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3章 うれしはずかし新生活

40 あたしの処女、貰って下さい4 inカインズside

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部屋に運んで間もなく、ミカヅキは意識を取り戻した。

「……ん、ぁれ…?」
「気が付いたか?ミカヅキ」
「おねーちゃ、だいじょうぶ?」
「えっと、あたし……どうして?」
「風呂でのぼせて気を失ったんだ。ミムルが慌てて呼びに来たから俺もビックリしたよ」
「お風呂で……のぼせ、て……?」

だんだん意識がはっきりしてきたミカヅキが、何かを思い出したのかまた顔が赤くなってきた。
今日の出来事ではなく、俺が言った言葉を思い出して赤くなってるなら嬉しいけど、だからと言って弱ってるミカヅキを抱くほど俺は鬼畜じゃない。

今日はとりあえず早々に退散して休ませた方が良いだろう。

「まだ身体が熱いみたいだから、タオル交換しておくな。
 じゃ、俺は部屋に戻るから二人ともゆっくり休めよ?」
「ん、わかった。……ぱぱ、おやすみ、なさい……」
「!!…ははっ、”パパ”か……改めて呼ばれるとなんかくすぐったいな。
 ……おやすみ、ミムル……ミカヅキも、おやすみ」
「……」

初めてミムルに”パパ”と呼ばれた。
引き取ってからずっと父親気分ではあったけど、それは俺が勝手に思ってるだけだとどこかで自信がなかったから、認められたようで嬉しい……だけど、どこかくすぐったいような不思議な気分だ。

そして、ミカヅキが何か言いたげな顔をしてたけど、一緒にいるとさっき見たミカヅキの裸を思い出して身体が反応するか襲ってしまいそうだったので、あえて気付かないフリをした。


(とりあえず俺も風呂に入って、少しでも発散しておくか……はぁ、ここ1年くらいはずっと女を抱かない生活だったから、ミカヅキには身体がすぐ反応しちゃうんだよな…)


風呂で何度か発散して自分の息子を落ち着かせてから部屋に戻ると、誰もいないはずなのに人の気配がした。
気配を殺して近づいてみると、ミカヅキが俺の脱ぎ捨ててあったシャツを羽織って、何やら嬉しそうにしている姿が目に入る。

「へへっ、カインズさんの匂いだ。なんか、抱きしめられてるみたい……」
「くすっ、言ってくれたらいくらでも抱きしめてあげるのに」
「え……?」

ミカヅキの仕草や言動が可愛すぎて、思わず後ろから抱きしめた。

「ミカヅキ、身体はもう大丈夫なの?」
「(コクッ、コクッ)」

顔を赤くしながら口をパクパクして驚いてる姿も可愛いなぁと思ったけど、わずかに身体が震えている。

(やっぱり今日の事を思い出して怖がらせてるみたいだな……早々に離れよう)

「……ミカヅキ、今日はいろいろあって疲れただろう?無理しなくて良いからミムルの部屋に戻ろう?」
「……っ」

すぐにミカヅキから離れドアの方へと向かおうとしたら、ぐいっと引き寄せられ口唇に柔らかいモノが触れる。

「んっ?!……ミカ、ヅキ……?」
「…好き……好きです、カインズさん」
「……え?」

一瞬ミカヅキの言った言葉が理解できなかった。
だけど、次の一言はハッキリと聞こえた。

「あ、あたしの処女……貰って、下さぃ…」
「!!!!」

ミカヅキが、俺を好き……?
しかも、「処女を貰って下さい」だって……??

(夢か?夢なのか?目の前にいるミカヅキは幻だったりするのか??)

半信半疑のまま目の前のミカヅキを抱き上げてベッドへ連れて行き、優しく降ろしてから押し倒すように覆いかぶさってみる。
振れている感触も夢や幻ではなく、しっかりと現実のようだ。

「……ミカヅキ、ホントに良いの?」
「(コクリ)」
「さすがにあんなコト言われて……俺、今回は途中で止める自信ないよ?」
「……元々、今夜はあたしの処女もらうって言ってたじゃないですか……」
「あれは……その、今日あんなことがあったなんて忘れさせたかったし…でも、俺が同じ事してもミカヅキを怖がらせるだけじゃ……」

押し倒しておいてなんだけど、さらにトラウマを与えるようなことはしたくない。
今だって、様子を伺いながら優しく頬に触れたりしているが、現在俺の中では天使と悪魔が激しい戦闘を繰り広げてる真っ最中だ。

“ミカヅキが良いって言ってるんだから抱いちゃえよ”という悪魔。

        VS

“ミカヅキが大切なら紳士のようにエスコートして寝室へ送り届けるんだ!”と囁く天使。

ハッキリ言って悪魔の方が優勢だが、ミカヅキの一言で完全にトドメを刺された。

「カインズさん、お願い……もっと“消毒”して?あたしを、カインズさんでいっぱいにして欲し……んんっ」

ミカヅキが言葉を言い終える前に我慢できなくなって噛みつくような口付けをする。

(何なの?!この可愛い生き物いったい何なの??!!
 もう紳士とか無理、このままいただいちゃって良いよね??)

理性を失った獣のようにミカヅキの口唇を堪能していると、最初は受け身だったミカヅキもだんだん自分からおずおずと舌を絡めて応えようとしてくる。
それがまた堪らなく可愛い。

「んっ、ふっ、ぁふ……カイ、んむっ、んんっ」
「……ハァッ、ミカヅキの初めてを貰う時はなるべく優しくしようと思ってたのに……そんなに煽られたら優しくする自信ないんだけど…」

なるべく優しくしたい、でも快感に激しく乱れるミカヅキも見てみたい。
もう処女を貰う事は確定だけど、ミカヅキのペースに合わせるかどうするかで俺の中でまた理性が戦っていた。

「……えっちなカインズさんも、その……好き、ですよ?……」
「……」

この可愛い生き物は俺をどうしたいのか……

(ごめん、ミカヅキ。
 優しくとか、ムードを作ろうかとか、もうそういうの無理だわ…)

「……わかった。約束通り痛みなんて感じないくらいめちゃくちゃ気持ち良くしてあげるね、ミカヅキ♡」
「??!!(ゾワゾワッ)」

初めてのミカヅキにとっては死刑宣告みたいに聞こえたかもしれないけど、気持ち良すぎて死ぬって事はないから安心して欲しい。
ってか、俺がそんな事させない。


(ただし、めちゃくちゃ気持ち良くしてあげる気は満々だけどね♪)


俺は再びミカヅキに深い口付けをしながら、いつもしているみたいに服を脱がせつつ若干性急にミカヅキの身体を解していった。
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