【R18】先輩、食べても良いですか?

暁月

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【企画モノ・番外編】

【春宵一刻企画】花散る夜に、貴方と二人*3

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本館の温泉を堪能した後、お互い浴衣姿でお土産屋さんを見たり本館のラウンジでちょっとお茶してみたりと、少しだけ浴衣デートを満喫してから宿泊先の離れへと戻ることにしたあたし達。

さっきみたいに無言で手を繋ぎながら歩いてるんだけど、さっきとは違ってあたしは内心とてもバクバクと心臓がうるさくていっぱいいっぱいだった。



だって……



だってね……



小野くんの浴衣姿、めちゃくちゃ色っぽいんですっ!!



お風呂上がりのほんのり上気したように赤くなった頬、自分でやってみたけどそんなに得意じゃないのか少しだけ着崩れてチラチラと見え隠れする鎖骨と空手で鍛え抜かれた胸板、当たり前なんだけど、プライベート全開で完全に無防備になった小野くん自身!!

もう可愛いと艶っぽいとカッコいいが盛りだくさん過ぎて、正直言って直視できません。
繋いだ手も、”手汗とか大丈夫?”って心配で、気が気じゃない。


「……先輩?」
「ひゃいっ」
「ぷっ、なんて声出してるんですか?」
「……」
「??……先輩?」
「ダメ……反則。見ないで……」


心配してくれる小野くんに、そんな事しか言えないあたしはなんて情けないんだろう。
せっかくの旅行なのに、ごめんなさい……


(ぎゅうっ)


恥ずかしくて情けなくなっていたあたしを、予想外にも小野くんは力いっぱい抱きしめた。


「~~~~~~~っ、もうもうっ!先輩こそ、ただでさえ浴衣姿が可愛くてすごく色っぽいのに、そんな赤ら顔でソレは反則です!」
「え?……えぇ??」
「直視すると今すぐにでも押し倒しそうになるの、これでも必死で我慢してるのに……」
「押し倒……っ、えぇぇぇぇ??!!」
「初めての旅行は絶対良いトコロ行こうと思って、ずっと前からチェックして友達にも予約するの協力してもらった宿なのに……」
「……え?」

あれ?確か小野くん、たまたまサイト見てたら予約できたって言ってなかったっけ?

「小野くん、今のって……」
「え?!僕、声に出してました??や、えっと……今の嘘ですっ!忘れて下さい!!」

ぎゅうって抱きしめられてるから顔は見えないけど、少しだけ見えた小野くんの耳は間違いなく真っ赤になっていた。


なんだ。
小野くんもあたしと同じで、今日の事が楽しみで仕方がなくて、頑張って平静を装ってるだけだったんだ。


いつもの頼れる小野くんも好きだけど、今のちょっと抜けてる小野くんもすごく可愛くて大好きだ。
今なら少しだけ頑張れるかもしれない。

「小野くん」
「はぁ……すみません、大人の頼れる男になるにはまだまだ先みたいです」
「あたしは……今の小野くんも大好きだよ」
「え?……んっ」

あたしの告白に驚いた小野くんに、不意打ちのキスをする。
でもやっぱりちょっと恥ずかしくて、小野くんの腕が緩んだ隙に抜け出し、離れの方へ足早に移動した。

「もうすぐ夕食なんだから、早く部屋に戻るよ、小野くん!」
「……っ、あぁぁぁもうっ、先輩、不意打ちは反則ですよ」
「いつも不意打ちする小野くんには、言われたくないです。……早く来ないと部屋に入れてあげないから」
「え?ちょっっ、先輩!!……うわっ、この草履めっちゃ走りずらっ!……いやいや、先輩ちょっと待って!何でそんな速く走れるんですかっ!!」


ちょっとだけしてやったりな気分を味わえたあたしは、「仕方ないなぁ」と呟きながら離れの入り口で小野くんの到着を待つ。

宿へ戻ると、フロントで「間もなく夕食ですが、すぐに部屋にお持ちしてもよろしいですか?」と言われたので、あたし達はすぐに夕食を楽しむことにした。
お花見シーズンということで、和食を中心にした刺身や煮物、お吸い物や茶わん蒸しなどなど豪華絢爛なお食事に、フラワーアートで桜の枝が添えられている。

開放感のある大きな窓から、露天風呂にあるライトアップされた桜の木を一望できるので、夕食でお花見気分が味わえる素敵な演出だ。
これは人気があるのも頷ける。

あたしと小野くんは、さっきまでのドキドキや緊張を忘れるくらい、目の前の食事の豪華さや演出に感動し、楽しい夕食を終えたのでした。





「はぁ~、生き返る~」
「ぷっ、先輩、それはさすがにオヤジっぽい発言ですよ」
「なっ、オヤジっって酷い!温泉も景色もすごく良くて心から出た台詞なのに!」
「くっ、はははっ、心から出た台詞がソレって、ふふっ、もう先輩ってホントに最高っ」
「もう……そんなに笑うことないじゃない。小野くんのバカ……」

楽しい夕食を終え、少し休憩をしたあたし達は早速部屋にある露天風呂に入ろうかという事になった。
もちろん、一緒に、です。

確かに何度も身体を重ねているからお互いの裸なんて何度も見てるんだけど、一緒にお風呂って言うのはそんなに経験がない。
……だって、やっぱりちょっと恥ずかしいじゃない?

何とか一緒に露天風呂に入ったモノの、照れくさくて何か言わなくちゃと思いながらも出た言葉がソレだったのだ。
確かに我ながらオヤジっぽい……

「ふふっ、すみません。先輩が見た目だけじゃなくて、考え方も可愛いなって思っただけなんですよ」
「嘘っ、それは嘘だ」
「嘘じゃないですって。だって、先輩なりの照れ隠しで出た言葉なんでしょ?最高に可愛いじゃないですか」
「うぐ……」

バレてる。
あたしの脳内を見たのか?って思うくらいに当たってます。

そして、なるべく気付かないようにしてたけど、あたしの腰の辺りにある小野くんのアレも当たってます……

「……ねぇ先輩。良いのは温泉と景色だけですか?」
「……っ」

背後から抱きしめる小野くんが、さっきより身体を密着させ耳元で甘く囁く。
そして、手の動きがどんどんいやらしくあたしの身体をまさぐり始めた。

「……ぁ、ちょっ、小野、くん…」
「ライトアップされた夜桜を見ながら、先輩と露天風呂に入って、お酒まで飲めるなんて……最高の贅沢ですね」
「んっ、小野く……もう、酔っちゃったの?ここ、外……あぁぁっ」

胸の先端をきゅぅっと摘ままれながら、耳をカリっと絶妙な力加減で甘噛みされて思わず声が出てしまった。

部屋に備え付けの露天風呂とはいえ、ここは外だ。
部屋数が少なくても、大きな声を出してしまったら周囲に聞こえる可能性だって大いにある。

「僕、お酒は強い方なので酔ってはいませんよ。……目の前の先輩には、クラクラしそうなくらい酔ってますけど」
「!!……んんっ、ふ、ぁ、バカ、何言って……んっ」

互いに冷酒を少し飲んでいるため、お酒のせいなのか温泉のせいなのか、重ねた口唇も触れ合う身体も熱くて気持ち良くて蕩けそうになる。

小野くんはそのまま手をするりと滑らせ、あたしの秘所に触れる。
水中でもわかるくらいぬめっているのを確認してから、小野くんはソコを何度かなぞった後指をナカへと挿入れてきた。

「~~~~~~~~っ」
「ふふっ、もう指が挿入るくらい濡れてるなんて……先輩も期待してました?」
「や、違っ……ふぁっ」
「ホントならすぐにでも先輩のナカに挿入りたいけど……はぁ、やっぱり外に持ってくればよかった」
「……」

”何を”だなんて、聞かなくてもさすがにわかる。
小野くんは、えっちだけどやっぱりどこか真面目で無責任なことはしない人だ。

今も名残惜しそうに身体を離し、「続きは中でしましょうね」と言って温泉を出ようと歩き始めている。


さっきまでは、“こんな外でいちゃいちゃするなんて!”って思ってた。

だけど一度高められたこの身体は、ムードや小野くんの色香、お酒などいろんなモノにたくさん影響されている上、今回はあたしが小野くんをドキドキさせてやるんだという目標もある。

”今言わないで、いつ言うの?!女は度胸だ!!”と決心を固めたあたしは、小野くんを引き留めるために後ろから抱きついた。

「??!!……え、ちょっ、先輩??嬉しいけどこれじゃ動けな……――――――」
「……しよ」
「え?」
「……ここで、このまま……しよ?」
「!!!!!!」


言った。ついに言ってしまった。
これでもう、後戻りはできない……もちろんしないけど。


反応が気になって顔を覗き込んでみると、小野くんは零れ落ちそうなくらい目を見開いて、めちゃくちゃビックリしていた。
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