【本編完結済】【R18】異世界でセカンドライフ～俺様エルフに拾われました～

１章 俺様エルフに拾われました

魔法の特訓をしましょう

◇
ご飯を食べ、ほむちゃんと戯れつつ軽く休憩をし、念のため疲労回復魔法をエルにかけてもらって、いよいよ特訓開始です。
場所は家の裏にあるちょっとした広場。

エルは、薬草農園の他に食用の卵を産む十数羽の鳥を飼っていて、その広場でたまに放牧したりちょっとした実験をしているみたい。
本当になんでもやってるな、エル様。

今日はココで、自分の体内にある魔力の流れを理解し、コントロールする特訓です。
それができるようになると、部分的に魔力で覆った場所を強化する、いわゆる身体強化ができるようになるとのこと。
無事に習得したら、身体強化の特訓をしつつ井戸から水を汲んで水まきもできる。
まさに一石二鳥だ。
魔力を自在に操ることでできることも大分増えるが、あまりにも地道な作業なので、たいていの人は長続きせずすぐに大技を使いたくなるらしい。
気持ちはわからなくもないけど、基礎があっての応用。これは何にでも言えることだ。
地道な作業はわりと好きな方なので、魔法が使えるというだけでも嬉しいし、頑張ろう！

「まずは目をつぶり、手のひらを上にして両手を広げてみろ」

エルに言われた通り目を閉じて両手を広げる。

「まず魔力は身体の中心、ココにある。・・・わかるか？」

そう言って、エルの指が両胸の中心に触れ、そこがほんのりと温かいのを感じる。
急に触れられて思わずビクっとしてしまった。静まれ、静まれ。これは特訓だ。

「わかる。胸のあたりがほんのり温かい・・・これが魔力？」
「そうだ。その魔力が血液のように身体を循環するのをイメージをしてみろ」
「血液のように・・・」

エルに言われた通りイメージしてみる。内側から少しずつ温かさが広がっていき、ぽかぽかして気持ち良い。
お風呂に入ってるみたい。

「ほう、もうできたか。では魔力を片手にのみに集中してみろ」

全身から片手のみ？一気に難易度が上がったな。片手、片手・・・

「片手を魔力で覆うイメージだ。全身に使ってると一気に魔力を消費するぞ」
「う～～～」

片手のみ魔力で覆うイメージって・・・言うだけなら簡単だけどわかんないっての！！
う～～～ん・・・温かいのが魔力・・・手が温かくなるイメージ・・・手袋？というか、魔力手袋になるのか？

「お。これもできたか。覆う部分を自在に自分の意思でできるようになれ。簡単なようで意外と難しいが、無駄な魔力を消費しなくなる。コントロールできず、すぐ魔力不足になるバカは強かろうが単なる役立たずだ」

・・・なんだろう、嫌な思い出でもあるんだろうか。すごく実感がこもってる言い方だ。