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2章 過去の自分と新しい出会い

自分の身を守る訓練をしましょう

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エルからいろいろ話をきいたけど、多少の引っかかりはあっても、結局何もわからないも同然だった。
この世界の人間だとしても、中身はあたしだ。
せっかく魔法のある世界に来て、好きな人と両思いになったのだ。
好きに生きたって良いじゃない!いや、好きに生きてやる!!

とりあえず、今あたしがしなきゃいけないのは、エルほどでないにしても魔力制御を完璧にして、自在にコントロールし使えるようになることである。
魔力の保有量は人それぞれだが、平民より貴族の方が魔力保有量が多い。
そして、幸か不幸か“魔力の器”であるあたしは、貴族である上に魔力の保有量がエルが認めるほど多いのだ。
魔法を覚えられたらそれだけで生活も便利になり、今までよりもっともっとエルの役に立てるようになる。

今は、”今できることをする”のみである。





そんなわけで、大分自分の身体の自己治癒に回る魔力が減ってきたあたしは、今日から新しい特訓開始です。

「今日はお前に、自分を守るためのシールドを張る方法を教える」

いきなり実践向けの特訓キターーーーーーーっ!!!
最初って初歩的なところから始めるんじゃないの?なんかすでに難しそうなんですけど・・・。

「いきなり1からシールドを張るのは難しいが、お前はすでにシールドを持っている。
 今日はそれを自在に発動できるようにする特訓だ」
「え?シールドを持ってる?」
「そのブレスレットだ」
「!!」

なんと!ブレスレットにそんなものが仕込まれてるなんて!!
しかも、仕込まれているのはそれだけじゃなくて、あたしの場所や状態を探知したり、魔物を寄せ付けないお守り、魔法を自動的に反射して相手に返したり(エルは除外)などいろんな魔法を込めたストーンが仕込まれている。
物理攻撃から守るシールドだけは、何が攻撃かの判断が難しいため、持ち主が発動させる必要があるんだとか。
思った以上にすごいブレスレットだった!!!

「ん?じゃあ、あたしの場所や状態って常にエルに筒抜けなの?」
「状態といっても、俺が探知魔法を発動した時に、居場所と大まかな喜怒哀楽がわかるくらいの魔法だ。」
「うぅ・・・それでもほぼ筒抜けじゃないか。あたしのプライバシーっていったい・・・」
「・・・前に村で男達に襲われたときは、それでお前の状態を察知したから駆け付けられたんだが?」
「!!」
「それでも到着が遅くなってしまった。俺が一緒にいたとしても、今後何があるかもわからない。
 俺を安心させる意味でつけていると思っていてくれ」
「エル・・・」

ブレスレットを作ったときからそんなこと考えてくれてたの?
やだ、なんかあたし思った以上に愛されてる・・・

「それに、お前の驚く顔を見るのもまた一興だからな」

違った!絶対本音はこっちだ!!
くそぅ・・・無駄にときめいちゃったじゃないか、この鬼畜エルフ!!!


気持ちが通じ合っても、俺様エルフは変わらないようです。
解せぬ。
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