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2章 美幼女の秘密
11 祝?レベルアップ
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◇
拝啓 天国のお母さん。
あたしが異世界でワンコ姿に転生してから、早いものでもうすぐ1ヶ月になります。
毎日いろんなことがありますが、新しい生活にも少しずつ慣れてきました。
でも、慣れればなれるほど、大切なナニカをなくしているような……そんな気持ちにもなります。
異世界って本当に凄いですね。いろんな意味で。
そうそう。
今日はお母さんに報告したい事があるんです。
あたしね、やっとレベルというモノが上がりました!
レベルが上がればいろんな力が増えて、人間に戻ったときも便利だと思うので、これからもレベル上げ頑張ります!!!
え?どうやってレベルが上がったかって??
えっと、それは……――――――――――
◇
「きゅぅっ、きゅうぅぅ~~~~~~~っ!!(いい加減にして!何度言わせればわかるのよ!!)」
「ぃってぇぇぇぇぇぇ~~~~~~~っ!!!
ミカヅキ、お願いっ!
ソコだけは…ソコだけは噛まないでぇぇぇぇぇ!!」
ここはお風呂の中。
今日も今日とて、あたしはカインズさんと一緒にお風呂に入り、身体を洗ってもらっている。
お風呂に入ること自体にはもう慣れたモノだが、どうにも慣れない……いや、慣れてはいけないモノというのがあると思うのです。
それは……――――――――――
「はぁ…自分には回復魔法使えないし、他の人に俺の大事な息子の治療なんて頼んだらいい笑い者だし、薬草は傷に滲みるから好きじゃないんだよ……
なぁミカヅキ、お願いだから身体を洗うときは大人しくしててくれないか?」
「きゅ、きゅきゅうっ!!!(だったらカインズさんも、カインズさんJrをしっかりとタオルで隠してくださいよ!!毎回ゾウさんみたいにぷらんぷらんしてるのを女の子に見せるのって男としてどうなんですかっ!!!)」
そう。
カインズさんがあたしの身体を洗うとき、床に敷いた柔らかいマットの上に寝かせてくれて泡立てた石鹸を手にあたしの身体を優しく撫でながら洗ってくれるのだが、どんなに気持ち良くても未だに目の前にぷらんぷらんと無修正のカインズさんJrや、ふぐり様まで見せられると、さすがに耐えられなくて「ぎゃぁぁぁぁぁ」ってなっちゃうのだ。
……これに慣れてしまったら、女の子として本当にダメだと思うのである。
洗ってもらってるのにって申し訳ない気持ちもあるけど、今では条件反射みたいに身体が動いてしまうので、”ごめんね”という気持ちを込めて、カインズさんの頬っぺたをペロペロと舐めてあげた。
「ふふっ、ミカヅキってばちょっとは反省してるみたいだな。もう俺の大事な息子を攻撃するのはやめてくれよ」
「きゅぅ、きゅうぅぅ……(悪いと思ってるし、反省もしてるけど、それは約束できないです……)」
「ん~、わかってくれたか。偉いぞ、ミカヅキ。今度は俺がお前にちゅ~してやろう」
「きゅ??!!(へ??!!)」
この後、カインズさんにめっちゃもふもふされながら、ほぼ全身にキスされまくりました。
(やっ、ぁ、待って待って!今日のもふもふはもう……、ぁ、やぁっ……もふもふは1日1回だけにしてぇぇぇぇぇぇ~~~~~~~っ!!!)
……天国のお母さん。
あたし、お嫁に行くのはもう諦めようかなと思えてきました……
そして、お風呂で今日の攻防を終えた後、そういえば途中で“ポロロン♪”みたいな音がしてたなぁと思い出し、直感的に“あ、これはレベルアップだ”とわかったので、ベッドの中で久しぶりに“ステータス、オープン!”とドキドキしながら心の中で唱えてみた。
*************************************
name コハル・モトミヤ(♀) LV1→2
HP 8/20→22
MP 10/10→14(9999999/9999999)
STR(物理攻撃力) 5→6
INT(魔法攻撃力) 8→10
DEF(物理防御力) 3→4
RES(魔法防御力) 8→10
AGI(素早さ) 12→14
LUK(運) ∞
【称号】フェンリルの半身(隠匿)、転生者、
【スキル】神眼(隠匿) 料理 New!噛みつき
*************************************
(えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ????!!!!
なんだこの申し訳程度に上がってるステータスはっ!!
しかもなんで寝る前にお風呂入っただけなのに、こんなにHPが減ってるの??!!)
ほとんどの数値がごくわずか…中でも物理攻撃力と防御力は1ずつしか上がっていない。
ただ、スキルに新しく“噛みつき”というのが増えていた。
(“噛みつき”?そもそも戦闘していないあたしが何でレベル上がった?
噛みつきなんてした記憶は……――――――)
その日の出来事を思い返すと、レベルが上がったのはカインズさんとお風呂に入っているときで、噛みついた記憶があるのはカインズさんJrくらいしかないことを思い出した。
(もしかして、カインズさんJrを攻撃してレベルが上がったの??!!
普通は経験値って敵を倒すともらえるんだよね?
カインズさんは敵じゃないはずだけど、カインズさんJrは敵なの?
ってかカインズさんJrはカインズさんとは別人なの??)
もう考えれば考えるほど意味がわからない。
思考回路はショート寸前。だんだん考えることすらめんどくさくなってきた。
(あ~~~~~~~~~~っ!!
こんなときゲームだったらヘルプ機能とかあって説明文表示してくれるのに~~~~~~~っ!!!!)
そんなしょうもないことを考えながらごろんごろんと転げ回っていたら、“ピコン”と何か音がした気がして、ステータスをもう一度見てみた。
(あれ?さっきはなかった気がするけど“?”がある……)
画面の下に表示された“?”を選択するイメージをしてみると、ある文章が表示された。
(えっと……“経験値は、【敵】だと思った者に攻撃をすることで得ることができます”……)
……ん?【敵】だと思った者……?
(確かに、カインズさんのカインズJrを見てしまうと“女の子になんてモノ見せるんじゃいっ!”って女の敵のように思ってたけど……まさかそれが原因?!え……じゃあHPはカインズさんJrを見せられた精神的ダメージで減ってるってこと??!!)
そんな感じで、戦えないはずのあたしは不幸中の幸いというべきなのか、ステータスや経験値について少しだけ知識を得ることができたのでした。
……あまり嬉しくない。
拝啓 天国のお母さん。
あたしが異世界でワンコ姿に転生してから、早いものでもうすぐ1ヶ月になります。
毎日いろんなことがありますが、新しい生活にも少しずつ慣れてきました。
でも、慣れればなれるほど、大切なナニカをなくしているような……そんな気持ちにもなります。
異世界って本当に凄いですね。いろんな意味で。
そうそう。
今日はお母さんに報告したい事があるんです。
あたしね、やっとレベルというモノが上がりました!
レベルが上がればいろんな力が増えて、人間に戻ったときも便利だと思うので、これからもレベル上げ頑張ります!!!
え?どうやってレベルが上がったかって??
えっと、それは……――――――――――
◇
「きゅぅっ、きゅうぅぅ~~~~~~~っ!!(いい加減にして!何度言わせればわかるのよ!!)」
「ぃってぇぇぇぇぇぇ~~~~~~~っ!!!
ミカヅキ、お願いっ!
ソコだけは…ソコだけは噛まないでぇぇぇぇぇ!!」
ここはお風呂の中。
今日も今日とて、あたしはカインズさんと一緒にお風呂に入り、身体を洗ってもらっている。
お風呂に入ること自体にはもう慣れたモノだが、どうにも慣れない……いや、慣れてはいけないモノというのがあると思うのです。
それは……――――――――――
「はぁ…自分には回復魔法使えないし、他の人に俺の大事な息子の治療なんて頼んだらいい笑い者だし、薬草は傷に滲みるから好きじゃないんだよ……
なぁミカヅキ、お願いだから身体を洗うときは大人しくしててくれないか?」
「きゅ、きゅきゅうっ!!!(だったらカインズさんも、カインズさんJrをしっかりとタオルで隠してくださいよ!!毎回ゾウさんみたいにぷらんぷらんしてるのを女の子に見せるのって男としてどうなんですかっ!!!)」
そう。
カインズさんがあたしの身体を洗うとき、床に敷いた柔らかいマットの上に寝かせてくれて泡立てた石鹸を手にあたしの身体を優しく撫でながら洗ってくれるのだが、どんなに気持ち良くても未だに目の前にぷらんぷらんと無修正のカインズさんJrや、ふぐり様まで見せられると、さすがに耐えられなくて「ぎゃぁぁぁぁぁ」ってなっちゃうのだ。
……これに慣れてしまったら、女の子として本当にダメだと思うのである。
洗ってもらってるのにって申し訳ない気持ちもあるけど、今では条件反射みたいに身体が動いてしまうので、”ごめんね”という気持ちを込めて、カインズさんの頬っぺたをペロペロと舐めてあげた。
「ふふっ、ミカヅキってばちょっとは反省してるみたいだな。もう俺の大事な息子を攻撃するのはやめてくれよ」
「きゅぅ、きゅうぅぅ……(悪いと思ってるし、反省もしてるけど、それは約束できないです……)」
「ん~、わかってくれたか。偉いぞ、ミカヅキ。今度は俺がお前にちゅ~してやろう」
「きゅ??!!(へ??!!)」
この後、カインズさんにめっちゃもふもふされながら、ほぼ全身にキスされまくりました。
(やっ、ぁ、待って待って!今日のもふもふはもう……、ぁ、やぁっ……もふもふは1日1回だけにしてぇぇぇぇぇぇ~~~~~~~っ!!!)
……天国のお母さん。
あたし、お嫁に行くのはもう諦めようかなと思えてきました……
そして、お風呂で今日の攻防を終えた後、そういえば途中で“ポロロン♪”みたいな音がしてたなぁと思い出し、直感的に“あ、これはレベルアップだ”とわかったので、ベッドの中で久しぶりに“ステータス、オープン!”とドキドキしながら心の中で唱えてみた。
*************************************
name コハル・モトミヤ(♀) LV1→2
HP 8/20→22
MP 10/10→14(9999999/9999999)
STR(物理攻撃力) 5→6
INT(魔法攻撃力) 8→10
DEF(物理防御力) 3→4
RES(魔法防御力) 8→10
AGI(素早さ) 12→14
LUK(運) ∞
【称号】フェンリルの半身(隠匿)、転生者、
【スキル】神眼(隠匿) 料理 New!噛みつき
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(えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ????!!!!
なんだこの申し訳程度に上がってるステータスはっ!!
しかもなんで寝る前にお風呂入っただけなのに、こんなにHPが減ってるの??!!)
ほとんどの数値がごくわずか…中でも物理攻撃力と防御力は1ずつしか上がっていない。
ただ、スキルに新しく“噛みつき”というのが増えていた。
(“噛みつき”?そもそも戦闘していないあたしが何でレベル上がった?
噛みつきなんてした記憶は……――――――)
その日の出来事を思い返すと、レベルが上がったのはカインズさんとお風呂に入っているときで、噛みついた記憶があるのはカインズさんJrくらいしかないことを思い出した。
(もしかして、カインズさんJrを攻撃してレベルが上がったの??!!
普通は経験値って敵を倒すともらえるんだよね?
カインズさんは敵じゃないはずだけど、カインズさんJrは敵なの?
ってかカインズさんJrはカインズさんとは別人なの??)
もう考えれば考えるほど意味がわからない。
思考回路はショート寸前。だんだん考えることすらめんどくさくなってきた。
(あ~~~~~~~~~~っ!!
こんなときゲームだったらヘルプ機能とかあって説明文表示してくれるのに~~~~~~~っ!!!!)
そんなしょうもないことを考えながらごろんごろんと転げ回っていたら、“ピコン”と何か音がした気がして、ステータスをもう一度見てみた。
(あれ?さっきはなかった気がするけど“?”がある……)
画面の下に表示された“?”を選択するイメージをしてみると、ある文章が表示された。
(えっと……“経験値は、【敵】だと思った者に攻撃をすることで得ることができます”……)
……ん?【敵】だと思った者……?
(確かに、カインズさんのカインズJrを見てしまうと“女の子になんてモノ見せるんじゃいっ!”って女の敵のように思ってたけど……まさかそれが原因?!え……じゃあHPはカインズさんJrを見せられた精神的ダメージで減ってるってこと??!!)
そんな感じで、戦えないはずのあたしは不幸中の幸いというべきなのか、ステータスや経験値について少しだけ知識を得ることができたのでした。
……あまり嬉しくない。
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