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2章 学園生活は波乱万丈?!
異世界から来た黒髪の聖女 in聖女side
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◆
アタシは大山愛里。
今はとあるお貴族様の養女になって、アイリス=オルタナーと言う名前で生活している。
え?なぜ名前が二つあるのかって?
よくぞ聞いてくれました!
何を隠そう、アタシは現代の日本から憧れの異世界トリップというモノでこの世界にやって来たヒロインなの!
この世界はアタシがドハマりしていた、RPG要素あり、恋愛要素ありの『ブルームーンに抱かれて』という乙女ゲームの世界だった!
確信したのはつい先日だけどね。
すぐに確信できなかったのにはちゃんと理由がある。
地名や登場人物、プロローグ的な流れがゲームと類似しているんだけど、なんかいろいろ違う……わけではないんだけど、何かがおかしい。
例えば、アタシがこの世界にトリップしたときも……―――――――
◆◇◆
アタシは学校から帰った後、いつものように晩ご飯の時間までゲームの世界を堪能しようとゲーム機の電源を付けた。その時、いつもと違ったスタート画面に表示された【はい/いいえ】の選択肢があったけど、早くゲームを開始したかったアタシは、迷わず【はい】を選択した。
すると、眩い光に包まれ一瞬にして真っ白な世界に包まれた。
そして……―――――――
『……へ?』
(ビュォォォォォォォォ)
『い―――――やぁぁぁぁぁぁぁぁぁ』
落下していた。
夢にしては落下しながらあびる風や音がリアルすぎる。
ココがどこかはわからないけど、こんな紐なしバンジーをした記憶は一切ないから家とか知ってる場所なわけがない。
“じゃあここはどこ?あたしはこのまま死んじゃうの――――――???”
見る限り地上は見えないけど、このまま落ちたら間違いなく死んでしまうと思ったアタシは、目をぎゅっと瞑って『助けて!!』と心の中で叫んだ。
『ボクを呼んだのは、キミ?』
『……え?』
いきなり声が聞こえて思わず目を開くと、目の前には真っ白な孔雀のような大きな鳥がいた。
見た事ないはずなんだけど、何となく見覚えがある気がする……
『え?鳥が、喋った……??』
『鳥??ちょっとキミ、初対面のボクを鳥と一緒にするなんて失礼じゃない?』
いやいや、鳥にしか見えないのに失礼とか言われましても……
『えっと、ごめんなさい?……って、そんな会話してる場合じゃなかった!このまま落ちたら死んじゃうっ!助けて!!』
『え~、ボク、人を探してて忙しいんだけど……』
なんだこの鳥!
あたしを助けることよりも人探しが大事だっていうの??
この人でなしっ!!あ、鳥だから人じゃなったっ!このクソ鳥がっ!!!
『助けてくれたら人探しも手伝うから!』
『いや、手伝うって言われても、探して簡単に見つかるような人じゃないんだよ。だって、“別の世界から来た聖女様”なんだから』
『は?せい、じょ…………って、聖女ぉぉぉぉぉ????!!!!』
『うるさいなぁ。もう、いきなり大きな声出さないでよね』
孔雀のような鳥は、めちゃくちゃ迷惑そうな顔をしている。
目の前には爽やかすぎる青空と白い雲。下は見たくもないけど、視界に映る限りでは地上は見えない。
“聖女”かどうかはわからないけど、間違いなくあたしは“別の世界から来た”に当てはまってるはず!
異世界だろうが何だろうが、このまま死んでたまりますかっ!!!!
『はいはいっ!アタシがその異世界から来た聖女です!!だから助けて!!!』
『ぷっ、あははっ☆キミが聖女??確か神父の神託では、漆黒の髪をした可憐な美少女だって……』
『いいからさっさと助けなさいよっ!じゃないと全部の羽根むしり取るわよ、このクソ鳥っ!!!』
これが、アタシと光の精霊シグルーンの出逢いだった。
◆◇
シグルーンに助けられた後、そのまま空中で加護を与えられたアタシの身体は発光し、眩い光が辺り一面に広がった。
どうやら浄化の力もある光の魔力が溢れ出たらしい。
加護の力とやらでようやく見えた地面に無事に降り立ち、恐る恐る目を開けてみる。
すると、木々の生い茂った森のど真ん中っぽいのになぜか周囲に人だかりができている。
というか、人々は武装までして完全に臨戦態勢だ。
え?もしかしなくても、アタシ、めちゃくちゃ警戒されてる??
何とか弁明するため口を開こうとしたら、その前に周囲にいた人達がアタシを“聖女様だ!聖女様が降臨されたぞ!!”と言い始め、あれよあれよと祭り上げられたアタシは、気が付けば祝賀会の席の中心にいた。
どうやら武装した人達はモンスターと対峙していたらしい。
『(降り立った時に邪魔だった魔獣の群れを片付けたのはボクだよ。でも、面倒だからキミの手柄にしておいて)』
『は?そんな事があったの?!』
『??……聖女様?』
『(ボクの姿は人間に見えてない。だからボクの声に反応してると、ただの変人に見えるだろうね)』
『!!』
隣で相変わらず感じの悪い孔雀……もとい、シグルーンは周囲の人達に見えていないようだ。
確かに誰も気にする様子がない。
そんな感じでいきなり聖女認定されたあたしは、このまま王都へと連れて行かれ国王様に謁見することになった。
道中で国の名前を聞いた時、“ここってもしかして『ブルームーンに抱かれて』の世界??”と思ったけど、本来ヒロインはプロローグで一本の光の柱と共に神々しく降臨するはずなのに、アタシはというと完全に誰かの思惑で異世界に召喚されたのかもしれないが、空から紐なしバンジー状態で落下。シグルーンを脅す勢いで助けを請わなければ確実に即バッドエンドだったという悲しい現実である。
確かにアタシは異世界からやって来たが、魔物の群れをやっつけたのはシグルーンの力だ。
聖女の力が本当にあるのかどうかも定かじゃない。
”この世界が本当にあたしの知る乙女ゲームの世界なのか?“と疑うのも無理はないだろう。
『其方が魔獣の群れを浄化してくれた聖女か』
対面した国王様は、アタシよりも少しだけ年上に見えるイケメンだった。
おかしい。ゲームだともうちょっとおじさんじゃなかったっけ?
でも今のアタシは、それよりも気になる存在に目がいってしまう。
それは、国王様の隣に当然のようにいる筋肉ムキムキなのに騎士ではなくコック姿をしている紫のアフロ頭と、黒の軍服姿に眼帯をしている金髪に近いライトブラウンの長髪をなびかせ不思議なポーズをとっている超絶イケメンだ。
……アレって、中二病の人が良くやってるポーズじゃなかったっけ?
というか、アンタ達みたいな濃ゆいキャラ、ゲームで一度も見た事ないけど絶対ゲームにいなかったよね??
そもそも、なんでコックが国王の側近のようにそばにいるの??!!
『……――――して、我々は“落ち人”である其方を“黒髪の聖女”として保護したいと思っている。どのような生活を望む?』
『へぁ?!』
『……ぷっ』
急に話を振られ、話を聞いてなかったアタシは思わず変な声が出てしまいシグルーンに笑われる。
相変わらずムカつく鳥である。
えっと、とりあえずこれからどういう生活を望むのかだっけ?
それならもちろん、ゲーム同様にコレしかないでしょ!
『アタシは、隣国の王立魔術学園に行き、魔法について学びたいです!』
アタシの一言で、一気に周囲がざわつき始める。
ふんふん、これはゲーム通りの展開だから想定内だ。
聖女の力がある内に関わらず、攻略対象には絶対逢いたい!それに、魔法についても学びたい!
ゲーム通りなら、この後快く了承した国王様が、アタシを“留学生”として学園に入学させるためにこの国の貴族の養女になるよう提案してくれるはず!
『なぁ、陛下。今年って確か……』
『あぁ。あの方々の子である、双子達も入学するはずだ』
『まぁ!魔王様の子供達が入学するんですの??』
『まおーさま!』
は?魔王様??
魔王様の子供達も入学って、そんな展開ゲームにないんですけど??!!
『汝に命ずる!我が眷属となりし暗黒竜の末裔と共に、誘われし世界へと行くのだ』
『??!!』
『あぁ?お前も一緒に学園に行け……って、おいライ!お前の指さす方になんて、誰もいな……』
『ライムント様ってば、相変わらず言ってる事が意味不明ですね』
『うわぁぁぁっ、お前っ、どこから湧いて出た??!!』
急に中二病的なポーズで意味不明なことを言い始めた軍服の超絶イケメンさんよ、シグルーンから“様”付けされるって一体何者なんですか??
ってゆーか、国王様の素ってこっち?めっちゃ親近感湧くんだけど。
『コホン……モジアルド、ペチアリア、なぜ其方らはこの状況に無反応なのだ?』
『え、そりゃぁ……慣れ、でしょうか?』
『魔王様のなさる事に比べたら、たいしたことございませんもの!』
『せんものー!』
『……』
国王様に同情したのは言うまでもない。
それにしても、あのモジャモジャの隣にいる女の人とその子供は“魔王様”を崇拝してるみたいだけど、“魔王様”ってこの世界では崇拝される存在なわけ??
この世界のラスボスは魔王様じゃないの???!!!
『ん~、キミの侍従か……ライムント様に言われちゃ仕方ないよね』
は?!生意気でムカつく鳥のシグルーンが素直に言うことを聞くだと??!!
あの軍服中二病男はホントに何者なの???!!!
『ねぇ、あの軍服の中二びょ……じゃなかった、軍服のイケメンって何者なの?』
『ん?あの方は精霊の王様だよ』
『……は?えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ????!!!』
『うむ、普通ならこういう反応をするよな、モジアルド』
『そうですね、陛下』
かくしてアタシは、予定通り貴族の養女となり留学生として学園に入学する事ができるようになったのだった。
嬉しい。嬉しいんだけど、それ以上にこの世界がおかしすぎる……というか、ツッコミどころが満載すぎでしょ!!これは本当にアタシが知る乙女ゲームの世界なの??!!
ってか、魔王様って一体なんなの???!!!
アタシは複雑な気持ちを抱えたまま、入学までの時間を過ごすことになった。
-------------------------------
ようやく黒髪の聖女のエピソード(笑)
副反応は落ち着きましたが、今週と来週はラジオの準備があるため更新ペースがゆっくりになりそう……
とりあえず、次回更新は4/23予定です。
アタシは大山愛里。
今はとあるお貴族様の養女になって、アイリス=オルタナーと言う名前で生活している。
え?なぜ名前が二つあるのかって?
よくぞ聞いてくれました!
何を隠そう、アタシは現代の日本から憧れの異世界トリップというモノでこの世界にやって来たヒロインなの!
この世界はアタシがドハマりしていた、RPG要素あり、恋愛要素ありの『ブルームーンに抱かれて』という乙女ゲームの世界だった!
確信したのはつい先日だけどね。
すぐに確信できなかったのにはちゃんと理由がある。
地名や登場人物、プロローグ的な流れがゲームと類似しているんだけど、なんかいろいろ違う……わけではないんだけど、何かがおかしい。
例えば、アタシがこの世界にトリップしたときも……―――――――
◆◇◆
アタシは学校から帰った後、いつものように晩ご飯の時間までゲームの世界を堪能しようとゲーム機の電源を付けた。その時、いつもと違ったスタート画面に表示された【はい/いいえ】の選択肢があったけど、早くゲームを開始したかったアタシは、迷わず【はい】を選択した。
すると、眩い光に包まれ一瞬にして真っ白な世界に包まれた。
そして……―――――――
『……へ?』
(ビュォォォォォォォォ)
『い―――――やぁぁぁぁぁぁぁぁぁ』
落下していた。
夢にしては落下しながらあびる風や音がリアルすぎる。
ココがどこかはわからないけど、こんな紐なしバンジーをした記憶は一切ないから家とか知ってる場所なわけがない。
“じゃあここはどこ?あたしはこのまま死んじゃうの――――――???”
見る限り地上は見えないけど、このまま落ちたら間違いなく死んでしまうと思ったアタシは、目をぎゅっと瞑って『助けて!!』と心の中で叫んだ。
『ボクを呼んだのは、キミ?』
『……え?』
いきなり声が聞こえて思わず目を開くと、目の前には真っ白な孔雀のような大きな鳥がいた。
見た事ないはずなんだけど、何となく見覚えがある気がする……
『え?鳥が、喋った……??』
『鳥??ちょっとキミ、初対面のボクを鳥と一緒にするなんて失礼じゃない?』
いやいや、鳥にしか見えないのに失礼とか言われましても……
『えっと、ごめんなさい?……って、そんな会話してる場合じゃなかった!このまま落ちたら死んじゃうっ!助けて!!』
『え~、ボク、人を探してて忙しいんだけど……』
なんだこの鳥!
あたしを助けることよりも人探しが大事だっていうの??
この人でなしっ!!あ、鳥だから人じゃなったっ!このクソ鳥がっ!!!
『助けてくれたら人探しも手伝うから!』
『いや、手伝うって言われても、探して簡単に見つかるような人じゃないんだよ。だって、“別の世界から来た聖女様”なんだから』
『は?せい、じょ…………って、聖女ぉぉぉぉぉ????!!!!』
『うるさいなぁ。もう、いきなり大きな声出さないでよね』
孔雀のような鳥は、めちゃくちゃ迷惑そうな顔をしている。
目の前には爽やかすぎる青空と白い雲。下は見たくもないけど、視界に映る限りでは地上は見えない。
“聖女”かどうかはわからないけど、間違いなくあたしは“別の世界から来た”に当てはまってるはず!
異世界だろうが何だろうが、このまま死んでたまりますかっ!!!!
『はいはいっ!アタシがその異世界から来た聖女です!!だから助けて!!!』
『ぷっ、あははっ☆キミが聖女??確か神父の神託では、漆黒の髪をした可憐な美少女だって……』
『いいからさっさと助けなさいよっ!じゃないと全部の羽根むしり取るわよ、このクソ鳥っ!!!』
これが、アタシと光の精霊シグルーンの出逢いだった。
◆◇
シグルーンに助けられた後、そのまま空中で加護を与えられたアタシの身体は発光し、眩い光が辺り一面に広がった。
どうやら浄化の力もある光の魔力が溢れ出たらしい。
加護の力とやらでようやく見えた地面に無事に降り立ち、恐る恐る目を開けてみる。
すると、木々の生い茂った森のど真ん中っぽいのになぜか周囲に人だかりができている。
というか、人々は武装までして完全に臨戦態勢だ。
え?もしかしなくても、アタシ、めちゃくちゃ警戒されてる??
何とか弁明するため口を開こうとしたら、その前に周囲にいた人達がアタシを“聖女様だ!聖女様が降臨されたぞ!!”と言い始め、あれよあれよと祭り上げられたアタシは、気が付けば祝賀会の席の中心にいた。
どうやら武装した人達はモンスターと対峙していたらしい。
『(降り立った時に邪魔だった魔獣の群れを片付けたのはボクだよ。でも、面倒だからキミの手柄にしておいて)』
『は?そんな事があったの?!』
『??……聖女様?』
『(ボクの姿は人間に見えてない。だからボクの声に反応してると、ただの変人に見えるだろうね)』
『!!』
隣で相変わらず感じの悪い孔雀……もとい、シグルーンは周囲の人達に見えていないようだ。
確かに誰も気にする様子がない。
そんな感じでいきなり聖女認定されたあたしは、このまま王都へと連れて行かれ国王様に謁見することになった。
道中で国の名前を聞いた時、“ここってもしかして『ブルームーンに抱かれて』の世界??”と思ったけど、本来ヒロインはプロローグで一本の光の柱と共に神々しく降臨するはずなのに、アタシはというと完全に誰かの思惑で異世界に召喚されたのかもしれないが、空から紐なしバンジー状態で落下。シグルーンを脅す勢いで助けを請わなければ確実に即バッドエンドだったという悲しい現実である。
確かにアタシは異世界からやって来たが、魔物の群れをやっつけたのはシグルーンの力だ。
聖女の力が本当にあるのかどうかも定かじゃない。
”この世界が本当にあたしの知る乙女ゲームの世界なのか?“と疑うのも無理はないだろう。
『其方が魔獣の群れを浄化してくれた聖女か』
対面した国王様は、アタシよりも少しだけ年上に見えるイケメンだった。
おかしい。ゲームだともうちょっとおじさんじゃなかったっけ?
でも今のアタシは、それよりも気になる存在に目がいってしまう。
それは、国王様の隣に当然のようにいる筋肉ムキムキなのに騎士ではなくコック姿をしている紫のアフロ頭と、黒の軍服姿に眼帯をしている金髪に近いライトブラウンの長髪をなびかせ不思議なポーズをとっている超絶イケメンだ。
……アレって、中二病の人が良くやってるポーズじゃなかったっけ?
というか、アンタ達みたいな濃ゆいキャラ、ゲームで一度も見た事ないけど絶対ゲームにいなかったよね??
そもそも、なんでコックが国王の側近のようにそばにいるの??!!
『……――――して、我々は“落ち人”である其方を“黒髪の聖女”として保護したいと思っている。どのような生活を望む?』
『へぁ?!』
『……ぷっ』
急に話を振られ、話を聞いてなかったアタシは思わず変な声が出てしまいシグルーンに笑われる。
相変わらずムカつく鳥である。
えっと、とりあえずこれからどういう生活を望むのかだっけ?
それならもちろん、ゲーム同様にコレしかないでしょ!
『アタシは、隣国の王立魔術学園に行き、魔法について学びたいです!』
アタシの一言で、一気に周囲がざわつき始める。
ふんふん、これはゲーム通りの展開だから想定内だ。
聖女の力がある内に関わらず、攻略対象には絶対逢いたい!それに、魔法についても学びたい!
ゲーム通りなら、この後快く了承した国王様が、アタシを“留学生”として学園に入学させるためにこの国の貴族の養女になるよう提案してくれるはず!
『なぁ、陛下。今年って確か……』
『あぁ。あの方々の子である、双子達も入学するはずだ』
『まぁ!魔王様の子供達が入学するんですの??』
『まおーさま!』
は?魔王様??
魔王様の子供達も入学って、そんな展開ゲームにないんですけど??!!
『汝に命ずる!我が眷属となりし暗黒竜の末裔と共に、誘われし世界へと行くのだ』
『??!!』
『あぁ?お前も一緒に学園に行け……って、おいライ!お前の指さす方になんて、誰もいな……』
『ライムント様ってば、相変わらず言ってる事が意味不明ですね』
『うわぁぁぁっ、お前っ、どこから湧いて出た??!!』
急に中二病的なポーズで意味不明なことを言い始めた軍服の超絶イケメンさんよ、シグルーンから“様”付けされるって一体何者なんですか??
ってゆーか、国王様の素ってこっち?めっちゃ親近感湧くんだけど。
『コホン……モジアルド、ペチアリア、なぜ其方らはこの状況に無反応なのだ?』
『え、そりゃぁ……慣れ、でしょうか?』
『魔王様のなさる事に比べたら、たいしたことございませんもの!』
『せんものー!』
『……』
国王様に同情したのは言うまでもない。
それにしても、あのモジャモジャの隣にいる女の人とその子供は“魔王様”を崇拝してるみたいだけど、“魔王様”ってこの世界では崇拝される存在なわけ??
この世界のラスボスは魔王様じゃないの???!!!
『ん~、キミの侍従か……ライムント様に言われちゃ仕方ないよね』
は?!生意気でムカつく鳥のシグルーンが素直に言うことを聞くだと??!!
あの軍服中二病男はホントに何者なの???!!!
『ねぇ、あの軍服の中二びょ……じゃなかった、軍服のイケメンって何者なの?』
『ん?あの方は精霊の王様だよ』
『……は?えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ????!!!』
『うむ、普通ならこういう反応をするよな、モジアルド』
『そうですね、陛下』
かくしてアタシは、予定通り貴族の養女となり留学生として学園に入学する事ができるようになったのだった。
嬉しい。嬉しいんだけど、それ以上にこの世界がおかしすぎる……というか、ツッコミどころが満載すぎでしょ!!これは本当にアタシが知る乙女ゲームの世界なの??!!
ってか、魔王様って一体なんなの???!!!
アタシは複雑な気持ちを抱えたまま、入学までの時間を過ごすことになった。
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ようやく黒髪の聖女のエピソード(笑)
副反応は落ち着きましたが、今週と来週はラジオの準備があるため更新ペースがゆっくりになりそう……
とりあえず、次回更新は4/23予定です。
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