【R18】先輩、食べても良いですか?

暁月

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【本編】

週末までのカウントダウン

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今週末、あたしはついに小野くんと心も身体も結ばれる……―――――――――


そんな一大イベントを間近に控え、頭のナカが煩悩で埋め尽くされていても、“仕事”というのは通常通りあるもので。
というか、今週はなぜかものすごく忙しい気がする。


うちの会社は、オーガニックコスメやスキンケア、ハンドケア商品を開発・販売をしている、さほど大きくもないが小さくもない会社だ。

あたしはその中の営業職で、会社、店舗、施設などにその商品をおススメしたり契約している会社に赴きその後のフォローや再発注などをしている。
“オーガニック”と聞くと普通は女性が利用しているイメージだけど、実は男性も興味はあるけど機会がなくて……という方が多い。

まずは会社や店舗、施設などに試供品を置いてもらい、使った感想を聞きながら個々の悩みをざっくり聞く。
もちろん人生相談ではなく身体的な悩みを聞くのがメインなんだけど、年齢が近い女性が相手だと時々恋愛相談が絡んだできたりする。


……まぁ、仕事の話はさておき。


今日も今日とて、午前中に翌日以降の取引先へアポ、午後には当日の取引先へGO。
早めに終われば会社へ戻り報告書の作成、時間がかかればそのまま直帰することもある。

だけど、今週は時間がかかる上に報告書必須の会社が多いので、直帰できずに残業が続いていた。
もちろん直属の部下である小野くんも、営業から残業まで常に一緒だ。


だけど……


「先輩、この書類のチェックお願いします」
「はい。小野くん、明日のアポどうなってる?」
「えっと、先方の都合で14時に……ということになってます」
「了解。……小野くん、書類はこれでOK」


こんな感じで、お互い仕事モード全開なので恋人のような甘い空気は一切ない。

……一応あたしと小野くん、付き合ってるんだよね?


ようやくひと段落着いたので、あたしは両手を上にあげて背筋をぐぐっと伸ばした。

「ん~っ」
「お疲れ様です。はい、どうぞ」
「え?あ、チョコだ!ありがとう、小野くん」
「いえいえ、疲れてる時は甘い物が欲しくなりますからね」

取引先から会社に戻り、ずっとPCとにらめっこしてたからすっかり肩が凝ってしまった。
時計の針は、夜八時半を指している。

「えぇ?!もうこんな時間だったの??」
「ふふっ、先輩ってばめちゃくちゃ集中してましたからね。もう残ってるのは僕達くらいですよ」
「そっか……とりあえず、明日も仕事だしあたし達もそろそろか帰ろっか」
「そうですね……でも、その前に」
「ん?どうしたの、小野く…んんっ」

デスクから立ち上がった小野くんは、座っているあたしに覆いかぶさるようにキスをした。

「ん、ちょっと、おの……ふぁ、んむっ」
「ん、ちゅ……ハァッ、もう僕達しかいないんだから、もう“恋人同士の時間”って事で良いですよね?」
「で、でも、他の部署で残ってる人がいるかも……ぁ、ちょっと、それは……」
「誰か来ても僕が影になってるか、パーテーションで見えませんって……ちょっとだけ、ちょっと触るだけですから」
「ふふっ、何それ。どこのエロ親父?……ぁんっ」

小野くんはあたしのおでこや瞼にキスを落としながら、エロ親父みたいなことを言ってシャツのボタンを外し、するりと手を中に滑り込ませてきた。
ひんやりした小野くんの手が、あたしの胸を厭らしく揉みしだく。

「小野くんって、思ってたよりえっちだよね……きゃぅっ」
「ダメですよ、先輩。声は押さえてもらわないと。……えっちなのは先輩限定です。はぁ~、気持ち良い。ずっと触っていたい……」
「ぁ、やっ、これ以上はもうダメ……ぁっ」

耳を甘噛みしながら、胸を触っているのとは別の手が下半身にまで伸びてきた。
さすがに会社でこれ以上はまずい……というかしたくない。

「ストップストップ!小野くん、ちょっ、待って!!……っ、週末っ!週末ならいくらでも触らせてあげるからぁ!!」
「!!……ホントですか?やったぁ♪約束ですよ、先輩っ!!」
「へ?ぁ……はい」


あれ?なんか、勢いでとんでもないこと約束させられた?


上機嫌になった小野くんは、あたしが服を整えてるうちに帰り支度を済ませ、戸締りもしっかりとしてくれた。
そして、その日は近場のラーメン屋さんで一緒に晩ご飯を食べてから何事もなく解散。


今日は木曜日。
明日の仕事を終わらせたら、その後は週末まで小野くんと週末まで一緒に過ごす予定だ。


ついに迫ってきた約束の日に、いろんな意味でドキドキしながらあたしは帰路についた。

……新しい下着、買っておけばよかったかも。
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