【本編完結済】【R18】異世界でセカンドライフ～俺様エルフに拾われました～

１章 俺様エルフに拾われました

※番外編※ カルステッドの受難その１～エリュシオン様の好きなモノ～

※これから何かと損な役割をしそうなカルステッドの受難シリーズです。
（すでにシリーズ予定ｗ）

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俺がエリュシオン様に仕えるようになってからどれくらい経っただろうか。
今でこそ気軽に話していただけるようになったが、当時は会話どころか、目に入ることすら毛嫌いさせる状態だった。
なんとかこちらに害意がないこと、エリュシオン様を失いたくないこと(変な意味ではない)などを伝えたところ、俺に「誠意を見せるなら何かを犠牲にしてみろ」と仰り、カモフラージュで営業する店にあのキャラで店長として過ごすよう条件をつけてきた。
なかなか鬼畜・・・いや、斬新なお考えを持つお方だ。

・・・今でこそあのキャラと自分を使い分けることができるようになってきたが、極めれば極めるほど、俺の中でナニカを失うような気がする。
・・・うん、考えるのをやめよう。

まぁ、乗り掛かった船だ。とことん乗ってやる。
・・・ただ、嫁(本物のココット)や息子にだけは見せちゃいけない。
俺のナニカが間違いなく壊れてしまう・・・！！


こほん、話を変えよう。
俺の店こと“ココットの店”は、日用品・服飾など大抵のものは取り扱っている。
理由は簡単。エリュシオン様が求める可能性があるからだ。

さすがに女性用のものは少なかったが、サーヤが来てから少しずつ品数を増やしている。
見目の良いサーヤが店の服を着て歩いたら、それだけで良い宣伝にもなるからだ。
どうせならエリュシオン様も可愛いサーヤがそばにいた方が嬉しいはずだ。

懇意にしている服飾関係の職人でもあるのキャメロン(愛称はキャロ)は、俺が“ココット”として見本にしている本物のオカ・・・ごほん、心が女性の男だ。

サーヤ本人には強烈すぎるため、気配を殺して遠くから見ることしか許可していない。
・・・だが、最近奴の隠密スキルが上がっているのか、「今日のサーヤちゃんは○○だった💛」とか、その場にキャロはいなかったはずなのに、会話の内容やその日のサーヤの服装などを知っていることがある。
俺の勘が鈍ったのか？あんな巨体の気配に気づかないだと・・・ありえない、鍛錬が足りないんだろうか・・・
ってゆーか、服職人に隠密スキルって意味不明だろ！

サーヤを見た後の奴は凄い・・・『着せたい服がありすぎて、創造意欲が掻き立てられるの～💛💛』と、頼んでもいないのに怒涛のように作り始めるのだ。
・・・鬼気迫る勢いで、正直怖い。侍女でもないサーヤがフリルたっぷりの侍女の服とかいつ着るんだよ。


そんなサーヤから、ある日ちょっとした相談を持ちかけられた。

「ココットさん、あの…相談というか、聞きたいことがあるんですけど…」

サーヤの話を要約すると、エリュシオン様に魔法を教わりたいが、ただお願いしても良い反応が得られないし心苦しいので、せめてエリュシオン様の好きなモノを用意しつつ教えてもらおうと画策しているようだ。
確かに気まぐれなお方だ、お願いして素直に聞いている姿は俺でも想像できない。

好きなモノや食べ物がないか・・・とは、可愛らしい質問である。実に微笑ましい。

「エルは自分のこと話したがらないから・・・無理に聞くつもりはないからそれは別にいいんですけど、エルの好きなモノとかもわからなくて・・・」

・・・サーヤ、なんて良い子なんだ！
俺は全力でサーヤに協力するぞ！！

だがしかし、残念ながら俺もエリュシオン様の好みとか聞いたことないんだよな…

何か好きそうなものはあっただろうか…？