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3章 うれしはずかし新生活
20 これは告白?それとも脅迫??*
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◇
「……もうやだ。あたし、町の中歩けません…」
「ミカヅキ…お願いだからそこから出てきて買い物行こう?生活に必要なモノをこれから買わないといけないんだろ?」
「うぅ……そうですけどぉ…」
今あたしは、建物と建物の間に膝を抱えてしゃがみ込んでいた。
ミムルちゃんはあたしのあたまをポンポンッと優しく撫でてくれている。
……――――――――そもそも、どうしてこうなったかと言うと…
ハンスさんのお店で食事を済ませたまでは良かった。
ご飯もとても美味しかったし、デザートもオマケしてもらっちゃったし、また行きたいなって思える素敵なお店だったのだ。
でも、お店を出るや否や、ハンスさんのお店で答えてしまったことがなぜか町の人に知れ渡っていて、いろんな人から「結婚おめでとう!」とか「式は挙げるのか?」と祝福されたり拍手されたりとことあるごとに話しかけられるのだ。
こちらとしては恥ずかしくて仕方がない。
「……カインズさんも、なんで町の人達にあんな風に言われて訂正しないんですか?
そもそもカインズさんがきっぱり否定してくれたら、こんなたくさんの人に誤解されることもなかったのに……」
「……」
「……ミムル、ちょっとミカヅキと大事な話があるから、すぐそこのジェレミーおばさんのお店で待っててくれないか?あとで俺達も行くから、それまで好きなお菓子食べてて良いぞ」
「……」
「大丈夫だ。俺を信じろ、ミムル」
「……(コクン)」
カインズさんとミムルちゃんが何かを話してるのはわかったけど、内容まではわからなかった。
でも、頭を撫でてくれる小さな気配が遠ざかっていくのだけはわかった。
「……あの、ミムルちゃんは?」
しゃがんだまま、顔を少しだけあげてカインズさんに聞いてみた。
すると、目線が同じ位置に来るようにすぐそばでカインズさんがいたので、思わずドキッとした。
「ミムルはすぐそこのお店でお菓子を食べながら待ってるよ」
「え?一人でですか?」
「あぁ。ミムルも知ってる人のお店で何度も来たことがあるから問題ない」
「そう、ですか……」
「はぁ……ミカヅキは俺にずっと敬語のままだけど、そんなに俺のことが嫌いなのか?」
「へ?……んんっ?!」
突然目の前いっぱいに広がったカインズさんの顔と、柔らかい口唇の感触を理解するのに数秒かかったと思う。
背後の壁にコツンッと当たった衝撃はあったけど、間に挟まってあたしの頭を固定しているカインズさんの手がその衝撃を和らげてくれたようだ。
(えっと、何でまたカインズさんにキスされてるの?!今って“お仕置き”とは言ってなかったよね??)
確かカインズさんは「俺のことが嫌いなの?」って……――――――?
「んっ、カインズさん、さっき言ってたこと……ぁふ、んむっ」
前回同様、にゅるんと口内に侵入してきたカインズさんの舌が、生き物のように舌を絡めたり歯列をなぞられ、ゾクゾクッという感覚とお腹の下の辺りがきゅんっと切なくなってきた。
「ぁ、ふぁっ…ん、待ってっ、カインズさ……んんっ」
「はぁ…俺は初めてミカヅキを見たときから可愛いと思ってたし、ミムルもミカヅキを好きみたいだから、このまま俺のモノのなってくれたら嬉しいなと思ったんだ……」
「……え?」
「だから、町の人達にどう見られようがハンス達に誤解されようが、それが本当になれば良いと思って……だから否定しなかった」
「……」
(……嘘…カインズさん、そんな風に思って……)
「今朝、風呂で口付けしたときはミカヅキ気持ち良さそうに反応してくれてたから、少しは俺のこと好きなのかなって思ってたけど、ミムルには笑顔で砕けた口調なのに未だに俺には敬語のままで距離を置いてるし、ハンス達に誤解されて困った顔してるし、俺とは親しくなる気はないのかって少し腹立たしい……」
(いやいやっ!敬語なのは知り合って間もないからだし、カインズさんの方が年上だろうから普通なのに!!
それにカインズさんにどう思われてるかわからない状態で誤解されたら、普通に困るし否定するでしょうがっ!!!
ってか、カインズさんに好かれてたの?!今初めて知ったんですけど!!)
思わぬ告白(?)に恥ずかしさよりも驚きが勝り、しばらく呆然としていると別の感触があたしを襲った。
(もにゅんっ)
「ひゃぅっ」
「……え?嘘、この感触ってもしかして……」
「やっ、あぁぁぁっ……っふ、んぐっ」
シュリーに借りた服の上からもにゅもにゅと胸を揉まれ、思わず大きい声が出てしまうも、ココがどこだか瞬時に思い出し慌てて手で口を塞いだ。
(バレたっ!バレる前に下着屋さんに行きたかったのにっ!!もうやだっ、帰りたいっ!!!)
恥ずかしくて泣きそうでいっぱいいっぱいになってたら、胸が外気に触れるひんやりとした感触で我に返った。
でも我に返ったと同時に、さっきとは比べ物にならない快感が身体を襲った。
「ひゃぁぁぁんっ」
「下着を付けてないなんて、ミカヅキって意外といやらしい……
ん、ココ、ぷっくりして美味しそ…ミカヅキ、可愛い…レロッ」
「や、やめっ…ぁんっ、舐めちゃ、やぁ……」
「はぁっ、ダメ、可愛いすぎ…もっと声聞かせて」
「んぁっ、やっ、吸わない、でぇ……んんっ、も、やぁ…」
ビリビリと電気が走ったみたいで、身体がどんどん熱くなる。
気持ち良すぎて身体に力が入らない。
やめて欲しいのに、もっとして欲しいと思う自分もいる。
身体と心がちぐはぐ過ぎる上に、身体を駆け巡るとてつもなき快感も加わっておかしくなりそうだった。
そして、完全にキャパオーバーになったあたしは、気が付けば涙をぼろぼろ流して泣いていた。
「……っふぇ…ック」
「!!……ミカヅキ…」
「~~~~~~~っ、カインズさ…ック、バカぁぁ…」
「ごめん……泣くほど、イヤだった?」
「うぅ~~~~~~っ」
“ごめん”とか”可愛すぎて思わず先走った”とか、謝罪を繰り返しながら服を正し、あたしを優しく抱きしるカインズさん。
カインズさんの腕にすっぽりと収まりながら、一連の行動がイヤだったのかどうかを考えてみた。
(……ビックリしたし、恥ずかしい気持ちはたくさんあるけど、イヤ…ではない、かな……?)
お風呂でキスされたときも、ここで口や胸にキスされたときも、今も恥ずかしいけどイヤな感じはしなかった。
(今みたいに優しく抱きしめられると、温かくて…恥ずかしいけど嬉しい。なんだかすごく安心する……――――――)
「イヤ……じゃない、です」
「……ホント?」
「はい…でも、すごく…その、恥ずかしい…デス」
カインズさんの抱きしめる腕が少しだけ強くなった。
「はぁ~~~~~~~、良かったぁぁ……ミカヅキに嫌われてたら、俺…」
「カインズさん…」
「身体だけでも俺なしじゃいられないよう刻み付けるところだった……」
「え…」
知識の乏しいあたしでも、今の発言がものすごく怖いことだとわかり、ぞわわっと寒気がした。
回答を間違えなくて本当に良かった……
「あの…カインズさんって、あたしのこと……その…」
「ん、好きだよ」
「!!!」
確認しなきゃと思って勇気を出して聞いたことに即答され、一気に顔がかぁぁぁぁっと熱くなる。
「ふふっ、顔赤くしちゃって…可愛いなぁ、ミカヅキは」
「あぅぅ……」
「で、ミカヅキは?……俺のこと好き?」
「!!!!!!」
まさか聞き返されると思ってなくて、思わず口をパクパクとしてしまう。
(好きかどうか…嫌いではないけど、じゃあ好きかっていうとまだそこまでわからないよっ!!)
「わ…かりません……」
「……わからない?」
「だって、まだ知り合ったばっかりで…カインズさんのこと、全然知らない…から……」
最後の方は尻すぼみでカインズさんに聞こえてたかどうかわからないけど、“そっか…”と反応してるからちゃんと伝わったんだろう。
「…ミカヅキ、もしかして……初めて?」
「へ?初めてって、何がですか?」
「男。口付けしたりミカヅキに触れるのは、俺が初めて?」
カインズさんに言われて、初めての彼氏との初体験を思い出した。
(えっちのとき少し挿入れただけでものすごく痛くて、それ以降拒否し続けた結果別れたんだよね……)
それ以来男性自体を敬遠するようになって今に至るけど、一応アレが初体験だろうから"初めて"ではないだろう……と思う。
「えっと……初めて、ではないです」
(ピクッ)
気のせいだろうか?一瞬ゾクリと寒気がした気がした。
「あの…カインズさん?」
「……ふ~ん、そうかそうか。俺が初めてなわけじゃないのか……」
「??」
よくわからないけど、目の前のカインズさんはなんだか危険な感じがして腕から抜け出そうと試みた。
……あれ、おかしい。ビクともしない。
「……ミカヅキ、逃げようとしても無駄だよ」
「え……んっ」
首元にぬるりとした感触があったかと思ったら程なく小さな痛みに変わった。
身動きが取れないから、カインズさんがあたしの首元に顔を埋めて何をしてるか分からないけど、ようやく開放してくれたカインズさんは、ものすごく良い笑顔をしていた。
「これからは、ミカヅキが俺を好きになってくれるよう頑張るよ。… だから、覚悟しておいて♪
(これからは、遠慮なく迫って俺なしじゃいられないようにしてやるよ。…だから、覚悟しておけ♪)」
「??!!」
言った言葉とまったく違う台詞が聞こえた気がしてならないけど、カインズさんに不可解な宣言をされて、また甘く蕩けそうなキスをされうやむやにされてしまった。
(あれ?あたしって今カインズさんに告白されたの?脅迫されたの??どっちなの???
ってか、こんなことされてこの後普通に買い物なんてできるかぁぁぁっ!!
カインズさんのバカぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!)
告白なのか脅迫なのかわからない攻防が終わった直後、急に辺り一面がパァ――――――ッと真っ白な光に包まれた。
「……もうやだ。あたし、町の中歩けません…」
「ミカヅキ…お願いだからそこから出てきて買い物行こう?生活に必要なモノをこれから買わないといけないんだろ?」
「うぅ……そうですけどぉ…」
今あたしは、建物と建物の間に膝を抱えてしゃがみ込んでいた。
ミムルちゃんはあたしのあたまをポンポンッと優しく撫でてくれている。
……――――――――そもそも、どうしてこうなったかと言うと…
ハンスさんのお店で食事を済ませたまでは良かった。
ご飯もとても美味しかったし、デザートもオマケしてもらっちゃったし、また行きたいなって思える素敵なお店だったのだ。
でも、お店を出るや否や、ハンスさんのお店で答えてしまったことがなぜか町の人に知れ渡っていて、いろんな人から「結婚おめでとう!」とか「式は挙げるのか?」と祝福されたり拍手されたりとことあるごとに話しかけられるのだ。
こちらとしては恥ずかしくて仕方がない。
「……カインズさんも、なんで町の人達にあんな風に言われて訂正しないんですか?
そもそもカインズさんがきっぱり否定してくれたら、こんなたくさんの人に誤解されることもなかったのに……」
「……」
「……ミムル、ちょっとミカヅキと大事な話があるから、すぐそこのジェレミーおばさんのお店で待っててくれないか?あとで俺達も行くから、それまで好きなお菓子食べてて良いぞ」
「……」
「大丈夫だ。俺を信じろ、ミムル」
「……(コクン)」
カインズさんとミムルちゃんが何かを話してるのはわかったけど、内容まではわからなかった。
でも、頭を撫でてくれる小さな気配が遠ざかっていくのだけはわかった。
「……あの、ミムルちゃんは?」
しゃがんだまま、顔を少しだけあげてカインズさんに聞いてみた。
すると、目線が同じ位置に来るようにすぐそばでカインズさんがいたので、思わずドキッとした。
「ミムルはすぐそこのお店でお菓子を食べながら待ってるよ」
「え?一人でですか?」
「あぁ。ミムルも知ってる人のお店で何度も来たことがあるから問題ない」
「そう、ですか……」
「はぁ……ミカヅキは俺にずっと敬語のままだけど、そんなに俺のことが嫌いなのか?」
「へ?……んんっ?!」
突然目の前いっぱいに広がったカインズさんの顔と、柔らかい口唇の感触を理解するのに数秒かかったと思う。
背後の壁にコツンッと当たった衝撃はあったけど、間に挟まってあたしの頭を固定しているカインズさんの手がその衝撃を和らげてくれたようだ。
(えっと、何でまたカインズさんにキスされてるの?!今って“お仕置き”とは言ってなかったよね??)
確かカインズさんは「俺のことが嫌いなの?」って……――――――?
「んっ、カインズさん、さっき言ってたこと……ぁふ、んむっ」
前回同様、にゅるんと口内に侵入してきたカインズさんの舌が、生き物のように舌を絡めたり歯列をなぞられ、ゾクゾクッという感覚とお腹の下の辺りがきゅんっと切なくなってきた。
「ぁ、ふぁっ…ん、待ってっ、カインズさ……んんっ」
「はぁ…俺は初めてミカヅキを見たときから可愛いと思ってたし、ミムルもミカヅキを好きみたいだから、このまま俺のモノのなってくれたら嬉しいなと思ったんだ……」
「……え?」
「だから、町の人達にどう見られようがハンス達に誤解されようが、それが本当になれば良いと思って……だから否定しなかった」
「……」
(……嘘…カインズさん、そんな風に思って……)
「今朝、風呂で口付けしたときはミカヅキ気持ち良さそうに反応してくれてたから、少しは俺のこと好きなのかなって思ってたけど、ミムルには笑顔で砕けた口調なのに未だに俺には敬語のままで距離を置いてるし、ハンス達に誤解されて困った顔してるし、俺とは親しくなる気はないのかって少し腹立たしい……」
(いやいやっ!敬語なのは知り合って間もないからだし、カインズさんの方が年上だろうから普通なのに!!
それにカインズさんにどう思われてるかわからない状態で誤解されたら、普通に困るし否定するでしょうがっ!!!
ってか、カインズさんに好かれてたの?!今初めて知ったんですけど!!)
思わぬ告白(?)に恥ずかしさよりも驚きが勝り、しばらく呆然としていると別の感触があたしを襲った。
(もにゅんっ)
「ひゃぅっ」
「……え?嘘、この感触ってもしかして……」
「やっ、あぁぁぁっ……っふ、んぐっ」
シュリーに借りた服の上からもにゅもにゅと胸を揉まれ、思わず大きい声が出てしまうも、ココがどこだか瞬時に思い出し慌てて手で口を塞いだ。
(バレたっ!バレる前に下着屋さんに行きたかったのにっ!!もうやだっ、帰りたいっ!!!)
恥ずかしくて泣きそうでいっぱいいっぱいになってたら、胸が外気に触れるひんやりとした感触で我に返った。
でも我に返ったと同時に、さっきとは比べ物にならない快感が身体を襲った。
「ひゃぁぁぁんっ」
「下着を付けてないなんて、ミカヅキって意外といやらしい……
ん、ココ、ぷっくりして美味しそ…ミカヅキ、可愛い…レロッ」
「や、やめっ…ぁんっ、舐めちゃ、やぁ……」
「はぁっ、ダメ、可愛いすぎ…もっと声聞かせて」
「んぁっ、やっ、吸わない、でぇ……んんっ、も、やぁ…」
ビリビリと電気が走ったみたいで、身体がどんどん熱くなる。
気持ち良すぎて身体に力が入らない。
やめて欲しいのに、もっとして欲しいと思う自分もいる。
身体と心がちぐはぐ過ぎる上に、身体を駆け巡るとてつもなき快感も加わっておかしくなりそうだった。
そして、完全にキャパオーバーになったあたしは、気が付けば涙をぼろぼろ流して泣いていた。
「……っふぇ…ック」
「!!……ミカヅキ…」
「~~~~~~~っ、カインズさ…ック、バカぁぁ…」
「ごめん……泣くほど、イヤだった?」
「うぅ~~~~~~っ」
“ごめん”とか”可愛すぎて思わず先走った”とか、謝罪を繰り返しながら服を正し、あたしを優しく抱きしるカインズさん。
カインズさんの腕にすっぽりと収まりながら、一連の行動がイヤだったのかどうかを考えてみた。
(……ビックリしたし、恥ずかしい気持ちはたくさんあるけど、イヤ…ではない、かな……?)
お風呂でキスされたときも、ここで口や胸にキスされたときも、今も恥ずかしいけどイヤな感じはしなかった。
(今みたいに優しく抱きしめられると、温かくて…恥ずかしいけど嬉しい。なんだかすごく安心する……――――――)
「イヤ……じゃない、です」
「……ホント?」
「はい…でも、すごく…その、恥ずかしい…デス」
カインズさんの抱きしめる腕が少しだけ強くなった。
「はぁ~~~~~~~、良かったぁぁ……ミカヅキに嫌われてたら、俺…」
「カインズさん…」
「身体だけでも俺なしじゃいられないよう刻み付けるところだった……」
「え…」
知識の乏しいあたしでも、今の発言がものすごく怖いことだとわかり、ぞわわっと寒気がした。
回答を間違えなくて本当に良かった……
「あの…カインズさんって、あたしのこと……その…」
「ん、好きだよ」
「!!!」
確認しなきゃと思って勇気を出して聞いたことに即答され、一気に顔がかぁぁぁぁっと熱くなる。
「ふふっ、顔赤くしちゃって…可愛いなぁ、ミカヅキは」
「あぅぅ……」
「で、ミカヅキは?……俺のこと好き?」
「!!!!!!」
まさか聞き返されると思ってなくて、思わず口をパクパクとしてしまう。
(好きかどうか…嫌いではないけど、じゃあ好きかっていうとまだそこまでわからないよっ!!)
「わ…かりません……」
「……わからない?」
「だって、まだ知り合ったばっかりで…カインズさんのこと、全然知らない…から……」
最後の方は尻すぼみでカインズさんに聞こえてたかどうかわからないけど、“そっか…”と反応してるからちゃんと伝わったんだろう。
「…ミカヅキ、もしかして……初めて?」
「へ?初めてって、何がですか?」
「男。口付けしたりミカヅキに触れるのは、俺が初めて?」
カインズさんに言われて、初めての彼氏との初体験を思い出した。
(えっちのとき少し挿入れただけでものすごく痛くて、それ以降拒否し続けた結果別れたんだよね……)
それ以来男性自体を敬遠するようになって今に至るけど、一応アレが初体験だろうから"初めて"ではないだろう……と思う。
「えっと……初めて、ではないです」
(ピクッ)
気のせいだろうか?一瞬ゾクリと寒気がした気がした。
「あの…カインズさん?」
「……ふ~ん、そうかそうか。俺が初めてなわけじゃないのか……」
「??」
よくわからないけど、目の前のカインズさんはなんだか危険な感じがして腕から抜け出そうと試みた。
……あれ、おかしい。ビクともしない。
「……ミカヅキ、逃げようとしても無駄だよ」
「え……んっ」
首元にぬるりとした感触があったかと思ったら程なく小さな痛みに変わった。
身動きが取れないから、カインズさんがあたしの首元に顔を埋めて何をしてるか分からないけど、ようやく開放してくれたカインズさんは、ものすごく良い笑顔をしていた。
「これからは、ミカヅキが俺を好きになってくれるよう頑張るよ。… だから、覚悟しておいて♪
(これからは、遠慮なく迫って俺なしじゃいられないようにしてやるよ。…だから、覚悟しておけ♪)」
「??!!」
言った言葉とまったく違う台詞が聞こえた気がしてならないけど、カインズさんに不可解な宣言をされて、また甘く蕩けそうなキスをされうやむやにされてしまった。
(あれ?あたしって今カインズさんに告白されたの?脅迫されたの??どっちなの???
ってか、こんなことされてこの後普通に買い物なんてできるかぁぁぁっ!!
カインズさんのバカぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!)
告白なのか脅迫なのかわからない攻防が終わった直後、急に辺り一面がパァ――――――ッと真っ白な光に包まれた。
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