、これを何重にも張るか、もっと丈夫にするかしないといけない。
 これしきのシールドならたいていの剣士に軽く破壊されるだろう」
「強度・・・強度・・・・」

たしかに強度は大事だ。シールドを張っても破られたら意味がない。
丈夫そうなもの・・・壁?・・・あ、ぬり〇べ!!

ブォォン

「・・・驚いた。急に強度が上がったが、いったい何をした?」
「へへ。元いた世界の、最強の壁を少々・・・」
「最強の壁・・・?そんなものがお前のいた世界にあったのか・・・本当に不思議な世界だな」

正確には妖怪であり、キャラクターだから実在するわけじゃないんだけどね・・・。
まさか魔法のイメージに元いた世界のアレコレがこんなに役立つとは思わなかった。

「あ、れ・・・?」

急に立ち眩みのような眩暈がした。ヤバっ、思った以上に魔力を消費していたらしい。

「まったく、お前は・・・」
「んっ」

あたしの状態を察知したエルが、キスで魔力を補給してくれる。
・・・最近思うんだけど、魔力をくれるだけのキスなら舌を絡める必要ってないと思うの。

「んっはぁ・・・ふっ、んんっ・・・」

だって、ただでさえ与えられる魔力が甘いのに、こんなキスされたら・・・
案の定あたしは立っていられなくなり、エルに支えられる。

「エ、ル・・・」
「・・・まだ特訓中だ。少し休憩にするから、今はこれで我慢しろ」

エルはその言葉の通り魔力補給はキスだけで、それ以上のことはしてくれなかった。
ちょっと残念・・・いやいや、ダメだって!

エルを好きになってからちょっとしたことですぐえっちな気持ちになってしまう自分が恥ずかしいやら悲しいやら・・・



両思いになったらなったで、ますますエルに翻弄される日々になりました。
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