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4章 いきなり始まった新婚生活

同じようで同じじゃない新生活*

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先日巻き込まれた事件をきっかけに、いろんな意味で死にそうな初体験を終えたかと思いきや、あたしは恋愛関係を飛ばしてカインズさんの婚約者となった。

カインズさんとしてはすぐにでも婚姻の手続きをしたかったようだけど、手続きを担っている教会の神父様が現在母親の看病で1週間ほど里帰りをしているため、帰って来てから婚姻の手続きをする事になっている。

恋愛経験がほぼないに等しいあたしが、いきなり婚約、そして1週間後には結婚という超スピード婚である。
しかも、相手はこの町で泣かされた女性も多いといわれる超イケメンで、ミムルちゃんという美幼女の娘付きという前世ではとても考えられない状況だ。


(彼氏をすっ飛ばして婚約・結婚だけでもビックリなのに、いきなり娘だもんね……天国のお母さんもさぞビックリしてるだろう)


だけど、カインズさんが「”夫婦”や”親子”という関係にはなるけど、今までの生活とさほど変わらないよ」と言ってくれたので、正直そこまで心配はしていない。

唯一懸念していたカインズさんとミムルちゃんによるあたしの争奪戦(主に夜)は、交代制にする事で無事に解決しているので、我が家にこれといった問題は今はないはずだ。
まぁ、あたしの意見は…?という気持ちも少しだけあったけど、正直カインズさんと毎日一緒に寝るとなると、寝るだけで済わけがないので、ミムルちゃんと眠る日を休養にあてられるのはありがたい。


そんな交代制を取り入れてから数日、昨夜はミムルちゃんの部屋で眠ったことで朝スッキリと起きることができたあたしは朝食の準備をしていた。

少し早起きしてしまったので、普段朝食用に使っているパンを使ってパングラタンを作ろうかなと思ったのだ。
生地から作りたかったけど、前世でお世話になっていたパイシートはもちろんこの世界に存在していないし、粉から生地を作ったことがないあたしにはレシピがわからない。

……改めて考えると、自分が元いた世界と言うのはなんと便利な世界だったのかと思ってしまう。

(こんな事になるなら、料理いっぱいしておくんだったな……)

一人暮らしだったから一通りの家事はできるけど、それは家電や調理器具、調味料があったからこそだ。
この世界……少なくとも、一般家庭にある調味料は、塩、コショウ、砂糖……はあるけど少し高価で、砂糖の代わりに安価の甘めの蜂蜜が重宝されている。

マヨネーズやソースと言った完成された調味料はもちろんないが、シュリーが栽培している“コルツ”という木の実が粉末にするとコンソメに似た味なので、粉末状にしたモノを分けてもらいスープにしたり今日みたいにグラタンにしたりと、我が家で大活躍している。

後、シュリーは薬草やハーブも栽培しているので、近々こちらの庭にもいくつか家庭菜園用にお裾分けしてもらう予定だ。

(お酢みたいな調味料もあったから、マヨネーズは頑張れば作れそうな気がするんだよね)

大皿にパンの柔らかい部分を敷き詰め、コルツで味付けした野菜たっぷりのホワイトソースを流し込み、たっぷりチーズとバターを乗せてからピザ窯のようなオーブンで焼く。

この世界の一般家庭にはこういったオーブンがあり、火の精霊にお願いするかもしく魔法を使うのだが、あたしやミムルちゃんは魔法が使えないので、魔石という魔法を封じ込めた石を利用していた。
魔力が減って、魔石の色が普通の石のようになってきたらカインズさんが魔力を補充してくれるので、何度でも使えてとても便利だ。

「あ、そろそろ魔石の魔力を補充してもらった方が良いかも……」

グラタンを焼きながら、使った器具を洗っていると後ろから急に抱きしめられた。

「おはよ、ミカヅキ。今日は早いんだね、そしてすごくいい匂いがする……」
「カインズさん、おはようございます。いつもより早く目が覚めたから、美味しい朝ご飯でも作ろうかなと思って……」
「ふふっ、朝からミカヅキの美味しいご飯が食べれるなんて幸せだなぁ」

朝が少しだけ弱いカインズさんは、起きて早々甘えたがるという可愛い一面がある。
一緒に眠っていると、そのまま朝から美味しくいただかれてしまう事も多々あって困るけど、昨夜はミムルちゃんの部屋で眠ったので、ベッドじゃないしミムルちゃんもそのうち起きてくるだろうから、今だけ少しくらい甘えさせてあげようかなと思ってそのままカインズさんを好きにさせておいた。


……それがそもそもの間違いだった。


「ミカヅキ、良い匂い……」
「ふふっ、今朝はパングラタンですよ。カインズさんも好きで……ひゃっ」
「ん…好きだよ、ミカヅキ……ぁむっ、ちゅ」
「や、あのっ、あたしじゃなくて……ぁ、待って待って!!そっちは……んんっ」

背後から抱きしめていたカインズさんは、うなじにキスをしたり甘噛みしながら手をするっと下から差し込んで下着越しに胸をもにゅもにゅと揉みしだき、ススーっと少しずつ太ももから手を這わせ、下着の上から大事で敏感なトコロにも触れてくる。

洗い物をしているため、手に洗剤が付きっぱなしのあたしはカインズさんの動きをすぐに制する事ができず、手を拭いてやめさせようとした頃にはすでに秘所を弄られていて身体から力が抜けてしまい、倒れないよう支える事しかできなかった。

「ぁ、やっ、ダメ、カインズさ……んぅっ、指、そんな奥、まで…あぁっ」
「ふふっ、ミカヅキのココは嬉しそうだよ。それに、そんなに脚を開いちゃって、奥まで欲しいのはミカヅキなんじゃない?……ねぇミカヅキ、挿入れてもいい?」
「……っ、ぁ、ダメ……ミムルちゃん、起きて、きちゃ……」
「大丈夫だよ、まだミムルが起きる時間じゃないから。……ほら、もうこんなにぬるぬるして…挿入っちゃいそうだよ?」

下着をずらし、カインズさんJrがあたしの秘所に直接擦り付けられる。
あたしの愛液と、カインズさんの先走りのどちらか、もしくは両方でぬるぬるしている淫らな蜜口は、少しずつ口を開けてカインズさんを飲み込もうとしているようにも感じる。

「っぁ、ダメ……挿入っちゃ…」
「ふふっ、ミカヅキのココは”俺が欲しい”って口をパクパクしてるみたいだよ……ほら」
「ゃ、違っ……あぁぁぁぁぁっ」

立ったまま背後からゆっくり挿入されるカインズさんのモノは、メリメリっとあたしのナカを押し広げるように少しずつ入ってくる。
あの死ぬかと思った初体験から数日しかたっていないあたしの身体は、まだカインズさんJrの大きさに慣れておらず、痛みまでは感じないもののいつもと違う角度でいきなり挿入って来るのはさすがに苦しい。

「ハァッ……ぁっ、く、るし…」
「ミカヅキ、力抜いて?俺を受け入れて……」
「んっ、ぁふ、ん、んんっ、~~~~~~~~~~~~~っ」

顔だけカインズさんの方を向かされ、くちゅくちゅと舌を絡めるあたしの好きなキスで身体の力が少し抜けた瞬間、カインズさんJrは一気に奥まで挿入ってきた。
ビリビリっと電気が駆け抜けたような衝撃で頭がチカチカして、意図せずにカインズさんJrをきゅんきゅんとリズミカルに勝手に締め付けていた。

(え……なに?今何が起こったの……?)

「ミカヅキ、挿入れただけでイっちゃったの?……もう可愛すぎでしょ」
「ハァッ、ハァッ……え?うそ…」
「しかもさっきから俺の事も離すまいと締め付けちゃって……ごめんね、優しくできないかも。我慢できない」
「へ……?」

ピッタリと隙間なくあたしのナカに収まっているカインズさんJrは、抉るように激しいピストンで攻め立ててきた。
身体の力が思うように入らないあたしはもちろん耐えられるわけもなく、だんだん身体が前のめりになってきて、自然とお尻を突き出すような体勢になってしまう。

「やっ、カインズさん、激しっ……んぁぁっ、やぁっ、恥ずかし、い……ぁんっ、ばかぁっ」
「ごめ……っ、も、イク、から……ハァッ、もう少しだけ……」
「ふぁっ?!ゃ、そこ摘まんじゃ……痛っ、やぁっ、も、無理っ、~~~~~~~~~~っ」

激しい抽挿をされながら敏感なクリをきゅぅっと摘ままれ、カインズさんの顔の位置がある首の付け根をガブっと少し痛いくらいに甘噛みされる。
少し乱暴で痛いくらいなのに、カインズさんに求められてると思うだけで快感に変わってしまうあたしの身体は、カインズさんのせいでどんどんおかしくなる。

これ以上ないくらい奥まで挿入ったカインズさんは、ドクン、ドクン、と最奥で欲望をまき散らす。


(ん……熱い…でも、ナカにまでカインズさんを感じられるこの時間って結構好きかも……なんて、あたしっておかしいかな?)


カインズさんのすべてを受け止めたみたいな満足感と言うんだろうか……
“俺のモノだ”ってなんかマーキングされてるみたいな感じ。
……恥ずかしくてカインズさんには言えないけど。


息を整えたカインズさんは、あたしの肩口に顔を埋めながらもじもじと謝罪してきた。

「……ごめんね、ミカヅキ。ちょっとだけちょっかい出すつもりが止まらなくなっちゃった」
「もぅ……作ってる間はこーゆーコトダメです。罰として、付け合わせのサラダはカインズさんが作って下さいね。それで許してあげる」
「ふふっ、了解☆じゃ、ミカヅキはシャワーでも浴びてきて。……続きは今夜ね♡」
「……へ?」

そう言って優しくお風呂の入り口へと促されたけど、カインズさんに言われた言葉が頭をリピートしてしまい、すぐに行動を移せなかった。


「続きは今夜、って……続きって何?え、今夜もって事?えっちって、そんな頻繁にスルものなの??」


初体験から間もない上に、もうすぐカインズさんと夫婦になるあたしには、恋愛についてもえっちについても、何が常識で何が非常識なのかまったくわからず、しばらくはカインズさんの言葉に翻弄される日々を過ごしていた。
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